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404.報道比較2011.6.4

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政局

朝日新聞・社説
「一定のめど」—菅さん、それはない

産経新聞・社説
菅首相「続投」 国民愚弄にも限度がある

毎日新聞・社説
辞任時期問題 「残る課題」明確に示せ

読売新聞・社説
首相退陣時期 政治不信の根源を早期に断て

管首相は内閣不信任案の否決後、辞任時期として原子炉の冷温停止などに言及。これが年明けまで政権を維持する意向と周囲に受け止められている。首相の早期辞職と引き換えに「不信任案・反対」に回った鳩山前首相は、「約束を守れないならペテン師だ」と首相の姿勢を厳しく批判した。
産経と読売は、一国の最高指導者と前首相の約束事が低レベルな罵り合いに発展しているとして苦言。さらに産経は、野党が態度を硬化させたうえ、存在自体が「人災」と呼ばれてきた首相に、震災対応の「めど」をつけることなどできないとし、即刻、退くしかあるまいとしている。また首相が、「事実上の通年国会になる可能性がある」としたことについても、次期臨時国会を開会させず、不信任案を再び提出させないようにする布石だと指摘している。読売も、首相の「退陣表明」が、自らの延命を図るための方便だったと受け止められても仕方あるまいとし、その不誠実な態度を批判。依然として菅首相の存在が、与野党の連携を妨げているとし、日本経団連・米倉会長の言を取り上げつつ大連立内閣の必要性を改めて説いている。
また朝日は、いったん辞意を口にした首相が、退任時期を示さないまま地位にとどまり続けるのは無理があると指摘。結果として野党が態度を硬化させ、党内対立がさらにこじれてしまった以上、期限付きの首相として震災関連の予算や法案づくりを急ぎつつ、党内で次期代表選びの作業にもとりかかるべきとしている。毎日は不信任決議案が否決された以上、不毛な政争を蒸し返すことは厳に慎まねばならないとし、管首相には今後についての説明責任があると指摘している。また一方で、密室談合の中身を金科玉条のごとく取りあげているとし、鳩山氏の言動も批判。「対決に終始することが最大野党にふさわしいとは言えまい」と自民党にも注文をつけている。

社会保障改革

朝日新聞・社説
税と社会保障—改革のバトンをつなげ

日本経済新聞・社説
実現できるか年金・医療改革と消費増税

毎日新聞・社説
社会保障改革 どんな政局であろうと

菅内閣の不信任決議案が否決された日、奇しくも政府は社会保障と税制の一体改革案をまとめた。2015年度までに消費税率を5%上げ、年金・医療や子育て支援を充実させるとしたほか、年金の支給開始年齢の引き上げにも踏み込んだ。
朝日は、負担増から逃げない案が出てきたことは評価したいとしつつ、どれをとっても先行きは厳しいと指摘。消費税の使途を社会保障に限定することにも懸念を表し、さらに5%幅の税収増だけでは、赤字国債で将来世代にツケを回す構造は解消できないとしている。なお日経は、消費税の使途を社会保障に限定することについて評価している。
その日経も、国民に痛みを求める改革案が示されたことを評価しつつ、「低年金者への加算金」などが「給付抑制策」より前面に出ていることを疑問視。さらに「5%増税」も根拠が示されていないとしている。また、年金支給の開始年齢引き上げで高齢者の雇用拡充を迫られる経済界や労組を納得させるためにも、基盤の安定した強い政権が必要だと指摘している。
毎日は、日本が最小の国民負担で皆年金・皆保険を実現できているのは、膨大な借金をしているからだとし、今後の増税の必要性を強調。そのうえで改革案に示された給付充実策と給付抑制策について解説し、持続可能な社会保障制度を今のうちに作っておかなければ取り返しがつかなくなるとしている。ただ制度自体への提言や疑問は書かれていない。

原発問題

読売新聞・社説
IAEA報告 原発の安全向上に指摘生かせ

福島原発事故を受けて来日した国際原子力機関(IAEA)の調査団が、原因に関する報告書概要版を政府に提出し、同原発だけでなく、被災した複数の原発で「津波の想定が過小評価されていた」と指摘した。また、安全規制を担う原子力安全・保安院が原発を推進する経済産業省の下にあることも問題視している。
社説は、「炉心溶融」や「電源喪失」などに関わる調査団の指摘を当然だとし、原発の危険性を語ることをタブー視してきたこれまでの日本の風潮を戒める内容。政府が国際安全基準作りに積極的に関与し、国内原発の安全向上策にも適切に取り込むことが、全国で停止中の原発の再稼働にもつながるとしている。原発推進派の提灯持ちと揶揄されてきた読売新聞が、このような社説を書いたことは非常に画期的。

産経新聞・社説
内モンゴルのデモ 人権弾圧と格差が根源だ

中国・内モンゴル自治区で、遊牧民2人がトラックにひき殺されたのを引き金に大規模な反政府デモが広がっている。近年の経済発展に伴い、内モンゴル自治区では炭鉱開発によって大気・水質の汚染が深刻化。環境破壊に対するモンゴル族の反発が強まっていた。
社説は、現在も続く中国の人権弾圧の惨状を詳述しつつ、今回の事件が新疆ウイグル自治区やチベット自治区で続く政府による強制措置と同様の構図だと指摘。今後、天安門事件のような流血の弾圧を繰り返せば、国際社会から一層の非難を浴びると戒めている。また、ひき逃げ犯の石炭運搬トラック運転手を殺人罪で起訴し、1兆円近いモンゴル族支援資金の投入を発表した政府の懐柔策についても、今度は同地区の漢族が不満を募らせるだけだとし、格差拡大という中国社会の深刻な問題の解決にはならないとしている。

日本経済新聞・社説
復旧後も霧晴れぬ自動車産業

震災で滞った自動車産業が回復の兆しを見せていることを歓迎し、今後の先行きに期待を寄せる内容。ただ、企業努力だけではとても乗り越えられない壁がいまだあるとし、円高や法人税率、FTAなどの問題に政府がいち早く道筋をつけるよう求めている。

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