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383.報道比較2011.5.18

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原発事故・工程表

朝日新聞・社説
原発工程表—溶融炉心との闘い続く

産経新聞・社説
見直し工程表 新たな知見生かし前進を

日本経済新聞・社説
原子炉の停止へ筋書きが楽観的すぎる

毎日新聞・社説
原発工程表 見通しが甘くないか

読売新聞・社説
福島原発事故 収束への取組を着実に進めよ

政府と東京電力は17日、福島原発の事故収束に向けて2つの工程表を発表した。一つは政府主導で避難住民への支援策を柱としたもの。もう一つは、メルトダウン(炉心溶融)により原子炉を覆う圧力容器や格納容器に穴があいた公算が大きいことから、東電が原子炉の冷却方法などを見直して示した「改訂版」である。
朝日と産経は、東電が示した改訂版にのみ言及。朝日はここまで2カ月もかかったことがそもそも問題だとし、事故直後の甘い想定と併せて批判をにじませている。産経は、工程表が状況に応じて変遷するのは当然だとしつつ、汚染水の抑え込みなど新冷却方式のメリットを強調。後半では管首相がいまだ「事故調査委員会」を立ち上げていないことについて批判している。
日経・毎日・読売は政府の行程表と合わせて論評。日経は政府の工程表について一定の評価を与える一方、東電の改訂版に複数のシナリオが示されておらず、楽観的すぎると批判し、政府の関与と責任の所在があいまいだと指摘している。毎日は「もっと早く示すべきだった」と政府の行程表を批判しつつ、東電の改訂版についても「目標の達成時期を、前回から変更していない」と指摘。もし住民を早くふるさとに帰すことを強調するあまり、楽観的な見通しに立っているとしたら逆効果だと説いている。読売は2つの行程表について、客観的な記述に終始。ただ原発内は放射線レベルが高く、人が近づけない場所も多いことから、ロボットや精巧な遠隔操作技術が活用できるよう、政府が中心となって開発と実用化を促してはどうかと提言している。

原発事故・賠償

朝日新聞・社説
東電決算—仕切り直すのが筋だ

福島原発事故の賠償に関わる政府の支援策が、本来は破綻状態にある東京電力を無理やり生かす枠組みであることに疑問を呈する内容。賠償総額も返済能力もはっきりしない段階で東電の決算報告が例年どおりに行われる予定であることも疑問視し、市場のチェック機能をゆがめないためにも、監査法人がその役割をしっかり果たすよう求めている。

年金問題

読売新聞・社説
主婦年金問題 与野党協力して決着を急げ

会社員や公務員の妻は「第3号被保険者」と呼ばれ、自ら保険料を払う必要はない。ただし、夫が脱サラしたり、妻のパート収入が年130万円以上になったりした場合は、国民年金に切り替えて主婦も保険料を払わなくてはならない。ところが、切り替えをせずに保険料が長期未納になっている人が42万人もいることが判明した。厚生労働省は昨年末、未納期間を「3号」と見なすことで“救済”を図ったが、「不公平」との批判が噴出。これを受けて社会保障審議会が17日、新たな対応策を発表した。政府は国民年金法改正案としてまとめ、今国会に提出する方針。
社説は対応策の中身について、救済と公平性のバランスにかなり苦心したことがうかがえると評価。ただ「本来より多い年金を受け取った高齢者に、過去5年分について差額の返還を求める」との措置は酷ではないかとし、高齢者の生活に十分配慮するよう求めている。

外交

産経新聞・社説
北方領土 不法占拠をG8で訴えよ

ロシアの大型政府代表団が日本側の中止要請を無視し、東日本大震災後では初めて北方領土の択捉島・国後島を訪問した。
これを受けて社説は、日本固有の領土に対する不法占拠を恒久化しようというロシアの国家意思を鮮明にしたものだと強く非難。ロシア軍機が日本領空に接近した際、「お見舞いや支援をいただいている気持ちを信じてお付き合いしていく」として抗議を見送った政府の対応も甘いとし、戦後の混乱に乗じて領土を侵略し占拠し続ける国際法上の非道を、国際社会に訴え続けなければならないとしている。

国際

日本経済新聞・社説
ドラギ氏が担うユーロ危機

ユーロ圏17カ国の金融政策を担う欧州中央銀行(ECB)の次期総裁に、イタリア中央銀行のマリオ・ドラギ総裁が内定した。社説は、不穏が続く欧州経済の現状に触れつつ、ECBの果たすべき役割に言及。各国の政権や財政・金融当局との駆け引きが重要になるのがユーロ圏の現実だとし、交渉力・外交術に定評のあるドラギ氏が新総裁に決まったことを歓迎している。

毎日新聞・社説
カダフィ大佐 逮捕状は当然だが…

国際刑事裁判所(ICC)のモレノオカンポ主任検察官(アルゼンチン)が、リビアに40年以上君臨してきたカダフィ大佐ら3人の逮捕状を請求した。
社説は、逮捕状請求を当然としつつも、リビアがICCに加盟していないことから、身柄拘束が難しいことを指摘。打開策としてカダフィ政権との全面戦争に突き進む選択肢もあるとしつつも、NATOの空爆などによる軍事介入から2カ月、その正当性すら問題となりつつあるとし、現実的な選択肢はカダフィ政権との政治的接触ではないかとしている。

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