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230.報道比較2011.2.12

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朝日新聞・社説
南北協議不調―韓国支え、北朝鮮に迫れ

46人の韓国兵が北朝鮮製の魚雷攻撃で犠牲になった昨年3月の哨戒艦沈没事件と、11月の北朝鮮の砲撃で4人の命が奪われた延坪島砲撃事件。対立する南北両国だが、今年になって北朝鮮は対話攻勢への路線転換を図っている。
社説はこれを「食糧やエネルギー、経済面の支援を手に入れ、後継体制を固めたいのだろう」と分析。対話の席ではいまだ北朝鮮から謝罪も賠償も行われる見込みはないが、「北東アジアの安定は韓国の自制に負っているところが少なくない」とし、 日米でこれを支えていくことが大切だと提言している。

朝日新聞・社説
弁護士会―人権擁護に投じたボール

警察に逮捕され、勾留が決まると国の費用で弁護士を頼むことができる。ただ軽犯罪や未成年の場合、弁護士がつくのは一部に限られるため、このすき間を埋めようと日本弁護士連合会は基金を設け、そこから担当弁護士に報酬を支払う活動を続けてきた。
社説は「(弁護士費用を)弁護士会に負担させるのは確かに筋が違う」とし、「弁護士を頼めず権利を実現できない人がいるのなら、同じ社会の構成員である私たちの税金から相応の応援をするべきだろう」と指摘。弁護士会の活動を「職域拡大運動ではないか」とする冷めた見方もあるが、それで片づけていい話ではあるまいと結んでいる。

産経新聞・社説
年金改革の考え方 自助自立に立ち返ろう 全ての世代で支え合う制度に

年金改革に対する新聞社としての所信表明である。「自己責任」という年金本来の大原則を重視し、「制度の支え手が減っていくのに、年金の最低水準を一律に上げようというのはもともと無理な話だ」と指摘。本当に救済すべき人を絞り込むことが肝要だとしている。
第一の提言は、年金額が多い豊かな高齢者の基礎年金の税負担分を減額し、年金以外の収入を含めても所得が著しく少ない人を対象に月額2万円程度を支給すること。「コツコツと年金保険料を納めてきたにもかかわらず、心ならずも老後の生活が苦しくなった人を応援する制度」と位置付けている。
第二の提言は、年金給付水準の抑制。現行制度の「マクロ経済スライド」はデフレ経済下では機能しないとし、柔軟に対応する仕組みに改めたうえで年金支給開始年齢をさらに引き上げることも必要だとしている。
第三の提言は、社会保険方式の維持。民主党などが掲げる「全額税方式」による「最低保障年金」を否定しつつ、医療・介護・雇用支援など今後ふくらむ歳出は年金だけではないとし、消費税の大幅引き上げが必要な「全額税方式」ではこうした分野に回す財源の確保が難しくなると指摘している。

日本経済新聞・社説
スーダン南部独立支えよう

半世紀に及ぶ内戦が続いたスーダン南部地域で先月、住民投票が行われ、99%が独立に賛成した。社説は「住民の意思を尊重し、南の分離独立、新たな国造りを積極的に支援していく必要がある」とし、油田地帯を含めた南北国境が未確定なことや、資源外交で台頭する中国の存在に警戒感を表している。そのうえで日本政府に対し、「対アフリカ外交を立て直す意味でも、まずはスーダンの分離独立が安定的に進むよう一層の貢献策を検討していくべきだろう」と提言している。

バラマキにならぬ求職者支援に見直せ

政府は職業訓練中の失業者に生活費を支給する「求職者支援制度」を恒久化することを決め、そのための法案が近く国会に提出される。財源は3年後をめどに全額が一般財源に切り替えられ、雇用保険料は充てない仕組みとなる。
社説は「成長分野へ人材を移すため、失業者が必要な技能を身につけることへの支援は大いに意義がある」としながらも、中身が伴っているかについては「疑問」としている。現在でも生活費をもらうだけで訓練に熱心でない受講者がいたり、助成金めあてで真剣に教えない訓練校があったりすると指摘し、事業者に再就職させた実績などを競わせることで、効果の上がらない講座は淘汰される仕組みが必要だと提言。「訓練」と「就職先斡旋」を同じ民間に任せることでも効果は高まるとしている。また、雇用保険の対象者を広げれば一般財源化することはないと主張している。

毎日新聞・社説
日露外相会談 領土、信頼築き粘り強く

応酬で互いが不信のスパイラルに陥る中、前原誠司外相がモスクワを訪問し、外相会談が実施された。
両国は北方領土での経済協力について、日本の法的立場を害さない前提で議論を進めることで一致。しかし会談後の会見でラブロフ外相が中韓両国との協力の可能性に言及したことで、前原外相は「日本の立場と相いれない」と反対の考えを示した。社説はこれを当然だとし、それでも両外相が「静かな環境下で協議する」と再確認したことを好意的に評価している。
社説後半では2012年に控える大統領選や民主党の対露軽視などロシアの事情は考慮しながらも、「冷え切った両国関係が、ロシア側の言動によって引き起こされていることを自覚すべきである」と批判。そのうえで「経済外交」を掲げる前原氏を支持し、経済協力の進展を「ロシアへの一方的譲歩」とする見方もあるが、それが領土問題の比重低下ということには必ずしもならないと結んでいる。

取引所大合併 さあ 日本はどうする

ロンドン証券取引所がカナダのトロント証券取引所を運営するTMXグループと合併し、上場企業数世界一の取引所グループが生まれることになった。
昨日の日経新聞と同じで、新興の電子取引所にシェアを奪われないよう、高速でグローバルなシステムの構築が急務となったことが再編の背景に挙げられている。システム構築には巨額の投資を要するため、再編によって資金力を高め、これを実現しようということだ。また、収益性が高いとされるデリバティブ(金融派生商品)取引が、不透明な相対売買から取引所を通じた売買にシフトすると見られていることから、合併によりこのような成長分野で優位に立ちたいのだろうと分析している。
日本には無縁な話のようだが、社説はこの流れがアジアにも波及していることを指摘。取引所の活性化を図る努力は日本でも始まったが、変革のスケールとスピードで世界とのギャップはあまりにも大きいとし、日本にある約1400兆円の個人金融資産を十分に生かした「検討」にとどまらない「行動」が急務だと結んでいる。

読売新聞・社説
日豪EPA 早期合意がTPPの試金石だ

10か月ぶりに再開した日本と豪州の経済連携協定(EPA)の交渉は、大きな進展がないまま終了した。
他4紙がすでに取り上げた話題だが、他紙と同様、この交渉をTPPへの試金石とし、農業分野などで聖域を作らないよう提言している。そして豪州に豊富なレアアース(希土類)の安定供給など当該EPA・TPPのメリットを挙げ、関税引き下げなどで打撃を受ける農家の支援策などを検討しながら関税撤廃への道筋をつけよと主張。韓国に先を越されないよう、本腰を入れて取り組まねばならないとも指摘している。

高速道路無料化 予算を重要路線の整備に回せ

国土交通省が高速道路の料金無料化の期間延長と、対象区間の拡大などを発表した。
社説はこれを「大盤振る舞い」と指摘し、菅内閣の姿勢を「ポピュリズムの典型」だと批判している。そして無料化や割引を拡充する財源があるなら、需要度の高い首都圏環状高速の整備や、片側1車線の危険な路線の拡張に使った方がよほど有効ではないかと提案。無料化による渋滞や鉄道・フェリー会社の経営悪化などマイナス面も挙げ、世論調査でも多くの国民が不要と答えているのになぜ強行するのかと疑問を投げかけている。

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