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226.報道比較2011.2.9

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朝日新聞・社説
衆院集中審議―越えられない違いなのか

衆院予算委員会で8日、民主党・政権公約の財源問題を主題とする集中審議が開かれたことに関連し、「熟議」への道のりは遠いと感じざるをえないと懸念を表する内容。
自民党の質問者は政権公約の破綻を指摘し、衆院解散・総選挙に踏み切るよう菅直人首相に迫ったが、社説では論戦で乗り越えられないほどの政策の違いが自民・民主両党にあるのだろうかと問題提起。批判の多い子ども手当についても、子育て支援そのものに一定の財政支出をすることは自民党にも異論はないはずだとし、政策よりも政略を優先する対応を非難している。
民主党に対しても「秋までに検証を行う」と繰り返すだけの首相を批判。社民党などいたずらに連携相手を模索する姿勢にも疑問を投げかけている。
対ロシア外交―対立断ち切り対話に戻れ
日ロ関係が激しい非難の応酬を繰り返す深刻な状態に陥っているとし、建設的な対話路線に戻れと提言している。
既成事実を積み重ね、帰属を無理やり認めさせるようなロシアの乱暴な手法に日本が懸念を示すのは当然だとしながらも、先日の管首相の「許し難い暴挙だ」との発言を唐突だと批判。首脳レベルの日ロ外交がほとんど機能していない現状を指摘し、新年度予算案審議にも苦労する弱い政権基盤のもとで声高に領土問題の早期解決を叫んでも、ロシア側に足元をみられるだけだろうと分析している。

産経新聞・社説
小沢氏処分 首相の決意はどうなった

疑惑解明のための国会招致に応じず、政治的かつ道義的に真摯に対応しなかった小沢元代表に対し、菅首相は年頭会見で「裁判に専念されるべきだ」と辞職を迫っていたが、いまだ党内で結論がまとまらないことを指摘し、年初の意気込みはどこへいったのかと苦言を呈している。そして初公判に臨んだ石川元秘書らの法廷戦術を取り上げ、政治資金規正法をあまりにも軽んじていると批判。国民が納得できる詳しい説明を改めて求め、野党が求める元代表の証人喚問に応じない姿勢を早々と示した民主党と併せて非難している。

日本経済新聞・社説
日豪EPA「例外づくり」交渉にするな

日本とオーストラリアの経済連携協定(EPA)締結に向けた交渉が再開した。
毎日新聞と同じ話題で、農産物の扱いを焦点とするところで一致している。そのうえで段階的な市場開放を前提として交渉を進め、TPPへの一里塚にすべきだと提案。TPPより2国間交渉に力を入れるべきだと主張する「EPA先行論」が政権内にあることを警戒し、「例外」を設けては交渉が前に進まないと主張している。農業については、生産性を高めることを条件にしたうえで所得補償をするなど、国内農業を支援する新しい枠組みを急いでつくる必要があるとしている。

ミャンマー 民政移管の課題

ミャンマーで約半世紀ぶりに国会が開かれ、軍事政権ナンバー4のテイン・セイン首相が大統領に選出された。朝日新聞がこの民主化を「国の変化や民主化への期待感など、まったく伝わらない」と強く非難していたのと比べると穏健な論調である。体制が変わることは間違いないとし、新政権の実態を把握したうえで「民政移管」が前向きの変化を生むよう促す援助をせよと日本政府に求めている。ただスーチー氏など民主化勢力との対話拒否や少数民族への弾圧については朝日新聞と同じように批判し、「新政権が民主化や人権の問題で目に見える変化を示す必要がある」としている。

毎日新聞・社説
日豪EPA 試される政府の本気度

経済連携協定(EPA)をめぐる日本とオーストラリアの交渉が再開したことに関する話題。
社説前半では「平成の開国」を唱える日本政府の本気度を試す交渉でもあるとし、オーストラリアにとっては自国の産品の大半がすでに無税で日本に輸出されていることから、農業分野で関税撤廃が実現しない限りオーストラリアのメリットは乏しいと指摘。この交渉は同じく農業分野で国内対立のあるTPPへの参加の先例ともなるだけに、非常に重要だとしている。
社説後半では農業の補償措置を講じつつ、競争力を備えた農業に転換することを見据えて今後の交渉に臨めと提言している。

スーダン南部 独立後は共存共栄で

1月の住民投票で独立賛成票が約99%にのぼり、開票の最終結果を受けてスーダンのバシル大統領が南部独立を受け入れる大統領令に署名した。
社説前半では南北の宗教の違いや200万といわれる犠牲者を出した内戦について指摘し、この独立を歓迎。「南北の境界にある油田地帯(アビエイ地区)の帰属が決まっていないのは大きな火種」としつつ、平和的に問題を解決して共存共栄を図るべきだと提案している。
社説後半では、スーダン北部政府の背後にいる中国と、南部独立勢力の背後にいる米国の存在を指摘。「独立問題が大国の都合に左右されることを改めて思い知らせた出来事」と断じ、国際社会に「不公平感を助長しない取り組み」を求めている。
なお、「スーダンは米同時多発テロの首謀者ウサマ・ビンラディン容疑者が一時滞在し、98年には米国のミサイル攻撃を受けた」と社説は書いているが、あれは完全な誤射であり、破壊されたのはミルク工場と薬品工場だった。当時の国際社会の米国への批判をもう忘れたのか。この紹介の仕方こそ不公平である。

読売新聞・社説
穀物価格急騰 食料危機への警戒が必要だ

小麦や大豆など主要穀物の国際取引価格が急上昇していることに関する話題。社説では世界的な異常気象による供給減少と新興国の需要急増が原因と指摘。米国などの量的金融緩和でだぶついたカネが、穀物市場に流れ込んでいることも一因だとしている。
穀物価格の上昇は貧困層を直撃するもの。これが中東などの政情不安にもつながっているとし、対応を途上国自らの政策努力だけに委ねるのではなく、国際社会が協調して臨めと提言している。

外国人看護師 日本語を非関税障壁にするな

経済連携協定(EPA)に基づいてインドネシアとフィリピンから受け入れた約420人の看護師希望者が、今月下旬、看護師試験を受験することに関する話題。現在、試験の合格率は1%台にとどまっているが、漢字の判読が大きなハンディになっているためだとの批判を受け、昨年夏、厚生労働省は難解な漢字にルビを振るなど試験問題の改善を図った。
社説では医療・看護の専門用語がルビの対象外となっていることに触れ、日本人看護師の雇用機会を奪われたくない日本看護協会が、大幅な見直しに消極的なのが原因との指摘を紹介。3年期限の在留期間も短いとし、EPAに基づく介護福祉士も4年の在留期間で1度しか試験を受けられないなど“非関税障壁”ともいえる制度の不備が両国との外交摩擦に発展しかねないと警鐘を鳴らしている。

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