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209.報道比較2011.1.28

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朝日新聞・社説
共通番号制―実現へ問題を論じ尽くせ

本日、社会保障や所得・資産の個人情報をまとめる共通番号制について、導入に向けた基本方針を政府が示すが、これを単なる利点の説明だけで終わらせず、さらに議論を尽くしてほしいと要望している。
社説では、効率的できめ細かい社会保障のためにも必要な制度だとしつつも、個人情報の漏出など問題点も指摘。「導入を急ぐあまり、番号の効用ばかり強調して負の側面についての議論をおろそかにするのは論外だ」としたうえで、「何のために、どう使うか」「公正で安全な仕組みをいかにつくるか」をとことん議論することこそ、国民の理解と合意への必須の条件であると結んでいる。

エジプトデモ―民主化宣言し流血避けよ

エジプトでムバラク大統領の退陣を求める市民のデモが広がったことに関する考察。
毎日新聞と同じ話題だが、言論の自由が制限され、政権を批判すれば逮捕状なしで拘束されることなど、エジプトの強権体制についてより詳細に触れている。そのうえで先日のチュニジア「ジャスミン革命」と類似点が多いことを指摘しつつ、中東和平やアラブ諸国間の仲介役、調整役であるエジプトの混乱が周辺地域の混乱にもつながりかねないと懸念を表している。そしてこの混乱を解決するには民主的な選挙の実施しかないと結論付けている。

産経新聞・社説
米一般教書演説 国民を鼓舞する姿勢学べ

昨日の他4紙の社説と同じ話題であるが、オバマ氏が米国の国際競争力の向上と経済再生を国民に呼びかけたことを取り上げ、「中国など新興国の追い上げに対抗し、未来の勝者の座を堅持していくための決意表明」と位置付けたのは独特の考察だ。
アメリカの現状を「日本とも共通する」とし、オバマ氏のような危機感が管首相にもあるのかと疑問を投げかけている。首相に示してほしいのは、政権維持に腐心するレトリック(修辞)でなく、国を繁栄させるための道筋と実行力だとし、現実を直視せよと結んでいる。

日本経済新聞・社説
国債格下げは政治への不信任

米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本国債の格付けを引き下げたことに関する論評である。
社説で懸念しているのは、財政内容の悪さとともに、日本政府の問題解決に取り組む意志についても疑問を呈された点。日本では家計や企業の安全資産志向が強く、貸出先の乏しい金融機関が国債を購入し続けていることなどから、国債の消化には支障を来していないものの、「市場の信認喪失は財政・金融の連鎖的な危機の引き金となりかねない」とし、「長期金利が急上昇してからでは遅い」と指摘。金融市場が本格的な反乱を起こす前に危機感を共有し、問題に取り組まないと大変なことになると結んでいる。

毎日新聞・社説
エジプトのデモ 強圧的な鎮圧策やめよ

エジプト・ムバラク長期政権に反発する群衆が25日、全土で数万人規模の抗議行動を繰り広げ、その後も政府機関に放火するなど行動が先鋭化している。先日、北アフリカ・チュニジアで起こった「ジャスミン革命」が同国にも飛び火した格好だ。チュニジア同様、発展したインターネット環境が民衆の連帯を強固にしたが、イスラム原理主義勢力が国民から一定の支持を受けているところも似ている。
社説では、現政権の弱体化で宗教勢力が台頭することを警戒し、形ばかりの選挙制度など遅れた民主化についても批判している。

イレッサ 誰のための副作用情報

肺がん治療薬「イレッサ」の副作用で死亡した患者の遺族らが国と販売元を提訴した損害賠償請求訴訟で、国・販売元とも裁判所の和解勧告を拒否する方針であることに批判的な内容だ。
訴訟の焦点は「承認審査」「販売時の情報提供」「副作用対策」が適切だったかどうか。社説では上記3点について、販売元の言い分を紹介しながらその不備についてそれぞれ指摘し、「薬の副作用は不可避」「誤りを認めたら医療崩壊を招く」と繰り返すばかりの販売元を強く非難している。また、情報開示に消極的な肺癌学会など、医学界の隠蔽体質そのものへも矛先を向けている。

読売新聞・社説
国際「親権」問題 ハーグ条約の加盟作業を急げ

国際結婚の増加に伴い、離婚した日本人の元妻が子どもと一緒に日本へ帰国してしまい、外国人の元夫から訴えられるといった親権を巡るトラブルが増えている。これについて政府が通称「ハーグ条約」への加盟検討をはじめたことを歓迎する内容。
同条約は、加盟国に子どもの捜索や元の居住国への返還などで行政協力を義務づけるもの。ただ、日本人の元妻が子どもを連れ帰るケースでは、元夫の家庭内暴力が原因の場合もあるという。それでも返還義務が生じるとなれば、日本人が不利益を被りかねない。同条約は子どもを危険にさらす可能性がある際は元夫へ返還しなくてもよいと定めているが、その基準は不透明だ。社説では条約加盟を前提としたうえで、返還拒否事例の分析など残る懸念材料の早期解決を求めている。

ベトナム党大会 新指導体制で改革の加速を

5年ぶりにベトナムで開催された第11回共産党大会で、新たな書記長にグエン・フー・チョン国会議長が選ばれたことに関する論評である。
ベトナムのトップ交代は10年ぶり。社説は、共産主義体制のもとで市場経済化を目指す「ドイモイ」を継承するチョン氏に信頼を表しつつ、現代ベトナムが直面するインフレ、貧富の格差拡大、役人の汚職構造、中国国境での漁船トラブルなどを紹介している。また、日本はベトナムにとって最大の援助国であり、一昨年にはEPAも発効。原発の建設やレアアースの共同開発も決まっていることから、政府に対しても一層の関係深化を求めている。

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