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4472.Experiencesは、ビジネスに直結する。知恵次第で

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2週間前のAppleの発表を見ている時、仕事でメインで使っているiMacは入院中でした。

Macを修理したりリプレースするタイミングは、いろいろ節目のタイミングに重なることが多く、WWDCの出発前だったり、大きな仕事を終えた後だったり…こういうの、私だけではないのでは?
チームメイトのような感覚で、クルマやコンピュータは私を支えてくれています。
物欲は感じないタイプですが、愛着はいくつかのモノには感じますね。
この愛着が、エクスペリエンスにも、ビジネスにも、とっても大事な要素。

今では、Appleの修理に関するエクスペリエンスは、想像を絶するレベルまで向上しています。
おそらく、どんなプロダクトでもサービスでも、ここまでできているのはAppleだけでは?
しかも、さらに進化、改善、洗練されていく。

この向上が、ビジネスに十分にメリットがあり、すべきことなのだと、改めて気づかされたので、連休にいろいろ思案するにはちょうどいいな…と思って書いてみます。

知らない人もいるので、Appleのデバイスの修理に至る流れとともに、私個人のエクスペリエンスをお話します。

1. 調子が悪いな?と感じはじめる

モバイルなら充電がヘタった?とか、PCなら今までうまくいってたことができなくなるとか、突然再起動されるとか、おかしなことが起きはじめます。
頻発しませんが、あれれ?と思う頃。だいだい、ググりますよね。
以前はここで、ブログだったり、PC系のメディアだったり、販売店で修理を売り込まれたり…およそ楽しい体験からはちょっと遠い、あまり踏み込みたくない世界を目にすることになります。
それが、最近は、主要な問題に関しては、Appleの公式な情報がトップにランクされるようになってきました。多少、堅苦しい表現が多いですが、翻訳の問題かな?と許せるレベル。バッテリーがどういう時に減るのか、または減ったと感じるのか、どこに的確な情報があるのか…などを、公式にサポートしてます。
私が、ブログでApple系のトラブル・シューティングを書かなくなったのも、オフィシャルが充実してきたのは一因。かなり専門的な内容でない限り、もうボランティアは必要ない時期に来たなあと感じています。
これで助かれば、使い方で問題が解決されたり、ああ、そういえば買い替えの時期かもね…と、ユーザー自身が気づきます。

自ら気づくのと「そろそろ買い替えじゃないですか?」とセールスマンに言われるのは、大きな差です。

2. 修理が必要な状態に陥る

ハードウェアに問題がある場合、どこかでマシンがギブアップします。
こうなると、冷静でいられる人は経験者くらい。ググりまくり、ベストなサポートの窓口を探しまくります。
今回の私は、OSのインストールをしようとした時に「ストレージが見つからない」と言われたので、入院を覚悟しました。iMacのSSD, HDDの入れ替えは素人にはムリとiFixitでも出ていて、機材を買う気もありませんでした。
なので、Apple Storeに持ち込む気もなく、ピックアップに来てもらうのがいいな…と。

このあたりは、私は経験者なので慣れていますが、充実したサポートがAppleにはあります。
モバイルの時は、Apple Storeの予約を取って、店頭で直してもらえるものなら、その方が快適です。いろんなことを教えてくれますし、たいていAppleのストアは、どこもすばらしい場所にあるので、店内も退屈しませんし、出かけても時間を潰しやすい。

リモートで依頼する時も、電話でも、チャットでも。
画面共有を駆使して、こちらのデバイスに入り込んで調査してくれたりもします。
いつも思うのは、

  • ねえ、説明にどれくらい時間かかるの?
  • ちゃんとわかってくれる?この状況。
  • ホントに直せんの?あんた
  • わかんないと思って、おかしなことしないよね?

のような、修理という状況で誰もが感じるストレスを、Appleは最短時間で、冷静に、解消していきます。不信が、信頼に変わっていく安心感。相手をしているApple側も、この瞬間を心待ちにしているのでしょうが、医者にかかって的確に診断してもらった時のような、道に迷っている時にベストのルートを教えてもらったような安心を、Appleはどのチャネルでも、同じクオリティで、いつでも提供しています。
よくありますよね…
「あ、その件なら電話で」
「あー…それ、ショップでしかできないんですよー…」
「15:00までなんですよねー」
という対応。
一方で、やってみろと言われると、相当にムズカしいことも判ります。ナレッジを共有すること、不均一なスキル・レベルを均等に向上させ、すべての場所に配置すること。これを地球全体でやっている。すばらしいとしか言えない。

今回、私は、チャットでした。
事前にハードウェア・テストを自分で行っていたので、この画像を送ったら、話はすぐに終わりました。
ちなみに、このソフトウェアもどんどん洗練されていって、修理時に確実に知りたくなるシリアルナンバーがしっかり見えるようになりました。

店頭ではウィットに富んだ会話が楽しめるんですが(海外だと、さらにレベルの高いエンターテインメント品質のディスカッションができます)チャットだからか、とても丁重でした。
症状の話が終わり、方針が決まります。
個人情報を訊かれると、すぐにメールが届きます。

3. 明朗でシンプルな価格設定

段取りが終わった時に、修理代金は「最高額で●●●●●円、この金額をクレジットカードでデポジットしてくれ」と言われます。
シンプルでダイレクトなので、「払えないなら帰れ」と医者でも言うアメリカンな感覚かもしれません。

私は慣れていることと、これは正直で、おそらくベストなやり方だな、と思います。

  • いくらか判らない、どんどん金額が増えていくような修理の不信がない。
  • 買い替えたい、もっと安い修理方法を他社で探す?というオプションを選択するのにベストな提案。
  • 旅行先でも、突発でも、Appleにとってはリスクゼロで修理可能。
  • 分割払いやローンはAppleにとっては無関係。ユーザーにとっては選択可能。

また、私にとっては、修理代金を「高い」と感じたことは、今まではありません。
専用の配送ボックスを持ってピックアップに来てくれて、部品代を気にせず、仕上げて届けてくれる。しかも、私は過去に経験がありますが、会計は明朗です。デポジットより安い時が何度もあります。最高額といわれたらこの金額、ということはありません。

修理のビジネスは、数々のリスクとともにチャンスもあるのでしょうが、ユーザーもそれくらいのことは当然予想しています。託すからにはフェアにやってほしいというのが当然の感覚。一方で、調子のいいことを言ってしまって赤字を受け入れることになったり、高めの見積もりを出したら他に行ってしまうプレーヤー側の不安も判ります。
公式だからできるという強みはあると思いますが、フェアなスタンスをユーザーに感じてもらうのは数々の経験からの改善が生きています。

クレジットカードでデポジットが終わると、修理受付完了。あとはピックアップを待つことに。

4. プロフェッショナルなピックアップと状況確認

ピックアップは、丁重な専用ケースを運送会社が持ってやってきます。キーボードやコードは置き去りで、最低限の修理品以外は、持っていきません。およそ素人が必死にやる梱包より確実で迅速。
受け取りが終わると、修理状況は逐次メールで報告されます。

今回は、SSDがなかったようで、こんなメールも。
けっこう待たされましたが、何やってて遅いの?の不満はありませんでした。

すべてが完了すると、発送とともにメールが。

そして、同じプロフェッショナルな配送で、希望日に届きます。

5. ソフトウェアの洗練は、着実だが、まだ半ば

ここからは、自身でのレストア作業。
ハードウェアなので、マウスは有線じゃないとつながらない事が多いので、古いマウスを引っ張り出してきてつなぐと、フツーにつながります。
このあたりはAppleカルチャーに感謝。古いものは切り捨てていくところも多いんですが、ツボは押さえてくれてまして。

レストアがはじまります。

「原因不明のエラーが起きました」とか言われることも過去は多かったですが、最近はそのあたりは解消されました。
ソフトウェアを作っている立場としては難しい、レアだから後回しになってるところもあると思うのですが、できれば改善してほしいポイントをいくつか。

  • 時間表示はいつもアバウト。この計算が難しいのは理解できるんですが、18時間が4時間になって2日以上と言われると…萎えるので、計算方法を工夫してほしい。
  • まっさらのストレージには、一度、OSをインストールしてから移行アシスタントでバックアップから復旧する流れになっています。アカウントをコピーできてしまわないように…といった対応からだと思います。その発想は納得するので、だったらTime Machineから復旧は、まっさらなストレージの時は選択肢から外してほしい。選べるんですが、アカウントを選択した時に「読み込めない。バックアップがおかしい」と言われると、復旧できないのでは?とドキッとします。
  • そろそろTime Machineからの読み込みをしている途中で、選択肢を行き来したり、個別選択のパフォーマンスを向上できないですかね?何度も待たされると、結局「全部戻して後で消す」と考え、作業にロスが出ます。

これで、SSDの部品代込みで70,000円弱。安くはないですが、他を捜す気にはなりません。
ただ、他社が入り込めるくらいの価格設定だと思いますし、利幅も十分ありそうな気もします。
公式がここまでやると、他社はもっと良いものでないと入り込めない。その障壁はとてつもなく高いですが。

もうひとつ、私が驚いた過去の経験を。

Macを買う時、Appleが付けてくるメモリは高いので、一番少ないRAMにカスタマイズして、残りは安く調達して自分で付ける。
これは、私の中で、良く知られたセオリーでした。4年前にコンテンツでも書いたくらいです。
Macを買う前に。RAMとストレージをメンテナンス方法を確認して、なるべく安く調達

このやり方で、別のメモリを付けたiMacを、保証対象期間に別の問題(パワーサプライの異常)で修理に出したことがあります。
すると、社外メモリが外され(ちゃんと同封されて返却)、公式認定のRAMがセットされ、修理履歴には「問題発生の原因ではないが」と記載して、無償でRAMが交換されていました。

ラッキー!…で済ませます?私は次回からはRAMはフル充填でApple Storeで買おうと思いました。
この部品代が、修理費全体のコストを上げている、公式のRAMにしないことで故障率を上げている…
AppleのRAMは高い。ですが、ここまでやられると、ユーザーの心理は変わります。
サービスすればいいのではなく、他の場面で徹底的にフェアにAppleが取り組んでいるからです。

クルマや家電でも修理はありますが、どうも納得できない思いが残ることは多い。
修理には、イヤな体験の方が、確実に多いと思います。
アンフェアと思える場面は、さらに多い。
クレームやリペアは、次のお客様へつながるチャンスと言われながら、実現できない理由と、気づきのポイントは、このあたりにありそうです。

So, what do you think ?