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3969.報道比較2019.12.27

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Wall Street Journalに多くの魅力的な話題が。考えさせられる話題の提供はすばらしい。この1年、国内紙の衰退は想像以上だった。年末に各紙がさらに醜態を晒している。メディアも海外にスイッチすべき時だ。

Wall Street Journal
電子たばこで分かった大麻の危険 (2019.12.26)

合法化が州単位で加速し、新たなビジネスになるとの期待もある大麻に急ブレーキをかけそうな電子たばことの因果関係と健康被害。Wall Street Journalが早速社説でスタンスを表した。経済や政治がコメントしにくい可能性を意識しての決意表明だろう。ジャーナリズムとして誠実で信頼できる。日本の新聞には最近まったく感じられない姿だ。
アメリカが大麻をビジネスとして語りはじめたのは2015年あたりだろうか?国としては違法としながら、州としては合法と決定する州議会が現れ、オープンに大麻が消費できる街ができてきた。そこで儲けたカネに国税が重税を課しに来たという笑い話を聞いて、アメリカらしい世界を見た気がしていた。空港のゴミ箱の横に「大麻は他の州には持ち込めません。ここで捨ててください」とペットボトルの飲料のような廃棄ボックスを見かけたのも数年前。アメリカの街で大麻の匂いを普通に感じるようになった。それでもジャンキーも、マフィアもいない。まだリセッションを越えてないから、どれほど麻薬が社会にインパクトを与えるかは未知数だが、合法にした分、ダーク・サイドがほとんどないのは、健全に見えていた。そこに、大麻を全否定するような疾患リスクがリリースされた。オピオイドであらゆる人が怒っているアメリカで、合法化を目指そうとしている大麻にリスクが指摘されたのだから、担いできた議員連中、ビジネスを立ち上げた事業家や投資家には具合が悪い。見たくない、語りたくないニュースだろうが、人が死んでいる。急速にアメリカは方針を変えるだろう。

Wall Street Journal
希少がんの患者増加、シェール採掘と関係か (2019.12.24)

クリスマスに見かけた、アメリカの興味深い話題。シェールで復興した街に、奇妙な病気が蔓延しはじめた。放射能や化学物質が原因になっている?疑問が生まれはじめている。注目に値するのは、被害を受けている人たちと産業界、自治体に疑念や不信がないこと。誰もが協力し、原因を究明して解決しようと協力している。これだ。我々が原発事故でほしかったものは。神戸の震災にはあって、3.11には感じられなかった結束。あの頃から、いまの政権になって、日本が失いつづけた協力の感覚。街が原発とともにあったのだから、街は協力の意思を持っていたはずだ。だが、それを失わせたのは、本当のことを教えてくれないという疑念からはじまった。言うことが変わり、隠され、今でも何が真実なのか判らない。そんな関係になれば、技術の是非やカネの損得ではなくなる。新しい技術には不明なことも、未知の領域もある。誰だって恐い。だから信じ合えるかが大前提になる。アメリカのシェールの街には、さいわいにもそれがある。こういう街は、原因が見つかっても適切に賠償され、過去の痛みは前向きに消化される。日本の原発のある街には、いまやどこにもこの雰囲気はない。いまの政権になってから、日本中から信頼が消えている。元に戻るまで、失われた30年以上の時間を要するだろう。日本が失ったものの大きさは計り知れない。

朝日新聞・社説
福島の処理水 地元との対話を重ねよ

12.25の毎日の後追い。前述のWall Street Journalの方が、ずっと心に響き、考えさせられる。説得力のない批判は数分で忘れる。表現を考えるべきだ。

朝日新聞・社説
出生数86万人 重層的な少子化対策を

産経新聞・社説
出生数90万人割れ 少子化への危機感足りぬ

昨日先行した読売の話題の後追い。昨日の読売同様、深刻そうに語るものの、内容は薄い。本気で考える意志はないようだ。問うても「私たちは新聞なので」と答えるだろう。政治が当事者なのか?行政が?結局、誰にとっても自分のことではない問題。日本はこういう問題を解く能力が極めて低い。メディアはまた、こういう問題の伝え方が極めて下手だ。恐がらせるだけで数分後には忘れる程度の興味しか植え付けられない。やがて、誰もが無関心になる。問題は置き去りのまま。このやり方は間違っている。

毎日新聞・社説
伊藤詩織さんの裁判 性被害者を守れる社会に

遅いと感じた朝日から、さらに1週間。この姿勢から感じるのは「毎日の感覚など、こんなもの」という冷淡な落胆。期待はしていないが、これなら動かない方が思えるほど呆れる行動。何を言っても信じてもらえない存在に自らなろうとするのが、まったく信じられない。

毎日新聞・社説
大阪都構想の制度案 焼き直しでは意味がない

いま急いで語る理由のある話題?片方の社説は完全にタイミングを失い、片方は先走るように来年の話。落ち着け。

読売新聞・社説
2019回顧・世界 米中攻防の行方は見えない

防衛予算 調達の改善で効率化を図れ

読売は、どうしようもない領域まで堕ちた。今年、それが顕著に見えた。誰の目にも明らかなほど政府に迎合している。これが産経のようなカルトなら判る。発行部数世界一の一般紙が、他紙が懸念する防衛費の膨張という懸念に一切振れず4日も遅れて政府の姿勢だけをバックアップする。どれだけ意見が近くともあり得ないだろう。政権が弱体化して支持率を失っている中、読売も気が気ではない?政治に寄り添えば、こうなることは最初から自明。戦後に誰もが学んだはずの失敗を、何に魅せられたのか引き返せないほど踏み込んでしまった。安倍政権も同じだが、支持を失った時の惨めさは驕った分だけ大きい。やり直しには相当時間がかかるだろう。

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