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3507.報道比較2018.9.26

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「アメリカが一番だからって、なんでもタカるんじゃねえ」と、ブレずに国連で語ったトランプ氏。あとは我が国のリーダーが、どう考えるかだ。通常、先に国民に説明してから、他の国と交渉をはじめる。安倍氏が国民にアメリカとどう話をしてくると伝えたことは、今まで一度もない。

Wall Street Journal
トランプ氏、強硬な貿易政策の妥当性を強調 国連演説 (2018.9.26)

明日、国内紙が大きく報じる可能性のある話題を、Wall Street Journalが先行して掲載。最近のWall Street Journalは翻訳のスピードも早く、国内紙の現地取材を圧倒している。しかも品質が圧倒的に高い。世界を意識した時、日本のメディアは完全に役不足になってしまった。
トランプ氏の演説は、中間選挙など意識せずとも、相変わらずトランプ流を貫いたものになった。アメリカ・ファーストで大統領に選ばれ、ブレずに2年。経済も盤石で、今のところ失ったものは国際関係と尊敬。変わる必要性は感じていない。一見、ハチャメチャに思えるが、実はしっかり筋が通っているトランプ氏の論理。「アメリカが世界で一番だからといって、なんでもタカるんじゃねえよ」という感覚は、アメリカ国内の弱者には確実にヒットするし、他国も認めざるを得ない面は多くある。移民やパリ協定脱退は反発が強くても、ヨーロッパがNATOにカネを出さずにいたのは是正されるだろう。知的財産権を強奪しながら安い製品を売って儲けるなら、中国製品に相応の関税を課すという発想も、日本がクルマで儲けるなら、工場をアメリカにもっと作るか、関税を上げるというのは、トランプ氏に言わせれば「いつまでアメリカがおごってやんなきゃいけねえんだ?」なのだろう。
自動車に関しては、トランプ氏の要求を受け入れても、日本の製品の魅力は世界に通用するだろうと信じている。ただ、他の業界、たとえば日本の農業や食肉業が、トランプ氏の主張にも正論があると捉えて解放した時に痛みに耐えうる体力があるかは悩ましい。同じだけの痛みを、クルマを作っていたはずのアメリカ人も受けたのだ、助けたいなら自分の国で補助金を出せ、というのがトランプ氏の主張。国内紙は感情的に批判するかもしれないが、筋は通っている話なのだ。さて、あとは我が国のリーダーが、この問題をどう考えるかだ。普通のリーダーは、自ら国民に説明してから、他の国と交渉をはじめる。ブレたりはしない。安倍氏が国民に、アメリカとどう話をしてくると伝えたことは、今まで一度もない。どちらが信頼に値するだろう?

産経新聞・社説
米朝首脳再会談 トランプ氏は功を焦るな

日本経済新聞・社説
トランプ氏は北に着実な非核化を迫れ

読売新聞・社説
米朝再会談 「北」主導で非核化は進まぬ

前述のトランプ氏の感覚を思えば、この国内紙の発想には、アメリカ人は笑って「じゃあ、いくら出す?」と言うだろう。アメリカは自分の国のためにやっているのであって、韓国や日本のために動いているわけではない。同盟?そうだね、じゃあ、いくらで?となるのは十分に予想できる。代わりに日本ができることがあるのならカネはいらない。できることもないのに、口だけ出すことなどできない。産経、日経、読売は、朝鮮半島の平和をいくらで買うつもりだろうか?もし、そんな想定もないなら、アメリカにどんなメリットを提供できるというのだろう?

毎日新聞・社説
伊方原発の再稼働容認 リスクを直視していない

読売新聞・社説
伊方原発異議審 常識的判断で稼働を認めた

毎日と読売の解釈に大きな開きがある。裁判所は、毎日と読売のどちらの主張に近いのだろう?最高裁まで時間を使う話になりそうだ。長い時間の間に災害が起きないことだけを願うばかりだ。

朝日新聞・社説
空港と災害 関空の検証が問われる

やはり50年に1度の災害という形容が、問題をぼやけさせている気がする。50年に1度なら、51年目以降の災害は許容するという意味?違うはずだ。最近の気候変動に合わせた災害の変化を見れば、将来の見通しが変わりはじめているのも大きい。1メートル当たりの堤防コストがいくらで、10メートルにすると過去のどの規模に耐えられる、15メートルでどれくらい…という説明の方が判りやすいのだが。かけたコストの話が抜け落ちているから、一度起きた事故の問題を素直に受け止められないのではないか?建設費が高騰すれば、それもまた非難の的になる。かけられる対策コストを、当事者はそれなりに考えて組んだはずだ。「50年に1度は耐えられるが、100年に1度は耐えられない」と言われるよりは「20メートルを越えたら水が来るから避難。その後の復興費の方が安いから、堤防の高さは20メートル」というルールの方が確実に判りやすい。伝え方の問題と、朝日の主張にコストの話が欠落しているのが問題だ。

日本経済新聞・社説
服を捨てないアパレル業に

昨日、朝日が食品ロスを話題にしていたのに通じる。いかにロスを出さないかは、今後の経営の品質を表現する上で重要な指針になる気がする。利益率よりも重要な指標になるかもしれない。原材料あたりの製品化率と、販売率。いかにブランドに価値があっても、原材料からのロスが大きければ、ビジネスの下手さが際立つ。食品でも、衣料でも、おそらくその他の業界でも、確実に意識されるテーマになるだろう。日経の鋭さがすばらしい。

朝日新聞・社説
バチカン 中国の人権に注力を

毎日新聞・社説
中国がバチカンと和解 宗教政策見直しの機会に

カトリックの話題は、アメリカで盛り上がっている性的虐待の問題かと思った。2紙が取り上げるのだから、それなりに重要なニュースなのだろう。見る限り、バチカンがどんどん衰退しているようにしか感じられない。

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