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3467.報道比較2018.8.18

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読売が、官民ファンドの成果が不十分という、非常に興味深いトピックを社説に取り上げた。朝日や毎日は表現の自由を語る前に仕事すべきだ。

読売新聞・社説
官民ファンド 整理・統合は有力な選択肢だ

非常に興味深い事実を、社説で読売が取り上げた。政権に同調しやすく、自民党に誓い思想の読売がニュートラルに問題提起すると、かなりインパクトが大きい。批判派の朝日や毎日は、何をしているのか?
批判の中心は、いつも問題視される財政投融資。森友・加計学園よりもさらに忖度が起きやすい領域。このまま放置すれば、カジノ関連に野放しに使われかねない。絶妙なタイミングでの指摘だ。すばらしい。
銀行は融資先を見つけられず、日銀が量的緩和で増やしたカネは、手を付けられずに口座に残っている。さらに、財政投融資も投資先がない。これは、国内に投資ニーズが生まれていないということでは?少子高齢化では事業ニーズとして生まれにくい可能性が高い。民間にないニーズを行政が作れば、事業失敗の確率はさらに高まる。余計なことをしてはならない。余ったカネを余計に流動させる必要はない。この滞留した資産から、どう滞留した負債の穴埋めに使うか。行政が取り組むべきテーマだ。

Wall Street Journal
米ニューヨーク大、医学部生全員の授業料免除へ 所得問わず (2018.8.17)

日本経済新聞・社説
次代担う人材育成を「エドテック」で

ようやく、日経の意味不明な連載社説が終わった。データ社会3.0という聞いたことがないキーワードで、最後は教育がテーマだったが、ビッグデータの意味を理解していないようなIT化のトレンドばかりだった。ビッグデータは、膨大なデータの分析から価値を生むもので、特定の利用者くらいの人たちの分析は、今までのWebサイトのインプレッション分析と変わらない。そのレベルの分析が、なぜビッグデータと異なるか?他のリサーチや聞き取りでも同一の答えが出る可能性が高いほど、サンプルとしては常識的な答えしか出ないからだ。その代わり、誰でも容易にできる。Webサイトを作ればインプレッションの分析くらいするだろう。Amazonに出展すれば数々のビジター、顧客、競合情報が手に入る。それは、ITがくれた恩恵でもあるが、これはビッグデータではない。この程度でビッグデータと言っていたら、ゲノム解析や渋滞解析になんの意味があるのか?
日経は、自ら軽率だった。ビッグデータの意味も判らずに、データ社会3.0などと名乗ってしまった。ただのIT化の前例をいくつか集めてきたに過ぎない。「IT化取材」なら通用した情報が、奇をてらったタイトルで意味を半減させてしまっている。
本当のイノベーションや挑戦の例を、またWall Street Journalが手短に伝えているので、並べてみた。ニューヨーク大学が医学部の授業料を全額免除するらしい。学費高騰でシステム全体の崩壊が起きつつあるアメリカで、興味深いチャレンジであり、イノベーションだ。対象はたったの350人。原資は寄付。つまり、大学はコストを下げていない。高騰する学費の本質を適切に削減しようという取り組みではない。だが、大学システムへの挑戦としては、貴重な一歩だ。寄付を募ることは容易だ。大学卒業者がストックオプションで得た収益を大学に還元するシステムが生まれるかもしれない。同時に、なぜ学費が上がるのか、大学経営が何をしているのかを分析する作業が求められるだろう。大学のシステムの問題も、アメリカでは挑戦者が数々のイノベーションで解決していくことを願っている。
イノベーションの本質は、IT化ではない。IT化は手段であり、目的にはならない。日経は間違っている。オンラインで学校が講座を開くのが目的になったら間違いだ。学校に入り切れない人たちにリーチするには?もっと母数を広げるには?無料で知識を提供するには?その目的が先だ。IT化という手段に目を奪われるから、同じ成果を得られない。発想が間違っている。

毎日新聞・社説
過労死防止の対策 残業規制だけでは足りぬ

読売新聞・社説
介護職の被害 利用者の暴言・暴力に対策を

ふたつの労働環境の課題を毎日と読売が選んだ。どちらも政治と行政に問題解決を提言しているが、問題は方や制度の問題というよりは、個別の企業の問題を未然に察知し、指導や是正勧告できる状態、社会的制裁を受ける状態をつくるのが理想。システムとして作るなら労働社自身が告発するタイプだが、そういうアイディアは出てこない。運用が回らないからかもしれないが、死人が出ている話であり、介護職は外国人にまで裾野を広げようとしている領域。ハラスメントが問題になれば、全世界に日本が恥を晒すことになる。運送業では告発が相次ぎ、裁判や社内の険悪な雰囲気はネットでも話題になった。消費者が目にしたらビジネスは縮小するだろう。それでも十分な制裁になる。いまでもヤマト運輸を優良企業のように扱う新聞の感覚では、ネットへのコメントなど無意味と思うかもしれないが、行政の遅々として進まない対応より、消費者、求職者は確実に情報を集めている。求人しても集まらない、評判が堕ちてビジネスが縮小した、訴訟を起こされたという状態を民間で作る仕組みが理想的だ。これから介護職を目指す外国人にも、ぜひ知っていただきたい。

朝日新聞・社説
自由な報道 民主主義の存立基盤だ

毎日新聞・社説
米350紙が大統領批判の社説 メディア敵視を改める時

権力者への攻撃は、批判の社説よりは、不祥事の事実を報じることだと思う。日本でも批判の社説はまったく機能しないが、森友・加計学園の話題は、未だに尾を引く。さらに取材するかはメディアの自由だ。アメリカでもトランプ氏の悪い話題は事欠かない。それをフェイクニュースと言われても諦めない姿勢はつづいている。一斉に350紙が連携するという現実を見せつけたのも、ひとつの攻撃手法だろう。それを受け入れない国民がいる事をどう捉えるかはメディアが考えるべきことだと思う。権力者との戦いとは、そんなものだ。
終戦の時期の産経の動向を見て、日本のメディアはアメリカ以上に追い込まれていると私は見ている。今日も、産経は中国と韓国を攻撃する社説を並べた。これは、彼らの思想を語るのではなく、ニッチなニーズに応える素材になりつつある。攻撃的な思想が主流になれるとは思えない。表現の自由がうたわれている以上、どんな危険な思想も永遠になくならない。扇動するのもメディアなら、扇動を批判するのもメディアであるべきだ。今回の朝日と毎日の社説が、その役割に応えているとは言いがたい。批判から生まれるものは少ない。表現方法を考えるべきだ。

産経新聞・社説
サンマ漁解禁 中国の乱獲から資源守れ

統一旗に竹島 南北の横紙破りを許すな

前述した、中国と韓国を攻撃する2つの産経の社説。日本人が自ら乱獲で減ったサンマの責任を中国に転嫁し、統一旗に難癖をつける。こういう攻撃に賛同する人が、日本国内にいるということだろう。それを新聞と名のつくメディアが助長する。カルトとして見た方がいい。

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