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3441.報道比較2018.7.23

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興味深いトピックの少なかった週明けの報道。夏休み状態か?

Wall Street Journal
iPhone次期モデル、通信会社に脅威の訳 (2018.7.17)

魅力的な話題が少ない週末だったので、少し古いトピックを。以前、Appleとキャリアの契約に公取が踏み込んだ時に、いくつかの新聞が社説で取り上げていた。公取や総務省の感覚もよく判らないが、新聞の感覚もゴシップ・レベルだった。こういう話題で、次の胎動を日本の新聞が先行してくれれば、海外紙に匹敵する品質を感じるのだが。
すでにAppleは、キャリアとの関係で緊張を維持するため、いくつかの手段を講じているようだ。インパクトの大きいiPhoneの前に、Apple WatchでeSIMの反応を見ている。同時に、エンド・ユーザーの不利益をAppleが解消しようとしているようにも見える。もちろん、その分のブランドとのエンゲージメントと収益はAppleにもたらされるのだが。キャリアが受け取るはずだった利益をなくす代わりに、半分をエンド・ユーザーに還元する。半分をAppleが得る。いつでもキャリアは、最安値のサービスをAppleが推奨してくれる。いつでも最新のAppleデバイスを使ったり、もっとも安いiPhoneを、中古も含めて選べる選択肢もAppleが握る。eSIMは、そんな未来の可能性を示唆している。キャリアはその時、通信料だけでビジネスをすることになる。もう2年縛りも4年縛りも不要な時代になる。エンド・ユーザーのメリットは増すが、収益を増やすのはApple。モバイル・デバイスの未来は、徐々にこうなることはキャリアも判っていただろう。それでも消耗戦をつづけて販売力を磨く理由が、私には判らないが、何か売る能力がビジネスになると見込んでのことだろうか?

毎日新聞・社説
高齢化とお金の備え 資産も長寿になる対策を

週明けに、唯一、それなりに興味を惹かれた社説。ただ、内容は浅い。同じ内容をWall Street Journalか、経済系の雑誌に書かせた方がおもしろいだろう。日経でさえ、この手の話題を社説で消化できなくなってしまった。日本の新聞の能力劣化は著しい。
毎日の社説には、デフレの視点が欠落している。また、日本の金融資産の成長率を同時に算出しただろうか?株だけ確認しても、アメリカ(SP500)と、日経平均を比較しただけで、こんなグラフになる。

1965年に投資していたら、日本株は 70倍(7066%)、アメリカ株は136倍(13614%)。

これがバブル期ならマイナス、毎日の言う1994年当たりからだと、わずか8.9%の運用益しか出ない。対するアメリカは489%。この途中にリーマンショックがあったにも関わらず。

つまり、乱暴に日本の投資家は運用が下手と論じるには、日本の投資環境はあまりに魅力が低過ぎるのが原因だ。もし、それでも毎日の論理を扇動すれば、日本の国富は外国のマーケットに流出するだろう。日本国債でさえ、0.1%の金利。その日本国債が、買い手がなくて困りはじめている。個人の預貯金が海外に流出しはじめたら、日本の財政はどうなるだろう?私は、日本人の投資感覚が、それくらいシンプルになった方がいいと思うが、その時、日本の税や年金は、今のままでは回らなくなる。結果、年金生活者は負担が増えるかもしれない。金融庁が何の警鐘を鳴らしたのかははっきりしない。だが、それぞれにマジメに仕事をした方がいいのでは?というのが率直な感想だ。財政を焼け太らせ、日本国債の買い手がつかないということは、次は日本円と日本株が売られる。そんな時に、日本人の投資能力を批判して大丈夫だろうか?

読売新聞・社説
ウナギ高騰 漁業資源と食文化を守ろう

先日、朝日が取り上げた話題。捕れない年だけ騒ぐ無責任さはひどかったが、読売はさらにひどい。中国のせいにして自分たちの乱獲を棚に上げている。これで平然と食文化と言い放つのは、無神経だ。日本の漁業には計画性も見られない。政治も機能しないだろう。ウナギのために、外圧を期待する。

朝日新聞・社説
英国とEU 公正な関係構築を急げ

ビキニ核被曝 元船員を放置できぬ

新しい情報があるのかと思えば、2週間も経過した古い話題。笑うしかない遅さ。社説としての考察も浅い。ひどい品質だ。

産経新聞・社説
「不起立教員」敗訴 国旗国歌の尊重は当然だ

朝日と毎日が以前に触れた話題。産経の価値観だとこういう主張になるのだろうという予想どおりの主張。だから話が前に進まないのだが。なぜ誇れない国家になったのかの考察はない。そして、朝日や毎日が話を複雑にした点ではあるが、無視していい問題ではない雇用と得た不利益の点は軽く素通りしている。こういう対応をするから、国家に拒絶感がある人はさらに腹が立ち、対立が感情敵になる。誇りは強いられるものではない。尊重したい人たちは根付かない理由を考えるべきだ。

産経新聞・社説
タイ洞窟帰還 英知結集の救出劇に学べ

海外紙では進行中に良く取り上げられていた話題。産経の捉え方は話題に乗っかった程度の興味本位。ワールドカップやスポーツ選手を讃える時の論調に似ている。これでは学ぶものなど何もない。

日本経済新聞・社説
総裁選を機にもっと幅のある自民党に

なお拭えないカジノの懸念

日経が政治を社説で選んだ時の品質は低いのが、最近の傾向。今回もそのパターンに陥っている。総裁選を先行して話題にしても、後出しのカジノ法案への懸念も、新鮮な情報も視点もない。報道の総括のような内容に留まっている。

毎日新聞・社説
児童虐待防止の緊急対策 できること何でもやろう

2日前に産経が率先して取り上げたトピック。2日前にも書いたが「何でもやろう」などと軽はずみにいいながら置き去りにするメディアの無責任さはやめてほしい。本気で考えるなら、継続して話題にすべきだ。国会が間に合わせで作った対策に乗じるような姿勢では、また同じ問題は繰り返される。

読売新聞・社説
通常国会閉幕 旧態依然の審議に甘んじるな

他紙が先行していた話題を、丁寧に閉会日まで待って論じただけのもの。内容も他紙と大差ない。すでに数日前に原稿は準備されていたのだろう。予定調和の批判に留まっている。

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