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2976.報道比較2017.5.2

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Peace

CC Attribution and ShareAlike, Photo by Daisuke tashiro via flickr

大型連休中の予定された原稿は、平穏の象徴。朝日と産経が、朝日の過去に向き合う姿勢を見ると、日本はまだギリギリの一線で健全な領域に踏みとどまっていると安心する。

朝日新聞・社説
阪神支局襲撃30年 覚悟をもって喋る、明日も

産経新聞・社説
朝日支局襲撃30年 暴力には言論で対決する

朝日と産経が、朝日の過去に向き合う姿勢を見ると、日本はまだギリギリの一線で健全な領域に踏みとどまっていると安心する。
産経の価値観には相当の違和感があるが、ジャーナリズムの精神は誠実に維持されている。読売も2本目の社説に産経に似た姿勢を取っている。政府に同調する姿勢ばかりが目立つが、精神は揺らいでいないと信じたい。むしろ、朝日が過去を振り返りながら現政権を攻撃する姿勢に、多少の違和感を覚える。相手が権力者ということと、政府の言論統制姿勢への反応としては適切だが。
過信はできない。メディアは言論の自由と、暴力は絶対悪との姿勢を堅持できているが、ヘイト・スピーチのような過激な言論が、平然と存在できる時代になった。言論行動がエスカレートすれば、次は暴徒になる。権力者は森友学園のように、風向きで動き、本心を見せない。衝動で動くのは権力者ではなく、社会の方だ。憂慮すべきは政治ではない。社会の変容を、平然と放置していることだ。アメリカやヨーロッパの分断に似た荒廃が、日本にも確かに存在する。

日本経済新聞・社説
北の脅威を見据えた米艦防護

毎日新聞・社説
自衛隊が初めて米艦防護 実績作りを急いでないか

読売新聞・社説
海自「米艦防護」 双方向の協力で同盟を強固に

慎重派の日経、毎日の懸念は国民の半数が持っている感覚だろう。政治に求めたいのは、基準の公開だ。どの線を越えたら動くのか。臨機応変ができるほど、日本の政治や防衛は成熟していない。アメリカの大統領でさえ、レッド・ラインの定義は明示する。示さなければ不安になるのは当然で、リーダーシップの義務だ。日本の政治が義務を果たしているのを見たことがない。

Wall Street Journal
THAAD配備費用、米負担も再交渉あり=米大統領補佐官 (2017.5.1)

当然だろう。安全の値段はゼロではない。相手はアメリカ、世界一の資本主義国だ。アメリカからずっと請求書が届かない方が、むしろ恐ろしい。

Financial Times
習近平主席の壮大な都市建設計画に立ちはだかる壁 (2017.4.27)

習氏の「雄安新区」構想を、中国と思想では対立し、経済では競争しているアメリカのWall Street Journalは冷静に分析し、AIIBにも名を連ね、良好な関係があるはずの英国のFinancial Timesは冷笑めいた批判をしている。
カネだけつぎ込めばうまくいくなら、ビジネスにリスクはない。蒔けば必ず実るわけではない、釣り糸には必ず魚がかかるはずがないのと同様、ビジネスに失敗は付き物だ。勝因は通常、知識と、リーダーシップと、戦略。資金力や精神論ではない。
Financial Timesの主張が正しいなら、中国の勝率は低いようだ。習氏のリーダーシップが卓越しているとは聞いた事がない。成功事例も目立たない。外国の参入も抑制するなら、知識は中国内に頼ることになる。最後は戦略に頼ることになる。まずは、様子を見よう。次のリーダーが、計画を引き継ぐかを見届けてからでも十分間に合いそうだ。習氏にとっては、能力を象徴するプロジェクトになりそうだ。失敗しそうになった時、無駄につぎ込むに違いない。なるほど。アメリカの思惑が見えてきた。

人民網日本語版
中国の決済清算業務量の伸びが世界一に (2017.5.1)

モバイル決済の先進国が中国なのは、誰もが認める。インドも急速に追い上げている。

インドでモバイル決済急増、ATMなくなる? by Wall Street Journal

クレジットカードや、PayPalのような決済サービスは、強力なライバルの登場だが、サービスを時代に合わせてシフトれば、時代には追随できる。アップルやフェイスブックが先に椅子に座っているが。
やがて、各国政府がキャッシュをやめるという話題も、現実味が増してきた。インドがモバイルで徴税をうまくやれたら、アメリカは見逃さないだろう。
日本のマイナンバーも、インドのような発想で進んでいるなら興味深い。

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