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2842.報道比較2017.1.1

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今まで、見たことがない正月の社説の数々。新聞がなぜ最近、感情をむき出しにするのかが判ってきた。彼らは、脅え切っている。現実を解釈できず、自分の思いとずれはじめた価値観で進む社会を測りかねている。

朝日新聞・社説
憲法70年の年明けに 「立憲」の理念をより深く

日本経済新聞・社説
揺れる世界と日本(1)自由主義の旗守り、活力取り戻せ

毎日新聞・社説
歴史の転機 日本の針路は 世界とつながってこそ

読売新聞・社説
反グローバリズムの拡大防げ

今まで、見たことがない品質の正月の社説の数々。これが正月の社説?と思えるほど、意気地無しで、新年の覇気がない。1年を振り返り、次の1年を考える時に、ここまでざわついていたのは、私の記憶では湾岸戦争の1990年末ぐらいだ。トランプ恐怖症とも言えるほど、まだ彼の大統領就任という結果を消化できず、現実を見ていない。トランプは人を食う鬼、何でもやらかす暴君とでも言いそうな猜疑と不安で埋め尽くされている。恐怖を克服しなければ、征服どころか制御もできない。それは、テクノロジーでも、マネーゲームでも、自分自身の心理もいっしょだ。新聞がなぜ最近、感情をむき出しにするのかが判ってきた。彼らは、理解できないことに脅えている。現実を解釈できず、自分の思いとずれはじめた価値観で進む社会を測りかねている。そんな中で言葉を発さなければならない義務のために、必死で恐さを隠して大声を上げている。だが、その声は脅えて震えている。こんな老兵は、早めに消えた方が、少なくとも戦況を冷静に見られる気がする。
これが、日本の政治や社会全体、またはメディアに通じる減少でないことを祈る。そうでなければ、日本は確実にトランプ氏にやられる。主張されれば脅え、優しくされれば陶酔する。どちらにしても従順で無力なイヌになる。これなら、対抗と警戒に満ちた中国の方が、まだまともな結果に行き着く。殴り合うような言い争いで、理性を失わず、武力行使に至らなければ、お互いに傷ついても痛み分けになる。半分は守れるのだから。
恐怖を捨てられるまで、徹底的に調べるべきだ。今のような、噂や、過去の彼の動向ではなく、データや、アメリカが抱える問題、専門家が考える解決策、政策や議会の方針など、本質的な情報だ。それを、就任1か月を切ったいま、準備できていない日本の報道は、目に余る怠慢さだ。私自身の経験ではないが、こういう不安な環境が生まれたのが戦前だろう。相手を理解する努力よりも、身構え、頑なになり、最後は追いつめられた。
忘れないで欲しい。恐怖すべきはトランプ氏ではない。トランプ氏を選んだアメリカ国民だ。小難しい言葉を並べているだけで食える時代を、彼らは票で抹殺した。彼らが求める国をトランプ氏がつくれることを、本気で期待している。期待が現実ではなく、失望に変わった時、彼を選んだ人たちは、どんな行動をするのだろう?

Wall Street Journal
世界秩序が流動化した2016年 (2016.12.22)

Wall Street Journalの方が落ち着いてはいるが、それでもワシントン支局長のレベルでも、まだ現実を直視できずにいる。トランプ氏当選は、冷静になれば予測困難な結果ではなかった。メディアが偏った認識を捨てていれば、予想外という結末にはならなかった。なぜなら、支局長自身があげている事例は、なにひとつ突然数日で起きたことではないのだから。現実を見なかった人たち、観たくなかった人たちがメディアを埋め尽くしていた。6月には、大西洋の向こうで注視すべき衝撃があったというのに。
今回の原稿を見る限り、トランプ氏当選以降、メディアがライターや編集の担当者を変更した形跡はない。オバマ氏への辛辣な記事は増えたが、トランプ氏に投票した人たちの核心に迫る言葉は増えてはいない。未だに「想像を絶する」事態のままだ。
世界が身構える中、アメリカ国民でさえ現実に迷いを感じているなら、起きないはずの不幸は、こういう時に起きる。すべてをトランプ氏の責任にして。彼が不幸に思えたことは今まで一度もないが、これからは増えるのではないだろうか。彼を選んだ人たちは、自らも変わろうとするだろうか?彼を認めなかった人たちは、本当にアメリカの名の下に協力するだろうか?今のところ、喜んだのは株を持っていた人たちだけ。また富裕層だ。彼らは、陰りが見えた時、マネーのためなら平然と売り捨てる人たちが大半だ。トランプ氏に期待している人たちは、まだ何も始まりを感じていない。せめて、彼らが可能性を感じる1年になって欲しい。それだけでも、アメリカは十分にさらなる成長をはじめると思う。それは、世界に起きはじめている格差を打破する処方箋になるかもしれない。トランプ氏と、アメリカ国民が本気なら、できるだろう。

人民網日本語版
国防部、米国防権限法案の台湾関連の内容に断固反対 (2016.12.30)

西暦の正月は中国にとってあまり意味をなさないのか、もっとも冷静な中国の姿は、浮き足立った感覚を忘れさせてくれる。中国の台頭は、やはりプラスだ。唯一の価値観で踊らされるより、違う主義主張があれば、別の視点を提供してくれる。
台湾は、すでにトランプ氏は火種を蒔いてしまった。イスラエルへのオバマ氏の捨てぜりふとは違い、トランプ氏自身の意志が騒ぎの発端。中国は退かない姿勢を見せている。この結末、最後はマネーで決着をつけられるという感覚がトランプ氏の読みだろう。対中強硬派で固めた人事から、経済的な圧力案はいくつも出ている。カードをいくつも揃えて、譲歩できる案も持ってディールすればいい、と。
中国が、台湾、香港、南シナ海などを、経済のために行っているつもりなら、本心は見える。だが、違う理由で拡張主義を進めているなら、どれだけ取引を提案しても、中国が退く事はない。そうなった時、トランプ氏は初めて政治の世界を知ることになる。世の中、マネーで動かないものがある。頭では判っているだろうが、背筋が凍る感覚を、まだトランプ氏は味わっていない。中国は、そのカードを、いつものアメリカのように冷静に出している。

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