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2841.報道比較2016.12.31

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大晦日の社説は、日本の新聞にも分裂のような変化を感じる状態に。昔ながらに1年を振り返る新聞と、流れを無視する新聞。考えて動いているなら、いずれ何かが生まれる。惰性なら…やがて誰もいなくなる。

朝日新聞・社説
ニッポン2016年 このまま流されますか

産経新聞・社説
回顧2016 協調と和解の失速止めよ 「予想外」にたじろがぬ結束を

毎日新聞・社説
5年目の安倍政権 アベノミクス 的は外れツケが増えた

この3紙は古典的な1年の振り返り。後述の日経も株価に話題を集約しているが、半分は同様の路線。振り返り、反省し、前に向かって進む学びを得るのは、人としての伝統的な学習スタイルで、理想的なはず。だが、今年の出来事はあまりにインパクトが大き過ぎたのか、何か大きなシフトのはじまりなのか、どこも消化不良で、読む側を納得させるだけの考察を見たことはない。先日のFinancial Timesも、支離滅裂とは言わないが、民主主義に話を絞ったにしては、結論に至ることもできず、迷っている現状を示すに留まった。
日本の新聞も同様だ。朝日は安倍政権の政治を相変わらず批判するのだが、大きな流れに抗うだけの決定的な批判の軸を見出せない。節々のミスや失言をまとめて「彼らはおかしい」と言っても、決定力に欠ける。従軍慰安婦は間違いだった。そこまで否定された新聞なのだから、起死回生の取材によるスクープが求められるが、「聞き流すまい」と言うほど、腰を据えた報道があるようには見えない。その場の感情で反論を試みている朝日のやり方こそ、大きな波に流されている。長い時間軸を意識すべきなのは、朝日自身だ。
産経の回顧は、年間の出来事をなぞっているが、添えられている感想は違和感のあるものばかり。この変わらないマイナーさが産経の不動の価値観ならば、そろそろ変わって欲しい。中国が世界ナンバーワンになるのは時間の問題だが、いつまで対抗心だけで進むのだろう?いずれにしても、無意味な対決姿勢を感情、政治的思惑から排除して考えられるようにならなければ、この違和感が消えることはないだろう。
毎日は、2016年ではなく、アベノミクスに集中。これが、4年前から一貫した毎日の姿勢だったなら、もっとも評価に値する。だが、残念ながら毎日の感覚は2016年も不安定だった。少なくとも、先んじることはない。ユニークさを見せることもない。極めて凡庸で、奇妙に時間を要し、釈然としない。最後まで、そんな社説で終わった。

日本経済新聞・社説
株価に映った不確実性への備えを

日経は株価に絞った社説。年末に翌年の株価を予測する記事は全世界に登場するが、経済紙でも社説が株価だけで語るのは珍しい。日経がなぜ株価を選んだのかが知りたい。
日経平均株価は、年初と夏の暴落を思えば、年末に昨年の終値を超えられたのは奇跡的だった。だが、それは半分は日経の言うとおり外国人の買いが、そして残りの半分は日銀の量的緩和というバブルの延命がまだつづいているからだ。外国人はロジカルに日本株を買っている。その資金はアメリカ株、原油の上げと、中国株からの逃避。裏付けは安倍政権の安定、日銀の量的緩和の存在、そして日米金利差の存在。どれかが揺らげば、バランスが変わる。今のところ、そのアンバランスは日本国外から訪れそうだ。
就任前のトランプ・ラリーは、もう終わった。New York DOWは20,000ドルを超えられなかったし、日経平均も20,000円に到達しなかった。疑念があるうちは、マーケットは上がると言われるが、高所恐怖症と言えるレベルまで、期待だけで一気に上ってしまった。今の価格の妥当性を見出せるまでは、リスク・マネーよりキャッシュがいい人も増えたということだ。裏付けができれば、また陶酔するだろうが、それよりは暴言ツィートの方が目立っているのが、今のトランプ氏だ。どうしてもリスク・テイクするには、保険をかけたいリーダーに見える。
日経はマーケットを予測するわけでもなく、企業に改革を求めて社説を締めている。この結末のために株価が起点になるのは、私は少し違和感がある。株価が経済の先行きを映す鏡というなら、2017の予測を日経なりに示してもいいと思うし、改革を論じたいなら、政治ならTPP、日銀政策、消費増税の延期が無視され、企業でも東芝、電通と年末でさえ世間を騒がせた話題が株価より優先されるのはおかしい。この中途半端さが、日経に不甲斐なさを感じる部分だ。切れ味がいい日も少しずつ出ているのには、期待したい。

読売新聞・社説
給付型奨学金 学ぶ意欲ある若者への支援に

日経は、年末という事象を完全に無視した。今回のトピックが、そこまでのインパクトを持っているとは思えない。意図的な年末無視だ。これが何を意味するのか、これから明らかになるだろうか?反省とレビューができなければ、次のアクションは効果的な指針を見出せない。PDCAというスキームを知っていれば、Checkの重要さは言うまでもない。年末に必ず回顧すべきとは思わないが、読売の逸脱の意味を、日経同様に知りたい。
話題自体は、とても期待できるものだ。アメリカでは、学費が高騰し過ぎて、MBAや留学さえ制度疲労の感が出てきた。MBAを得ても、それに見合う報酬が生涯所得で得られない。留学の学費が、帰国して得られるインセンティブを上回らない。このロジックが合わなくなったアメリカへの留学生は、徐々に偏りが出て形骸化している。中国人留学生、ITやスポーツの特待生、世界の資産家のこどもたち…これで富裕層のエリートが暴行事件を起こしたり、銃乱射の被害に遭ったりしている。こうなると変化は激しいだろう。
日本の大学の問題は、少子化と過当化だ。大学の名に値する品質を維持できている大学がどれくらいあるだろう?少子化でも経営基盤に自信を持って、これから挑戦できる大学は?それほどは多くないだろう。おそらく、この給付奨学金の目的は、低所得者の保護とともに、大学希望者数を底上げし、大学の経営を救済するための対策だろう。形骸化した給付金になれば、統廃合されるべき大学を不要に延命するだけになる。そこまでの深慮を、読売はあえて避けている気がする。読売の社説は、私のような素人でも推測できる懸念を平然と無視し、表層にある良い部分だけで突破しようとする姿勢がさらに強まっている。これは政府の姿勢に一致する。もっとも政府と意見が一致し、推進論を展開する読売が、こうして年末のレビューを無視して進む姿は、良い兆候ではなさそうだ。

人民網日本語版
外資系企業の対中投資環境は悪化? 商務部は否定 (2016.12.30)

中国の統計数値が、2016年に変化することはなかった。中国国内がどう感じているかは不明だが、海外が求めているのは、安定的で良い話ばかりが形式的につづくことではなく、誠実で信頼できるものを求めている。中国人も含めて、中国政府が出すリリースを、そのまま受け止める人はいない。目標に沿うように操作され、場合によっては改竄に近い作業を経て出てくるものと受け止めている。そんな数字をベースに、こういうニュースが流れても、価値は半減する。それは投資期待も半減し、リスクは倍増する。中国に変化して欲しいのは、その根底にある考え方だ。習氏がGDPが目標に届かないのを容認すると事前に公言したのは理想的かもしれない。いまの中国には、形骸化した統計値よりは、現実を直視するためのデータがいる。そう認識しての変化なら、中国は変わりはじめるだろう。

Wall Street Journal
ロシア大統領「米外交官追放せず」 (2016.12.30)

オバマ氏の最後の嫌がらせのようなロシア制裁へのプーチン氏の返答は、トランプ氏がもっとも気に入りそうなものになった。きっと、これでトランプ氏は、魅了され、利用され、たらし込まれる。好んでロシアとの関係改善の環境は整った。外交手腕はさすがだ。
アメリカとの関係が改善した時、クリミアをどうするかのシナリオは、おそらくとっくにできあがっているだろう。今のところ、まるで読めないが、侵攻し、元に戻すなら、それ以上の価値を手にして出て行くはず。その時に手にしたいものは、何だろう?プーチン氏のような思考に至るには、何が必要なのか。世界のリーダーが学ぶべき点は多い。トランプ氏のような評価に至るのは危険だが、プーチン氏がいま世界で、もっとも頭脳で結果を出しているのは事実だ。彼は常にいくつもプランを準備している。行動の前には相当な思慮がある。感情を完全にコントロールしている。リーダーには持っていて欲しい資質だが、最近、選ばれる人たちには…

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