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2810.報道比較2016.12.1

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危機感が、人や技術を育てる。その意味で、日本がずっと失ってきたもののひとつが危機感だ。

Wall Street Journal
OPEC減産合意、ロシアなど非加盟国も減産見通し

NHKのトップニュースが、このOPEC減産合意だった。だが、国内紙で社説で取り上げた新聞はゼロ。日本の新聞の経済とは、あくまで政策、行政によって行われるもののようだ。日経まで無視したのは残念だ。うわさようなトピックを私が最初に見たのは昨晩20:00頃。その後、22:00頃から情報は増え、マーケットも反応した。新聞なら十分に対応できる時間だが、社説担当者はスルー。この感覚が、今の日本を示している。
OPEC、特にサウジアラビアは必死だ。同様の危機感が、日本には感じられないのはなぜだろう?安くなったとしても、湧き出るマネーのようなオイルが潤沢にあり、サウジアラムコが上場すれば、過去に例のない規模のマネーが国家予算に組み込める。たしかに産業は少ない。血の気の多い国民性も、利害衝突しやすい国際関係もある。それでも、日本の財政や、もんじゅにさらに投資する感覚、オリンピックの準備で平然と起きている予算の乖離、遅々として進まない改革を見ていると、これは国民性という一言で片付けていい問題ではない気がする。心配性で、ネガティブで、慎重?いや。悩んでいるようで、考えていないし、行動は想定さえしていない。中東が本気になったら、日本の技術など、すぐに抜かれる。その危機感さえ持っていない。日本には、そろそろ危機が必要だと思えるほど、弛緩している。

朝日新聞・社説
もんじゅ後継 無責任さにあきれる

民間だったら、ゆるい日本の経営でも、上場していたら許されない。アメリカなら3年程度で撤退。それくらい無駄に見え、継続に論理性が見えない。抱えてしまった人材のことや、福井という地域への配慮…そういう政治的な配慮があるなら、素直にそう言えばいい。さらに言えば、そういうことはカネで解決可能な問題だ。技術負債を捨て去る、撤退を決断する。これらは、経営者にとってもっとも苦しいが、必須の能力。人口が減り、経済も縮小していく日本は、これから撤退への決断は必須の能力になる。残念だが、政治や公務員に、これらの能力を持った人は皆無のようだ。この話題もまた、新聞の社説は朝日以外は避けている。メディアが目を反らしているようでは、また国家玉砕もあり得る。

人民網日本語版
露メディア「中国、トップクラスの革新型国家の道を進む」 (2016.11.30)

ここ数年、日本が毎年ノーベル賞を受賞できるのは、10年以上前に、先行投資として研究開発に潤沢な資金を投じたかららしい。特許がすべてマネタイズできるわけではないが、数だけでもアメリカを凌駕しているのはすばらしい。ここからマネタイズする能力は、中国は得意だ。むしろ日本の方が不得手な領域のはず。ということは、この先、中国は技術立国になり得る。願わくば、特許大国になることで、知的財産への意識が中国内で認識され、欧米がつくったルールを破壊するのではなく発展させてくれるといい。中国のコピーに笑える時代も、やがて終わる。まもなく恐れ、その先に称賛する時代は近い。

読売新聞・社説
「退位」意見聴取 憲法上の疑義は拭えるのか

社説なので、読売自身の意見なのだろう。有識者会議の座長が、非常に多種多様な意見があると言っていたのも頷ける。そして共感したのは「多数決はしない」と言っていたことだ。最近の国会にありがちな、最後は数で採決して決定はしない、という。全体の最適解を探すようだ。適切だろう。総意の意見はおそらくない。多数決で決められる話題でもない。国民の感覚と、天皇陛下の心情と、これからの皇室のあり方、法の整合性、すべての満たすのは不可能なようだ。読売のように、さらに議論を拡散させるのもいいが、優秀な座長の結論を待ちたい。

毎日新聞・社説
年金改革法案 世代間の信頼、再構築を

個人的には、年金カットと呼ばれる法案には前向きだが、新聞も国会議員も、批判が起きない言い方に終始している。若者たちの世代、これからの世代に報いると言われれば批判はないが、支給時期が後ずれするなら、今の若い世代にも決して楽しい話ではない。年金支給開始がどんどん後退し、額も小さくなっているのを、意識しているだろうか?

産経新聞・社説
五輪会場問題 スポーツ界が意見を持て

産経の指摘も判るが、レガシーと呼べるほどのスポーツ振興が、この国のこれからにあるだろうか?前回の東京オリンピックから、どれだけのスポーツが発展し、会場はどれだけ使われたのだろう?その試算を産経が示してみたらどうだろう?私は、会場よりは選手に投資するスキームの方が、業界としては理想的だと思う。サッカーがどれだけの投資をして、いま、どんな状況だろう?それで、どれだけの成果が出ているだろう?世界で活躍している選手が求めるのは、会場や施設ではない。コーチであり、世界のどこでも闘える経験であり、スポンサーシップや、自身の活動を支援してくれるプロデュース能力だ。美談にしているだけで、本当は建物をつくりたいだけ。その意識なら、スポーツ界も協力しないのではないか。

日本経済新聞・社説
農家のための全農に生まれ変わるときだ

どうやら日経は農業改革には疎いようだ。同様の内容をすでに各紙が論じている。コピペのような社説は不要だ。

Financial Times
ジンバブエ、ハイパーインフレの悪夢再来か

国家デフォルトで名前が良く出るジンバブエ。他に挙がるのはブラジル、ベネズエラ、韓国。アメリカの利上げとともに、またこれらの国の危機がささやかれる。トランプ・ラリーとともに進むドル高は、アメリカが嫌っている以上に新興国にとって苦痛だ。今年の年明けをもう忘れた人がたくさんいる。昨年12月の利上げが、年明け早々の危機を想起させた。既視感のある光景が、今年も繰り返されている。

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