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543.報道比較2011.9.23

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日米首脳会談(報告のみ)

朝日新聞・社説
日米首脳会談―外交立て直しの起点に

産経新聞・社説(批判のみ)
日米首脳会談 首相は総力挙げ結果出せ

日本経済新聞・社説(沖縄に押し付ける?)
普天間問題の先送りはもう限界だ

毎日新聞・社説(理念のみ)x
日米首脳会談 鳩菅外交の轍を踏むな

読売新聞・社説(以前の自社の主張のまま)
日米首脳会談 同盟深化へ「結果」を出す時だ

野田首相が国連総会出席のため、ニューヨークを訪れ、まずオバマ米大統領と会談。両首脳は日米同盟の深化で一致した。日米関係の最大の懸念は沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題だ。
全紙一斉にこの日米首脳会談を取り上げた。同盟国として当然、もっとも気がかりな外交トピックである。
朝日は、首相は会談後「個人的な信頼関係を築くいいスタートが切れた」と自賛した。本当の信頼関係は、たった1度の短い会談でできるはずもない。すべてこれからだと戒める。
米軍普天間飛行場の移設について、オバマ大統領は初顔合わせにもかかわらず、具体的な結果を明確に求めた。首相も日米合意の実現に「沖縄の理解を得るよう全力を尽くす」と応じた。沖縄県の仲井真弘多知事は米国で講演し、きっぱりと県外移設を求めた。日米合意が強行されれば「全県的な激しい基地反対運動につながり、日米安保体制に悪影響を及ぼしかねない」と警告した。日米安保体制の安定的な維持のため、両国政府はともに打開策を探るしかあるまい。同盟の知恵としなやかさが試される、としている。
なんとも軟弱な結論づけ。こんな結論なら書かない方がいい。
産經は、日米首脳会談は、米軍普天間飛行場移設を筆頭に、大統領が「早く宿題を片付けよ」と言わんばかりに日米の懸案解決を次々と突きつける異例の展開となった。オバマ氏は普天間問題に「結果を求める時期だ」と指摘したのに続き、米国産牛肉の輸入制限緩和や国際結婚に伴う子の親権に関するハーグ条約加盟問題でも「進展を求めたい」「結果が必要だ」などと目に見える成果を促した。これに対し、野田首相は日米合意に基づく普天間移設を推進し、TPP問題でも「早期に結論を出す」と答えたが、いずれも時期を明示しなかった。説得力があるとはいえない。
米国は11月にハワイで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でTPPの大枠を固めるとされ、2カ月を切っていることを自覚すべきだ、としている。
首相は、李明博韓国大統領と初の日韓首脳会談にも臨んだ件にも触れ、北朝鮮の核・ミサイル問題などで日米韓の緊密な連携を維持することで一致したことは評価したいが、「従軍慰安婦」の碑建設や竹島問題などに両首脳ともに触れなかったのは残念だ、と自社主張に触れなかった事を批判している。
相変わらずの批判のみ。しかも、いつもの何も生み出さない批判だ。
日経は、オバマ米大統領は普天間問題で「結果」を出すよう迫った。同盟国である日本の首相との初顔合わせで、米大統領が懸案を巡り、ここまで単刀直入に善処を迫るのは異例といえる。原因をつくったのは民主党政権にある。米議会はこのため、普天間移設とセットで沖縄の米海兵隊約8000人のグアム移転予算を削り始めている。オバマ氏の要求の背景には、米議会の強い圧力がある。
大切なのは、こうした見通しを率直かつ、ていねいに沖縄側に説明することだ。今回の日米首脳会談や19日の外相会談の内容も詳しく伝えてほしい。移設が頓挫すれば、日米両政府、沖縄のみなが「敗者」になる。3者がこの共通認識に立たなければ、ぎりぎりの打開策は生まれない。第2に、辺野古移設を進めた民主、自民、公明各党も解決に協力すべきだ。沖縄では県議会も辺野古移設に反対している。仲井真弘多知事から協力を得るためにもこれら3党は自党の県議と議論し、移設への理解を働きかけるべきだ。政府任せにして傍観している場合ではない、と主張している。
沖縄に押し付けることを匂わせる日経。朝日が触れた沖縄県知事の意思に触れないことが狡猾だ。国民感情ともずれている気がしてならない。
毎日は、オバマ米大統領は米軍普天間飛行場移設問題で目に見える進展を促した。日本の首相がくるくる代わり、日米関係が停滞していることに対する強いいらだちが見える。普天間飛行場問題に限らない。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加も、決断や行動が遅れるほど、日米関係にマイナスになるだけでなく、国際的にも不利な立場に追い込まれる。復興だけでなく、外交も急がなければならない。米側が日本のリーダーの言動に信頼を置けないのは当然だろう。その意味で、野田首相がオバマ大統領に「安定した政治の実現」が野田政権の使命だと強調したのは妥当な認識である。それなくしては、日米同盟の深化も、国際社会における日本の発言力強化も不可能である。
理念先行で行動が伴わなかった鳩山由紀夫元首相、外交当局と連携せず外交ビジョンも希薄だった菅直人前首相。野田首相は轍を踏んではならない、としている。
残念ながら、自社の主張も理念先行で何の提案もない。
読売は、大統領は、米軍普天間飛行場の移設問題について「結果を見いだすべき時期に近づいている」と述べ、進展に強い期待を示した。首相は「沖縄の理解を得るべく全力を尽くしたい」と答えた。普天間飛行場の辺野古移設が実現しなければ、危険な現状が固定化するし、在沖縄海兵隊のグアム移転にも悪影響が出る。政府は、移設の前進へ沖縄県との協議を加速させなければならない。
大統領は、日本が米国産牛肉の輸入を制限している問題の進展を迫った。国際結婚破綻後の子どもの親権をめぐるハーグ条約に関しても、日本が条約加盟に向けて国内法整備を急ぐよう求めた。首相は、環太平洋経済連携協定(TPP)参加問題について「しっかり議論を積み重ね、できるだけ早い時期に結論を出したい」と述べるにとどまった。首相は11月が日本参加決断の期限と考え、国内調整を主導しなければなるまい、と主張。
以前、自社が称えたままを再掲載。
以上、どこを読んでも同じ記事。主張を書く社説に載せるレベルとは言えない。
野田首相に述べるような正論の文句を全紙に言いたい。
時間がないのは判る。だが、首脳会談の時間は最初から判っていたはずで、概ねオバマ大統領の取るスタンスも見えていた。そこへの提言を事前にまとめる時間は十分にあったはず。であれば、なぜその努力を怠ったのか。結局はどこもその努力を怠った。米国のメディアは、そんな記事をひとつも書いていない。情けない限りだ。
民主党は相変わらずだ。こうなることなど読めていた。が、沖縄への事前の折衝があったようには見えない。11月に期限が来ることも各紙が強く報じていた。今は9月下旬。ここで結論が出かかっていない方がおかしい。
もし、ギリギリまで答えを明かさないような政治手法が正攻法だと思うのであれば、そこを再検証した方が良いと思う。
それにしても哀しい。自国の代表より、相手国の代表に共感している。
メディアも、国民も。この国の主権に意味はあるのか?

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