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384.報道比較2011.5.19

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朝日新聞・社説
寄付元年—NPOを税制で後押し
医療や福祉、教育、まちづくりなどの分野では、NPOなど民間の復興支援も欠かせないとし、これを寄付で後押ししようと呼び掛けている。ただ寄付に関わる税制優遇措置の制度設計は進んでいるものの、2011年度税制改正法案に盛り込まれた寄付税制が、与野党対立のあおりでいまだに中ぶらりんだとし、「大きな忘れ物」だと指摘している。

震災と地域—絆をつないで復興を
岩手県陸前高田市長洞(ながほら)では、地区の人々が散り散りにならないようにと地区副会長の村上誠二さんが地主にかけあい、畑や空き地だった約4000平方メートルの無償貸与を取りつけた。26戸の仮設住宅の建設が先週始まったという。
社説は、「絆を壊すまい」とする同地区の取り組みを引き合いに、震災からの復興には、住まいや仕事の再建に加え、人々の「つながり」の復元が欠かせないと指摘。被災者が主体となってまち・むらの将来を議論することの大切さと合わせて説いている。
  
  
産経新聞・社説
TPP 復興に構造改革は不可欠
政府は当面の政策運営方針をまとめた「政策推進指針」の中で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加への判断を先送りした。
社説は、TPP交渉への参加先送りについて、日本企業の輸出競争力を弱め、日本経済にとって大きなマイナスになると指摘。経済成長の原動力となってきた製造業などの危機的な状況を踏まえれば、先送りの判断はありえないとしている。また長期的視点に立てば、農業をはじめ1次産業の競争力強化は避けて通れないとし、TPP参加が絶好のきっかけになるはずだとしている。

2次補正 菅首相の統治責任を問う
菅首相は16日の衆院予算委員会で「拙速にすぎるのは復興事業にとって気をつけないといけない」と答弁し、2次補正予算の提出を8月のお盆休み以降に先送りする考えを示した。
社説は、復興構想会議が6月の提言に向けて議論を続けていることや、被災地の自治体が7,8月に復興計画を出すことを理由に2次補正予算の提出を遅らせようとする菅首相を批判。被災地産業の復旧は、農業なら耕作時期、漁業なら漁期に間に合うよう、地域ごとに迅速に対応する必要があるとし、予算の財源案や民主、自民、公明による3党合意が放置されていることなどと合わせて苦言を呈している。
  
  
日本経済新聞・社説
復興会議は優先度を見極めて具体策を
6月末をめどに第1次提言をまとめる政府の復興構想会議について、様々な分野の専門家を集めたこともあって議論が拡散しがちだとし、このままでは課題を並べるだけの提言になりはしないかと危機感を募らせている。また、同会議が議論を深めるべきは、住宅再建を柱とする被災地ごとの将来像と、農業や漁業を中心とする地域経済の立て直し策だと指摘。集落の高台移転や規制緩和、復興特区構想などに独自の提言を行ったうえで、財政面の負担も含めて国の役割をしっかりと決めないと自治体は実現性が高い計画をつくれないとし、同会議に対して優先度を見極めて具体的な提言をまとめてほしいと訴えている。

再編だけでは困るみずほ改革
金融大手のみずほフィナンシャルグループが、傘下の2つの銀行を1つに集約する方針を固めた。これについて社説は、東日本大震災直後の3月中旬に起こった大規模システム障害の反省を踏まえ、経営の有効な手立てを打ちやすくするのが目的だと分析。これまでは持ち株会社の下に2銀行が並列し、旧3銀行のバランスを考えた人事政策や経営管理が続いたため、顧客の利便を考えたシステム投資などに目配りを欠いてきたとし、今回の決定を歓迎している。ただ、明らかになった経営の構造問題の解決策が傘下の銀行再編にとどまってはならないとし、グループ全体の再編や企業統治改革の必要性にも言及している。
  
  
毎日新聞・社説
自然エネルギー 電力改革の試金石だ
菅首相は18日の会見で、原子力行政とエネルギー基本計画の見直しについて改めて言及した。社説は、太陽光、風力、バイオ、地熱といった自然エネルギーをもっと活用し、将来的には原子力への依存度を下げていくことについては多くの人が支持していると指摘。周波数や電圧が一定しない太陽光や風力など、自然エネルギーの開発・導入にあたってこれまで障害となってきた要因を挙げつつ、各電力会社の垣根を越えた電力網の広域運用などその打開策を提言している。

IMFトップ 「欧州の指定席」見直す時
債務危機に陥ったギリシャやアイルランドの救済枠組み作りで調整役を担ってきた国際通貨基金(IMF)のトップ・ストロスカーン専務理事が、ホテルの女性従業員に性的暴行を加えた疑いなどで逮捕された。
社説は、事実上のトップ不在が長期化することは望ましくないとし、後任をめぐっては水面下の取引で固まってしまわないよう透明な選定をと要望。アジアなど欧州・米国以外の各地域は、IMFの意思決定権が欧州に偏重しているため、政策面で欧州が優遇されていると訴えてきたと指摘し、欧州出身者からトップを選ぶという慣行は合理性を欠くと主張している。
  
  
読売新聞・社説
観光の再興 「日本は安全」をPRしたい
震災と原発事故で大きな打撃を受けた観光産業を、官民挙げて再興させようと呼びかける内容。まずは事故に関わる正確な情報を発信することが大事だとし、そのうえで各観光地が安全であることを積極的にアピールすべきとしている。また、海外メディアや旅行好きの人たちのブログなどで、日本の魅力を伝えてもらえるような取り組みも必要だとし、日本人自ら観光を楽しむ姿を見せることも効果があるとしている。

リビア軍事介入 長引く内戦をどう終わらせる
独裁政権に対する民衆デモが内戦に転じた北アフリカのリビアに、米英仏を中心とする多国籍軍が軍事介入してから2か月になる。命運が尽きるとみられたカダフィ氏はいまだ政権の座にあり、反体制派への攻撃をやめる気配はない。
社説は、このまま内戦が長引けば死傷者だけが増え続け、軍事介入の正当性も揺らぎかねないと指摘。打開策の一案である地上軍投入については非現実的だと断じ、停戦調停についても、内戦当事者の一方に肩入れする構図が日増しに色濃くなる現状では困難だとしている。

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