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3424.報道比較2018.7.7

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Japan sun set

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オウム事件で全紙が横並び。当時よりも、さらに社会が荒み、平然と排斥や主張が行われる時代になった今、この国はずっと危うい。

朝日新聞・社説
オウム死刑執行 根源の疑問解けぬまま

産経新聞・社説
元教祖ら7人死刑 執行は法治国家の責

日本経済新聞・社説
刑執行で終わらぬオウム事件

毎日新聞・社説
松本死刑囚ら7人の刑執行 再び闇を生まないために

読売新聞・社説
松本死刑囚執行 「オウム」を再び生まぬ社会に

全紙が同じ話題を取り上げるのはひさしぶりだ。現代史の中でも特異な事件で、政治や行政が口を挟みにくいため、各紙の思考が見えるのも興味深い。私の感覚は毎日が近い。事件の真相が今でも見えないにも関わらず、死刑制度と法務省の対応に話題を割く朝日、産経、読売には違和感が強い。朝日は国会や政府が事件の分析をした方がいいと提案していたらしい。国家主義が進む現在では、私にはむしろ国家を暴走させる最悪な提案に感じる。今のままなら、日本はこの事件を風化させるだろう。学んだような気分にはなったが、何ひとつ判らない。国家が何をしているのかも見えない。いま、何が起きつづけているのかも判らない。以前より、不透明さは増した。
私にとって、オウム事件は、人生で最も衝撃的な事件だった。だが、その後、3.11の原発への対応は、オウムの異常さを越えた。そしていいま、安倍政権が繰り広げている手法は、さらに恐ろしさを感じる日々だ。死刑制度への議論よりも話題が飛躍してしまうので、これ以上、深くは述べない。異端者が少しずつ影響力を手にして暴走する姿と、合法で権力を手にしながら恣意で社会を変質させるのは、大きく違う部分もあるが、似た側面がある。当時よりも、さらに社会が荒み、平然と排斥や主張が行われる時代になった今、この国はずっと危うい。

人民網日本語版
経済史上最大規模の貿易戦争勃発 中国の反撃の理由は (2018.7.7)

日本経済新聞・社説
米中は制裁を撤回し対話で摩擦緩和を

Wall Street Journal
米中の関税発動、トランプ氏支持地域への影響大きく (2018.7.6)

貿易戦争が現実になって、日経平均、上海の株価指数、アメリカの株価指数もすべて上昇した。明らかに「織り込み済み」だ。社会の感覚も同様だった。日経と人民網は政治のメッセージの代弁のような感情的な内容だが、政治が危機を避けられなかったことに言い訳と自己弁護しているだけに聞こえる。アメリカの経済紙は現実主義なのだろう。はじまった危機が現実としてトランプ氏の支持基盤に大きな影響を与えそうだと示唆している。この方が、ずっと興味深い。トランプ氏には、中国の攻撃手法を非難できる題材になるだろう。そして攻撃された人たちは、頑なになる。中国のやり方は、私には逆効果に思える。日本や中国が、今でもアメリカに太刀打ちできないのは、現実主義で目的を達成することではないか。アメリカにとって、国家の威信や、経済成長は結果だ。戦略はもっと具体的だ。目的を達成するまで、アメリカは手段をいくつもすでに準備している。正論や是非論は役に立たない。

朝日新聞・社説
参院選改革 今国会にこだわるな

朝日は政治が好きなのか、自民党批判が日課なのだろう。参議院選挙への改革批判は、自民党に近い産経や読売からも批判が出ている。言っていることは正論。他紙がオウムと貿易戦争だけで仕事を終えたと思っている日に、もうひとつ準備した姿勢はすばらしい。内容を、もう少し建設的にして欲しい。

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