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3355.報道比較2018.5.10

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朝鮮半島の主導権は、明らかに北朝鮮の金氏が主導している。アメリカと逢うか、中国や韓国とどう対峙するのかも、金氏がすべてを握っている。少なくとも、彼は命がけで国家のために、自分のために考えているだろう。日本にそれだけの覚悟があると思える人は?

朝日新聞・社説
日中韓サミット 外交の「空白」埋める時

中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領が来日し、2年半ぶりの日中韓首脳会談が開かれた。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と中国の習近平国家主席が異例の再会談に臨み、米国のポンペオ国務長官が北朝鮮を再訪するなど、史上初の米朝首脳会談に向けた動きが激しさを増す中での開催である。日中韓の3首脳は、朝鮮半島の非核化に向けた連携で一致。北朝鮮への経済制裁などを盛り込んだ国連安保理の決議を完全に履行していくことでも足並みをそろえた。北朝鮮が今後どう動くかは予断を許さない。とはいえ、もはや米国一辺倒、圧力一辺倒という硬直的な姿勢で立ちゆかないことは明らかだ。刻々と変化する情勢に機敏に対応するためにも、中韓両国との緊密な意思疎通が欠かせない。東アジアの平和と安定は日中韓3カ国に共通の利益である。朝鮮半島情勢の軟着陸をはかるためにも、緊密な連携が不可欠だ。米朝首脳会談の行方を見守るだけでなく、長期的な視野にたって、首脳間の対話を進めていくべきだ、としている。

産経新聞・社説
北朝鮮危機 「非核化」の溝はなお深い

北朝鮮核危機をめぐる関係国の動きがめまぐるしい。習近平中国国家主席と金正恩朝鮮労働党委員長が異例の再会談を行ったかと思えば、直後にはポンペオ米国務長官が平壌入りした。米朝首脳会談を見すえた駆け引きの面が大きい。一連の動きから浮かび上がってくるのは、北朝鮮の非核化という中心テーマをめぐる溝の深さである。厳しい現実を直視しつつ、日本は米国との連携を強めるべきだ。北朝鮮が繰り返しているのは「朝鮮半島の非核化」により「世界の核軍縮に協力」するということだ。自らの核武装を前提としている。そのうえ「段階的、同時並行的措置」を求めている。制裁解除などの見返りを先に与えることは容認できない。習氏は金氏との会談で「段階的措置」を支持した。日中韓サミットでは李克強中国首相が参加して北朝鮮の「完全な非核化」を目指すことを確認した。二枚舌に等しいではないか。対北融和の流れを断ち切るべきである、としている。

日本経済新聞・社説
北の「完全な非核化」へ中韓を取り込め

日本と中韓両国との歴史認識や領土をめぐる対立は根深く、関係全般に影を落としてきた。だからこそ首脳同士が頻繁に会い、胸襟を開いて語り合うことが重要になる。2年半ぶりとなった日中韓首脳会談の開催を歓迎したい。北朝鮮の完全な非核化へ3首脳が連携を確認したのは当然だ。安倍晋三首相は共同記者発表で「北朝鮮の諸問題に関する累次の国連安保理決議を履行するのが3カ国共通の立場だ」と表明した。問題はどう実現するかである。中国は北朝鮮が主張する「段階的で歩調を合わせた措置」を支持している。非核化へ行動するたび関係国が見返りを与える方式で韓国内にも容認論がある。拉致、核、ミサイルの包括的な解決をめざす日本は米朝首脳会談後までにらんだ戦略づくりが求められる。米国との結束を固めながら、中韓も取り込んだ重層的な外交を展開すべきである、としている。

毎日新聞・社説
東京で日中韓首脳会談 非核化の大枠合意を次へ

安倍晋三首相、中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領の日中韓3首脳がきのう東京で会談し、北朝鮮による核・ミサイル計画の完全放棄に向けた連携を確認した。3首脳による共同記者発表では「完全な非核化」を目指すとした先月の南北首脳会談での「板門店宣言」への支持が表明された。中国は北朝鮮と歩調を合わせ非核化と同時に制裁解除を段階的に実施する考えのようだ。日本はまず「完全な核廃棄」の具体策で合意し、その後に北朝鮮の行動に応じて制裁解除する手法を想定する。米国も同様の立場だ。しかし、中国は北朝鮮と歩調を合わせ非核化と同時に制裁解除を段階的に実施する考えのようだ。韓国は南北首脳会談の宣言をもとに南北と米国の3カ国か南北米中の4カ国で進める構想を描く。日中韓の利害はそれぞれ異なるが、「日本対中韓」の構図を放置すれば北朝鮮を利するだけだろう。中韓との綿密な調整を継続すべきだ。中国首相の来日は7年ぶりだ。日中首脳会談では懸案だった偶発的衝突を回避する「海空連絡メカニズム」の運用開始で合意した。李氏は北海道にも足を運んで交流を深める。今回の会談を弾みに日中韓の首脳交流を軌道に乗せたい、としている。

読売新聞・社説
日中韓首脳会談 北朝鮮の非核化へ道筋を探れ

安倍首相と中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領が東京で会談し、貿易や文化、環境など広範な分野で協力を拡大する方針を確認した。日中韓首脳会談の開催は2年半ぶりだ。日中、中韓関係の悪化などが支障となった。再び定例化させ、協力の基盤としたい。日本が議長国となり、3か国の協調を確認した意味は重い。朝鮮半島の非核化をうたった南北首脳会談の板門店宣言についても評価した。今回の合意を土台に、対北朝鮮政策に関し、認識の共有を図っていくことが大切だ。安倍首相は日本人拉致問題の解決に向けた協力を要請し、中韓両首脳から理解を得た。政府は、被害者の早期帰国に向けて粘り強く取り組まねばならない。北朝鮮は米国などとの核合意を何度も反故にしてきた。過去の失敗を繰り返さないため、核廃棄の手順と時期を明確に定め、目標達成まで、北朝鮮への圧力を維持する。日米両政府が掲げる基本方針は、適切である。安倍首相はトランプ氏と一層緊密に意思疎通を図り、国際社会が受け入れられる完全な非核化を目指すことが重要だ、としている。

人民網日本語版
重大な意義を持つ中朝の戦略的意思疎通の強化 (2018.5.9)

習近平国家主席と金正恩委員長が40数日後に再び会談するとは、国際社会にとって予想外のことだった。朝鮮半島情勢が深く複雑に変化する肝要な時に、両国の最高指導者は今回大連会談で戦略的意思疎通の強化という両国共通の願いと必要性を示した。戦略的意思疎通において、中国側は朝鮮側に若干の重要なメッセージを積極的に伝えた。これは次の4つの「支持」にまとめられる。(1)中国側は朝鮮側が戦略の重心を経済建設に変え、自国の国情に合った発展の道を歩み出すことを支持する(2)朝鮮側が朝鮮半島非核化の目標に尽力することを支持する(3)朝鮮半島北南双方の関係改善及び朝米対話・協議による朝鮮半島問題の解決を支持する(4)朝鮮側が非核化推進の過程において自らの正当な安全上の懸念を解決し、朝鮮半島の戦争状態を終結し、休戦協定から平和協定への転換を実現することを支持する。金委員長は習主席との会談で、朝米対話を通じて相互信頼を構築し、関係各国が責任をもって段階的・同時的措置を講じ、朝鮮半島問題の政治的解決を全面的に推進し、最終的に朝鮮半島の非核化と恒久平和を実現することを希望すると表明した。国際社会はこの立場を評価し、支持している。中朝の戦略的意思疎通の強化は、中朝関係の健全で安定した発展の推進に資し、朝鮮半島の長期安定・平和の実現に資し、地域の平和・安定・繁栄の促進に資する、としている。

日中韓での首脳会談のタイミングに、国家主席が北朝鮮と会談する話題が大きく流れる。意図的なのは明らか。日本で李首相が何を言おうが、国家主席の発言の方が重い。私はずいぶん前から北朝鮮の行動は中国とともにあると見ているが、この2度目の会談で、段階的な非核化と、それに合わせた経済支援のような見返りが、米朝首脳会談でのゴール設定と確認されたようだ。韓国からアメリカ軍がいなくなることが、ロシアと中国にとってのゴールでもある。同時に、日本と韓国を従わせるのはたやすいと判断したのだろう。
仕事で会議となったら、どうする?偉い人ほど手ぶらで来て無知を晒す。会議を仕切る人は事前の準備を怠らない。自分のやり方に添わせたければ提案を持ってくるし、緊張を演出するために強く主張する時もあるだろう。今回、日本はどれだけの準備をしていたのか?アメリカと「これだけは譲れない」と合意した内容を確認した程度ではないか?どうやって守るかも、相手が妥協を求めた際にどう対応するかさえ準備していたか疑わしい。ひたすら非核化という。ひたすら圧力を優先する。国際社会のルールを盾にする。それでここまで、どんどん孤立してきたというのに?
ここまで、朝鮮半島の主導権は、明らかに北朝鮮の金氏が主導している。アメリカと逢うか、中国や韓国とどう対峙するのかも、金氏がすべてを握っている。少なくとも、彼は命がけで国家のために、自分のために考えているだろう。日本にそれだけの覚悟があると思える人は?残念だが、日本国民全員がノーと言うのではないか?アメリカと連携というメディアの表現は聞こえがいいが、シンプルに言えば依存だ。本気で仕事して欲しい。

Wall Street Journal
強硬策の限界試すトランプ外交、大成功か大失敗か (2018.5.10)

トランプ氏は8日、欧州の同盟諸国の要請を退け、オバマ政権時代に締結されたイラン核合意からの離脱を表明。トランプ流をあらためて印象づけた。トランプ大統領の戦略を疑問視する人々からは、同氏のやり方に批判が上がる。オバマ政権で米中央情報局(CIA)長官、国防長官を務めたレオン・パネッタ氏は、トランプ氏は代替策に関する明確なビジョンを持たないまま、前任の功績を覆すことだけに専念しているようだと指摘。「次にどうすべきかに関する戦略がないまま手りゅう弾を投げれば、極めて危険な状況に陥る」と警告する。トランプ支持派も、トランプ流の危うさは認めている。一方で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を米国との交渉のテーブルにつかせるなど、トランプ氏の戦略は、すでに成果を出しているとも主張する。トランプ氏は、自らの考えに近い人物を安全保障のアドバイザーに起用し、ますます現状を打破しようとしている。トランプ氏はシリアからの米軍撤収を望んでおり、アフガニスタンについても同様の考えを示している。米当局者は来週、正式にエルサレムに大使館を開設する見通しだ。トランプ政権の関係者はかつて、数年はエルサレムへの移管はあり得ないと話していた。パネッタ氏は「ロナルド・レーガンは、頭の切れる人材を要職に充てるスマートさを備えており、進んで彼らの助言に耳を傾けていた」と指摘する。そしてこう語った。「最も優秀な人材を確保するだけなく、彼らを引き留めておくという点においても、トランプ大統領は問題を抱えている」、としている。

Financial Times
米国に対する信頼を打ち砕くトランプ大統領 (2018.5.4)

トランプ大統領は、北朝鮮政府と取引をし、彼の国の核兵器を廃棄させたいと話している。そしてその一方で、イラン核合意を廃棄することによって米国のリーダーシップに対する諸外国の信頼を打ち砕くつもりでもいる。この2つの考えが矛盾することは、意図的に見過ごされている。これはもう、核兵器の拡散に向かっている世界的な流れを止める方法ではない。トランプ氏と、北朝鮮の金正恩体制との関係が目を見張るほど和らいだことは、予想を裏切る展開だった。北朝鮮はすでに核爆弾を数多く蓄えている。専門家筋によれば、その数は40~100個にのぼる。日本や韓国にしてみれば、トランプ氏が金正恩氏と取引を行い、その結果として北朝鮮がICBM開発プログラムを取りやめてその他の核兵器やミサイル攻撃能力は維持するというシナリオは、まさに悪夢だ。韓国の文在寅大統領は、北朝鮮に門戸を開いたことで称賛されるべきである。文氏は少なくとも、平壌に炎と怒りをぶちまけるトランプ氏の計画を防いでいる。しかし、それでこの世界がより安全になったとは、とても思えない。トランプ大統領は世界各地のいかがわしい政治体制に、これ以上ない危険なメッセージを送っている。米国にやられないようにしたいのなら、核爆弾を作れ――というものだ、としている。

中東へのトランプ氏の決断で確実になったのは、ヨーロッパとアメリカの関係が悪化したこと。ロシアや中国にとって都合のいい状況になっていることだ。トランプ氏は意図的ではないのだろうが、目的のためにアメリカの孤立は進んでいる。北朝鮮との交渉に、この混乱はポジティブだろうか?緊迫感を高めたいトランプ氏にとってはプラスなのかもしれないが、もっともメリットを得たのは中国だ。

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