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3349.報道比較2018.5.4

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日本の時計が止まっている中、世界は大きく差をつけていく。

Wall Street Journal
セダン車はもう不要? 日本勢の米国戦略に試練 (2018.5.4)

4月の米新車販売は、 トヨタ自動車 、 日産自動車 、ホンダの日本勢3社が軒並みマイナスに沈み、日産は2桁の落ち込みを記録した。販売減少の原因は、米市場に参入した当時から日本メーカーが得意としてきたセダンだ。米国における売れ筋がスポーツ用多目的車(SUV)にシフトする中、日産の4月のセダン米販売台数は前年同月比およそ35%減少し、全体でも28%のマイナスとなった。ホンダは全体で9.2%、トヨタは4.7%それぞれ減った。最近の大型車はかつてほど燃費が悪くない。特にクロスオーバーは、燃費性能がセダン車とほぼ肩を並べる水準で、わずかな上乗せ価格で、セダンより広い車内スペースを提供する。これはつまり、米国民が車内空間の広さをあきらめてまで、燃費性能が優れた車を選ぶようになるには、ガソリン価格が著しく上昇する必要があることを示唆している。米自動車メーカーは、近くこうした状況が起きるとは想定していない。 フォード・モーター 、 ゼネラル・モーターズ (GM)、フィアット・クライスラーは軒並み、セダン事業を縮小しており、中でもフォードは、米国内のセダン市場からほぼ完全に撤退する意向を示している、としている。

人民網日本語版
自動車の無線充電が実現 技術競う北京モーターショー (2018.5.3)

北京モーターショー2018が4月25日に開幕した。中国で最高ランクのモーターショーとして、北京モーターショーは今や多くの自動車ブランドが新製品や新技術、そして新しく打ち出す理念を発表する業界の「主戦場」になっている。今年は上海モーターショー2017年と同様に、車の電動化が各ブランドが攻撃をしかける主要分野だ。また超大型電子中央制御ユニットディスプレイ、ワイヤレス(無線)充電などの新技術が次々登場し、科学技術の競争が繰り広げられるもう一つの分野になっている。上海汽車集団のブランド・栄威が「世界初の量産化を実現したスマートカー」として「マーベルX」を発表した。マーベルXは上海汽車の「新4化」(電動化、ネットワーク化、スマート化、共有化)に対応した高級スマートコンセプトカーとして、新エネルギー技術、インターネット科学技術、自動運転分野の最先端技術が惜しみなく投入される。コンセプトカーの設計の90%が生かされ、0-100キロメートル毎時の加速は4秒とスポーツカー並みで、空気抵抗係数は0.29と同クラス車で最も低い。また世界で初めてワイヤレス充電とラスト1マイル自動走行を実現した完全電気自動車だ、としている。

自動車産業は今でも日本にとって重要な産業だろうが、少しずつ家電に近い衰退の予兆を感じさせる。企業としてのブランド価値は維持されているが、日本という国の価値の劣化が激しく、変わりに中国の台頭に対峙できていない。EVシフトへの遅れ、中国市場の出遅れ、Wall Street Journalが描くようなアメリカ・マーケットでも消費者ニーズとのずれが生まれている。SUVは2000年当時から試乗に浸透していった。90年代はSUVのニーズを日本車も支えていたというのに。少なくとも、日本車に輝きは消えた。挽回を期待したい。

朝日新聞・社説
平和主義と安全保障 9条を変わらぬ礎として

安倍首相は9条に自衛隊を明記する改憲の旗を降ろしていない。1項、2項は維持し、自衛隊の存在を書き込むだけと説明するが、政権の歩みを振り返れば、9条の空洞化を進める試みと断じざるをえない。賛成39%。反対53%。憲法記念日を前に実施した世論調査では、首相案への支持は広がらなかった。戦前、言論人として軍部にあらがい、戦後は自民党総裁、首相も務めた石橋湛山は1968年、こんな一文を残している。「わが国の独立と安全を守るために、軍備の拡張という国力を消耗するような考えでいったら、国防を全うすることができないばかりでなく、国を滅ぼす」(「日本防衛論」)時代状況が異なっても、この見方は今に通じる。国力の限界を踏まえ、軍事に偏らず、身の丈にあった安全保障を構想すべきである。不透明な時代であればこそ、9条を変わらぬ礎として、確かな外交、安全保障政策を考え抜かなければならない、としている。

読売新聞・社説
野党不在の国会 政治不信を招く深刻な事態だ

立憲民主党、民進党など野党6党による審議拒否が長期化している。各委員会では、与党と日本維新の会だけで審議が行われている。立民党などに割り当てられた時間には、閣僚らが出席を待ち続ける。異様な光景である。6党は、麻生財務相の辞任や、学校法人「森友学園」の問題に関し、財務省による決裁文書改ざんの調査結果公表などを要求する。これらが受け入れられないことを審議拒否の理由にしている。通常国会は150日間の会期の3分の2を終えた。この間、国会は、決裁文書の改ざんのほか、自衛隊の日報問題など、政府の不祥事の質疑に多くを費やした。次々に新事実が明らかになり、安倍首相や閣僚はそのたびに謝罪を繰り返している。学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、柳瀬唯夫・元首相秘書官と愛媛県職員らの3年前の面会を示す文書が見つかった。首相は学園の理事長と友人であり、学園に便宜を図ったのではないか、との疑いを持たれている。面会を否定してきた柳瀬氏に対し、与党では、国会招致に応じ、釈明すべきだとの声が強まっている。柳瀬氏は率直に事実を話し、説明責任を果たすべきだ、としている。

昨日につづいて憲法をテーマにした朝日。内容は政権批判。読売は野党とともに政権も批判。ただ、朝日の批判は昨日よりは深みがある。偶然だろうが、昨日の各紙の社説を総括したような、日経が主張したような現状が憲法改正へ進む環境にないことを諭している。憲法改正へのステップを留まらせるには、産経や読売のような政権に寄り添ってきたメディアの姿勢が問われる。

産経新聞・社説
徴用工像の阻止 文氏は慰安婦像の撤去も

韓国・釜山の日本総領事館前の徴用工像の設置が阻止された。市民団体や労働団体が今月1日の設置を目指していたが、多数の警官隊が動員され、食い止めた。韓国政府もやればできるのである。文在寅政権は、残る慰安婦像も責任を持って撤去してもらいたい。国際法と国同士の約束を順守すべきだ。ソウルの日本大使館前と釜山の日本総領事館前の慰安婦像も直ちに撤去してほしい。日本をおとしめようという「歴史戦」は続く。そのなかでフィリピンのマニラに中国系団体などが設置した慰安婦像が撤去されたのは朗報だ。この像をめぐり、政府はドゥテルテ政権に懸念とともに、アジア女性基金や歴代首相の手紙など慰安婦問題の取り組みを伝えた。その成果といえよう。黙っていては嘘が広がるだけである。いわれなき非難や不法を放置して信頼と連携は築けない、としている。

日本経済新聞・社説
将来を直視した柔軟な制度改革を

2030年にはすべての都道府県の人口が減少に転じる。国立社会保障・人口問題研究所が公表した地域別の将来推計人口だ。なかでも地方は厳しい。道路や下水道のようなインフラや公共施設の老朽化も深刻だ。道路橋だけをみても30年には全体の6割が建設から50年を超す。今、すべきことは30年以降の姿を直視し、人口減に適合する社会に変えることだろう。まず、コンパクトな街に再編する必要がある。このまま人口密度が低下すれば、生活に欠かせない店や施設の撤退が避けられない。訪問介護のようなサービス業の生産性を上げるためにも不可欠だ。都道府県の再編も検討課題だ。急速な人口減に苦しむ秋田県の佐竹敬久知事は「早晩、現在の都道府県の枠組み(の見直し)も議論に上る」と予想する。国の出先機関の業務まで統合するなら道州制への移行も視野に入る。01年の中央省庁の再編で経済企画庁などがなくなり、中長期の経済計画や国土計画が軽んじられている。持続的な経済社会を見通すビジョンと課題を国や自治体がまず明確にすることが、30年への挑戦を可能にするのだろう、としている。

毎日新聞・社説
みどりの日に考える 豊かな森の恵み守るには

群馬県みなかみ町の利根川源流域に「赤谷の森」と呼ばれる面積約1万ヘクタールの国有林がある。林野庁と日本自然保護協会、地域の住民団体の3者が協働し、生物多様性の回復と持続可能な地域づくりに挑戦中だ。日本は国土面積の約3分の2(約2500万ヘクタール)を森林が占める。ところが、1950年代半ばからの拡大造林政策で造られた私有人工林を中心に荒廃が懸念されている。森林の公益的機能を考慮すれば、林業経営に適さない私有林の管理を市町村に委ねるという方向性は理解できる。だが、課題も多い。森から発した川が海へと続くように、流域の自治体が連携して新税を有効活用し、森林再生に取り組むべきだ。相互交流により、森林の重要性の理解が深まるし、山間部の自治体の人員不足を補う効果も期待できる。「森は海の恋人」が合言葉の取り組みは今年で30周年。東日本大震災で気仙沼の養殖業は大きな被害を受けたが、森の力のおかげもあり、よみがえることができたという。今日はみどりの日。50年、100年先を見すえた森林政策が、今こそ求められている、としている。

産経、日経、毎日は自紙の特色が出たとも言えるが、内容のレベルは低い。産経はいつもの韓国への批判なので毒素しか含まれていない。日経は昨日の冴えとは担当が違うのだろう。壮大な問題ばかりを取り上げるが、なにひとつ具体的な話はなし。悲観への対策は柔軟な制度改革?何も響かない虚構だ。
毎日の社説は良い。カレンダーに合わせてのテーマ設定のようだが、緻密な情報、考察に深みがある。新しい担当者だろうか?関心が薄い森林の問題に気づきを与えてくれた。革や海と一体という発想も斬新だ。あまり大きな取り組みにするよりは、小さく成功事例を増やしていく方が、より森林が人を惹きつけるきっかけになるのではないか?

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