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3347.報道比較2018.5.2

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休日の使い方で、差は拡がる。置き去りにされないために、世界を見よう。

Wall Street Journal
中国に「人口の時限爆弾」、迫る成長の限界 (2018.5.1)

中国は「人口の時限爆弾」と呼ばれる状況に向かって突き進んでいる。10年後には60歳超の人口が米国の全人口を超える見通しだ。労働力の減少は既に始まっており、生まれてくる子どもの数が足りていない。中国当局は産児制限を緩和しつつあるが、長年の政策を突然大きく変えることには消極的な姿勢を示している。一部の人口統計学者は政府の動きについて、人口減少の流れを反転させるには緩慢すぎると指摘している。中国が抱える人口動態上の問題は、習近平国家主席の頭にも入っているようだ。2015年に習氏は、中国にはもっと多くの新生児が必要だと述べた。また昨年10月の共産党大会で行った報告には、これまで言及されていた「計画生育」の言葉はなかった。計画生育委員会を新たな行政機関に置き換える動きは、習氏の懸念をこれまでになく明確に示すものだ。産児制限の解除には憲法の修正が必要になるだろう、としている。

人民網日本語版
商務部、自動車や一部の日用品の輸入関税引き下げへ (2018.4.28)

商務部(省)の高峰報道官は26日、「現在、商務部は関連部門と輸入拡大関連の政策措置について積極的に検討しており、輸入品の全体的な税率水準をさらに引き下げ、自動車や一部の日用品の輸入関税を引き下げる予定」であることを明らかにした。商務部は関連部門と輸入拡大関連の政策措置について積極的に検討しており、輸入品の全体的な税率水準をさらに引き下げ、自動車や一部の日用品の輸入関税を引き下げ、多くの国民のニーズが集中する特色ある優れた製品の輸入の増加に力を注ぎ、貿易の利便化関連措置などを打ち出す。そのほか、第1回中国国際輸入博覧会の開催に全力を尽くす」と続けた。これは、中国がさらに高い水準で対外開放を拡大するための重要な一歩であり、中国の対外開放によって切り開かれる全く新しい局面を強力に促進させる」とした。

高齢化は中国だけの課題ではないが、一人っ子政策で人口減少を目指した中国の末路は極端だ。副作用が確実になりつつあるが、まだアクションには至らない。一方、貿易戦争への返答のような関税引き下げには迅速に対応した。人は喫緊の課題にはすぐに動くが、少しずつ進む危険には動かない。手遅れになってから慌てるのは、人間の性のようだ。

日本経済新聞・社説
スプリント再編が映す通信市場の変質

ソフトバンクグループ傘下で米携帯4位のスプリントと同3位のTモバイルUSが2019年をメドに合併することを決めた。日米を含めた先進国では通信市場が成熟化し、通信各社は新たな成長戦略を模索している。米通信再編がどう展開するのか、その行方に目を凝らしたい。世界を見渡すと、スマートフォン需要の一巡や、自前の通信網を持たずにサービスする「MVNO」の台頭もあり、携帯市場の伸びしろは年々小さくなっている。次世代規格「5G」の商用化に向けた巨額の投資が目前に迫るなかで、新たな収益源となる事業モデルの確立も今後の課題だ。スプリントとTモバイルの統合構想は過去にもあったが、競争政策の観点から米当局が認めず、頓挫した経緯がある。トランプ政権の競争政策を占ううえでも、合併審査の行方に注目したい、としている。

日経は、もうソフトバンクからも適切な情報を得られないということか。文には誰もがしれる事実と憶測しかない。社説だからでも、国内事業ではないからでもないだろう。ソフトバンクにとって日経が、そして日本というマーケットの優先順位が下がっている。グローバルでビジネスをしている企業では当然だ。トヨタや任天堂と同じ価値観でソフトバンクが動きはじめた。興味深い。同時に、企業が、日本の人材が世界を目指すほど、日本のメディアの価値は相対的に低く感じるようになるだろう。日本のメディアにこそ、変化を求めたい。

毎日新聞・社説
愛媛、広島での受刑者逃走 開放的施設の運用点検を

愛媛県今治市にある松山刑務所の大井造船作業場で服役中の27歳の男が逃げ出し、22日間逃走した末にようやく広島市内で逮捕された。大井造船作業場は1961年に開所した、いわゆる「塀のない刑務所」として知られる。実社会に近い集団生活の中で協調性や自立心を養い、スムーズな社会復帰を促すという狙いがある。こうした開放的施設は全国に四つある。逃走した男は動機について「刑務所での人間関係が嫌になった」と供述しているという。刑務官に2度ほど規則違反を叱責されて悩んでいたとの情報もある。大井作業場以外の開放的3施設では、平成に入って逃走事件が起きていない。運営方法に問題がなかったか、背景の調査にこそ重点を置くべきではないか。法務省が再発防止に向けて設置した委員会では、本人が外せない全地球測位システム(GPS)端末を受刑者に付ける案も出たという。だが、自尊心を過剰に傷つけるような方法は更生の観点からも逆効果だ。施設の目的とは相いれない、としている。

刑務所はパワハラが置きやすい場所だと思うが、毎日の寛容さも過剰に見える。逃亡は罪であって、過去に例がないなら異常なのは逃亡が起きた事実だと思う。原因を調べるべきは、逃亡が起きる体制、環境ではないか?

朝日新聞・社説
日銀物価目標 地に足ついた見通しを

日本銀行は、4月末に出した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の本文から、物価上昇率2%という目標の達成時期見通しを削除した。これまで6回も達成が後ずれする中で、目標と見通しの区別をあいまいにしてきた従来の姿勢が、混乱を招くと判断したようだ。日本銀行は、4月末に出した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の本文から、物価上昇率2%という目標の達成時期見通しを削除した。これまで6回も達成が後ずれする中で、目標と見通しの区別をあいまいにしてきた従来の姿勢が、混乱を招くと判断したようだ。今回のリポートでも、本文からは削除したが、参考数値としては19年度に1・8%という見通しを維持している。民間予測の大勢である1%弱と比べ、かなり高い数値だ。何が物価上昇を妨げているのか。それは現行の金融政策で乗り越えられるものなのか。国債の大量購入やマイナス金利、株式投資信託の買い入れという異例の政策を続けている以上、より深い分析と十分な説明が必要不可欠だ、としている。

産経新聞・社説
拉致問題の解決 いまこそ強い制裁を貫け

先の南北首脳会談で、金正恩朝鮮労働党委員長は「いつでも日本と対話を行う用意がある」と述べたという。韓国の文在寅大統領は日本人拉致問題を提起したと、安倍晋三首相に伝えた。なんとしてもこうした流れを、拉致問題の解決に結びつけてほしい。解決とは、被害者全員の帰国である。北朝鮮を微笑み外交に追い込んだのは、いうまでもなく日米が牽引した国際社会の制裁網である。核・生物・化学兵器とあらゆる弾道ミサイルの放棄、そして拉致問題の解決へ向けて具体的な行動がない限り、制裁を緩めてはならない。早まって動けば、それこそ北朝鮮の思うつぼである。拉致は、北朝鮮による残酷な国家犯罪である。米国をはじめとする国際世論を喚起し、正恩氏にこの解決を突きつけるためには、背景に国民の強い怒りを必要とする。被害者の帰国実現のため、米韓など国際社会の協力を求めることは当然である。他人任せといった批判は当たらない。そして最後は、日本政府が自ら、その交渉を完結させなくてはならない。そのための圧力の継続である、としている。

読売新聞・社説
日朝の対話 粘り強く拉致の解決を探れ

米朝首脳会談に向けた準備が本格化している。政府は、刻々と変わる情勢を的確に把握しつつ、米韓両国との政策協調を強めるべきだ。安倍首相は韓国の文在寅大統領と電話会談し、先月27日の南北首脳会談について説明を受けた。文氏は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に対し、日本人拉致問題の解決を求める首相の意向を伝えた。金委員長は、日朝関係に関し「いつでも日本と対話する用意がある」と語ったという。北朝鮮の対話攻勢に惑わされてはならない。まずは、米朝首脳会談の動向を見極め、実務協議を重ねることが現実的だろう。核に加え、あらゆる射程の弾道ミサイルを廃棄することも、地域の安定には不可欠である。首相は様々な機会を生かして、トランプ氏に念を押す必要がある。国務長官に就任したばかりのポンペオ氏と早々に、直接意見を交わしたことは評価されよう。外交当局間で、北朝鮮問題を協議する態勢を早急に整えたい、としている。

この3紙は完全に連休モード。日銀の変化のない姿勢と、少し前の日米会談。いったはずの目標を達成もしないのにこっそり取り下げて説明もしない中央銀行。拉致問題をアメリカに託して進展を主張する日本の姿勢は、どう考えても間違っている。

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