ORIZUME - オリズメ

3345.報道比較2018.4.30

3345.報道比較2018.4.30 はコメントを受け付けていません。

連休ボケのはじまりか。政治もメディアも弛緩している。力を抜いていいほど順調な人は多くないはずだが。

産経新聞・社説
財務省とセクハラ 調査結果は不十分である

財務省は、セクハラ問題で事務次官を辞任した福田淳一氏について、セクハラ行為があったと認定し、6カ月の減給20%の懲戒処分に相当すると発表し、謝罪した。だがこの問題で問われたのは、福田氏の破廉恥な言動にとどまらず、福田氏の擁護に傾斜した財務省の姿勢である。この反省を徹底しなければ、醜聞をめぐる混乱は容易に収まらない。福田氏は、財務省が委託した弁護士の聴取に、被害女性と1対1の飲食をしたことを認めた上で、セクハラ行為については依然、否定しているのだという。本人が否定したままセクハラ行為があったとの認定に至る説明も不十分である。調査が尽くされたとは到底、言い難い。被害女性の人権保護についてはテレ朝が責任を持ち、自社の記者が受けたセクハラ被害について抗議も報道もできなかった反省についても検証する。財務省が福田氏の人権を盾にこれを拒むなら、テレ朝側への情報提供の申し入れがいかに理不尽か分かるだろう、としている。

毎日新聞・社説
セクハラと日本社会 これが21世紀の先進国か

調査もせず口頭注意で済ませる。それが発覚直後の財務省の態度だった。報道した週刊新潮が問題発言の録音を公開し、「調査」を始めたが、被害者に「名乗り出よ」と言わんばかりの乱暴な手法だった。最も深刻なのは、次官を監督する立場にある閣僚が、セクハラの本質やその重大性をおよそ理解しているとは言い難い点である。21世紀の先進国政府で起きているとは信じ難い恥ずべき事態である。「女性の活躍」を看板政策に掲げる安倍晋三首相はなぜ怒らないのか。働く女性が性的対象としてしか見られない、尊厳が傷つけられてもあまり問題にされない社会で損をするのは女性ばかりではない。社会全体が活力を失い、国際社会からも尊敬されない国になる。基本的な権利を守ろうと立ち上がった一人の勇気がつぶされ、至る所で勇気の芽が摘まれる。そんな国は、現代の国際社会で名誉ある地位を占めることなどできない、としている。

テレビ朝日に被害者がいたと判明した後、テレビ朝日と関係の近い朝日は昨日に、今日は毎日が動いた。やけに政府に近い読売が相変わらず無視で批判を集めている。日経も無視。いつも政府に無関心を装う日経の方が悪質だろう。産経、毎日の批判は事態が見えてからのものだ。疑わしきは罰せずかもしれないが、少なくとも麻生氏の感覚は大臣としては完全に失格だろう。今回は安倍氏は任命者としての責任にはあまり言及しない。逃げるほど、支持率に結果は出るのだが。

日本経済新聞・社説
米経済の回復妨げぬ慎重な政策運営を

米経済の底堅い回復が続いている。1~3月期の実質成長率は前期比年率2.3%(速報値)で、いまの実力といわれる2%弱を4四半期連続で上回った。だが長期金利の上昇や貿易摩擦の激化などが、景気の回復を妨げる懸念は残る。トランプ米政権と米連邦準備理事会(FRB)の慎重な政策運営が必要だ。しかしトランプ政権の大規模な財政出動は、景気過熱やインフレのリスクと背中合わせだ。金融政策の正常化に取り組むFRBが、想定以上の急激な引き締めを迫られる恐れがある。米国の長期金利はじりじりと上昇し、24日には4年3カ月ぶりに3%台に乗せた。市場が財政の悪化や利上げの加速を意識しているのは確かだろう。米国が強行した鉄鋼やアルミニウムの輸入制限は、関連製品の値上がりを誘発している。FRBがまとめた地区連銀経済報告では、製造業や建設業への影響が浮き彫りになった。いまの米国は景気後退への対応力を欠く。金融緩和の余地は乏しく、これ以上の財政出動も難しい。トランプ政権は米経済に余計な負荷をかけてはならない、としている。

読売新聞・社説
日銀物価目標 達成時期の削除は現実的だ

日銀は、黒田東彦総裁の再任と2副総裁の交代後初めての金融政策決定会合を開いた。これまで「2019年度頃」としていた物価上昇率2%の目標達成時期を、経済動向の見通しを示す文書から削除した。黒田氏は記者会見で「(達成時期の)数字のみに過度な注目が集まることは適当とは言えない」と述べ、時期を定めずにデフレ脱却に取り組む考えを強調した。黒田日銀の異次元緩和は5年を超え、緩和策をこれ以上強化すれば弊害が広がりかねない。銀行の貸出金利が下がり、収益が圧迫されている。利ざやの縮小によって新規融資が滞り、かえって金融緩和の効果を損なっているとの見方もある。今、求められるのは大規模緩和の利害得失を冷静に見極め、柔軟に政策を検討する姿勢だろう。無論、短兵急な金融引き締めへの転換は厳に避けるべきだ。日銀の緩和拡大に限りがあるだけに、持続的な経済成長には政府の役割が一層重要となる。企業の設備投資を後押しする規制緩和を加速する。働き方改革の実現で生産性を高める。こうした政策で消費拡大が生産を押し上げる好循環を作りたい、としている。

とぼけた日経と読売が選んだのは経済トピック。どちらも当たり障りのない内容で、連休の原稿として準備していたものだろう。中央銀行が言葉遊びのようなリリースを流し、マーケットが反応しなければ後講釈を連ねるに留める。適温相場がつづいてメディアまで弛緩している。緊張が待たれる。

朝日新聞・社説
憲法70年 25条の意味、問い直そう

「健康で文化的な最低限度の生活」を国民の権利とした憲法25条。その理念に基づき生まれたのが今の生活保護法だ。「最低限度の生活」に必要な費用を具体的に定めた保護基準は、社会保険料の減免、就学援助、最低賃金などの参考にもされる。その保護基準が、今、大きく揺れている。自民党が政権に復帰した直後の2013年、制度始まって以来最大の引き下げが行われたのに続き、この10月からさらに引き下げるという。扶養は家族の義務との考えが強調される日本では、生活保護の受給のハードルは高い。保護基準以下の世帯のうち実際に制度を利用している割合は、2割に満たないとの研究もある。さらに、非正規の増加など雇用環境の悪化で、ワーキングプア(働く貧困層)が広がり、働けば自立できるという前提も崩れてきた。25条の理念を改めて社会全体で共有するための、新たな議論が必要だ。25条の理念をどう暮らしに反映していくか。それを問い続けることは、私たちがどんな社会を目指すかを考えることにほかならない、としている。

表題に工夫が欲しかった。これは憲法論ではなく、生活保護の話だ。連休に憲法論でも連載のつもりなのだろうが、生活保護の方が、格差や高齢者で生活が破綻する事例が増えている現在、ずっとニーズがあるはずだ。自民党がなぜに生活保護の予算を下げているのか、意味が判らない。バラマキが大好きで、どこも水ぶくれのように国家予算は膨張しているというのに。弱者こそがこれから増えて、政治的な選択肢を左右する存在になるはずなのだが。まだ日本が既得権で回ると思っているのだろうか。人口減で次の時代も見通せない中、確実に弱者は増える。セーフティネットが弱いほど、危機の時に暴走は起きやすくなる。自民党は日本の格差を甘く見過ぎている。

Wall Street Journal
アマゾンとグーグル、銀行業に攻め込まないわけ (2018.4.27)

その理由は、急成長を見せるクラウドコンピューティング分野で、銀行が大手取引先となる可能性が強まっているからだ。米アマゾン・ドット・コム、アルファベット傘下のグーグル、そして米 マイクロソフト などはそれを理由に、銀行と直接競合することで不和を生じさせないよう慎重になっている。米金融大手JPモルガン・チェースやスイスの同業UBSグループなど最大手の銀行ともなると、新たな技術の開発に自ら数十億ドルを投資している。また最近は、演算能力やデータ保管をウェブ上で提供するパブリック(共有)クラウド向けプラットフォームを新たに利用し始めている。銀行側は従来の中央処理装置からクラウドへと移行することで、膨大な演算能力を必要とする人工知能(AI)などの新たな技術を容易に使えることになる。これによって、より優れたモバイル製品や取引用のツールを生み出すことも可能だ。パートナー関係にあるIT企業が銀行のデータから得た情報などを利用し、いずれ銀行と競合する可能性について、バンカメはすでに考慮しているとベサント氏は話す。「その可能性について、甘い考えをもっているわけではない」と同氏は述べ、「同じ考えを共有し、われわれにとってベストなことを中心に考えてくれるインフラ提供企業と協力していく。それが確実にできるよう、注意を払っている」と続ける、としている。

ベンチャーにとっては、チャンスだ。既得権の破壊に躊躇しているなら、壊すものが次の時代のリーダーになれる。銀行の存在意義はどんどん低下している。世界を変えるのが好きな人たちを、誰もが待っている。

人民網日本語版
習近平国家主席がインドのモディ首相と会談 中印関係を正しい方向へ (2018.4.28)

習近平国家主席は27日、湖北省武漢市でインドのモディ首相と非公式会談を行い、湖北省博物館の精品文物展を共に見学した。習主席はモディ首相の武漢訪問を歓迎し、「この3年間で、私とモディ首相は相互訪問を実現してきただけでなく、多国間の場で会談を重ね、良好な関係を築き上げてきた。数多くの重要な共通認識にいたっており、対外的にも中印友好関係の積極的なシグナルを発信し続け、中印という二大新興エコノミーの互恵協力と共同発展という強い意志を明らかにしてきた。偉大な2つの国が展開する偉大な協力は、世界にも影響を与えることができるだろう。モディ首相との今回の会談が中印関係の新たな一章の幕開けとなることを望んでいる」とした。モディ首相は、習主席の武漢における非公式会談への招待に感謝すると共に、今回の会談が歴史的意義をもつ会談であるとし、「インドと中国の間でハイレベルによるやり取りと戦略的な交流を頻繁に行うことは、相互理解の増進と協力の深化に役立つだけでなく、両国と地域の繁栄という共同利益にも合致する。インドはこの目的のため、中国と共に尽力することを望んでいる」とした、としている。

たしかに中国とインドの会談の回数は多く、関係も深まっているように見える。もうすぐナンバーワンになる中国と、その次のナンバーワンが見えているインド。隣国の中国とインドは、これから何年もフレネミーのバランスを取りつづける。シンプルに、どちらとも仲良くするのがベストだ。

Comments are closed.