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3343.報道比較2018.4.28

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完全に立場を失った日本。非核化にこだわるのはいいが、圧力のみに固執するのは間違っていた。ミクロな日本だけの問題を考えると、日本からアメリカ軍がいなくなると困るという、利権を手放したくない発想が、少しずつ自民党から見えはじめた。沖縄の問題、自衛隊の問題、利権の問題…自民党が圧力にこだわる理由が顕在化してきた。米朝首脳会談が楽しみだ。

朝日新聞・社説
南北首脳会談 平和の定着につなげたい

このわずか数百メートルの歩みに、70年近くの分断と対立の重みがあった。金正恩・朝鮮労働党委員長はきのう、北朝鮮の最高指導者として初めて軍事境界線を越え、韓国の地を踏んだ。史上3度目の南北首脳会談が実現した。会談の冒頭で文在寅・韓国大統領が語ったように、いまも冷戦構造が残る朝鮮半島に、新たなページが開かれつつあることを印象づけた。両首脳は会談後、非核化や恒久平和の定着の問題を盛り込んだ「板門店宣言」に署名した。最も注目された核問題について、板門店宣言は「完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現する」とうたった。トランプ米大統領は、今回の南北会談の結果について綿密に分析し、金氏から非核化への具体的な行動と約束を取りつける十分な方策を練るべきだ。北朝鮮に核を放棄させ、国際社会に取り込む作業に、日本も積極的に加わらねばならない。「蚊帳の外」になるかどうかは、日本の外交次第である、としている。

産経新聞・社説
南北首脳会談 微笑みより真の非核化を 米朝会談に向け圧力継続せよ

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が軍事境界線のある板門店で会談した。両氏が署名した共同宣言は、「南北は完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した」とうたった。年内に朝鮮戦争の終戦宣言をし、休戦協定を平和協定に転換するための会談を推進することでも合意した。金氏の言動は、先の中朝首脳会談の際の態度から大きく前進したわけではない。「朝鮮半島の非核化」をうたったことにも新味はない。とりわけ、北朝鮮の核放棄に向けた具体的な道筋が示されていない点を、冷静に受け止めなければならない。北朝鮮に核・ミサイル戦力などを放棄させられるかは、6月上旬までに開催予定の米朝首脳会談にかかっている。共同宣言で注意すべきは、年内に朝鮮戦争の終戦を宣言して、平和協定を結ぶとした点だ。南北に加え、米中両国の4者協議を推進するのだという。文氏が安倍首相に対して取り上げることを約束した拉致問題は、共同宣言でも共同会見でも触れられなかった。どうなっているのか。日米韓の連携という基本を文氏は忘れてはならない、としている。

日本経済新聞・社説
板門店宣言を北の完全非核化につなげよ

北朝鮮の核放棄に向けた一歩となるのだろうか。韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長が南北の軍事境界線のある板門店で会談し、「完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島の実現」をめざすとした共同宣言を発表した。「板門店宣言」と題した共同宣言は、「完全な非核化」を通じて「核のない朝鮮半島」を実現する共通目標を確認したと明記した。朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換すべく、南北と米国、あるいは南北と米中4カ国による協議を積極的に進めるとしている。ただし宣言は、北朝鮮の核放棄に向けた具体策は一切触れていない。北朝鮮としては、核問題については、6月初旬までに予定される初の米朝首脳会談で突っ込んで協議する腹積もりなのだろう。北朝鮮が南北融和にまい進する背景には、韓国を突破口に国際的な制裁圧力を緩和する思惑があるとみられる。金委員長は先の中国訪問の際に、非核化の条件として「段階的で同時的な措置」を挙げたという。みせかけの「非核化」に向けた行動を小出しに掲げ、その度に経済支援などの見返りを求める恐れは十分あり得る。日米韓は引き続き北朝鮮への制裁圧力を維持しつつ、米朝首脳会談への準備を進めていくべきだ、としている。

毎日新聞・社説
11年ぶりの南北首脳会談 非核化への流れ止めるな

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が南北軍事境界線のある板門店で会談し、共同宣言を発表した。今回の会談は、6月までに行われる米朝首脳会談を前にした「橋渡し」との位置付けだった。金委員長には、北朝鮮の外交や軍の責任者が随行していた。核問題で思い切った決断がなされるとの期待感があった。きのうの会談では終始、南北融和ムードが演出された。金委員長は徒歩で軍事境界線を越え、北朝鮮の最高指導者として初めて韓国側に足を踏み入れた。板門店宣言署名後、両首脳は抱き合った。文政権は今回、米国との連携に力点を置いた。日本や中国など周辺国との協調姿勢も示している。着実な合意履行のため、韓国政府は今後も国際社会との連携を重視すべきだ。合意が着実に履行されれば、米朝首脳会談での北朝鮮の非核化議論を後押しするだろう。北朝鮮は核保有国としての立場に変化はなく、米国と軍縮交渉に臨むに過ぎないとの否定的な見方と、場合によっては核放棄を含めた大胆な決断もありうるとの観測が交錯している、としている。

読売新聞・社説
南北首脳会談 非核化の道筋はまだ見えない

韓国の文在寅大統領と金委員長が会談し、朝鮮半島の平和と繁栄、統一をうたった「板門店宣言」に署名した。南北首脳会談は3回目で、約10年半ぶりだ。最大の焦点である北朝鮮の核問題について、宣言は、「完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標」の確認にとどまった。金委員長の共同記者発表での発言でも、非核化に関する言及はなかった。気がかりなのは、宣言が、休戦状態にある朝鮮戦争の終結と平和協定への転換に言及していることだ。南北と米国の3者、または中国を加えた4者による会談を積極的に推進するとしている。核問題の解決のメドがつかないうちから、北朝鮮の体制の保証につながる平和協定に踏み込むのは、順序が逆ではないか。日米は、金委員長の今回の言動を分析し、真意を見極める必要がある。トランプ氏に対し、適切な政策判断を下すよう、注意を促すのも首相の重要な役割だろう。北朝鮮が挑発を自制し、対話に出た背景には、中国による制裁強化の効果が大きかったことに留意すべきである。中国は、北朝鮮へのエネルギー供給や北朝鮮労働者の受け入れの制限を維持せねばならない、としている。

Wall Street Journal
友好ムード演出した南北首脳会談、具体策は棚上げ (2018.4.28)

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は27日、歴史に残る南北首脳会談を終え、平和協定の締結を目指すことで合意した。だが北朝鮮の核兵器を巡る具体的な問題の多くは棚上げされ、米朝首脳会談までに北朝鮮がこの点で譲歩する意思があるかは依然不透明だ。南北首脳会談は板門店で8時間半にわたって行われた。両首脳はこの中で、緊張緩和に向けた取り組みを進め、米国と協議していくことや、北朝鮮に共同連絡事務所を設置することを確認した。宣言では「平和」という単語が11回使われたものの、「核」や「非核化」への言及は4回しかなく、緊張緩和と関係改善に重点を置いた内容であることが浮き彫りとなった。ドナルド・トランプ米大統領はこの日行われた南北会談の重要性を認め、ツイッターに「朝鮮戦争が終結へ!」と投稿。「良いことが起こっている、だが時が経たなければ分からない!」とコメントした。ただ、共同宣言は北朝鮮の核兵器を巡る一層困難な議論の多くを、トランプ氏と金氏の会談まで先送りした格好だ。米朝首脳会談は数週間以内に行われる予定となっている、としている。

人民網日本語版
韓朝首脳が軍事境界線を越え握手 各国は会談の成果に期待 (2018.4.27)

朝鮮の最高指導者・金正恩氏は27日午前に初めて韓国の土を踏み、韓国の文在寅大統領と板門店で会談した。両国首脳の軍事境界線を越えた握手は歴史的瞬間となった。金氏は今回の会談を契機に、朝韓が未来志向で手を携えて前進することを望むと表明した。国際社会も会談の成果に期待している。金氏は冒頭発言で「朝韓が関心を共有する問題について率直で誠意ある対話を行い、会談が喜ばしい結果を出すようにしたい。今回の会談を契機に朝韓が未来志向で手を携えて前進することを希望する」と表明。文大統領は「金正恩氏が軍事境界線を越えた瞬間、板門店は分断の象徴から平和の象徴に変わった」と指摘。金氏は午前の会談で文大統領に、よく会い、素晴らしい世界を共に構築することも提案した。韓国青瓦台報道官によると、金氏は文大統領に、招請があれば青瓦台に行くことも約束した。文大統領は韓朝両国の鉄道をつなぐことも提案した。米ホワイトハウスは会談開始後、交渉が朝鮮半島の平和・繁栄の実現という未来に向けて邁進することを希望するとの声明を発表。米国は同盟国との緊密な協調を称賛するとともに、引き続き有力な話し合いを行い、数週間後に開催される米朝首脳会談の準備をすることを待ち望むとした、としている。

完全に勝利を手にしたのは韓国の文氏。とにかく戦争だけはイヤ。それが韓国のゴールだった。これで北朝鮮に軍事行動がはじまるかはアメリカの決断に委ねられた。韓国の意志がなければ武力行使はしない原則に則れば、アメリカが武力行使に出る確率は大きく下がった。北朝鮮と韓国が挙げたアメリカ、中国を含めた4か国も利害の結論は見出しやすい。
完全に立場を失った日本。非核化にこだわるのはいいが、圧力のみに固執するのは間違っていた。朝鮮半島が開放的な地になった時、最初に利権を手にするのは中国とアメリカだろう。ミクロな日本だけの問題を考えると、日本からアメリカ軍がいなくなると困るという、利権を手放したくない発想が、少しずつ自民党から見えはじめた。沖縄の問題、自衛隊の問題、利権の問題…自民党が圧力にこだわる理由が顕在化してきた。米朝首脳会談が楽しみだ。

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