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3341.報道比較2018.4.26

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これから米債は増える。さらに人気が出るとは思えないという意見が増えてきた。減税に楽観できないとは、インフレの足音に脅えている証拠だ。

Financial Times
「トランプ景気」の到来に備える世界 (2018.4.22)

IMFは最新の「世界経済見通し」で、2018年、2019年の世界の経済成長が3.9%になると予想している。前回予想から0.2%の上方修正で、実現すれば、2011年以降、最も高い成長率となる。上方修正の半分は、トランプ氏の景気刺激策の世界的な効果によるものだ。先行きは本当に明るく見える。アジアの輸出国であれば特にそうだ。米国の刺激策から漏れ出す需要は、諸外国にとって大きな押し上げ効果となる。だが、中国や日本、韓国といった黒字国には難しい問題も突きつける。米国の貿易赤字が拡大したとき、トランプ氏がお祝いの陽気なツイートで対応する見込みは薄い。赤字拡大について自分自身を責める可能性はそれ以上に低いだろう。トランプ氏の保護主義的な本能は、世界的な繁栄に対する脅威として描写されることが多い。しかし、向こう2年間については、同氏の刺激策は我々がトランプ景気とともに暮らすことを意味している。ここは、トランプ氏の政策に内在する矛盾がトランプ大暴落で終わらないことを祈ろう、としている。

Wall Street Journal
米債利回りの節目突破、世界市場に波紋広がる理由 (2018.4.25)

米10年物国債の利回りは24日に一時、3%を突破した。3%に達したのは2014年以来で、長年の超低金利からの脱却で待ち望まれていた節目となる。世界の資産価格や通貨、借り入れコストの水準は米国債の動きに導かれる。多くの投資家は米国債を最高の安全資産とみなしている。新興国市場で発行されるドル建て債券やドルに連動する通貨は米金利に反応するため、米国債利回りの変動が衝撃をもたらす可能性がある。米金利の上昇を受け、投資家がより高いリターンを得るため資金を移動させているかも知れず、世界市場で何兆ドルという規模の金融資産に影響が生じかねない。金利が上昇すれば、より高い利回りを求めて海外から資金が流入するため、概して現地通貨も値上がりする。ドル高になれば他国のドル建て債発行体にとってコストが上昇することになるが、大半の商品市況もドル建てとなっている。一例として23日に金相場が下落した際、米10年債利回りが3%に近づいたことが原因だと投資家は指摘していた。ハーミーズ・インベストメント・マネジメントの上級エコノミスト、シルビア・ダランジェロ氏は「大した急上昇にならなければ、海外市場や株式の反応は限られると思う」と述べた。だからといって、利回りが一段と上昇するリスクが皆無というわけではない。例えば国債の供給増で上昇する可能性がある、としている。

金利が3%の節目を超えただけでニュースになるうちは、クラッシュは起きそうもない。Wall Street Journalの言うとおり、これから米債は増える。さらに人気が出るとは思えないという意見が増えてきた。大統領は選挙だけを乗り越えたいつもりのようだが、その先に彼が作った減税が現実のものになる。減税に楽観できないとは、インフレの足音に脅えている証拠だ。

朝日新聞・社説
大相撲の伝統 「女人禁制」を解くとき

日本相撲協会は週末の28日、「土俵と女性について」を議題に臨時の理事会を開く。急病人の救命にあたっていた女性看護師に土俵から降りるよう求め、後に謝罪した事件をきっかけに、「女人禁制」のしきたりに疑問や批判が相次いでいる。巡業先の女性首長からも見直しを求める声があがる。女性を締めだす理由や起源には諸説ある。もっぱら「土俵には神様がいるから」と説明されるが、だとしてもそれが直ちに禁制の理由にはならない。さかのぼれば女性相撲の長い歴史があり、近年は女子の国際大会も開かれている。伝統を大切にしながら新しい姿を探ることは可能だし、実際に大相撲は外国人力士の受け入れをはじめ、世の中の動きにあわせた改革を重ねてきた。女性と土俵の関係をめぐっても、千秋楽の取組後、神様に土俵から元の場所に帰ってもらう「神送りの儀式」を先に行い、それから表彰式に移ってはどうかといった提案がある。多くの国民の理解と支持があってこその大相撲だ。時代の声に耳を傾け、それにこたえる方策を真摯に考えてもらいたい、としている。

けっこう大きなニュースになっていたことに驚いた。セクハラ問題が財務省で騒がしかったからだろうか?相撲界にそれほどの期待もしていないため、やりそうな失態だと感じていた程度だったが、社説で取り上げられる程とは。
朝日の感覚には同感だ。なぜ私が相撲に興味がないかといえば、新しさが感じられないからだろう。国技としての価値を圧倒的に認めたとしても、閉鎖性と現代社会との差異が興味を遠ざける。何もかも捨て去る必要はないのだが、さらなる変化、分かりやすさを進めてくれれば、スポーツとして、エンターテインメントとして、文化として、より魅力が増すと思うのだが。

日本経済新聞・社説
農漁業を働き方改革の例外にするな

農業法人などと雇用契約を結び、就業する働き手を増やそうとするのであれば労働条件を整える必要がある。長時間労働を是正し、休日を確実にとれる環境に変えなければ、少子化が進む中で新たな人材は確保できない。農漁業も働き方改革の例外とせず、年間労働時間などに一定の上限を設けられるように構造改革を進めるべきだ。農漁業に労働時間や休憩、休日の規定が適用されない理由には、天候などの自然条件に影響されやすいことがある。ただ、全国に21ある直営農場で野菜などを生産する農業法人、イオンアグリ創造(千葉市)で働く約650人の社員の働き方は一般企業とほとんど変わらない。農業の現場で働く外国人は昨年10月時点で2万7千人強と、5年間で7割も増えた。漁業でも年々、外国人への依存度は増す。今年中には愛知県、新潟市などの国家戦略特区で、派遣契約による外国人就農も始まる見込みだ。しかし、外国人技能実習制度は、賃金不払いなどの不正行為が根絶できておらず、国連からも批判されたことがある。国家戦略特区での雇用も、農業だからという理由で労働時間などの明確な規定は設けられていない。外国人を増やす前に、労働環境の改善が要る、としている。

話題は興味深い。だが日経の主張の主旨が判らない。政治にまた依存する要請だろうか?例外に設定されたから守らなくていいと考えるのが適切かは、事業者が考えることだ。そんな発想で人が集まるはずもなく、農業に人材が集まらない理由になっているなら、事業者も反省はしているだろう。それでも人が採れない、人材が不足で収益が上がらない構造の問題で、改革を唱えるのはたやすいが、現実は外国人に頼るしかない現実があるのではないか?少なくとも、言葉だけ並べて仕事をした気になる安倍政権に期待できるテーマではない。特区?また不幸な事例が増えるだけではないだろうか?

産経新聞・社説
南北首脳が会談へ 「完全な非核化」に道筋を

南北首脳会談を迎える。トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の直接対話に先立ち、意義のある会談となるよう期待したい。一貫して目指すべき課題は、北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化である。金正恩氏は先に、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を中止すると表明したものの、非核化に言及しなかった。国連決議が北朝鮮に要求しているのは、核、生物、化学の大量破壊兵器とあらゆる弾道ミサイルの放棄である。実行されない限り、北朝鮮は平和への脅威であり続け、国際社会の輪の中に入っていけない。南北双方がこの認識を共有しなければ、協議は進展しまい。文氏は金正恩氏に拉致問題も提起するという。北朝鮮の国家犯罪であり、拉致被害者全員の帰国要求を突き付けてほしい。トランプ氏も米朝会談で拉致問題解決に「ベストを尽くす」と述べている。政府は、2つの会談での提起を今後の直接交渉につなげる検討を急ぐべきである、としている。

事前に南北首脳会談に触れたのは産経のみ。事前情報は何もなく、取り上げる価値は高くないが、朝鮮半島には意識の高い産経の姿勢の意味は判る。が、やはり内容は乏しい。自説の展開は朝鮮半島の人たちにも、日本人にも届くことはないだろう。価値は低い。

毎日新聞・社説
膠着状態の与野党対立 国会の機能回復を求める

国際情勢は激動期にあり、朝鮮半島ではあす南北首脳会談が開かれる。先週の日米首脳会談を受け、日本の外交方針を議論すべきときに、国会は機能不全に陥っている。一義的な責任は、安倍政権の不祥事が相次ぐ中でその真相究明に及び腰の与党にある。加計学園の獣医学部新設をめぐっては、柳瀬唯夫元首相秘書官の証人喚問を与党は拒み続けている。財務省ではセクハラ疑惑もあり、国税庁長官に続いて事務次官も辞任に追い込まれた。麻生太郎副総理兼財務相の政治責任は重い。だからといって、麻生氏が辞任しないのを審議拒否の理由にする野党の対応も疑問だ。野党だけの合同ヒアリングという非公式な場に官僚を呼んでただすのもいいが、その前に国会で政権の責任を追及すべきだ。「ウミを出し切る」と宣言したのは安倍晋三首相であり、与党は率先して「ウミ」を明らかにすべきだ。野党も早急に審議に復帰し、国会の機能を回復させるよう求める、としている。

読売新聞・社説
国会の混乱 審議復帰に条件を付けるのか

野党の要求は、麻生財務相の辞任や柳瀬唯夫・元首相秘書官の証人喚問に加え、財務省の文書改ざん問題に関する調査結果の早期公表、自衛隊日報問題の究明の計4項目だ。実現しない限り、審議に応じられないと主張している。国会運営の責任を与党に押しつけるような態度は、抵抗野党との批判を免れまい。論戦を通じて、様々な政策の問題点などを指摘し、改善を促す。政府が担うことの出来ない分野で議員立法の実現を図る。今の野党は、こうした本来果たすべき役割を見失っている。無論、混乱の発端となったのは政府の体たらくである。公文書のずさんな管理が次々に発覚した。その場しのぎの答弁を繰り返し、財務省は文書改ざんに手を染めた。前財務次官の女性への不適切な発言は、酌量の余地もない。加計学園を巡る問題がこれほど長引くのは、安倍首相らの認識が甘かったためではないか。早期に事態を収拾すべきである、としている。

これで社説になるなら、メディアとは、社説の担当とは、あまりに軽い仕事だ。明日からAIに切り替えてコスト削減した方がいい。無駄だ。

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