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3340.報道比較2018.4.25

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変化の根源は行動。無数の批判を並べるより、ひとつの事実の方が社会は動く。

朝日新聞・社説
福田次官辞任 「女性が輝く」の惨状

財務省の福田淳一事務次官の辞任が、閣議で承認された。しかし、本人も財務省も、テレビ朝日の女性社員へのセクハラを認めたわけではない。麻生氏はテレビ朝日から抗議文を受けた際も「もう少し大きな字で書いてもらった方が見やすいなと思った程度に読んだ」と、抗議を受けた組織の長とは思えぬ言葉を吐いた。財務省の矢野康治官房長は、省の顧問弁護士事務所を窓口にする調査方法が批判されるなか、衆院の委員会で「名を伏せて弁護士に話すのがそんなに苦痛なことか」と言ってのけ、セクハラへの無理解を露呈した。これが「女性が輝く社会」を掲げる政権なのか。ネットにはこの女性への中傷があふれる。男性の行いよりも女性側の告発意図を無責任に勘繰り、あざ笑う。ジャーナリストの伊藤詩織さんが昨年、レイプ被害を訴えたときと同じだ。まずは女性の訴えにきちんと向き合い、真相を解明し、責任の所在を明らかにする。首相がその先頭に立たなければ、行政の信頼回復はありえない、としている。

産経新聞・社説
福田次官の辞任 うみ出し切る機会失った

政府は閣議で、セクハラ疑惑の渦中にある福田淳一財務事務次官の辞任を正式に決めた。約5300万円とされる退職金の支払いこそ留保したものの、福田氏はこれで懲戒などの処分対象者ではなくなった。安倍晋三首相は公文書管理など一連の問題とともに「行政のトップである私自身が、一つ一つの問題について責任をもって全容を解明し、うみを出し切っていく決意だ」と繰り返してきた。処分がないままの辞任で、その機会を失ったことになる。財務省はまず謝罪し、公平な調査結果の公表を急ぎ、適正に処分すべきだった。南北会談、米朝会談を控えて北朝鮮をめぐる外交は重大局面を迎えている。国内にも難問は山積している。確かに、いつまでもセクハラ問題ばかりに関わってはいられない。しかし、事態の早期収束を妨げているのは、事後対応を誤り続ける財務省であり、閣議決定で福田氏の辞任を許した政府なのではないか。不規則発言で混乱を助長する与党議員も同様である、としている。

産経がようやく政府批判。ここまで追い込まれないとメディアの迎合は止まらないらしい。ならば、麻生氏、財務省も徹底的に追い込むべきだろう。朝日がすべきは批判ではなく、次のスクープを見つけ出すことだ。佐川氏の件を報じた時のインパクトを覚えているはずだ。無数の批判を並べるより、ひとつの事実の方が社会は動く。
中傷には法的措置で対応が理想的だ。高速道路での事故を煽り運転で起こした加害者と名前が似ているだけで被害を被った経営者は、中傷者を記録して法的措置を行う。SNS運営会社も協力的だ。中傷行為を追い込み、不利益を与えなければ、彼らは止まらない。伊藤詩織氏がすばらしいのは、負けないことだ。行動しつづけることだ。彼女は真のジャーナリストだ。変化の根源は行動だ。

読売新聞・社説
海賊版サイト 接続遮断はやむを得ぬ措置だ

NTTグループが、人気漫画などを無断でインターネット上に掲載する悪質な海賊版3サイトへの接続を強制的に遮断すると発表した。「短期的な緊急措置」だと強調している。3サイトによる著作権侵害の被害額は、昨年9月からの半年間で、4300億円にも及ぶとの試算がある。深刻な状況を考えれば、接続の「ブロッキング」は、やむを得ない措置である。著作権は創作活動の源泉である。作者は、その収益で支えられている。読者が対価を払わず、好き勝手に作品を読むことができれば、作品を世に出す出版社などは立ち行かなくなる。ひいては、国民の「知る権利」さえも損なわれる。海賊版サイトは、漫画にとどまらない重大な問題をはらんでいる。英国などは、法に基づくブロッキングを実施している。日本でも、ブロッキングに法的な裏付けが必要ではないか。菅官房長官も法整備について、「検討を加速する」と前向きな姿勢を示している。出版社は安価で使い勝手の良いサイトの開設に努めるべきだ。利用者は、安易に海賊版サイトを閲覧しない意識を持ってほしい、としている。

4.21にも書いたが、法に頼っても変わらない。利便性のあるサービスが求められる。日本に期待しても出てこないのが、何より残念だ。

Wall Street Journal
米朝首脳会談、成果は期待薄か (2018.4.24)

朝鮮半島発のニュースは劇的だが、それほど歴史的ではない。ドナルド・トランプ米大統領との首脳会談を前に、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はこれまでに提案した譲歩をほぼ残らず集め、入れ物だけ変えて差し出した。中身は、核・ミサイル実験の凍結や、南北和平協定の締結後も在韓米軍を認めるといった譲歩だ。トランプ氏と金氏の動きは予想が極めて難しいだけに、北朝鮮外交の猛烈な勢いは首脳会談で突破口が開かれるとの期待を増幅させている。だが両氏は長年の米朝対立に終止符を打つというよりは、対立の骨組みを組み直すことになるとみられる。正恩氏が発しているシグナルは、自身の「隠者王国」と米国の違いを埋めようとする意向ではない。それには、どちらも乗り気でない譲歩が必要になる。正恩氏が発しているのはむしろ、トランプ氏が助けてくれるなら自身もトランプ氏を助けるというシグナルだ。北朝鮮は非核化を目標として受け入れ、核実験を停止する。米国は一部の制裁を解除し、和平に関する交渉を支援する。カギはミサイル計画になるだろう――正恩氏が凍結に合意すれば、トランプ氏は勝利を宣言でき、和平交渉は進展が見込めるほか、誰もが非核化についてもっともらしく語れるようになる。それでは和平というより先送りだとの批判も出るだろうし、それは間違いではない。しかし、時には先送りしかできないこともある、としている。

毎日新聞・社説
G7外相会合の共同声明 不安定要因に共同対処を

カナダで開かれていた主要7カ国(G7)の外相会合が、核や化学兵器などの大量破壊兵器の不拡散と廃棄を求める共同声明を採択した。とりわけ、世界の脅威となっているのが、北朝鮮だ。北朝鮮はG7外相会合の開幕に先立ち、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を中止し、一部の核実験場を廃棄すると発表した。声明で北朝鮮の大量破壊兵器やミサイル開発阻止のため、すべての国に圧力を強化するよう検討を求めたのは、強い危機感の表れだろう。G7は自由と民主主義、法の支配、人権という価値観を共有し、戦後の国際秩序をけん引してきた。国際法に反し、非人道的な大量破壊兵器による威嚇やその使用は、こうした国際秩序への深刻な挑戦だ。大量破壊兵器だけでなくサイバー攻撃など新たな脅威も急速に広がっている。地球規模の課題に共同対処するG7の役割はなお大きい、としている。

もっともらしいだけで、中身のない主張。Wall Street Journalと毎日のこの主張は、そんな内容だ。G7はもともと形骸化が顕著だ。中国が台頭し、ロシアの暴走を止められなかった時点で役割を終えている。未だに期待する毎日の価値観は古い。

日本経済新聞・社説
証券決済短縮を市場の魅力向上に生かせ

国債や株式など証券の取引で、投資家が売買を決めた日から、実際に受け渡しする決済の日までの日数が短くなる。2008年の金融危機時に決済面も混乱した経験があり、できるだけ日数をあけない取り組みは、世界的な流れだ。投資家が使いやすく安心して取引できる市場へ、魅力をいっそう高める機会として生かしたい。国債の取引では5月1日から、約定した翌営業日が決済する日になる。日本が決済短縮化へ検討を始めたのは09年。まず12年に1日縮めて2営業日後にし、今回さらに1日短くなる。10年越しの取り組みがようやく実現する。株式では19年の実施をにらんで決済短縮化の準備が進む。いまは売買の3営業日後が決済日だが、1日縮めて2営業日後になる。決済を巡る対応は、次世代をにらんだ市場インフラづくりの好機になる。コンピューターが瞬時に売買を繰り返す超高速取引が広がる時代だ。公正かつ信頼性を確保しつつ、多様な取引に機動的に対応できる基盤づくりや新たな技術の検討も大切だろう。ブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳の技術を用いた決済や照合方法の研究もその一つだ。市場間の競争は情報技術の競争でもある。世界をリードしていく努力を怠ってはならない、としている。

日経は賞賛しているが、10年越しで考えるほどのインパクトがあったのか、私には判らない。マーケットには何の影響もなかったし、このニュースを見た記憶もない。スピードが大きな価値といわれる時代に、恐竜のような遅いスピードでしか進めない日本は、確実に絶滅に向かう。どれだけの産業が、こんな遅い意思決定をしているのだろう?日本は分析した方がいい。

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