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3338.報道比較2018.4.23

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国会は空転、政府は負傷地続きで機能せず、外交も空振りの連続の週末。話題がない新聞。朝日と読売は政治依存。毎日は意味不明なトピック。産経と日経は政府迎合。本性が見える。

朝日新聞・社説
環境基本計画 「言いっ放し」にするな

新しい環境基本計画が、先ごろ閣議決定された。6年ぶり4回目の改定となる。国連で3年前に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に、社会や経済のあり方にまで踏み込んで、この国の姿を大きく変えようという野心的な内容だ。それだけに、絵に描いた餅に終わってしまう懸念も大きい。今回は、経済、国土、暮らしなど六つの重点分野を設け、環境課題の解決を通じて、社会そのものを持続可能な姿に変えることをめざす。土地の特性や気候などを踏まえて、その地域に最も適した再生エネルギーを普及させ、二酸化炭素の排出量を減らす。同時に、関連するビジネスをつくり出して人口の流出に歯止めをかけ、地域経済を活性化する――といったイメージだ。2年前のパリ協定の締結遅れが象徴するように、安倍政権は環境分野で大胆な改革を進める熱意に乏しい。国民の日常生活からビジネスまで、さまざまな面で国際潮流に乗れないでいるのが現実だ。このままでは世界から取り残されてしまう。そんな状況下で制定されたのが、この環境基本計画である。「言いっ放し」で終わらせることは、もはや許されない、としている。

読売新聞・社説
環境基本計画 社会に順応した温暖化対策を

政府が第5次環境基本計画を閣議決定した。技術の発展や社会構造の変化に連動した環境対策の重要性を打ち出したのが特徴だ。背景には、温室効果ガスの排出削減を目指して2020年に取り組みが始まるパリ協定と、15年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」がある。「環境・経済・社会の統合的向上」を目指すとする基本計画の方向性は、時宜に適っている。CO2の排出削減策で、新しく盛り込まれたのは「バリューチェーン」の視点だ。製品やサービスの原材料調達から製造、使用、廃棄に至るまで、各段階でCO2の排出量に目を配る。その結果、社会の隅々に排出削減の意識が広がり、省エネ性能に優れた製品の普及が促される。基本計画は、気候変動への「適応策」の推進も掲げている。進行する温暖化に適応した暮らしや産業への転換は不可欠だ。官民が連携して推進する必要がある、としている。

国会は空転、政府は負傷地続きで機能せず、外交も空振りの連続の週末。話題がない中、朝日と読売が見つけた環境基本計画。朝日の指摘どおり、作文で終わるような代物に見える。ただでさえ、言葉だけが踊っていると指摘される安倍政権。成果が乏しい政権がまた作文を出しても、もう注目を集めることさえできない。秋の総裁選に向けて、起死回生のテーマを必死に探しているのかもしれないが…望みは薄い。

毎日新聞・社説
夫婦別姓で相次ぐ訴え 選べぬ不自由さいつまで

結婚する男女が同じ姓を名乗らなければならない状況はいつまで続くのだろうか。夫婦別姓を選択できないことに疑問を投げかける訴えが今年、相次いでいる。ともに大学教員として論文を書いてきた夫婦は、研究の継続性から名前の変更を望まず、事実婚を余儀なくされた。別姓を認めない規定が、法律婚の制約要因となっている。こうした訴えは決して特殊なケースではない。高齢世帯を除く共働き世帯の割合は約6割に上る。結婚で名字が変わることに「違和感を持つ」人は、世論調査で2割超だ。社会の変化に伴い、別姓を選べない現状に不都合を感じる人は増えている。別姓反対派は、別姓を容認すれば家族の絆を損なうと主張する。だが、日本以外に夫婦同姓を義務づける国はない。外国には家族の絆がないとは言えまい。多くの国家資格は今も戸籍の姓で登録される。パスポートや銀行口座も戸籍の姓が原則だ。二つの姓を使い分ける煩雑さを大勢の当事者が訴えている。旧姓使用の拡大は、根本的な解決にはならない。選択的夫婦別姓制度は、同姓の選択も自由だ。選べない不自由さの解消を図りたい。国会はこの問題を放置せず議論していくべきだ、としている。

話題のない週末だったのだろう。毎日が奇妙な話題をまた持ち出してきた。こういう問題は、憲法改正といっしょだ。利便性の問題は、不利益が証明されれば司法が是正を促せるだろう。毎日が指摘しているような総論としての課題は、信任できるリーダーが「変えよう」と一声かける瞬間を待っている。安倍氏にはチャンスもあっただろうが、彼はこの手の議論をことごとく避けてきた。そしていま、彼に信任はない。いま、この話題を出す環境は、日本にはないと思う。

産経新聞・社説
日報と自衛隊 機能する態勢を整えよ 「特別な文書」の位置付けを

「ない」と説明しながら、実際には存在していた。陸上自衛隊の海外派遣部隊の日報をめぐるその繰り返しで、防衛省が厳しい批判を浴びている。国会に対する説明が混乱し、野党の追及を受けている。だが、自衛隊を一般行政機関と同列視し、その文書も同じく扱おうとすることは正しくない。防衛や国際貢献の任務を果たす上で、困難が生じているからである。その観点を忘れずに改善を図ることが求められる。国際貢献は今後も求められ、安全保障関連法に基づく重要影響事態や有事の作戦行動もありえる。それらの日報を行政文書として開示するというのか。安全確保と任務遂行を損なってはならない。守られるべき軍事情報である日報は、他の行政文書とは異なる性格だと位置づけ、保護と活用を両立すべきだ。国民の財産である以上、数十年後の公開が必要だ。日報の「戦闘」の記述は、だからこそ自衛隊の派遣が必要で、日本を代表して厳しい任務に当たっていたことを示している、としている。

日本経済新聞・社説
G20は保護主義の自制を促し続けよ

20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が19~20日、米ワシントンで開かれた。保護主義への傾斜を強める米国と、これに反発する先進国や新興国との対立が解けずに終わった。米国と主要国の貿易摩擦が激化すれば、世界経済の回復を妨げる恐れがある。米国が一方的な制裁措置を控えるのが何より重要だが、主要国もG20の場で米国の自制を粘り強く促すべきだ。米国は鉄鋼やアルミニウムの輸入制限、中国の知的財産権侵害に対する制裁措置を強行した。中国などとの貿易戦争を誘発し、世界経済を縮小均衡に追い込む危険な行為と言わざるを得ない。G20の場でも国際協調の輪を乱し、自らの保護主義の正当化に終始したもようだ。麻生太郎財務相らがいくら警鐘を鳴らしても、ムニューシン米財務長官に響いたようにはみえない。心配なのは貿易摩擦だけではない。米国の金融引き締めなどに伴う金利の上昇や、シリア情勢の緊迫をはじめとする地政学リスクにも、十分に目を凝らす必要がある。G20それぞれが適切な政策運営に努め、世界経済の安定に協力しなければならない、としている。

安倍政権への迎合、腰巾着状態がずっと見える産経と日経。どちらも完全に主張が破綻している。日報問題の論点は、あるはずの文書がないと言い張ったこと、実はあったことの管理問題であって、日報のコンテンツとしてのあり方は、いま議論される問題ではない。完全に論点のすり替え。必死に自衛隊派遣に火の粉が移らないように防御している。日経のG20も支離滅裂。アメリカに寄り添うだけの日本の提言の効力を期待する国などいない。世界中に問題が山積していることを強調しているが、麻生氏はこのあたりの問題に何ひとつ取り組んでもいない。国内で頭を悩めているのは文書の改竄とセクハラ。こちらも議論をすり替えているに過ぎない。

Wall Street Journal
米中貿易紛争、犠牲になるのは半導体業界だけか (2018.4.16)

中国の独占禁止法当局は19日、オランダのNXPセミコンダクターを440億ドル(約4兆7000億円)で買収するというクアルコムの計画に疑義を投げかけた。クアルコムは再申請をしたものの、期限を7月25日に設定した。それまでに承認が得られなければ、クアルコムはNXPに違約金を支払って買収を断念する見通しだ。ホワイトハウスは先に、中国からの輸入品500億ドル相当に高関税を課すと表明。さらに1000億ドル相当の輸入品を対象とする関税措置を間もなく発表する見通しだ。中国は、年間の対米輸出額が5000億ドルを超えるのに対し、米国からの輸入額が約1300億ドルにとどまるため、関税だけでは米国の制裁措置に見合うだけの報復を実施しにくい。だがクアルコムの例を見れば分かるように、中国はそれ以外の切り札を持っている。半導体業界は特に米中貿易摩擦のリスクにさらされやすい。米国で設計された半導体は中国の多くの輸出品に組み込まれているが、中国は独自の半導体産業の育成を優先課題に掲げている。両国とも自国の半導体業界の保護が国益にかなうと考えている。半導体が中国の動きに最も打撃を受けやすい業界の1つだとしても、影響を受けるのはこの業界だけでは済まないだろう。クアルコムの置かれた状況を見て、多くの企業が戦々恐々としているに違いない、としている。

IT経済と対立するトランプ氏は、半導体が米中貿易戦争の犠牲に晒されることに危機感は薄いのではないか。主要なアメリカ産業であるなら、アメリカ国内の製造比率を高め、雇用を生む産業に変貌させたいのかもしれない。半導体業界は、この難問を説けるだろうか?シリコンバレーのイノベーションに期待したい。

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