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3336.報道比較2018.4.21

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法や規制が世界を変えることはない。世界を変えるのはイノベーション。

日本経済新聞・社説
海賊版サイトの横行が漫画を破壊する

作家や出版社に無断で人気漫画をインターネット上に載せて、サイト来訪者にタダで読ませる海賊版の問題が深刻化している。作家や漫画家が受け取るべき対価を不当に奪う行為であり、放置すれば日本の文化基盤を損ないかねない。政府や出版業界の実効性ある対策が必要だ。政府は先週、特に悪質な3つのサイトへのネット接続をブロッキング(遮断)しても違法ではないとして、通信会社に協力を求めた。法学者や日本インターネットプロバイダー協会などは「十分な議論のないまま、通信の秘密を危険にさらすような政策が出てきた」と批判する。だとすれば、英独仏など世界42カ国で実施されているように、法整備によって、悪質サイトのブロッキングを可能にする道を検討すべきだ。海賊版のサーバーは海外に置かれ、日本の警察権が及ばないことが多い。通信の秘密や表現の自由を守るのは当然だが、他方でブロッキングは違法サイトを封じ込める有力な手段の1つだ。著作権の大切さを国民レベルで広げる啓蒙活動や教育も重要だ。「海賊版でタダ読みするのは万引きと違わない」と肝に銘じたい、としている。

先日、イノベーションを説いていた日経は、こういう時は行政と法に頼る手段しか思い付かないらしい。音楽業界に似た状況が世界に起きていた時、AppleがiPodとともにサービスを開始したiTunesが世界の音楽の消費スタイルを変えた。法や規制は機能しなかった。コピー・ガードもすぐに破られた。世界を変えたのはイノベーションだ。やはり日経は本質でイノベーションを理解していない。
いまのテクノロジーなら、ブロックチェーンを使えば、著作権をうまく管理できる可能性は高い。当時と同じ状況だが、マンガは日本に集中して存在するコンテンツだ。日本国内でイノベーションが起きる必要がある。誰がこの問題を解決するだろうか?

Wall Street Journal
アップルiPhone、有機ELパネルのサプライヤー追加に苦戦 (2018.4.20)

米アップル は高価格帯スマートフォンに使う有機EL(OLED)パネルで2社目のサプライヤーを確保し、韓国の サムスン電子 への依存度を低くしたい考えだ。しかし同じく韓国のLGディスプレーによる生産が進まず、計画は難航している。アナリストの間では、アップルが有機ELパネルの供給を1社に頼り切っているため価格交渉力が持てず、iPhone Xの販売価格を999ドルという高水準に押し上げているとの見方が出ている。手の届きにくい価格からiPhone Xの需要は見通しを下回り、アップルは部品の発注縮小を余儀なくされてきた。証券会社サスケハナ・インターナショナルのサプライチェーン担当アナリストらによると、LGディスプレーは今年の新型iPhone生産のうち、最大20%の有機ELパネルを供給することが期待されている。サムスンが残りの80%をカバーする見通しだが、LGディスプレーの生産が追い付かなければ、さらに多く供給する可能性がある、としている。

有機ELディスプレイを使った時点で、このリスクは想定内だろう。OEMも含めた内製化をAppleが取り組んでいるとのニュースは時折聞かれる。期待して待つしかない。有機ELではついに日本企業の名前が挙がることはなくなった。ついにディスプレイの世界で日本は主要プレーヤーから降りることになりそうだ。日本企業の経営は機能しているだろうか?

産経新聞・社説
財務省とセクハラ 徹底調査と迅速な処分を

事務方のトップである財務省の福田淳一事務次官のセクハラ騒動は、一向に収まる気配をみせない。無理もない。被害女性が所属するテレビ朝日は財務省に正式に抗議文を提出したが、福田氏は「全体をみればセクハラに該当しないことは分かるはずだ」と否定したままだ。録音データによる破廉恥な会話の内容は前後のいかんを問わず、部分的であっても、セクハラに該当することは明白である。財務省はまず、公表した一方的な聴取結果を撤回すべきである。その上で第三者による調査結果を速やかにまとめ、厳正な処分を断行しなくてはならない。そのためにも、辞表を提出した福田氏を省内にとどめておくべきだ。新潟県では米山隆一知事が金品の授受を伴う不適切な女性関係を理由に辞表を提出した。弁護士の資格もある米山氏自身が「売買春といわれる可能性はある」と解説した。恥知らずのトップに、行政を任せることはできない、としている。

毎日新聞・社説
混乱極める財務省 政治家が責任を取る時だ

税と予算を担当する強大官庁の混乱は収まる気配がない。しかもこうした時こそ麻生太郎財務相ら政治家が自ら収拾に乗り出すべきなのに、対応は後手後手に回っている。セクハラ問題では、テレビ朝日が、被害を受けたのは同社の女性社員だったと発表し、週刊誌報道の内容を認めた。ところが福田氏はその後も「セクハラに当たらない」と否定し、報道で騒ぎになって仕事にならないから辞めると言わんばかりの説明を繰り返している。佐川宣寿氏の後任の国税庁長官も決まらない異常事態である。泥沼を抜け出すためには早急に人心一新を図る必要がある。安倍晋三首相は福田氏の早期辞任を望んでいたというが、対応は鈍かった。秋の自民党総裁選で協力を求めるため麻生氏には遠慮しているのだろうか。麻生氏が辞任すれば、次は首相の責任論につながるのも避けたいのだろう。そんな政治的思惑を優先する姿勢が逆に政権の統率力を鈍らせているように見える。首相は「行政のトップとして一つ一つの問題に責任を持って全容を解明し、ウミを出し切る」と語った。そのウミは「政と官」双方にたまっていると言うべきである、としている。

問題を収拾するはずの麻生氏が事を荒立てている。政権批判派には攻めやすい。いまの人材なら、いくらでもセクハラの事例は出てきそうだし、次も同じ次元での対応しかとれないのだろう。簡単に壊せる。いまの政権、秋どころか夏まで持ちそうもない。

読売新聞・社説
年金制度改革 将来世代守る視点が重要だ

次期年金制度改正に向けた議論が、厚生労働省の審議会で始まった。具体策を示した報告書を来年中にもまとめる。最優先で取り組むべきは、少子高齢化の進み具合に応じて給付水準を自動的に引き下げる「マクロ経済スライド」の機能強化である。毎年の年金改定率を物価や賃金の変動率より少し低くして、緩やかに給付抑制を図る。16年改正で、抑制できなかった分は翌年度以降に繰り越し、物価などの上昇時にまとめて差し引く方式の導入が決まった。だが、デフレや低成長が続けば、繰り越しが重なるだけで、機能しない。新方式に替わった今年度、早速、繰り越しが発生し、それが杞憂ではないことを印象付けた。基礎年金自体を増やすには、保険料納付期間の延長が有効だ。就労の長期化に応じた改革も必要である。受給開始を遅らせた分だけ年金が増える「繰り下げ受給」を70歳超に広げる。賃金に応じて年金を減額する仕組みは、高齢者の就労意欲を損なうことから見直す。時代の変化に対応したい、としている。

給付を抑える時に徴収も抑える仕組みにしたらどうだろう?そうすれば徴収抑制のニーズは企業も個人も声を上げやすい。バラマキの好きな政治が年金給付を絞れるかは疑わしい。彼らにも年金給付抑制とともに徴収抑制に貢献したとアピールできるエサを与えれば機能するのではないか?若者よりはシニアを優先する政治には機能しないかもしれないが。

朝日新聞・社説
エネルギー戦略 政策の作り方も新しく

地球温暖化を防ぐための「脱炭素化」など、エネルギー分野の変革にどう臨むか。2050年に向けた戦略を、経済産業省の有識者会議が提言した。太陽光や風力などの再生可能エネルギーを「主力」と位置づけたのは妥当だ。だが、原発の存続も前提にするなど、現行政策の延長という色彩が濃く、将来像として疑問は多い。目を引くのは、再エネについて「経済的に自立した主力電源化をめざす」と明記した点だ。世界的な急拡大の流れに日本は乗り遅れており、挽回をはかるのは当然である。原発については、発電時にCO2を排出しないことから、「脱炭素化の選択肢」とした。しかし福島の原発事故で失われた社会の信頼回復、放射性廃棄物の処分、核燃料サイクルなど、難題が山積みのままだ。解決の道筋を示さず「原発頼み」を続けようとしても、多くの国民の理解は得られまい。エネルギー政策の立案はこれまで、経産省と関係業界、それに連なる一部の有識者らが主導してきた。変革期に適応するには、そのやり方自体も変えていかねばならない、としている。

この話題を他紙が取り上げたのは4.13。朝日は何をやっているのか?政府批判に全力を賭けているようにも見えない。あまりに遅い。

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