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3335.報道比較2018.4.20

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いまのアメリカが見ているのは半年先から1年先の未来だ。近視眼的な政治がつづく。日本は支持を失った安倍政権はさらに短い数か月の単位でしか物事を考えられなくなっている。結局、長期的視点で俯瞰している中国が有利になっている。日本とアメリカは対局を見失って自滅している。落ち着くべきではないか?

Wall Street Journal
米中の報復合戦、巻き込まれるテクノロジー企業 (2018.4.18)

米半導体大手クアルコムによる440億ドル(約4兆7200億円)での同業NXPセミコンダクターズの買収計画を巡り、中国規制当局は「解消し難い」懸念があると表明した。ハイテク業界を取り巻く米中の摩擦が激しさを増す中、新たな一撃が繰り出された格好だ。米商務省はこれに先立ち、中国の通信機器大手、 中興通訊 (ZTE)への米国製品販売を禁じた。ホワイトハウスも、中国が米国の技術を不正に取得しているとして、1500億ドル相当の中国製品に制裁関税を課す構えを示している。こうした報復措置の応酬で、ハイテク企業は米中貿易摩擦の焦点になっている。各社の事業戦略は新たな制約に直面し、巨大市場へのアクセスが脅かされている。北京の調査会社マーブリッジ・コンサルティングのマネジングディレクター、マーク・ナトキン氏は「全ては影響力の問題だが、中国はその点で自国の地位をよく悟っている」と指摘する。「ハイテク企業は経済・地政学的な政策にますます重要な役割を果たすようになり、米中の緊張関係に巻き込まれまいとするのは至難の業だ」としている。

人民網日本語版
外交部、中米貿易摩擦について (2018.4.18)

外交部(外務省)の華春瑩報道官は17日の定例記者会見で中米経済・貿易摩擦に関する質問に「もし米側が勝手な事をし、潮流に逆らって行動し続けるのなら、中国側は必ずや万全の布陣を敷いてこれを迎え、多国間主義と自由貿易を守る戦いに勝利する」と表明した。華報道官は「現在の中米経済・貿易摩擦の本質は多国間主義と一国主義、世界の自由貿易と保護貿易主義との闘争だ」と指摘。「習近平国家主席が16日に世界経済フォーラムのシュワブ会長と会談した際に指摘したように、閉鎖は袋小路に陥るのみであり、開放・協力があって初めて道は拡大することを歴史は再三証明している。大国はこの面で重要かつ特殊な責任を負っている。中国は責任ある大国として、国際社会と共に、開放の中で協力し、協力によってウィンウィンを図り、明るく、安定した、素晴らしい展望を世界にもたらすために積極的な役割を発揮し、一層の建設的貢献をしたい。もし米側が勝手な事をし、潮流に逆らって行動し続けるのなら、中国側は必ずや万全の布陣を敷いてこれを迎え、多国間主義と自由貿易を守る戦いに勝利する。これは中国側の正当で合法的な権益を守るためだけでなく、世界の多角的貿易体制とルールを守るためでもある」とした、としている。

朝日新聞・社説
日米首脳会談 米国一辺倒が招く試練

友好国も独断で従わせる「米国第一」のトランプ大統領。それでも米国頼みの外交を続ける安倍首相。その現実を痛感させる日米首脳会談だった。急展開を見せている北朝鮮問題について、驚かされたのは、米朝間の接触の進展である。米中央情報局(CIA)のポンペオ長官がすでに極秘に訪朝し、金正恩氏と会っていた。米朝互いに「敬意」を交わしているとトランプ氏は明かし、「対話の時だ」と強調した。米韓と共に北朝鮮に向きあう日本が、自らは参画できていないとしても、各国間対話を後押しするのは当然だ。ただし、安倍氏はトランプ氏に対し、米国だけでなく日本と北東アジアの長期的な安定を見据えるよう念押しする役目が期待された。だが、その成果は見えない。大陸間弾道ミサイル問題だけではなく、射程の短い弾道ミサイルの懸念をトランプ氏がどこまで理解したかは心もとない。トランプ氏にとっては、いまの日本は北朝鮮問題のパートナーというよりも、「不公平な貿易」の交渉相手でしかないのかもしれない。安保と貿易を絡めた取引をもくろむ米国にどう向きあうか、日本は新たな外交の試練に直面している、としている。

産経新聞・社説
日米首脳会談 ミサイル放棄も譲れない 同盟の絆生かす備えと発信を

安倍晋三首相とトランプ米大統領は2日間にわたり首脳会談を行った。米朝首脳会談を前に「日米同盟」がいかに行動するかを十分にすり合わせた意義は大きい。北朝鮮の脅威を取り除かなければならない。それには、核兵器にとどまらず生物・化学兵器や、あらゆる弾道ミサイルの放棄を目指すことが妥当かつ不可欠だ。北朝鮮情勢のさまざまな展開に備え、両首脳はすり合わせを行った。日本は想定される事態への準備を急ぐべきである。こうした備えを進めること自体が北朝鮮への圧力となり、米朝会談に臨むトランプ氏の交渉力を強化することに寄与するだろう。安全保障とは対照的に経済分野は日米の相違が鮮明となった。両首脳は新たな通商協議の開始で合意したが、これが自由貿易を推進する日本の戦略に資するのか。秋の中間選挙に向けた成果を渇望するトランプ政権は、これからも日米自由貿易協定(FTA)の締結を念頭に、貿易赤字縮小への圧力を強めよう。首相は、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域を実現させる意義を強調した。日米中心に地域の経済秩序を築くことは、台頭する中国を牽制(けんせい)する上で有意義だ。新協議の中で、この点への米側の理解を強く促していくことが求められよう、としている。

日本経済新聞・社説
省庁の対立超え持続可能な環境政策を

環境政策の指針となる環境基本計画を、政府が6年ぶりに改定した。国際社会に共通の目標となる「持続可能な開発目標(SDGs)」や、温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」を国連が決めたのを受け、その達成をめざす姿勢をはっきり打ち出したのが特徴だ。SDGsは2030年までに達成すべき17の目標を掲げており、温暖化対策や生態系保全など環境にかかわる項目が多い。パリ協定には、世界の温暖化ガスの排出を今世紀後半には実質的にゼロにする目標が、盛り込まれた。経済分野では、環境や社会に配慮した企業に優先的に投資する仕組みや、環境配慮型の「グリーン税制」を広め、再生エネルギーや省エネ技術の普及につなげる。地域づくりでは、地元の資源や人材を生かしてエネルギーの地産地消やリサイクルを進め「循環共生圏」を築くとした。基本計画をつくりっぱなしにせず、達成状況を点検し必要に応じて見直すことも欠かせない。従来は点検も各省庁まかせだったため、お手盛りの評価が目立った。検証のための指標をきちんとつくり、第三者が厳格にチェックする仕組みを設けるべきだ、としている。

毎日新聞・社説
計4時間の日米首脳会談 非核化へたゆまぬ連携を

訪米した安倍晋三首相とトランプ米大統領が2日にわたり計4時間会談した。夕食やゴルフを含めると共にした時間は約10時間に及んだ。多くの時間を割いたのは、6月初旬までに予定される米朝首脳会談に備えた認識のすり合わせだ。会談でトランプ氏は「日本にとって最善となるようベストを尽くす」と語った。日本が射程に入る短・中距離弾道ミサイルの脅威に懸念を示し、「あらゆる弾道ミサイルの放棄が必要だ」という認識を確認した。日本人拉致問題についても米朝会談で取り上げる意向を示し「早期の解決を働きかける」と約束した。一方、トランプ氏は対日貿易赤字問題で市場開放を迫る「取引」の場として活用し、米国に有利な2国間交渉に持ち込む狙いがあるようだ。米国による鉄鋼などの輸入制限を巡り、首相は日本の除外を求めたが、トランプ氏は協議で合意に達しない限り除外に応じない考えを示唆した。輸入制限という強硬な保護主義政策を突きつけたままにして、日本の譲歩を引き出したいのだろう。留意すべきは、こうした対立が北朝鮮問題に飛び火することだ。日米連携に影響がないよう米政府には冷静な対応を求めたい、としている。

読売新聞・社説
日米貿易協議 違い克服し互恵関係を深めよ

安倍首相とトランプ米大統領との2日間にわたる会談で、日米の貿易問題を協議する新たな枠組みを創設することで合意した。新協議は、茂木経済再生相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による閣僚級とする。トランプ氏が対日貿易赤字の削減を求める中、首脳間から切り離して意見対立を深刻にしない知恵であり、評価できる。問題なのは、新協議の方向性について、両国の思惑が全くかみ合っていないことだ。トランプ氏は「2国間の取引の方がより好ましい」として、米国によほど好条件が示されない限りTPP復帰はないと強調した。 新協議で信頼関係を醸成するためにも、米国は速やかに輸入制限を撤回するべきだ。たとえ日米が自由貿易協定(FTA)交渉に入っても、両国共に交渉に参加していたTPPを超える譲歩は現実的ではない、としている。

トランプ氏の外交スタイルが、中国へのものと、日本に対するものが似通ってきた。安全保障では協力するが、経済政策では緊張を高める。なぜこうなるのか?中間選挙を意識すると、こうなるという判りやすい答えに過ぎない。いまのアメリカが見ているのは半年先から1年先の未来だ。中間選挙が終われば、次はトランプ氏が2期目をどう見るかが論点になる。近視眼的な政治がつづくことになりそうだ。日本は?支持を失った安倍政権はさらに短い数か月の単位でしか物事を考えられなくなっている。結局、長期的視点で俯瞰している中国が有利になっている。日本とアメリカは対局を見失って自滅している。落ち着くべきではないか?

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