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3333.報道比較2018.4.18

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政治がなぜ日報をないことにしたかったのか。いまの政権支持率から考えれば、朝日の意見への同調が多いだろう。10年前でも生産的という言葉で置き去りにしていい話ではない。読売は批判に値する。安倍政権の暴走を許したメディアの悪質な迎合は、今もつづいている。まるで戦時中のようだ。政権批判とともに大きく指摘されるべきだ。

産経新聞・社説
日中経済対話 前のめりの協力は危うい

日中両政府は、貿易や投資、経済協力などを話し合う、閣僚級のハイレベル経済対話を約8年ぶりに再開した。対話機運の高まりとは裏腹に日中双方が目指す経済の姿には大きな隔たりがある。まずはその現実を厳しく認識すべきである。世界2位の経済大国である隣国との関係は日本に多大な影響を及ぼす。対話の場を設け、良好な関係を築くことには意味がある。ただ、それは、市場経済より国家統制を優先する中国の恣意的な経済運営に変革を迫る場とすべきである。ここに目をつむって前のめりに動くことはできない。補助金に支えられた中国の輸出や外資企業への技術移転の強要など、中国の不公正な商慣行は日本も懸念してきた問題だ。改善がみられぬまま、中国と歩調を合わせるわけにはいかない。現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」もそうだ。中国は日本を引き込もうとするが、インフラ整備で途上国に返済能力を超えた融資を行うなど、多くの問題が指摘される。日本側は、ケース・バイ・ケースで協力する考えを示したが、よほど慎重に判断しないと、覇権主義的な中国に手を貸すことになろう、としている。

日本経済新聞・社説
米中貿易摩擦の世界への影響が心配だ

中国の対米貿易黒字がさらに増加した。外需頼みの経済成長では持続性が危ぶまれるし、米中の貿易摩擦を一段と激化させ、世界の通商体制を揺るがしかねない。先行きが大いに心配である。中国の2018年1~3月の実質経済成長率は前年同期比6.8%で、前四半期と比べて横ばいだった。問題は対米貿易黒字だ。こちらは2割近く増えた。世界の二大経済大国が本格的な貿易戦争に突入すれば影響は両国にとどまらない。いかに国際経済への余波を小さくするか。安倍晋三首相はトランプ米大統領とこの問題にも取り組んでほしい。16日、東京で8年ぶりに開いた日中ハイレベル経済対話で日本側は、鉄鋼の過剰生産解消への協力を要請した。中国側は従来の取り組みを説明したにすぎない。知的財産の保護に関しても中国の措置は不十分だ、としている。

Wall Street Journal
米中貿易摩擦、米IT銘柄にも広がる影響 (2018.4.17)

米中間で強まる経済上の対立に関係するのは鉄鋼や大豆といった商品ばかりだという認識なら、考え直した方がいい。ハイテク企業も十分狙われている。通信機器大手の 中興通訊 (ZTE)という中国で数少ない真のグローバル企業が打撃を受けた要因はここにある。米商務省は16日、自国の企業に対し、ZTEへの製品販売を7年間禁止すると発表した。対イラン・北朝鮮制裁への違反疑惑を巡って昨年和解したZTEが、その条件に抵触したことを理由に挙げている。英国のサイバーセキュリティー当局が同日、中国政府の通信システム傍受や破壊工作に使われる恐れを指摘し、ZTEの機器やサービスを使用しないよう通信事業者に呼び掛けたのも、偶然ではなさそうだ。投資家にとっては一体、これが何を意味するのだろうか。明確なメッセージは、米中間に今ある問題を「貿易戦争」と呼ぼうが「緊張」と呼ぼうが、とにかく状況は深刻で、長期的な影響を及ぼし得るということだ。どの企業が非難の矢面に立たせられるのか、慎重な検討が必要になるだろう、としている。

人民網日本語版
海南省を新時代における改革開放の全面的深化の新たな模範に (2018.4.17)

習近平総書記は13日、海南省・経済特区設置30周年記念大会で重要談話を発表し、今後30年間の海南省の発展について雄大な青写真を描いた。新時代において海南省の改革開放の全面的深化を支持することは、習総書記が自ら計画し、方針を立て、推し進める重大な国家戦略だ。海南省は広大な海域面積と海岸線、島嶼、港湾、生物、鉱物など豊富な海洋資源を擁する。中国にとって太平洋とインド洋に向けて開かれた重要な門戸だ。省・経済特区設置以来30年で、海洋経済が域内総生産に占める割合は30%近くに達し、観光客数と観光収入は急速に伸び、ボアオ・アジアフォーラム年次総会など重要行事の開催に成功し、「海」は海南省の最も際立った特色、最も重要な比較優位となっている。新時代における改革開放の全面的深化は、海南省に「海」の事業をしっかりと仕上げ、経済発展、対外開放、国際協力・交流における海洋の潜在力をさらに掘り起こし、発揮し、「海による強化」を実現することを求めている、としている。

産経の懸念は理解できるが、それでも慎重に判断して行動しなければ、置き去りにされるのは確実だ。朝鮮半島でどういう目に陥ったか。今の中国マーケットの活況で、ほぼ大半の業種で日本企業は苦戦を強いられているのも、リスクをゼロにしようと行動を躊躇したからだ。ビジネスにおいて挑戦の代償は外交に比べれば致命傷はいくらでも抑える手段がある。にも関わらず、日本は中国との経済活動で異常なほど保守的だった。もうすでに事態は遅過ぎるほどだ。
ただ、人民網の取り上げた海南省の経済特区は、相当リスクが高い。これ以上、中国政府が負債を許容して開発をつづけるだけの余力を、中国は持っているだろうか?上海や深圳の比ではないリスクだ。保険をかけて挑むべきだ。

朝日新聞・社説
イラク日報 「非戦闘地域」の検証を

防衛省が「存在しない」としてきた陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が初めて開示された。活動終了から10年以上たって、自衛隊の海外派遣の検証に不可欠な公文書が、ようやく国民の目に明らかになった。日報は自衛隊が宿営したサマワ市内での「銃撃戦」に触れ、英軍が武装勢力に襲われて「戦闘が拡大」との記述や、陸自の車列が爆弾で被害を受けた様子などが記されていた。当時の小泉首相はじめ、政府は自衛隊の活動範囲を「非戦闘地域」と説明してきたが、実態との乖離(かいり)は明らかだ。やはり日報の扱いが問題となった南スーダンPKOと同じ構図である。 公文書が伏せられ、過去の検証もないまま、安倍政権は集団的自衛権の行使に道を開く安全保障関連法を強引に成立させた。「非戦闘地域」の概念すら取り払われ、自衛隊にはより危険な任務が想定されている。イラク派遣を含め、これまでの自衛隊の海外活動を丁寧に検証し、その教訓の上に安保法を見直す。それこそ、いま政治に求められる責任である、としている。

読売新聞・社説
陸自イラク日報 過酷な環境下の活動が分かる

防衛省が陸上自衛隊のイラク派遣時の日報を公開した。2004年1月~06年9月の計435日分、約1万5000ページにのぼる。昨年の国会では、存在しないとしていたが、防衛省内の複数の部署で次々に見つかった。 活動拠点だったサマワの宿営地が火器で攻撃を受け、部隊の幹部は「動揺してはならない」と部下に命じた。武装勢力が英軍を攻撃し、銃撃戦となったことを「戦闘が拡大」と記している。イラク復興支援特別措置法で、自衛隊の活動は非戦闘地域に限られていた。野党は日報の「戦闘」の表記に、「政府の説明は虚構だった」などと批判している。十数年前の資料を巡って政府を責めるのは非生産的である。防衛省は、規律と統制を重んじるべき組織である。隠蔽行為の有無などをしっかり調査し、公表しなければならない。日報では、外国軍から得た情報などは黒塗りにされたが、陸自の作戦会議の内容なども公開された。識者には、慎重な取り扱いが望ましいとの意見もある、としている。

こういう文書がなくなるはずがないのであって、政治がなぜ日報をないことにしたいのか。いまの政権支持率から考えれば、朝日の意見への同調が多いだろう。10年前でも生産的という言葉で置き去りにしていい話ではない。読売の政府迎合報道は批判に値する。安倍政権の暴走を許したメディアの悪質な迎合は、今もつづいている。まるで戦時中のようだ。政権批判とともに大きく指摘されるべきだ。

毎日新聞・社説
財務省のセクハラ疑惑反論 「名乗り出て」はお門違い

財務省が福田淳一事務次官のセクハラ疑惑に関する事実上の反論書を公表した。週刊誌報道を否定し、出版社を名誉毀損で訴えるという福田氏の主張を詳細に列挙する一方、事実解明のための「協力要請」と称して、セクハラを受けた女性記者に名乗り出るよう呼びかけている。野田聖子総務相は閣議後の記者会見で「家族にも言いづらい話で、相手方に話をするのは私個人でも難しい」と述べた。与党内からも同様の批判が出ている。反論書は、およそ官庁文書にふさわしくない内容である。森友問題の公文書改ざんに伴う懲戒処分と人事異動のタイミングを見計らい、セクハラ問題はその中でうやむやにしようと時間稼ぎするつもりなのではないかとすら思わせる。内閣支持率の急落で政界はざわついている。安倍晋三首相も麻生氏もそれぞれの保身を優先し、疑惑解明のための指導力を発揮できなくなっているのではないか。財務省の非常識な対応も、政治家の無責任さを見透かしている表れだろう。財務省が「官庁の中の官庁」と呼ばれたのは、権力に見合うモラルを伴っていればこそであった。今日の体たらくは嘆かわしい、としている。

日米首脳会談どころではないほど、政権を取り巻く環境が崩壊しはじめている。公務員が相当に非協力的になっているのだろう。情報が出るタイミング、炎上のスピードが、政権にとって最悪のタイミングを捉えている。もう安倍政権は敵ばかりだ。

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