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3331.報道比較2018.4.16

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アメリカのTPP復帰検討は良いニュースになりそうだったが、トランプ氏の主張が事実なら復帰が実現する見込みはないだろう。アメリカが強烈なバリューを持っているなら別だが、今の世界はアメリカのパワーが単独では機能しないことも見抜いている。TPPに中国がいない意味も判っている。アメリカのわがままに合わせる時代はとっくに終わっている。

Wall Street Journal
米のTPP復帰検討、加盟国が直面する難問 (2018.4.16)

トランプ大統領は、米国の環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰検討に言及している。しかし、その実現に向けた取り組みには難問が立ちはだかる。何よりも大きな問題は、トランプ氏が2年前に米国政府が合意した協定よりも「大幅に良い内容」を要求していることである。参加国の多くにとって米国のTPP復帰の可能性は依然として魅力的だ。米国という巨大市場で関税が引き下げられれば、マレーシアのパーム油、ベトナムの衣料品といった製品にとって有利になるからだ。一部の参加国、特に日本は中国に対する防護壁として米国の経済的存在感を確立させたいと考えている。米国が新たな要求をするとすれば、そのうちの1つはオバマ政権も当初主張したが、オーストラリアに反対されて8年で妥協したバイオ医薬品のデータ保護期間を12年に延長することかもしれない、と同教授は指摘する。また米国は日本に対してコメの関税撤廃を求めてくるかもしれない。当初のTPPではコメが日本の聖域であることに理解を示し、そこまでは要求していなかった。以前の問題を再交渉することに気が重いのに加え、一部のTPP参加国は、トランプ政権が米国のTPP復帰をエスカレートしている米中貿易摩擦のレバレッジとして利用することを警戒している、としている。

人民網日本語版
1~3月の輸出入 貿易黒字3262億元で22%縮小 (2018.4.14)

税関がまとめた統計によると、今年第1四半期の中国の輸出額は3兆5400億元(1元は約17.1円)に上り、前年同期比7.4%増加した。輸入額は3兆2100億元で同11.7%増加し、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3261億8千万元の黒字で、黒字額は同21.8%縮小した。3大貿易パートナーとの輸出入の状況をみると、「一帯一路」(the Belt and Road)参加国の一部との輸出入が順調な成長ぶりだった。同期の中国と欧州連合(EU)との輸出入は同8.2%増加、米国とは6.3%増加、ASEANとは13.7%増加し、3者を合わせると輸出入総額の41.2%を占めた、としている。

毎日新聞・社説
北朝鮮情勢と首相訪米 密に認識のすり合わせを

3月末の中国と北朝鮮の首脳会談に続き、今月に入ってロシアと北朝鮮、日本と韓国、日本と中国の外相がそれぞれ会談した。そして安倍晋三首相はあすから米国を訪問し、トランプ米大統領と2日間にわたって会談する。日米は、すべての利害が一致しているわけではない。両国が置かれた地政学的な違いがあるからだ。それによって脅威への受け止めも異なる。米朝首脳会談開催の報は日本にとって唐突だった。トランプ氏が描く展望も明確ではない。日本にとっての脅威は北朝鮮が大量に配備する中距離弾道ミサイルだ。ICBM開発阻止で成果があっても中距離ミサイルが放置されれば日米の離間を招き、同盟関係が動揺しかねない。北朝鮮が6カ国協議に復帰する意向だという報道もある。そうなれば、米国だけでなく中韓露との連携も重要になる。日本が独自に中韓両国との関係を立て直す努力も必要だ。日本単独で北朝鮮情勢を動かせるわけではない。それは米国や中国など他の国々も同じだ。だからこそ、外交的な結束が重要になる、としている。

アメリカのTPP復帰検討は、良いニュースになりそうだったが、トランプ氏の主張が事実なら復帰が実現する見込みはないだろう。アメリカが強烈なバリューを持っているなら別だが、今の世界はアメリカのパワーが単独では機能しないことも見抜いている。TPPに中国がいない意味も判っている。アメリカのわがままに合わせる時代はとっくに終わっている。もし、もう一度アメリカを強くしたいなら、イノベーションをさらに高めるのが近道だ。シェール採掘も、IT企業の持つノウハウも、ハリウッドのようなエンターテインメントをマネタイズする能力も、他国には羨望のテクノロジーだ。勝てる部分を強欲に、他国価値にはディスカウントを求めるなら、招かざる客になるだけた。中国は、アメリカに気遣ってか、4月の輸入を増やして貿易赤字を大きく減らしてきた。選挙のためなら、この程度の先買いはどの国も簡単にやれる。トランプ氏のディールとはこの程度か?中国が嗤っている。

読売新聞・社説
自動運転ルール 交通の一大革新に備えを急げ

政府は、車の自動運転を巡る法制度の方向性を示す大綱案をまとめた。2020年をめどに、高速道路で、人の操作を緊急時に限る自動運転の実現を目指す。一般道でも、過疎地のバス運行などで無人運転を導入する方針だ。大綱案は、自動運転車が交通事故を起こした際の責任の所在について考え方を示した。民事上は、被害者への賠償責任を現在と同様、車の所有者が負う。自動車損害賠償責任(自賠責)保険を適用するのも同じだ。自動運転システムのハッキング被害による事故は、政府が補償する。事故でメーカーの責任を問うのは、車のシステムに明確な欠陥があった場合に限られる。あらゆる事故の責任をメーカーに負わせては開発意欲を殺ごう。ルールの方向性は理解できる。刑事責任については、継続検討とした。重い課題である。日本の自動車メーカーには、車の安全性に関する豊富な蓄積がある。この強みを新たなルール策定に生かすことも大切だ。政府はまず、自動運転の利点や課題を国民に丁寧に周知していくことが重要となる、としている。

自動車会社ではなく、クルマの所有者に責任者を負わせる発想は、他の国とは異なる。これが吉と出るか否かは未来にならないと判らない。クルマを所有する概念が壊れ、シェアに向かっている中、日本の発想でいくと、カー・シェアリングを営む会社はリスクが大きく増える。参入障壁は上がった。
先日、簡単に私もカー・シェアリングがどれくらいのコストになるかを算出してみた。首都圏で、週に1回使う程度。計算して出たコストを年額で計算してみると、旅行や規制をクルマでやると、カー・シェアリングの方がコストが高かった。首都圏でも、まだ所有と大差ない程度のコスト・メリット。一気にカー・シェアリングが日本で進まない理由のひとつだろう。ここに、自動運転の事故補償リスクも負わせると、カー・シェアリングはメーカー自身が経営するスキームしか成り立たないのでは?と思うほどメーカーに配慮している気がする。
自動運転になった時、車検制度はどうなるだろう?電気自動車になった時にも検討の余地は十分にあったはずが、政治は安定した税収を優先して検討しなかった。日産やスバルで顕在化した無資格検査の問題の遠因は、形骸化している検査員と検査にあると言われている。普及促進に求められているのは、モビリティ全体の構造改革だ。

朝日新聞・社説
熊本地震2年 「在宅被災者」を支える

熊本地震から2年がたった。2度に及ぶ激しい揺れは地元に深い傷を残し、なお3万数千人が仮設住宅で暮らす。すべての被災者が少しでも早く生活を再建できるように、官民でのさらなる取り組みが必要だ。益城町で「大規模半壊」とされたある家の世帯主は、公的支援金を受けた。だが資材の高騰もあり、屋根の修理くらいで終わった。居間の壁は亀裂が残ったままで、また揺れが来たらと不安が消えない。地域には、農機具などの倉庫で寝泊まりを続ける人も、いまだにいる。復興は住まいの確保から始まる。しかし、「避難所→仮設→恒久住宅」という一本道だけでは、被災者一人ひとりの多様なニーズに応じられない。住み慣れた家と地域を大切にしたい。それが多くの人の、当然の思いだ。さまざまな道を用意し、どれを選ぶかは被災者が決める。それがつまりは、生活再建への最短ルートとなる、としている。

産経新聞・社説
熊本地震2年 耐震化の先送りは禁物だ

一連の熊本地震は平成28年4月14日夜、熊本地方を襲ったマグニチュード(M)6・5、最大震度7の地震から始まり、28時間後の16日未明にはM7・3の地震で再び震度7が観測された。活断層で起こる直下型地震としては過去に例のない連鎖を起こし、活動域は阿蘇地方、大分県にも及んだ。昭和40年に建てられた宇土市役所の庁舎は崩落寸前となり、行政の拠点としての機能を失った。熊本空港はターミナルの天井崩落で運航不能に陥った。避難所としての活用が見込まれた学校の体育館が、照明の落下で使えなかったこともある。東京都はこのほど昭和56年5月以前の旧耐震基準で建てられた建築物の耐震診断の結果を公表した。それによると、震度6強以上の激しい揺れで倒壊の危険が高いビルが156棟、危険ありの95棟を加えた「危ないビル」は対象の約3割に上る。いつ起きてもおかしくないとされる首都直下地震の切迫性を考えれば、建て替え計画や構想がある建造物でも、耐震補強などの対策を直ちに行うべきである、としている。

日本の災害からの復興は、阪神大震災から格段に遅くなった。関東に住んでいるからか、熊本地震の傷跡より東日本の震災の痛みをまだ忘れられずにいるが、それでもペースはますます鈍っている。この原因を解明した方がいいと思う。高齢化、行政の劣化、財政や経済レベルの低下は影響を与えていると思う。もう、行政に頼る発想を後回しにすべき状況に来ている印象だ。自発的に何ができるのか、自力で何をしておくと有益なのか。情報をシェアしていく方が、ずっと価値がある時代になっているのかもしれない。

日本経済新聞・社説
感動を生む小売りのイノベーションを

イノベーションを起こすために必要な視点は大きく3つある。
第1に、徹底して消費者の目線に立つことだ。米アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏は自身が最も厳しい消費者として簡単な操作方法を開発者に求めた。画面を指で感覚的に操作するiPhoneを生み出し、スマートフォンの時代を開いた。
第2に、消費者調査の結果に頼り過ぎないことだ。顧客の属性や購買動向、位置情報など、あらゆるデータが入手可能になったが、調査結果の分析だけでは、店を訪れた時に驚きを与える商品は生まれない。モノや情報があふれ、消費者自身が何がほしいのか分からなくなっているからだ。
第3に、商品づくりの段階から社外との連携を深めることだ。めまぐるしく変わる消費者ニーズを追い続けるのは簡単ではない。異業種を含め社外の知恵や人材を積極的に取り入れることが大切だ。
いつの時代もヒット商品を生み出し、生活スタイルを変えてきたのは、消費者がイメージできない未来の暮らしをカタチにする力である。価格戦略や奇をてらったマーケティングではない。人々の感動を呼び覚ますモノがあってこそ、財布のひもも緩むだろう、としている。

かなりテキトーに、深く考えずに書かれた社説だろう。何がイノベーションかの定義も曖昧なまま、目に付く成功事例だけを並べているが、響く内容はゼロ。せめてグループ会社のビジネス誌程度のレベルは維持して欲しい。経済紙どころか一般紙でもこんないい加減な分析はしないだろう。

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