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3330.報道比較2018.4.15

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アメリカのシリア攻撃は、軍事的パフォーマンスだった。攻撃を事前に知らせて、相手に逃げる時間を与え、世界の準備が整ってから動いた。ここまでするなら国連の決議を待ってからでも良かった気がするが、ロシアと直接議論するのを避けたい理由があったのかもしれない。また証拠を示さないまま、ダークグレーで動いたアメリカ。シリア撤退までほのめかしたトランプ氏は悔しい決断だっただろう。

朝日新聞・社説
シリア攻撃 無責任な武力行使だ

米軍が英仏と共同でシリアを攻撃した。トランプ大統領は演説で、シリア軍が化学兵器を使ったと断じ、今後の使用を抑止するためだ、と主張した。確かに化学兵器の使用は、許されない犯罪である。しかし、米英仏はその証拠を示すことなく、国連安保理の同意もないまま攻撃に踏み切った。国際法上、正当性に疑義がある。今回の攻撃規模は昨年の2倍というが、これでアサド政権が戦闘を終えることはあるまい。むしろ、後ろ盾であるロシアと米英仏の対立が決定的になったことで、シリアの和平はさらに遠のくおそれが強い。一方、ロシア政府は「相応の結果なしには済まされない」と反発している。だが、アサド政権を軍事的な肩入れで増長させたのはロシアであり、国際的な非難には十分な理由がある。関係国の指導者は、狭い思考に陥ってはならない。シリアを含む失敗国家や地域の荒廃は、難民やテロなどの形で地球規模の問題をもたらしている。安倍首相は今回の武力行使に「理解」を示したが、追認するだけの姿勢は不適切だ。今週の日米首脳会談などを通じ、トランプ氏に中東の安定化への真剣な努力を促すべきである、としている。

産経新聞・社説
シリア攻撃 やむを得ない阻止行動だ

米英仏3カ国が共同でシリアの化学兵器施設に対する軍事攻撃に踏み切った。トランプ米大統領ら3首脳は、さらなる化学兵器の使用を阻止する目的だと強調した。トランプ大統領は化学兵器使用を「邪悪で卑劣な攻撃」と非難した。英国のメイ首相は外交的努力を尽くしたが、「現実的な他の選択肢がない」と述べた。安倍晋三首相は米英仏の決意を支持するとし、「事態の悪化を防ぐための措置だと理解する」と表明した。早期収束へ、国際社会が連携してあたらねばならない。米欧とロシアの関係は、英国での元ロシア情報機関員殺人未遂事件をめぐる互いの外交官追放などで一層、険悪化した。それでも、米露が安保理を含む国連の場で真摯な議論に臨む以外、シリア問題の出口は見えないのではないか。「非核化」を話し合うという北朝鮮は、化学兵器開発でも脅威とみなされている。今回のシリア攻撃は、核・ミサイル開発を放棄しなければ武力行使も辞さないとの米国の強いメッセージだと受け止めるべきだ、としている。

日本経済新聞・社説
武力行使でシリアの混迷は解決できない

米国が英国、フランスと、シリアのアサド政権に対する軍事攻撃に踏み切った。アサド政権が化学兵器を使用したことへの対抗措置だという。自らの国民に非人道的な兵器を使ったのだとすれば断じて許されない。政権の後ろ盾であるロシアの責任も重い。ただし、懲罰的な武力行使はシリアの混迷を一層深めるだけだ。8年目に入った内戦を終わらせる和平の道筋をあわせて描かねばならない。シリア内戦がここまで長引いたのは、米ロなど内戦の当事者の背後にいる大国の対立のために、国際社会が仲介役としての機能を果たせなかったためであることを忘れてはならない。中東情勢の緊迫で原油相場は上昇し、旅客機が飛行ルートの変更を余儀なくされるなど経済にも影響が出ている。重要なのは内戦の悲劇をどう終わらせるかである、としている。

毎日新聞・社説
米英仏軍がシリア攻撃 対立の泥沼化を懸念する

米国が再びシリア攻撃に踏み切った。昨春の単独攻撃と違って今度は英仏との共同軍事作戦であり攻撃規模も大きい。首都ダマスカス近郊も攻撃対象に含めたのは、政権存続をめざすアサド大統領への強い揺さぶりとも言えよう。シリアでは7日、ダマスカス近郊への空爆直後に呼吸困難を訴える市民が続出し、化学兵器(塩素ガス)が使われたとの見方が広がった。この攻撃が国際法上、正当なのかという疑問もあろう。国連安保理決議に基づく米英仏軍などのリビア攻撃(11年)が状況を複雑にしたように、軍事行動が最善の選択だったのかといった疑問もあろう。7年に及ぶ内戦で35万人以上が死亡し、国内外で1000万人を超す避難民が出ている。米露が対立を乗り越えて協力しなければ状況は泥沼化するだけだ。人道危機の解決に役立ててこそ「正義の力」である、としている。

読売新聞・社説
対シリア攻撃 アサド政権の蛮行を阻めるか

シリア内戦で化学兵器がこれ以上使われる事態を阻止することが先決である。米露両国がシリアを舞台に軍事的な対立をエスカレートさせることがあってはならない。安倍首相は、「米英仏の決意を支持する」と表明した。アサド政権は2013年に化学兵器禁止条約に加盟した後も、サリンや塩素ガスを保持し、攻撃に使っていると指摘される。7日の反体制派拠点に対する空爆で、幼い子どもらが口から泡を吹いて倒れる映像が伝えられた。おぞましいと言うほかない。国際規範に背く蛮行は放置できない。米英仏の攻撃は、核のみならず、化学兵器の開発も続け、シリアに技術提供をしているとされる北朝鮮への警告となろう。懸念されるのは、トランプ氏が国内の支持者を意識し、米国の中東への関与を弱める方針を繰り返し打ち出していることだ。トランプ氏は、「米国第一」主義を理由に、中東の平和と安定を担ってきた米国の責務を放棄すべきではない、としている。

アメリカのシリア攻撃は、軍事的パフォーマンスだった。攻撃を事前に知らせて、相手に逃げる時間を与え、世界の準備が整ってから動いた。ここまでするなら国連の決議を待ってからでも良かった気がするが、ロシアと直接議論するのを避けたい理由があったのかもしれない。また証拠を示さないまま、ダークグレーで動いたアメリカ。シリア撤退までほのめかしたトランプ氏は悔しい決断だっただろう。これでますますトランプ氏はさっさと去りたいと思ったのではないだろうか。

Wall Street Journal
米NEC委員長、貿易紛争「冷静な方が勝ち」 (2018.4.14)

米トランプ政権の経済政策トップ、ラリー・クドロー国家経済会議(NEC)委員長は13日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、米国は中国との貿易紛争の拡大を回避できると自信を示した。また、ホワイトハウスはカナダ及びメキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で合意に近づいていると語った。クドロー氏は、トランプ政権と中国との貿易紛争は「ハイリスク・ハイリターン」と指摘。この対立がどのような終わりを迎えるかは不明だとしながらも「冷静な方が勝つだろう」と話した。ホワイトハウスの通商政策が、内外の政策立案者や実業界首脳に批判されている点については、そもそも中国に対する強硬姿勢が長いこと延び延びになってきたことが原因であるとして、そのような批判は残念だと述べた。中国政府は米国の技術と知的財産を盗んでいると批判。そのような慣行はやめさせる必要があると強調した、としている。

人民網日本語版
習近平総書記「海南省全域を自由貿易試験区に」 (2018.4.14)

習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)は13日に行われた海南省と海南経済特区の30周年を祝う大会で、「党中央は海南の全島を挙げての自由貿易試験区の建設を支援し、海南が中国の特色ある自由貿易港の建設を段階的に模索し、緩やかに推進し、ステップごとに段階を分けて、自由貿易港をめぐる政策と制度システムを構築することを支援する」と厳かに宣言した。また習総書記は、「自由貿易港は今の世界では最高レベルの開放の形態だ。海南の自由貿易港建設では中国の特色を体現し、中国の国情に合致し、海南の発展の位置づけに合致し、世界の自由貿易港の進んだ経営スタイルや管理方法を学び参考にすることが必要だ。私たちは世界中の投資家が海南に投資し、海南で事業を興し、海南の自由貿易港建設に積極的に参加し、中国の発展チャンスを共有し、中国の改革の成果の恩恵に共にあずかることを歓迎する」と述べた、としている。

中国とアメリカは強い批判とともにメッセージを発している。読み解けば両者はウィンウィンになる。アメリカのポイントは知財と雇用だ。製造業が中国に勝てるとは思っていない。アメリカに投資して事業をしてくれれば、関税には温情があるかもしれない。中国は未来の安定を求めている。安い世界の工場から、オリジナルのイノベーションが欲しい。アメリカと取り組めるチームは作れるはずだ。
ディールは楽しめるコミュニケーションだ。すぐに怯えて感情的になって損をする日本は、発想を変えたらどうだろう?

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