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3328.報道比較2018.4.13

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エネルギー政策が、前回から原子力の位置づけが大きく後退した。再稼働も廃炉もまるで進まない停滞の打破には、少し前進を感じる。政治は民意が覆らないことを察し、同時に廃炉や新設の利権に興味を移したようだ。

産経新聞・社説
長期エネ戦略 足元の課題解決こそ急げ

2050年に向けた長期エネルギー戦略で、太陽光や風力などの再生可能エネルギーが主力電源と位置づけられた。安全性を高めた次世代炉など、原発の技術開発を進める方針も示した。この長期戦略は、化石燃料に依存する現在の電源構成を見直し、脱炭素化を促すのが目的だ。政府は今夏をめどに、30年に向けた中期的なエネルギー政策指針であるエネルギー基本計画を約4年ぶりに改定する。経済産業省の有識者会議がまとめた今回の長期戦略は基本計画に反映させる。温室ガスを排出しない原発を脱炭素化の選択肢とし、将来にわたって技術開発や人材の確保を促すことも明記した。そのためにも政府は、安全で機動性が高い小型原子炉などの開発を積極的に支援すべきだ。長期戦略は原発の建て替えや新増設に言及していないが、その環境整備が肝要なことは論をまたない。海外に資源を依存する日本にとって、原発や再生エネは貴重な国産電源でもある。バランスの取れた電源構成を実現することが、暮らしや産業を支える電力の安定供給には欠かせない、としている。

毎日新聞・社説
「脱炭素」への長期戦略 再生エネ主力化を着実に

経済産業省の有識者会議が2050年を見据えたエネルギー長期戦略の提言をまとめた。太陽光、風力などの再生可能エネルギーを「主力電源」と位置づけたのが大きな特徴だ。欧州などに比べ出遅れている再生エネの導入拡大に、積極的な姿勢を打ち出したことは評価したい。究極の目標は「脱炭素化」である。石油、石炭、天然ガスといった化石燃料への依存から脱却することを意味する。その主役とされたのが再生エネだ。だが、天候に左右される発電量の不安定さ、コストの高さ、送電網への接続問題といった多くの難題を抱えている。改定される基本計画でも、30年度時点での全電源に占める割合が22~24%に据え置かれるのは、その反映と言えるだろう。一方、気になるのが原発の位置づけだ。長期戦略は「可能な限り低減する」としながら、「脱炭素化」の「選択肢」として存続させることにしている。温暖化対策を原発維持の大義名分にしようというのであれば、理解は得難いだろう。原発依存からはできるだけ早く脱却する。その前提で再生エネの「主力」化に取り組むべきだ、としている。

読売新聞・社説
エネルギー戦略 長期の安定供給をどう築くか

経済産業省の有識者会議が、2050年に向けた国の長期的なエネルギー戦略を取りまとめた。再生可能エネルギーを、電源構成に大きな割合を占める主力電源に育てるとしたのが特徴だ。温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定を踏まえ、50年に温室効果ガスの排出量80%削減という目標達成のため、再生エネ強化を打ち出したことは理解できる。再生エネの主流である太陽光や風力は、天候や時間帯によって出力が大きく変動する。現状では、安定供給の面から主力電源とするには不安が拭えない。原発の再稼働の遅れで、原子力に将来性がないとして、電力会社や大学の人材育成に支障を来す事態となっている。原発の安定的運用のため、政府と電力大手が検討している原発事業の協業体制作りを加速していくことが欠かせない。原発の信頼性を高めることや、再生エネの技術的な障害の解消を目指し、まずは政府が、足元の課題を一つずつ確実に解決していくことが重要となる、としている。

前回から原子力の位置づけが大きく後退した。再稼働も廃炉もまるで進まない停滞の打破には、少し前進を感じる。政治は民意が覆らないことを察し、同時に廃炉や新設の利権に興味を移したようだ。過去との大きな違いは、この国にいくつも発電所を作れる予算は簡単には通らなくなっている事、こんな事態を作った責任が正に政治にある事を、国民は認識していることだ。電力会社の優遇も、原発事故の対応を見たら前向きになる国民はいない。3.11で結束するチャンスに不信を蔓延させた大失敗の事後処理を、これから全員でしなければならない。重い仕事だ。

人民網日本語版
中日ハイレベル経済対話、8年ぶり再開の理由 (2018.4.12)

中日双方は第4回中日ハイレベル経済対話を4月16日に日本・東京で開くことを決定した。中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)と日本の河野太郎外相が共同議長を務め、両国政府関係機関のトップらが出席する。経済・貿易関係は中日関係の大変重要な構成要素だ。中日両国は互いに重要な経済・貿易パートナーであり、協力発展は双方の利益にかなう。日本にとって中国は最大の貿易相手国、輸入相手先であり、中国にとって日本は第2の貿易相手国、重要な外資導入元だ。中日国交正常化から昨年で45年、中日平和友好条約締結から今年で40年となる。昨年11月11日にベトナム・ダナンで会談した習近平国家主席と日本の安倍晋三首相は、両国関係の持続的改善、好転、発展を後押しすることで重要な合意にいたった。両国経済界は今年の中日平和友好条約締結40周年を契機に、省エネ・環境保護、先端製造、電子商取引、現代的サービスなど重点分野に焦点を合わせ、強みによる相互補完と協力の潜在力を深く掘り起こし、二国間貿易と相互投資の拡大を推し進め、「一帯一路」の枠組での協力を実施し、第三国市場を共に開拓し、インフラ及びコネクティビティ事業での協力を推し進め、両国の経済・貿易協力水準をさらに高め、中日関係の改善と発展のために基礎を固めることができる、としている。

Wall Street Journal
トランプ氏、TPP復帰の検討指示 USTR代表とNEC委員長に (2018.4.13)

ドナルド・トランプ米大統領は、1年前に脱退した環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への復帰を検討するよう政権の経済チーム首脳らに指示した。トランプ氏は12日、議員らに対し、有利な条件であればTPP交渉に戻る可能性を調査するようロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表とラリー・クドロー国家経済会議(NEC)委員長に指示したと話した。トランプ氏は農業州の議員らとの会合でTPPについて発言した。出席していたベン・サッシー議員(共和、ネブラスカ州)は、TPP再加盟へのトランプ氏の意欲は本物だとした上で「米国にとって本当に朗報だ」と語った。ロンドン訪問中のエベレット・アイゼンスタットNEC副委員長も同日、さらに望ましい条件で合意できれば、米国はTPP復帰を検討すると話した。アイゼンスタット氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がロンドンで開催した国際イベント「CEOカウンシル」で、TPPに「関心がある」と語った。「われわれは多くの対話に関わっている。それが最終的にTPPのようなものに結びつくだろうか。様子を見る必要がある。課題は多い」と話した、としている。

トランプ氏が日米首脳会談に向けてメッセージを投げた。信頼関係だけに頼る日本政府は手ぶらで返答した。結果は、TPPより二国間FTAを優先するとの返答に変わった。私は政治の世界は詳しくないが、人に逢って交渉に挑むなら、最低限の準備として戦略を持ち、いくつかのオプションとそれに見合う提案を持っていくのが通常だろう。どこまで日本政府が準備していたのかは判らないが、アメリカえお失望させたのは確実だ。
中国は、きっと日本の戦略のなさも承知している。自らのプランに日本の返答を合わせていくだけ。容易いことだろう。素人に見えた民主党時代と、今の自民党も大差ない。むしろ捏造と強権を使う分だけタチが悪い。

日本経済新聞・社説
巨大IT企業は社会的責任の自覚を

世界最大の交流サイト(SNS)を運営する米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が米議会の委員会で証言した。2日間にわたり、個人情報の不正流出問題などに関する質疑に応じた。フェイスブックはかねて情報管理体制が甘いと指摘されていた。説明は遅きに失した感もあるが、「プラットフォーマー」と呼ばれるネットの基盤を提供する巨大IT(情報技術)企業が社会的な責任を自覚する契機とすべきだ。プラットフォーマーの影響力が大きくなるなかで、ネット広告にテレビやラジオと同じ水準の規制を当てはめるといった動きは妥当だ。ただし、規制には限界があることも理解する必要がある。規制の議論に際しては急増するデータを活用し、便利で効率的な社会をつくるという視点も欠かせない。中国のような個人情報の利用に寛容な国家が技術力を高めていることも注意すべきだ。安心や安全の確保と技術革新を両立する道を粘り強く探る必要がある、としている。

日本の新聞のITリテラシーは、アメリカの議員よりレベルが低いかもしれない。判っているように見えて、Facebookのどこにリスクがあるのか、Facebookが絶対に避けたかった生命線は何なのか、消費者が感じるべきリスクはどこにあるのかを、まったくイメージできていない。プラットフォーマーという言葉で規模に圧倒されているのは日経の方だ。極論すれば、Facebookに社会の利便性を担う局面などない。明日、この世から消えても1か月以内に誰も困らなくなるだろう。それくらい無益なコミュニティが、人と人とのつながりを履歴も含めて保持している危険。勝手に人と人のつながりを利用する危険。個人の情報が盗まれるのとは桁違いに大きなリスクがそこにある事を、日経は指摘できないようだ。

朝日新聞・社説
シリア緊迫 武力では解決しない

米トランプ政権が、シリアのアサド政権に対し武力攻撃する構えを見せている。化学兵器により多数の市民を殺した、というのが理由である。非人道的な化学兵器は国際条約で禁じられている。もし使われたとすれば断じて容認できない。だが、事実関係ははっきりしない。アサド政権と後ろ盾のロシアは否定している。このまま攻撃に踏み切れば、国際法上の正当性が疑われるだけでなく、事態をいっそう混迷させるおそれが強い。米ロ両国の対立激化は、シリア問題の解決を遠のかせるだけだ。一方、ロシアには化学兵器の疑惑について説明責任がある。今回の新たな疑惑をめぐり、ロシアは安保理で拒否権を使い、真相解明と責任追及に取り組む調査団をつくる決議案を葬った。潔白であるならば、なぜ国連の調査を拒むのか。いま求められるのは、挑発のエスカレートではない。米ロが率先する包括的な外交努力こそ肝要である。欧州や中東各国と共に、シリアの各勢力に和平を説かねばならない、としている。

「シリアが化学兵器」は「イラクが大量破壊兵器」と同じかもしれない。アメリカは証拠を示す必要がある。

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