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3325.報道比較2018.4.10

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泥沼のように出てくる不祥事は、今まで安倍政権が手を取り合って牛耳っていたつもりの省庁ばかり。現場は相当ストレスを貯めていたのだろう。

朝日新聞・社説
森友問題 値引きの根拠が揺らぐ

財務省の太田充理財局長は、きのうの参院決算委員会で、値引きの理由とした地中のごみの撤去をめぐり、学園側に虚偽の説明をするよう求めていたことを認めた。NHKが先週報じ、同省が調査していた。「費用に関して相当かかった気がする、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか」。昨年2月、理財局職員が森友側弁護士に、電話でそう伝えたという。国有財産の管理を担う財務省が、取引相手にウソをつかせようとする。前代未聞である。決裁文書の改ざんと併せ、異様ともいえる財務省の対応に、安倍首相の「私や妻が関係していたということになれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」という答弁が影響していなかったのか、徹底的に調べる必要がある。財務省はなぜ国有地を格安で売却し、文書を改ざんしてまで何を隠そうとしたのか。その究明が先決だ。妻の昭恵氏にも公の場で証言を求めるべきだ。口先だけではない指導力を、首相に強く求める、としている。

毎日新聞・社説
理財局が口裏合わせ要請 根拠なき値引きの証明だ

財務省はきのう、理財局職員がごみの撤去に関して、うその説明をするよう学園側に求めていたことを国会で認め、謝罪した。財務省は土地の地中にあるごみの撤去費を約8億円と算定し、その分を値引きしたと説明してきた。だが肝心のごみの量について虚偽の口裏合わせをしようとしていたのだ。これは値引きの根拠がないことを自らが認めていた証拠ではないのか。口裏合わせの要請が出先の近畿財務局ではなく、理財局主導で行われた点も重要だ。この時点で既に学園と安倍晋三首相の妻昭恵氏との関係などが注目されていた。政治的な案件だから本省が乗り出したのではないかとの疑いを持つ。森友の土地取引は、公表できない事情によって大幅に値引きされたことは、もはや疑いようがない。少なくとも適正な手続きだったという強弁は通用しない。財務省は内部の厳しい調査を急ぎ、真相解明に協力する以外に信頼回復の道はない、としている。

読売新聞・社説
日報・森友問題 公務員の規範意識が低すぎる

2004~06年の陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が見つかった問題では、次々に新事実が発覚し、小野寺防衛相が繰り返し謝罪する異例の事態となっている。航空自衛隊でも日報の存在が確認された。安倍首相が参院決算委員会で「シビリアンコントロール(文民統制)にも関わりかねない重大な問題で、極めて遺憾だ」と陳謝したのは当然である。失態は防衛省にとどまらない。参院決算委員会では、学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡り、財務省理財局が学園側に虚偽の説明を依頼していたことが明らかになった。規範意識の欠如したあるまじき行為だ。太田充理財局長は決算委で「誤った対応だ」と述べた。財務省は決裁文書の改ざんと、値引きを巡る疑惑について説明責任を果たすことが求められよう。政府を挙げて適切な公文書管理に取り組むとともに、公務員倫理の順守を徹底する必要がある、としている。

泥沼のように出てくる不祥事は、今まで安倍政権が手を取り合って牛耳っていたつもりの省庁ばかり。現場は相当ストレスを貯めていたのだろう。しかも、この「口裏合わせ」という明らかに犯罪に通じる言葉で最初に報道したのはNHK。リーク先が新聞からテレビになり、政府に明らかに内通者がいると見えるNHKさえ放送せざるを得ないほど、外堀は埋まった。それでも問題は公務員にあると言う読売は、さらに公務員の反抗を後押しするだろう。行政の責任は政府。読売も判っているはずだが。
逃げ場を狭められながら、協力者も失っていく政権。決定的に敗北しての撤退より始末が悪い。民主党に政権を委ねた時以上の産廃のような残骸が残りそうだ。

Financial Times
ようやく不均衡是正に向かい始めた中国経済 (2018.4.4)

中国経済において消費が最も重要な需要の牽引役になりつつある。待望の調整がついに始まった格好だ。中国はこれにより、効率が悪いうえに借入金頼みの投資に過度に依存する構造から抜け出すことになるだろう。今年の中国開発フォーラムで配られた背景説明書には、2017年のGDP成長における最終消費の寄与度は59%だったと記されている。投資の増加がようやく鈍化し、債務の増加も(おそらく)止まったのだ。この背景には、成長の量よりも質を取ろうという意識があった。そしてそのような意識が芽生えた理由は、労働力の縮小や、農村部から都市部に移り住む動きの鈍化などに求められる。GDPにおける個人消費の割合が非常に低いのは、中国の家計貯蓄率がまだ非常に高いからにすぎない。高齢化が根付くにつれて、この状況は変わることになるだろう。ひょっとしたら、非常に速いペースで変わるかもしれない。不均衡の度合いが小さい経済、そしてとりわけ、中国の膨大な人口の消費需要への依存度が今よりも高い経済への変革だ。これは中国にとっても、そして世界の他の国々にとっても良いこととなろう、としている。

Wall Street Journal
中国、南シナ海に電波妨害装置を配備 軍事化進める (2018.4.9)

中国は南沙諸島(英語名スプラトリー諸島)に設けた人工島のうち2つに電波妨害装置を取り付けた。南シナ海の軍事化で重要な一歩となる動きだ。米政府関係者らが明らかにした。こうした米国の情報は、人工衛星映像を手掛ける米デジタルグローブが先月撮影し、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に提供した写真でも裏付けられる。この写真では、アンテナを備えた電波妨害装置とみられる物体がミスチーフ礁の上に確認できる。中国は2014年から南沙諸島にある7つの岩礁を埋め立てて人工島を建設しており、ミスチーフ礁もその1つ。米政府関係者らの話では、これらの人工島に軍人が駐留し、中国船が停留しているものの、陸軍部隊や軍用機はまだ置かれていない。地対空ミサイルや巡航ミサイルもまだないが、配備に向けて場所は準備されているという。国防総省関係者は「中国は人工島建設の理由として海上の安全維持、航行支援、捜索・救助活動、漁業の保護などの非軍事的機能を主張しているが、電波妨害装置には軍事的な利用目的しかない」と述べた、としている。

人民網日本語版
李克強総理「中国は改革開放を揺るぎなく推進」 (2018.4.9)

李克強総理は8日午後、シンガポールのリー・シェンロン首相と釣魚台迎賓館で会談した。李総理は「中国とシンガポールは強みによる相互補完を発揮し、協力の潜在力を深く掘り起こし、二国間実務協力をより高いレベル、より質の高い発展へと率いる必要がある。中国側は『一帯一路』イニシアティブとシンガポール側の発展戦略を連携させ、『南向通道』建設を共に推し進め、既存の協力体制を揺るぎないものにし、インフラ、コネクティビティ、金融など重大事業・重点分野の協力を深め、第三国市場協力を拡大し、防衛・法執行・安全協力を推し進め、教育、メディア、シンクタンク分野の交流を拡大し、人的往来を円滑化して、両国民に確かな利益を一層もたらしたい。将来的には、中国は引き続き改革を深化し、開放を拡大し、世界貿易機関(WTO)のルールを基礎とする世界の自由貿易体制を維持し、貿易と投資の自由化及び円滑化を促進し、自らの発展によって周辺に恩恵をもたらし、シンガポールを含むASEAN諸国と利益共同体、運命共同体を共同構築する。シンガポールがASEAN輪番議長国及び中国ASEAN関係の調整国として、引き続き中国ASEAN関係の促進に建設的役割を発揮し、共に様々な形の保護主義に反対し、地域協力を後押しし、地域の平和・安定・繁栄実現に貢献することを希望する」と指摘した、としている。

アメリカが中国の南シナ海の人工島の話を持ち出したのは、どういうメッセージだろう?経済でも安全保障でも警告を出しているなら理想的だが、ディールの意味で貿易赤字削減へのジャブなら歓迎できない。トランプ氏が南シナ海にコメントした記憶は薄い。世界の警察をやめ、中東からもNATOさえも労力を下げたいトランプ氏が、南シナ海をどう思っているのか。アジアは総じて悲観している。Financial Timesの言うとおり、中国は経済で徐々に先進国への脱皮を図ろうとしている。巨額の負債があるとしても、アメリカの双子の赤字に比べれば規模は小さい。中国の拡張は、中国をキライな人にとっては歯ぎしりするほど順風満帆だ。日本政府のバイアスは忘れて、ひとりでも多く友人を作るべき時ではないだろうか?

産経新聞・社説
ハリル監督解任 早急にチームを立て直せ

日本サッカー協会は、日本代表のハリルホジッチ監督を解任した。後任には協会技術委員長の西野朗氏が就任する。代表選手の選考と戦術の選択は、代表監督の専権事項である。結果に不満があれば、協会が解任する。世界のサッカー界では、当然の交代劇である。W杯を目前に控えて最悪のタイミングでの更迭という批判もあろうが、低迷するチームのカンフル剤として生き返らせる効果を生むかもしれない。全ては結果がものをいう。後を託された西野氏には、早急にチームを立て直してもらいたい。W杯ロシア大会まで2カ月、東京五輪までは2年を残すのみである。どう立て直すか。世界が注目している、としている。

日本経済新聞・社説
上場誘致の市場間競争は投資家目線で

成長期待の大きい有望な企業に株式を上場してもらおうと、世界の取引所が誘致を競っている。ここにきて目につくのは、創業者や一部の大株主に支配権が集中したままで上場する動きだ。取引所が上場ルールそのものを緩める流れも世界的に強まっている。こうした企業は業績が好調なときはいいが、いざ経営に問題が起きても、外部の株主の声が届きにくい構図に陥る。取引所はいたずらに規律を緩めることなく、一般の投資家の権利まで広く配慮して、企業統治がしっかり機能する市場の運営が必要だ。米国で3日、ニューヨーク証券取引所に上場した音楽配信会社、スポティファイ・テクノロジーは異例だった。新たな資金調達はせず、株主構成をそのままで直接上場するという手法をとった。上場企業の魅力を高めることが世界のマネーを呼び込むことにつながる。迅速かつ確実に取引できるインフラも含め、安心して売買できるからこそ参加者に厚みが増す。投資家目線で生みだす好循環が市場間競争に勝つ条件だろう、としている。

また政府に迎合するように目を背ける産経と日経。以前も醜態を晒したが、この隠蔽体質は政府に迎合する省庁そのもの。危機が高まった時、日本のメディアは絶対に信じてはならない。

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