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3318.報道比較2018.4.3

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メディアの他人事感覚が際立つ日。彼らが主体的に語ることはあるのだろうか?無関心は大罪だ。

日本経済新聞・社説
企業は今こそ構造改革を推進せよ

企業の景況感改善の勢いに若干の陰りが浮かんできた。日銀が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)によると、大企業製造業の業況判断指数が8四半期ぶりに悪化した。金融・為替市場の変動や貿易摩擦が深刻化する懸念など先行きには不透明要因が山積している。企業は今こそ生産性向上につながる構造改革を加速し、将来の逆風に耐えられる収益体質を固めるべきだ。2018年度は1ドル=109円台後半に置いており、最近の相場動向に比べてかなりの円安・ドル高だ。国際金融市場の混乱が深まり、円が買われるリスクがほとんど織り込まれていない。一段の円高や株安が進めば、収益計画の下方修正を迫られかねない。いま市場が最も警戒するのは米トランプ政権が掲げる「米国第一主義」が世界経済や国際貿易に及ぼす悪影響だ。今月、日米首脳会談に臨む安倍晋三首相は北朝鮮問題への対応に加え、自由貿易の重要性を改めて説いてほしい。政府は、雇用の流動化や企業と個人の自助努力を生かすような働き方改革の実現などを通じた、側面支援に専念すべきだ、としている。

読売新聞・社説
日銀短観悪化 環境変化への耐性を高めたい

日銀がまとめた3月の企業短期経済観測調査(短観)で、景況感を示す業況判断指数が、大企業・製造業で前期より2ポイント低いプラス24となり、8四半期ぶりに悪化した。大企業・非製造業は6四半期ぶりの悪化となった。原油や金属類など原材料の国際価格が上昇し、仕入れ負担が増している。人手不足の深刻化で業務への支障が広がっている。企業が守りの姿勢に戻ってしまえば、日本経済の成長は持続しまい。新たな需要を生み出す前向きな投資に知恵を絞ってほしい。金融市場の不安定化も気がかりだ。円高・株安が輸出産業などの業績悪化要因になりかねない。日銀の黒田東彦総裁は9日から新たな任期に入る。副総裁2人は先月、一新されたところだ。現時点で異次元緩和の見直しは時期尚早とはいえ、金融正常化に向け、景況感を敏感に捉えた柔軟な舵取りが大切となる、としている。

日銀短観は、企業経営者の感覚的な印象をベースにしている。聞かれた日の気分で変わるようなものが、当てになるとは私は思わない。もともと、無理に数字を作ってデフレが終わったと宣言したような好景気だ。はじまってもいないものが終わっても、心配無用だろう。それよりも企業の内部留保放出、格差是正の方が、ずっと今の日本には効果的ではないか?

産経新聞・社説
米中の貿易戦争 報復の先に解決は見えぬ

世界1、2位の経済大国間で報復が連鎖する事態である。日本を含む世界経済にも、多大な悪影響を及ぼしかねない。貿易戦争に真の勝者はいないことを改めて指摘したい。紛争の起点となった米国はもちろん、中国もそのことを認識し、摩擦がエスカレートせぬよう、責任ある行動を取ってもらいたい。中国は米国から輸入する果物などの120品目に15%、豚肉などの8品目に25%の関税を上乗せする。30億ドル(約3200億円)相当の米産品が対象である。米国の輸入制限に対しては、欧州連合(EU)も報復関税案を示した。米欧間には、事態打開に向けて協議する流れもある。中国もこれを狙うだろう。秋の中間選挙を控え、トランプ大統領は対中貿易赤字の縮小という目先の成果に固執しがちだ。中国が米国からの輸入を拡大する策など懐柔策を出してくれば、「取引外交」重視のトランプ氏は飛びつくかもしれない。両国に生産網を築く日本は、米中の動きを警戒すべきだ。「米中後」に米国による対日圧力が格段と高まることにも、十分備えておく必要がある、としている。

毎日新聞・社説
中国が対米報復関税 大国の摩擦激化を危ぶむ

中国政府が米国から輸入する果物や豚肉などに高関税を課す措置を発動した。トランプ米政権が中国の鉄鋼製品などの輸入制限に踏み切ったことに対する報復である。経済的な相互依存関係が深まっている米中が、高関税をかけ合うと、貿易が停滞する。双方の輸入品価格が上昇し、企業や消費者の負担が増す。米中の景気が落ち込めば、世界経済への波及は必至だ。問題の根源は、米国の貿易赤字削減を最優先課題に掲げ、赤字相手の中国などに対して一方的な制裁を決めたトランプ政権にある。日本も米国の鉄鋼輸入制限の対象となっており、除外を求めている。しかし主要国として自由貿易体制の維持に責任がある。今月の日米首脳会談で撤回を働きかけるべきだ、としている。

日本も制裁対象に入っている。米中ではなく日本の問題だ。他国の心配より、日本はどう対処するつもりかを問い質すべきだ。

朝日新聞・社説
原発稼働同意 「茨城方式」足がかりに

日本原子力発電(原電)の東海第二原発の再稼働をめぐり、茨城県や立地自治体の東海村に加え、水戸市など周辺5市の事前了解も必要とする安全協定が、原電との間で結ばれた。再稼働に対する事実上の「同意権」が周辺市町村に広がることになる。このことが、電力会社が関係自治体と結ぶ安全協定に明記されるのは、全国で初めてだ。今回の新協定には、東海村や周辺5市との事前協議により「実質的に事前了解を得る仕組みとする」との文言が盛り込まれた。民主的な合意を得るうえで、前進と言える。今回は県と、立地する東海村、周辺5市が協力し、原電を動かした。原発をめぐっては、立地自治体と周辺自治体の間で溝が生じている地域も目立つ。その解消のため、道や県が果たせる役割は大きい。「茨城方式」を全国に広げたい、としている。

あとひとつ、原発が茨城と同じ形に動けば、朝日の願う方向に動くかもしれない。原発を動かす合意形成が、過去のやり方では納得が得られない時代になったようだ。政治は結局、何のリーダーシップも発揮できなかった。経産省の政策も機能しなかった。それだけ3.11後の拒絶は大きかったのだ。経済合理性では越えられない恐怖と怒りが原子力に向かった。抵抗は機能する。

人民網日本語版
専門家「米国は南中国海でむしろ自らに「レッドライン」を設けるべき」 (2018.4.2)

中国軍当局は先日、南中国海で大規模な軍事演習を実施すると発表した。3月30日には中国海南海事局が1週間の「南中国海軍事訓練臨時航行禁止」を通知した。国際メディアは今回の軍事演習を正式な開始前から注視。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)、ナショナル・インタレストなど米メディアは「太平洋での大規模な実弾演習による米軍に向けた挑戦」「南中国海での米軍の『航行の自由作戦』は効果がない」「米国はより強硬な措置を取り、南中国海で中国に『レッドライン』を設けるべき」と主張した。現在、米国の南中国海政策に最も急がれるのは中国にいわゆる「レッドライン」を設けることではなく、中米のパワーバランスに大きな変化が生じていることに慣れ、戦略を適切に調整することだ。もし覇権主義思考と強権主義ロジックを引き続き堅持し、是非を問わず、南中国海で全力で中国に圧力を加え、中国を封鎖するのなら、いつまでも果てがないし、良い南中国海政策も得られない、としている。

どれだけ朝鮮半島が平和に解決しても、南シナ海の人工島が許容されることはない。軍事演習が正当性だとしても、すべての行動が正しいとはとても思えない。九段線?世界が嗤うほどの無理な主張だ。

Wall Street Journal
トランプ政権下の米経済、景気良好でも視界不良 (2018.4.2)

現在は不確実性が低いと読者は思うだろう。景気は確実に拡大し、世界経済の足元は安定している上に、米国の大統領は規制緩和で企業を後押しすることに力を入れているからだ。しかし、実際は違う。ノースウェスタン大学のスコット・ベイカー教授、スタンフォード大学のニコラス・ブルーム教授、シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスのスティーブン・デービス教授の3人によれば、現在は経済政策の不確実性がオバマ前政権時代よりやや高い。当時は、深刻なリセッション、自動車メーカーの救済、連邦準備制度理事会(FRB)による異例の金融システムへの介入、財政政策を巡る共和・民主両党の日常的な瀬戸際政策が特徴だった。投資家は過去数週間、トランプ時代の経済政策の不確実性を味わった。鉄鋼・アルミニウム輸入や中国からの一部輸入品に対する新たな関税、これら関税に対する五月雨式の免除、国家安全保障を根拠に連邦政府が介入して阻止した外国企業によるクアルコム買収、連邦裁判所に持ち込まれた AT&T による タイム・ワーナー 買収計画などだ。先週には、アマゾン・ドット・コムの株価が4%下落した日があった。事態を複雑にしているのは、トランプ氏の経済介入の裏にある包括的な政策枠組みが見えにくいため、次を予想するのが難しいことだ。ラペリエール氏は「トランプ氏がアマゾンに恨みを抱いているからといって規制が利用されることはなさそうだ」と述べた。同氏のウォール街へのアドバイスはこうだ。「ツイート愛好者(トランプ氏)を恐れるな」、としている。

なぜトランプ氏の発言でマーケットが揺れるのかが判らない。彼が予告通りに動いたことなどほとんどないというのに。Wall Street Journalはいろいろ書いているが、トランプ氏よりも、高くなり過ぎた株価が問題なのではないかと思う。恐くて持てないほど吊り上がった株価だから、少しの現象に反応しているのではないだろうか?

Financial Times
トランプ大統領と習主席と平壌とのポーカーゲーム

人口2500万の国を支配する後進的で残酷なほど抑圧的な政治体制が、世界の2大大国の指導者から大いに注目されているからだ。国際社会は金氏の北京訪問を歓迎すべきだ。下手をすれば戦争になっていたかもしれないからだ。金氏は平昌冬季オリンピック大会に選手団を派遣し、冷え切っていた韓国との関係改善に動いた。トランプ大統領との首脳会談を提案して米国政府の計算をひっくり返し、米国は軍事行動の準備を保留した。中国の国営新華社通信は、習氏が「今年は、期待の持てる明るい変化が朝鮮半島情勢に生じている。その方向に向けて北朝鮮が行った主要な努力に対し、我々は感謝の意を表する」と述べて金氏を褒めたたえたと報じた。事実上中国の新しい皇帝になった習氏は、ここまで譲歩することに慣れていない。だが、もしトランプ氏に会う用意が金氏にできているのであれば、中国としては傍観するわけにはいかなかった。どちらの国も、金氏が核爆弾の保有を断念することを望んでいる。トランプ氏は軍事力を振りかざす。そして、北朝鮮はエネルギーと食糧の供給をほぼ完全に中国に依存している。ところが中国は、北朝鮮が核兵器を保有することよりも北朝鮮の現体制が崩壊すること――そして北朝鮮と韓国が統一され、米国の影響が中国の国境線にまで及ぶこと――を恐れている。金氏自身は何にもまして、権力の座にとどまりたいと思っている。北京とワシントンが共同で支持すれば、金氏が断りきれないような方法で提案を行うことが可能になるのではないだろうか、としている。

ヨーロッパから見ると、朝鮮半島問題は金氏の外交上手、また北朝鮮にダマされると感じるようだ。ならば、もう少し協力してくれてもいいと思うのだが。ここから先は、韓国と北朝鮮だけの話ではなくなる。アメリカや中国のような大きな利害関係国含め、世界が本気で朝鮮半島の平和を願い、行動するかだ。私は、そろそろ少しだけ、強烈な平和解決と、最悪の結末のふたつに賭けてみるのもおもしろいと思いはじめている。過去と一番違っているのは、アメリカ大統領。トランプ氏は、時として非常識な行動の人だから。彼は北朝鮮に本当にラスト・チャンスと思わせることができるタイプだ。時代が動く可能性はある。

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