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3316.報道比較2018.4.1

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時が経つと見えてくるものは、多くある。未来を知らずに決断するのは勇気がいる。決断がうまくいくかは、関わる人がどれだけ尽くしてくれるかだ。信あれば動く。逆もまた然り。

朝日新聞・社説
特定秘密文書 国会は監視を強めよ

特定秘密保護法に基づき、政府による特定秘密の指定が適切かチェックする衆院情報監視審査会が年次報告書を公表した。保存期間を「1年未満」の扱いにすることで、各省庁の判断で大量の特定秘密文書が廃棄されている実態がわかった。保存期間が「1年以上」の特定秘密文書を廃棄するには、政府の独立公文書管理監と内閣保全監視委員会の二重のチェックを受ける。一方、「1年未満」は一般の公文書と同様に、省庁の判断で廃棄できる。このため審査会は、コピーなどを除く特定秘密文書は原則として保存期間を1年以上にし、1年未満の文書についても、管理監のチェック対象とするよう提言した。特定秘密文書に限らず、安倍政権では公文書のずさん極まる扱いが目立つ。防衛省は南スーダンPKOの日報を一時廃棄したとし、菅官房長官は加計学園をめぐる文部科学省の「総理のご意向」文書を、怪文書と決めつけた。森友学園問題では財務省が決裁文書を改ざんし、国会に提出した。国会はその使命を自覚し、運用改善と法改正に向けた検討を重ねる必要がある。そのことが政府に緊張をもたらすはずだ、としている。

読売新聞・社説
陸上総隊新設 統合運用の実効性を高めよ

陸上自衛隊が、全国の5方面隊を一元的に指揮する「陸上総隊」を発足させた。海自の「自衛艦隊」、空自の「航空総隊」と横並びの組織であり、陸海空の一体的な運用体制を整える狙いがある。小野寺防衛相は陸上総隊について、「弾道ミサイル、島嶼部への攻撃、大規模災害など陸海空が全国レベルで機動的に対応しなければならない事態が想定される」と意義を強調した。大災害時などには防衛相が5方面隊を直接指揮したが、今後は陸上総隊が調整に関わる。陸上総隊は180人規模で、司令部は朝霞駐屯地(東京都など)に置く。カギを握るのが、陸上総隊の下に設けられた水陸機動団である。相浦駐屯地(長崎県佐世保市)に約2100人態勢で発足した。米海兵隊にならった組織であり、離島が他国軍に占拠された際、奪回作戦を行う中核部隊となる。南西諸島防衛に関し、防衛省は宮古島などに警備・ミサイル部隊などを配備する計画だ。地元の理解を得ながら着実に進めたい、としている。

リアルタイムにコメントを書いていたら、このふたつのトピックをまとめることはなかった。だが今なら、日本人の誰もがこの二つのトピックに関連を見出すはずだ。この後、自衛隊からなかったはずの文書が次々に見つかる。公務員の感覚は、政治よりも勤勉で真面目だ。マネジメントから現場に近づくほど、私欲の含まれた指示よりもあるべき答えを発想する。だから不審が生まれ、苦悩が募る。国民が支持している間は、政治の要請を受け入れる。支持率が下がれば、誠実な答えが優先される。秘密法がどれだけの事実を思惑で隠そうとしているのか、不愉快なほど明らかになった。支持率が落ちるほど、告発が増える。さらなる不祥事が眠っている可能性は高い。

産経新聞・社説
財政健全化 歳出改革の遅滞許されぬ

政府の経済財政諮問会議が、新たな財政健全化計画と基礎的財政収支(PB)の黒字化目標を作る議論を始めた。首相は諮問会議で、黒字化目標と毎年度の予算編成とを結びつける枠組みを作るよう指示した。それが、どのように現実的で効果の高い計画につながるか。いずれにせよ、求められるのは経済再生と財政再建の両立である。消費税率10%への引き上げを含む取り組みは、安倍政権全体で取り組むべき重要政策だ。高齢化に伴う社会保障費の膨張で財政は一段と厳しさを増す。これ以上、健全化の遅滞は許されない。中長期の財政試算では、このまま何の手も打たなければ、黒字化達成の時期は27年度となる。当初の20年度目標と比べ、7年もずれ込むということだ。税収の伸び悩みや消費税増税の延期、補正予算による歳出増を要因に挙げている。これが歳出効率化の効果を上回った。景気が回復しつつも税収が期待ほど伸びなかったのは、政権の目指す実質2%、名目3%を上回る成長にならなかったためだ。消費税率8%への増税後、消費低迷が長引いた面もあるが、高成長に期待するだけで、その目算が外れる可能性があるのは当たり前だ。消費税増税時には景気の下支えも求められる。真に必要な歳出に重点配分するためにも、新計画で財政構造改革を徹底すべきだ、としている。

毎日新聞・社説
国民健康保険の改革 都道府県の役割は重大だ

市町村が担っていた国民健康保険(国保)の運営責任がきょうから都道府県へ移る。制度が始まって以来の大改革だ。広域化によるメリットを生かし、都道府県は国保財政の安定化に全力を挙げるべきだ。国保は農業など第1次産業や自営業の人を対象に作られたが、現在は無職の高齢者や非正規雇用の人が多くなり、財政が悪化している。都道府県に運営責任が移ると、財政規模が大きくなって安定する上、事務の効率化も図られるだろう。現在の保険料は市町村によって最大6倍以上の開きがある。同じ県内でも4倍以上の格差がある。こうした地域間格差の緩和も期待される。都道府県にはもう一つ大きな役割がある。今回の改革は2015年に成立した医療保険制度改革関連法に基づいている。同法には病床数の認定と管理を行う「医療計画」、病床機能を再編する「地域医療構想」などの作成を都道府県が行うことが定められている。都道府県は地域の医療機関や医師会と連携し、患者の必要性に応じた医療の提供体制を再構築しなくてはならない。国保改革を皮切りに、国民が安心できる医療の確保に努めるべきだ。都道府県の責任は重い、としている。

産経が政府を応援するつもりで言っているなら、もう支持は得られないとだけ言っておきたい。今まで、長期政権が掲げてきた目標は一度も達成されなかった。安倍政権の手法は、毎日が取り上げたような小手先の手法ばかりだ。今まで市町村がやっていたものが都道府県に移って較差が是正する部分は評価する。が、本当に効率化するだろうか?国保の財政は健全化に向かうだろうか?

日本経済新聞・社説
自動運転で日本が世界をリードするには

政府のIT総合戦略室が自動運転に関する制度の整備案をまとめた。人でなく機械が運転の主体となる自動運転技術を2020年までに実用化することをめざし、必要な法制度や車両の保安基準、事故が起きた時の被害者救済の仕組みなどを、順次整えるという。自動運転の技術は、他の国にもまして日本が切実に必要としている。官民が歩調をあわせて技術開発やルールづくりを進め、「自動運転は安全で便利」という社会的コンセンサスを形成して早期の普及につなげたい。日本の自動車産業にとっては、環境と並んで外せない技術だ。自動車は取引の裾野や雇用の規模が大きい。日本車が自動運転で世界をリードすれば日本の経済成長にもつながるだろう。政府の役割も大きい。自動運転の完成度を高めるには公道での走行実験が欠かせない。一方で最近、米ウーバーの自動運転車がアリゾナ州の公道で歩行者をはね死亡させる事故が起きた。政府や自治体は安全性に十分に配慮し、必要なら「低速走行」や「昼間だけ」といった条件をつけることで、企業や大学の走行実験の要望に柔軟に応えてほしい、としている。

日本国内で技術が育つ可能性は低い。マーケットが小さい、技術者がいない、規制の管轄が不明という3つが障害だ。規制はあるのが悪いのではなく、判断できる省庁が見えず、時間ばかりが過ぎていくことだ。今回、それがスムーズになるのならありがたいが、技術者不足とマーケットの小ささはどうにもならない。やはり、アメリカか中国で育ててから技術移転が理想だ。日経は絵に描いた餅をおいしそうに思案しているが、稼ぐなら海外に持っていって早めに育てた方がいい。現場を知らないようだ。

人民網日本語版
「米大豆の輸入制限で報復するな」に外交部がコメント (2018.3.31)

テリー・ブランスタッド駐中国米国大使がこのほどメディアの取材に答える中で、「中国は米国からの大豆の輸入制限を報復措置としてはならない」と述べたことについて、外交部の陸慷報道官は30日に行われた記者会見でコメントを発表した。陸報道官は、「中国が大豆を反撃の分野とするべきかどうかについては、はっきりさせておかなければならないことがある。それは貿易と貿易戦争の違いだ。貿易はみんなで話し合って行うものだが、貿易戦争は一度始まると、応戦する一方は自身の利益や必要性によって反撃のタイミング、方法、分野を決めるしかなくなる」との見方を示した。陸報道官は、「中国は米国の政策決定者が米国の消費者や関連産業界の声に幅広く耳を傾け、単独主義的措置が米国に与える利害得失を子細に検討することも願う」と結んだ。

エスカレートの兆しあり。中国は退かないだろう。ディールに応じる代わりに、失うものの代わりを求めてくる。トランプ氏にはやりやすいのではないか?

Wall Street Journal
トランプ氏がシリア撤退に意欲、援助凍結を指示 (2018.3.31)

米政権がシリア内戦への関与の見直しを進める中、ドナルド・トランプ大統領は米国が拠出を表明していた2億ドル(約212億円)を超える対シリア復興支援を凍結した。米軍関係者はISとの戦いが行き詰まっていることを認めている。国防総省関係者は大統領に、シリアではISの支配地域がかつての約5%に縮小したと報告したが、残りの地域を取り戻すための戦いは進んでいない。米国がシリア撤退を急げば、シリアをイランとシリアに譲ることになりかねないとの懸念が生じる。そうなれば、イランへの強硬姿勢を求める主要同盟国のイスラエルとサウジアラビアが動揺する可能性がある。トランプ政権に近いシンクタンク、民主主義防衛財団のマーク・ドゥボウィッツ最高経営責任者(CEO)はトランプ氏が米軍をあまりに早い段階でシリアから撤退させれば、イラクから米軍を撤退させたバラク・オバマ前大統領の過ちを繰り返すおそれがあると指摘する。米軍が撤退して空白が生じれば、ISが勢力を盛り返したり、イランが影響力を拡大したりする恐れがあるほか、内戦の行方にロシアが大きく関わることにもなりかねない。「イランがシリアで勝利することを許せば、トランプ氏はまともなイラン戦略を描くことはできない」とドゥボウィッツ氏は話す。「それではオバマ政権の二の舞だ」としている。

Wall Street Journalの警告どおり。シリアはロシアにけしかけられたのか暴走し、ミサイルを撃ち込むことになった。ミサイル発射と軍を動かしたら2億ドルでは済まない。ロスの出た決断を反省していることだろう。政治はビジネスとは違う。だが、トランプ氏は学ぶのが早い。次は似た過ちはしないだろう。

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