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3313.報道比較2018.3.29

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日本政府も情報は持っていないし、発想も似たようなもの。置き去りの状況は加速する。連携の必要性を説いても、他国には日本が邪魔になる。ここまで何の仕事もしていない。居場所がない。

Wall Street Journal
中朝メディアに温度差、金氏訪中でも吹くすきま風 (2018.3.29)

両国の国営メディアは28日、首脳会談などの模様を正式に伝えた。いずれも両国の友好関係における新たな一ページだと称賛したが、多くの不一致も見られた。中国メディアは、両首脳が両国関係や朝鮮半島の緊張を巡り協議したと伝えた。一方、北朝鮮メディアは、金氏の訪中における華やかな面や雰囲気を強調。また訪中の事実は、金氏が中国を離れた後にしか公表されなかった。中国の国営テレビは、金氏が首脳会談で、メモを取ったり、両手を組んで習主席の話に熱心に耳を傾けたりする様子を放映した。北朝鮮が定期的に流すプロパガンダ(宣伝)では、メモを取る側近が金氏を囲んでおり、中国メディアが伝えた映像とは対照的だ。今回の訪中は、北朝鮮の核開発や中国による国連の対北朝鮮制裁の履行を巡って冷え込んだ中朝関係の改善が目的だとみられるが、国営メディアによる報道内容の食い違いは、双方の動機が異なることを鮮明にしている。中国メディアは、両首脳が中朝関係や朝鮮半島情勢について協議した点に焦点を当てる一方、北朝鮮は式典などの華やかな部分を強調した。北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は、金氏を乗せた車両の周りを21台のオートバイが取り囲んで走行したと伝えたほか、両首脳と夫人らが出席した27日の昼食会は「終始、和やかで親密な雰囲気にあふれていた」、としている。

朝日新聞・社説
金正恩氏訪中 対話生かす国際連携を

北朝鮮の金正恩氏が中国の北京を訪れ、習近平国家主席と会談した。確認されている限り、最高指導者となった金氏が外遊するのは初めてである。中国を初の外遊先としたことで、金氏はひとまず中国に敬意を示したかたちだ。4月以降に見込まれる韓国、米国との首脳会談に向けて、足場を固めておきたい思惑があるのだろう。近年、孤立を深めてきた北朝鮮が対外的に意思疎通を図る姿勢に転じているのは確かだ。この変化を逃すことなく、着実に非核化の目標につなげたい。金氏は今後、別の友好国であるロシアのプーチン大統領にも会う可能性がある。北朝鮮をとり囲む構図が、かつての「日米韓」対「中ロ朝」に陥れば、問題の解決は難しくなる。金氏が後ろ盾の大国との関係固めに走るのは、米国との首脳会談が不調に終わる事態に備えてのことだろう。それだけに、米国は交渉に臨む政策と指針を綿密に練り、中国や韓国、日本を含む各国との調整を進めておく必要がある。北朝鮮をめぐる各国の首脳外交が活発化する中、日本政府の出遅れ感は否めない。圧力一辺倒に固執した結果ではあるが、焦るのは逆効果だ。関係各国が歩調を合わせつつ、対話を生かしあう知恵が求められている、としている。

産経新聞・社説
金正恩氏の訪中 「非核化」の真意見極めよ

米朝首脳会談を控え、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が電撃的に中国を訪問した。独裁者が自ら動いたことで驚きが広がり、さまざまな臆測が出ている。核・ミサイルをめぐる危機の克服に資する動きなのか、冷静に見極めることが必要である。金正恩氏にとり、2011年に最高指導者となってから初の外遊だった。体制の命運がかかる重大局面で、中国を巻き込んでおこうと判断したのだろう。中国は朝鮮戦争以来の「血の友誼」をうたう北朝鮮を経済的に支えてきた。国連安全保障理事会の対北制裁決議に抵抗するなど、ことあるごとに擁護してきた。非核化の完全な達成に向け、中国は大きな責任を持つ。米朝対話にかこつけ、安全保障面で自国の利益を得ようとすることは許されない。ここでも日本は米国、韓国と十分連携して対処すべきだ、としている。

日本経済新聞・社説
中国は北朝鮮の核放棄へ圧力の維持を

北朝鮮の金正恩委員長が訪中し、習近平国家主席と会談した。4、5月に予定する文在寅・韓国大統領との南北首脳会談、トランプ米大統領との米朝首脳会談を前に、トップ就任後、初めての外国訪問先として中国を選んだ。トランプ大統領の「武力行使も選択肢の一つ」とする厳しい姿勢の効果もあって、金委員長は先の韓国・平昌冬季五輪の機会を利用して緊張緩和と対話に乗り出さざるをえなかった。ここに至る過程では中国の貢献を認めるべきである。中国側によると、金委員長は会談で「金日成主席と金正日総書記の遺訓に基づき朝鮮半島の非核化実現に尽力する」と表明した。しかし具体的な核放棄の手順は不明で、北朝鮮国営メディアも非核化を巡るこの発言を報じていない。金委員長としても今回の電撃訪中で関係が改善すれば、米朝首脳会談に強気の姿勢で臨める。仮に不調に終わったとしても、直ちに米軍が武力行使に踏み切らないよう、中国の力を借りてけん制できる、という読みだろう。とはいえ、ここで中国が圧力を緩めてしまえば、北朝鮮の思うつぼである。核放棄の実現に向けたカギを握るのは今後も中国だ。中国は米国、韓国、日本とも連携しながら、引き続き最大限の効果的な圧力を加える責任がある、としている。

毎日新聞・社説
金正恩氏が習主席と会談 大きなゲームが始まった

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が電撃的に中国を訪れ、習近平国家主席と会談した。権力を握って6年余りにして初の外国訪問で、習氏との会談も初めてだ。両首脳は朝鮮半島の「非核化の実現」で一致したという。金氏の訪中目的は、米韓との首脳会談を来月以降に控えて自らの交渉力を強めることだと考えられる。「非核化」という原則にあらかじめ合意しておくことで、中国に後ろ盾となってもらうことを期待できる。仮に米朝会談が決裂したとしても、米国に軍事介入の口実を与えないための保険として中国との関係を固めておく意味もあろう。金氏はトランプ米大統領との会談で局面転換を図ろうとしているのだろう。だが、中途半端な妥協は許されない。北朝鮮が非核化へ向けて実際に動くまで圧力は必要だ。それを待たずに、中国が制裁を緩めるようなことがあってはならない。北朝鮮は米韓への批判を手控えつつ、日本非難は続けている。そんな見え透いた離間策に乗せられてはいけない。急激な展開に対応する日本の外交力が問われている、としている。

読売新聞・社説
中朝首脳会談 核放棄へ各国の連携を築け

朝鮮労働党の金正恩委員長が中国を訪問し、習近平国家主席と会談した。中国側の発表によると、両首脳は、朝鮮半島の非核化に向けた努力や緊張緩和、中朝関係の改善などで一致した。金委員長が北朝鮮の最高指導者になって以来、外国訪問は初めてだ。伝統的な友好国である中国との関係は、核開発の強行などで冷え込んでいたが、「復縁」に向けて動き出した。4月末の南北首脳会談と、5月末までに予定される米朝首脳会談を控え、金委員長は中国の後ろ盾を得て、交渉を有利に進める狙いがあるのだろう。習氏は、「半島情勢で肯定的な変化が表れている」と評価した。北朝鮮の歴代政権は、国際社会を欺き、自国民に貧困を強いながら核開発を進めてきた。「遺訓」には何の説得力もない。「同時並行の措置」として、在韓米軍の縮小や撤退、経済制裁の緩和、解除などを米韓側に求めてくるのではないか。在韓米軍は、軍事的挑発を常套手段とする北朝鮮を抑止している。非核化の取引材料としてはならない。米韓は来月1日から、平昌五輪で延期していた合同軍事演習を実施する。練度や即応性の維持も、北朝鮮への圧力である、としている。

日本のメディアには情報がないのだろう。自社の情報がない時のWall Street Journalの工夫を参考にして欲しい。内容はどこも大差ない。中国の貢献を認めるべきとの日経、日本の出遅れに言及した朝日には、かすかなユニークさはある。さすがに毎日の「ゲームがはじまった」との表現は不謹慎。安全保障まで絡むというのに、新聞が外交や社説に使う言葉とは思えない。日本政府もこのレベルの情報しか持っていないし、発想も似たようなものだろう。ということは、置き去りの状況は加速する。連携の必要性を説いても、むしろ他国には日本が邪魔になる。ここまで何の仕事もしていない。居場所がない。

人民網日本語版
米国の手法は国際ルールに反し、時代と相容れない (2018.3.28)

米政府は最近、保護貿易主義の圧力を頻繁にかけ、輸入品への関税を引き上げると脅し続け、自らの意図に従うよう理不尽にも他国に要求している。米政府の横暴な手法に、国際世論から批判の声が相次いでいる。米国のいわゆる301条調査と232条調査発動は、冷戦時に国内で成立した貿易法に基づくものだ。WTO創設から20年余りが経ち、成熟した紛争解決制度もある中での、WTOを回避するこうした一方的選択は国際ルールに反し、時代とも相容れない。さらに重要なのは、米国が貿易障壁を大々的に設ける口実そのものが事実の根拠を欠くことだ。鉄鋼産業を例に取ると、2011~2017年の米国国内の鉄鋼生産量の減少は2.6%のみで、2009年以来鉄工業の雇用は数千人増えていることを統計は示している。「国家安全保障」に影響を与えるとの理由が成立しないのは明らかだ。米国の目的は、関税引き上げによって自国の産業を露骨に保護することに他ならない。これは公正な貿易ルールを踏みにじるものだ。経済グローバル化の時代において、大勢に逆らう保護主義的行動はせいぜい孤独な横暴であり、実は自らの発展空間を圧縮するのみであり、他国に選択の機会を一層増やすことになる、としている。

今までで最も強硬な中国のアメリカに対する意見。トランプ氏に、こっそり「選挙対策ですか?」と聞いて見るのがシンプルだ。「恒久的に」というアメリカの表現に、中国はもっとも引っかかっているはず。疑念を払拭できれば、1年間くらいはパフォーマンスにも付き合える。

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