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3309.報道比較2018.3.25

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中国はアメリカとの貿易戦争を正面から押し切るポーズを崩さない。弱腰で秘密裏の交渉をして未だに弱腰な日本に比べて、正しい選択だと感じる。必要以上に譲歩する必要などない。

読売新聞・社説
放送事業見直し 番組の劣化と信頼失墜を招く

政府の規制改革推進会議が、放送法改正による放送事業の抜本的な見直し案を検討している。テレビ・ラジオ局の放送事業者とインターネット事業者の垣根をなくし、規制や制度を一本化することなどが柱だ。自由競争によって、多様な番組を視聴者が楽しめるとしている。放送局は、放送法1条で「公共の福祉の健全な発達を図る」ことを求められている。民放はこうした役割を担い、無料で様々な番組を提供してきた。同様の規制がなく、市場原理で動くネット事業者を同列に扱うのは無理がある。特に問題なのは、見直し案が、「公序良俗」「政治的公平性」「正確な報道」に基づく番組編集を求めている放送法4条の撤廃を含んでいることだ。規制が外れれば、放送とは無縁な、金儲けだけが目的の業者が参入し、暴力や性表現に訴える番組を粗製乱造しかねない。家庭のテレビで、子どもを含めた幅広い人々が目にする恐れがある。放送文化は競争政策では育たない。政府は、国民生活に役立つ放送局のあり方について、地に足の着いた議論をすべきである、としている。

マス・メディアが政治からの圧力と異様に心配している放送法改正。テレビから距離を取って10年以上経たが、何の実害もない。テレビの影響力は大きくないと自意識過剰から脱却できるかが大事だ。一方で、インターネットのコンテンツの作り方が、テレビに合致するとは思えない。脅える前にもう一度、自分たちのユニークネスは何なのかを認識して欲しい。
ところで、今のタイミングで、政府はこんな無謀な策を進められるだろうか?逆風の強さは相当なものだが?

人民網日本語版
中国、米国の制裁措置に対する「準備は整っている」 利益が損なわれれば断固とした措置 (2018.3.24)

中国商務部(省)条法司の陳福利司長は23日、「米国の通商法301条に基づく調査は世界貿易機関(WTO)の規則を無視し、中国の実際の状況を無視し、中米経済貿易関係のウィンウィンの本質を無視している。中国側は既に全面的な準備を済ませている。今後は進展をしっかり見守り、真剣に評価し、中国側の利益が損なわれれば、中国は断固とした措置を講じる」との姿勢を示した。陳司長は、「米国が自国の法律に基づいて中国に対して貿易調査を行い、制裁措置を講じるというのは、典型的な一国主義、保護貿易主義の行為。米国の301条に基づく調査は、WTOの規則を無視しており、1994年に米国の大統領が国会に提出した『行政行動声明』にも違反している」と指摘した。陳司長は、「米国が一方的な調査を実施し、中国に対して制裁措置を講じたというのは、中国側の利益にも、米国側の利益にも、世界の利益にもならない。今後は進展をしっかり見守り、真剣に評価し、中国側の利益が損なわれれば、中国は断固とした措置を講じる」との姿勢を見せた、としている。

中国はアメリカとの貿易戦争を正面から押し切るポーズを崩さない。弱腰で秘密裏の交渉をして未だに弱腰な日本に比べて、正しい選択だと感じる。必要以上に譲歩する必要などない。貿易赤字がイヤなら、買わなければいいという論理も、私は間違っていないと思う。貿易赤字を雇用の指標にするのがおかしいと中国はアメリカを諭すべきだ。

産経新聞・社説
自民党改憲案 「自衛隊明記」を評価する

自民党憲法改正推進本部が、党独自の改憲案について、戦力不保持などを定める9条1、2項を維持しつつ、新たな条項「9条の2」で自衛隊の保持を明記する方針を決めた。憲法改正の急所となる「9条」をめぐり、自民党が自衛隊明記の方針を決めたことを評価したい。安倍首相をはじめ自民党議員は、改正の必要性を国民に対して積極的に説いてもらいたい。防衛力を整え、侵略者から国民を守り抜くことは国の最大の責務である。だが、現憲法にはそのための規定が欠落している。むしろ、9条を旗印に多くの憲法学者らが自衛隊違憲論を唱えている。防衛力をひたすら忌避する空想的平和主義がなお存在する。理想としては戦力不保持の9条2項を削除し、自衛隊を名実共に世界標準の軍に改めるべきだ。だが、公明党を含め他の政党の安全保障への意識とは乖離がある。まず、改革の第一歩として自衛隊明記を実現する意味はある。自衛隊の規定は、できるだけ簡潔にするのが肝要である、としている。

日本経済新聞・社説
問題残したままの自民の自衛隊明記案

戦後政治の最大のテーマである憲法9条をめぐる意見の対立は、自民党の中でさえ、やはり簡単にケリがつくものではなかった。党の憲法改正推進本部は、9条1項・2項はそのままに9条の2に追加して自衛隊の存在を書き込む案で細田博之本部長への一任を取りつけたものの、25日の党大会を前に、反対論を押しきるかたちの見切り発車だった。こうした現実主義的で政治的な改憲論に、法律的な筋論から異論を唱えたのが石破茂氏らである。9条2項の「戦力の不保持」と「交戦権の否認」を削除しなければ戦力とは何か、否認した交戦権の意味は何かといった議論が続き、自衛隊の存在を含め、どこまでいっても9条問題は決着しないという考え方だ。ただ首相の問題提起は9条について考えるうえで意味があったのはたしかだ。この先は単に9条の条文の字句にとどまらず、日本の安全保障のあり方を含め、自衛隊の運用の枠組みを定める安全保障基本法の新設もセットで論議を進めていくべきではないだろうか、としている。

各紙、今日までばらけながら自民党の改正案に社説を書いた。評価したのは産経だけ。どれだけ支持が低いか、自民党は認識して欲しい。

Wall Street Journal
ボルトン新大統領補佐官、米朝の交渉力学変えるか (2018.3.24)

米国のジョン・ボルトン元国連大使が国家安全保障問題担当の大統領補佐官に起用された。これで米朝首脳会談の開催準備に当たり、予測不能な要因が増えた。ボルトン氏は北朝鮮に対する先制攻撃の支持者。首脳会談が開かれた場合でも、北朝鮮の核武器を撤去するために飛来する「米軍の輸送機の着陸場所をどこにすべきか」という内容になるべきだと指摘。韓国の文在寅大統領は北朝鮮との対話路線を推進している。文政権の当局者は、ボルトン氏が加わるプラス面を強調した。ボルトン氏と新国務長官に指名されたマイク・ポンペオ中央情報局(CIA)長官は、それぞれの前任者よりもトランプ氏と良好な関係にある。そのため会合前の連絡もよくなりそうだ。韓国の関係者は、正恩氏には非核化協議に応じる用意があるとしている。ただ、同氏が見返りに何を得たがっているのかは不明だ。国の首脳同士の会合は通常、双方の事務方が具体的な点に合意してから初めて開かれる。だがトランプ氏と正恩氏は、そうした下準備なしに顔を合わせることになりそうだ。保守派の元政府関係者からは期待する声も聞かれる。千氏は「妥協が成立する可能性もある」と話した、としている。

毎日新聞・社説
大統領補佐官にボルトン氏 イラクの教訓を忘れるな

大統領との不協和音が指摘されていたマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が辞任を表明した。事実上の更迭である。後任に指名されたボルトン元国連大使は、イラク戦争に向けて米国の世論工作を行ったネオコン(新保守主義派)の代表格で、イランや北朝鮮攻撃も排除しない強硬派だ。この重要ポストは大統領任期に合わせて4年務める例が多いが、トランプ政権では発足1年余りで2回も交代し、ボルトン氏が3人目の安保担当補佐官になる。最大の不安は、ボルトン氏がブッシュ政権の国務次官としてイラク戦争に深く関与したことだ。この時もネオコンなどはイラクを「差し迫った脅威」としたが、大量破壊兵器は発見されず米国は国際社会の非難を浴びて孤立した。この苦い教訓をボルトン氏は忘れてはなるまい。トランプ氏は強硬姿勢の側近をそろえて北朝鮮への圧力を強めたいのだろうが、とりわけボルトン氏の存在が、5月とされる米朝首脳会談に向けてプラスになるかどうか。米朝間の摩擦で対話機運が一転、対決に向かうような事態は避けたい、としている。

この人事もイランと北朝鮮へのポーズの可能性がある。この後の北朝鮮の行動は、想像以上に譲歩が進んだ。本気でアメリカの武力が抑止力として機能しはじめ、対話に可能性を感じている証拠だ。トランプ氏は対話の姿勢を見せながら、本気で戦争の準備もしている。民間人も含めた避難訓練、病院船が日本に到着というニュースは北朝鮮にも伝わっているはずだ。これがボルトン氏の効果なら、マクマスター氏より仕事を判っている。同じ強行派なら、トランプ氏と息が合う方がいい。期待したい。

朝日新聞・社説
原発事故賠償 被害の実態に向き合え

福島第一原発の事故を招いた責任は、東京電力だけでなく国にもある。そんな判断が京都と東京の地裁で続けて示された。避難者らが集団で起こした訴訟は約30ある。うち国が被告になった裁判でこれまでに5件の地裁判決が言いわたされたが、4件で国は敗訴している。津波は予見でき、国が適切に権限を行使すれば事故は防げた、とする司法の指摘は重い。原発の安全に関わる人すべてが真摯に受けとめる必要がある。東電は賠償にあたって、自らの基準に固執するのではなく、被災者一人ひとりの声に丁寧に耳を傾けなければならない。とりわけ考えるべきは、自らの判断で避難した人々への対応だ。東電の基準だと総額12万円が支払われるだけという人が多いが、裁判で百万円単位の賠償が認められた例もある。判決は「行政の指示によらず被曝リスクを考えて避難したとしても、社会通念上相当な場合はある」「事故で居住地を決める権利を侵された」と指摘している。避難者には偏見や中傷に苦しめられる人が少なくない。抱える事情は様々でも、それぞれが原発政策の被害者だ。社会全体で支えるために、まず国が責任に向き合わねばならない、としている。

どういう文脈で、朝日はこの話題を選んだのだろう?唐突過ぎて理解できない。政府批判を前提にしただけの社説なら、やがて朝日がまた悪い立場になるのは確実だ。正しく権力者には抗うべきだ。

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