ORIZUME - オリズメ

3306.報道比較2018.3.22

3306.報道比較2018.3.22 はコメントを受け付けていません。

記録。あるべき情報があれば、人は必ず誠実に動く。テクノロジーの進化を止めないための教訓だ。

人民網日本語版
自動運転で初の死亡事故、実用化に暗雲 (2018.3.21)

Uberの自動運転車がこのほど、米アリゾナ州テンピで歩行者に接触し死亡させる事故を起こした。自動運転車が起こした事故は初めてではないが、死亡事故は今回が世界初となった。この車のドライブレコーダーが捉えた映像を見ると、被害者はビニール袋をたくさん詰めた自転車を押しており、薄暗い場所から突然車道に姿を現している。テンピの警察当局は、「余りにも突然の出来事で、歩行者が急に車の前に姿を現している。ドライバーも衝突音を聞き、初めて人をはねたと気づいたようだ」としている。アリゾナ州テンピ警察局長は、「自動運転モードでも人による運転だったとしても、この事故を回避するのは困難だったと思う」との見方を示している。なぜなら被害者が道路を横断していた箇所は横断歩道ではなかったためだ。今回の死亡事故は、国民と政府の同技術への信頼を打ち砕くことになるかもしれない。自動運転車の法律が見直される可能性もあり、一部の自動運転車企業及びプロジェクトに影響が及びそうだ。陳氏は、「L3以上の領域では、環境認識率が99.99%に達しても不十分。1万分の1でミスの可能性があれば、都市部の道路で自動運転させることはできない。ジオフェンシングのない自動運転は、10年以内の実現は無理だろう。数年以内に実現される自動運転は、高速かつシンプルなシーン、もしくは低速エリアのシーンという、2種のジオフェンシングしか存在しない」と指摘した、としている。

テクノロジーの犠牲者が生まれてしまったが、情報は自動運転の不備を示していない。自動運転以前に、状況を記録し、後で分析できる状況を作っているのが聡明で誠実だ。記録。あるべき情報があれば、人は必ず誠実に動く。テクノロジーの進化を止めないための教訓だ。

Financial Times
我々はインターネットを「肥溜め」にしてしまった (2018.3.20)

2016年の米国大統領選挙への介入で英国のデータ分析会社ケンブリッジ・アナリティカが果たした役割を明らかにしたオブザーバー紙とニューヨーク・タイムズ紙の記事は、コンピューターによるプロパガンダ(宣伝工作)と大衆操作の潜在的な不正利用に厳しい光を投げかけている。ケンブリッジ・アナリティカは5000万人のフェイスブックユーザーのプロフィールにアクセスしたとされ、そのおかげで米国人有権者の政治志向を推測し、共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏に有利になるよう、パーソナライズされたメッセージをこれらの有権者に送ることができたという。こうした出来事は、我々がインターネットという驚異の情報資源を、ロシア人のトロール(インターネットの荒らし屋)やイスラム主義のテロリスト、政財界のロビイストが怒りをばらまき、プロパガンダと嘘を売り込む「サーバー空間の肥溜め」にしてしまったことを裏づける新たな証左となる。アルゴリズムというものが、我々の大きな社会的利益に反するのではなく、その利益のために働くよう設計されていた方が有益なのは間違いない。もし我々人間が、自分たちの社会が分裂し、政治が二極化し、理性と証拠の価値がさらに貶められるのを避けたいのであれば、全員がもっと自由かつ公正で、もっと責任ある情報資源のために戦う必要がある。我々はウエブを作り直す必要があるのだ、としている。

肥溜めという表現の意味は日本人の私には判らない。原文の英語は何だろう?意図は判るが、扇動的な表現はFacebookを悪者にして終わりにしてしまう危険を孕んでいる。無防備だったFacebookが第一の非難の対象になるのは当然だが、それを利用した組織、サイバーテロへの対策、コミュニケーションを過信しないユーザーの意識が同時に求められる。アメリカ議会での議員たちの質問を見れば、いかに社会のリーダーたちが無知で、要点を逃しているかが判る。Financial Times にも似た印象が拭えない。プロパガンダでなく優良な広告なら罪はない?日常的に行われている罪にならない誹謗中傷の存在は?Facebookが歪めたコミュニケーションが撒き散らす汚染を見逃している。

産経新聞・社説
アマゾン立ち入り トップ企業の自覚を持て

インターネット通販大手のアマゾンジャパンに、公正取引委員会が立ち入り検査に入った。同社は納入業者に対し、販売額の一部を協力金の名目で支払うよう求めていたという。独占禁止法が禁じる優越的な地位の乱用にあたる疑いがある。独自のビジネスモデルを構築した同社は、日本の電子商取引(EC)を牽引し、昨年の国内売上高は約1兆3千億円に達した。影響力の大きい社会的存在として、厳しく自覚が問われる。アマゾンは、同社サイトで商品を売る出品者から手数料を徴収するほか、自ら納入業者から商品を仕入れて販売する、直販事業を展開している。納入業者に協力金の支払いを要請したのは直販事業で、値上がりする物流費に充てる狙いがあったとみられる。成長が続くEC市場でアマゾンの存在感が強まるのに伴い、同社の強気な運営手法は軋轢を生んできた。電子書籍の読み放題サービスでは、閲覧回数が多い一部の書籍を突然、サービス対象から除外し、出版社から抗議を受ける事態となった。独善的な姿勢は、利用者も迷惑を被る。取扱商品は宅配便全体の1割以上を占め、運送業界に重い負担を強いる。適正な取引を通じ、物流という重要なインフラを維持する意識も持ってほしい。独占的なネット企業による競争制限への監視は、引き続き必要である、としている。

これもFacebookへの懸念に近い。Amazonのリスクは、存在しなければインターネットもEコマースも成立しなくなるほどの影響力だ。彼らを独占禁止法で叩く事例は過去にもあった。前回は最低価格の保証と、競合との販売価格の整合性を強要していた。今回よりも大きなインパクトだった。販売者はルールを守っていたし、不愉快だとしても納得する環境があった。そうすることで同一の商材で価格競争が起きない。エンドユーザーがAmazonさえ見ればいい利便性を提供できる。ルールの改正後、自社のサイトでキャンペーンや配送料などで差別化できる自由は増えた。だが、売上は?Amazon依存の状況は変わらない。他のサービスに比べて50倍以上のトラフィックを得られるAmazonは、Eコマースの銀座に等しい。お客はいる。真に商品の競争に集中できる。他の場所は、自社サイトさえ、苦悩の大半は集客だ。Amazonのリスクはこの影響力だ。抜け出る方法は、世界にも見当たらない。産経の発想でいると、日本は呑まれる。やがて物流も自社でやり始めるのは、他国を見れば時間の問題だ。

Wall Street Journal
米FRBが25bp利上げ、今後の引き上げペース加速示唆 (2018.3.22)

米連邦準備制度理事会(FRB)は21日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を従来の1.25~1.50%から1.50~1.75%に25ベーシスポイント(bp)引き上げることを決めた。経済の安定的な推移を維持するため、今後は従来よりも利上げペースを加速する可能性を示唆した。来年については、少なくともさらに3度の利上げが必要との見方が大半を占めた。12月時点は、2度程度の利上げが必要だと予想されていた。昨年10月以降、4.1%の水準にとどまっている失業率については、今年3.8%に下がると予想されており、12月時点の3.9%から一段の低下が見込まれている。これは、失業率が長期見通しを大きく下回って推移することを意味する。FRB当局者は、失業率の長期見通しを12月時点の4.6%から4.5%にやや引き下げた、としている。

日本経済新聞・社説
2期目の黒田日銀は政策検証を柔軟に

日銀の副総裁に雨宮正佳理事と若田部昌澄早大教授が就任し、4月から2期目に入る黒田東彦総裁の日銀の新体制が動き出した。今後5年の任期中には、デフレ脱却を確かなものにするとともに、大規模な金融緩和の出口の道筋をつけることが重要な課題になる。物価目標は達成できなかったが、この5年で物価が継続的に下落する状況は脱し、円安や株高の効果もあって企業収益は拡大、雇用環境も改善した。一方、マイナス金利など超低金利政策は、利ざや縮小による地方金融機関の経営悪化など副作用ももたらした。日銀は今後も金融政策の検証を柔軟に進め、必要な修正はためらうべきではない。もちろん、そのためには金融市場に混乱を与えないよう市場と十分な対話をすることが重要になる。日銀の新副総裁のうち雨宮氏は理事として黒田総裁を支えてきたので考え方に大きな違いはないが、若田部氏は学者時代に国債購入増額など追加緩和を主張していたこともあり、副総裁としての発言に注目が集まっている。総裁と副総裁の政策方針が大きく異なるようなら、市場への情報発信で混乱が起こる恐れもある。日銀は、日本経済の残る課題である成長力を高める構造改革と財政健全化の実行を政府に求めていくべきだ。金融緩和に過度に依存した経済運営を永遠に続けることはできない、としている。

出口に向かって次のインフレ、景気後退に備えるアメリカと、異次元緩和も息切れの日本。あまりに差が大きいのは能力としか思えない。責任を取れる人材はいないのだろうか?

読売新聞・社説
外国人労働者 現実を見据えた対応が要る

安倍首相が、外国人労働者の受け入れ拡大を検討する方針を表明した。6月にもまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に方向性を盛り込む。医師や弁護士ら「専門的・技術的分野」の在留資格について、対象を現在の18種類から拡大する見通しだ。小売りや建設、運輸、農業などが俎上に上っている。この5年間に国内の労働者は306万人増え、このうち外国人が60万人で2割を占めた。少子高齢化で人口減が進む現実を踏まえれば、外国人の受け入れ増を検討することは理解できる。就労目的の外国人受け入れが広がれば、留学や実習に頼り過ぎる構図の是正に資するだろう。政府は、定住を前提とする移民政策は採らない方針を堅持する。社会に及ぼす影響の大きさを考えれば慎重な対応は当然である。諸課題への対応は、法務省や厚生労働省、警察庁など幅広い省庁にまたがる。縦割りを排するため、政府が先月設けた省庁横断の会議を拡充し、司令塔を明確にすることが欠かせまい、としている。

足りない労働力を外国人で補う案を、いまさら認めた政権。またキャッチフレーズだけで終わるのだろう。いま日本人で安倍氏を信じる人は相当特異な感覚の持ち主だろうが、外国人にはこの感覚は伝わらない。外国人に被害者が出ないように告知だけは怠らないでほしい。

朝日新聞・社説
習政権2期目 社会の変化は阻めない

中国の習近平政権が2期目に入り、一極体制を強めている。今週終わった全国人民代表大会で、国家主席の任期の制限をなくす憲法改正をし、人事では盟友や側近を要所に配した。最高権力者が政権の長期化に道を開くルール変更を断行したことで、欧米では「中国を自由世界に統合する試みは挫折した」との悲観論が出ている。経済発展が民主化につながるかどうかは歴史の検証を待たねばならないが、中国で長期の発展が教育水準の飛躍的な向上をもたらしたのは確かだ。世界の多様な社会のあり方への知見を広めるにつれ、ものを言う自由への要求が高まるのは自然であり、それは中国で少しずつ浸透している。全人代では政府が医療制度の充実など民生改善を懸命にアピールした。そこに表れているのは民主的手続きを欠く政権ゆえに民を恐れる現実である。市民が発言し、政治参加する権利を保障するのが本来の統治の姿である。社会が前に進んでいる時に政治が後退を続ければ、ひずみは増すばかりだ、としている。

毎日新聞・社説
「司法取引」6月に導入 転換に備え十分な配慮を

政府は、改正刑事訴訟法に盛り込まれた「司法取引」の施行日を6月1日とすることを決めた。容疑者や被告が、共犯者らの犯罪事実を明らかにする見返りに、検察官は起訴を見送ったり、求刑を軽くしたりできる。汚職や薬物・銃器犯罪、振り込め詐欺などのほか、談合や脱税など経済犯罪が幅広く対象となった。司法取引が盛んな米国では、罪を逃れるためにうそをついて他人を巻き込む事件が明らかになっている。そうしたことを防ぐため、虚偽供述に懲役5年以下の罰則を設け、取引の協議には容疑者の弁護人が必ず立ち会うことになった。また、捜査機関は、他人の犯罪を明らかにする容疑者の供述の真意を見極めなければならない。供述を偏重することなく、客観的な証拠の収集を徹底すべきだ。司法取引に基づく供述であることは、法廷で明らかになる。厳しい目で証拠を吟味し、冤罪を防ぐ裁判所の役割も極めて大きい、としている。

遅い。政権批判に力を注ぐ時期なのは判る。だが、話題のキャッチアップを逃して後を追うのは問題だ。せっかくの好機。ルーチンワークこそミスなくこなしてほしい。

amazon

Comments are closed.