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3307.報道比較2018.3.23

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いつでも反対意見は重要だ。無視したがる人は、リーダーにはふさわしくない。

人民網日本語版
自動運転車走行テスト関連の政策が中国各地で次々と 責任の所在はどこに? (2018.3.22)

昨年12月に北京が中国で初めて自動運転走行テスト規定を公布したのに続き、上海や重慶、深センなどでも相次いで関連政策が打ち出され、自動運転車の走行テストが規範化され、人々の交通の安全を保障している。その中で深センは政策への意見公募を行っている段階だ。北京、上海、重慶、深セン(意見公募中)はいずれも、走行テストを行っている自動運転車両には、標識を張り、一般車両とひと目で見分けがつくようにと規定している。走行テスト中の車両が交通事故を起こした場合、誰が責任を負うのだろう?北京、上海、重慶、深セン(意見公募中)は、走行テスト中のオペレーターと走行テストを実施する企業団体のいずれも、相応の法的責任を負わなければならないとしている。上海は、人身事故や死亡事故、車両や道路施設を損壊させる重大交通事故が起きた場合、国が認めている交通事故司法鑑定機構が走行テスト車両の技術鑑定を実施し、鑑定費用は走行テストを実施する企業団体が支払うと規定している。その後、公安機関交通管理当局は鑑定の結果に基づいて、責任を認定し、走行テストのオペレーターや走行テストを実施する企業団体に対する処分を決めると規定している、としている。

政府系と考えていい人民網が自動運転のテストで責任の所在を問題提起するのは意外だ。官民どころか国策として中国はEV、自動運転を推進していると思っていた。アメリカで事故が起きたとしても、この領域は今後、もっともホットで、中国にとってナンバーワンを狙える分野。懸念を払拭していくのもプレーヤーの大事な責任だ。躊躇なくリードして欲しい。

Wall Street Journal
トランプ政権、中国に新関税 最大500億ドル規模か (2018.3.23)

米トランプ政権は中国からの輸入品に高関税を適用する。中国による技術移転や企業買収を制限するとともに関税を導入して圧力をかけることで「不公平な貿易・投資慣行」の抑制に動いた。ランプ政権は中国が威圧や策略で米国の技術を取得していると主張。中国は不公平な許認可で自国に進出した米国企業を不利にし、米国の雇用を奪っていると批判している。ホワイトハウス高官によると、トランプ氏は過去の米政権が手ぬるかったし、対立は成果を得るための手段だと考えている。これに対し、中国は知的財産権の保護を向上させ、一段の経済自由化を推進していると反論。中国側も米国の関税に対する報復措置に出ようとしている。ホワイトハウス関係者らによると、米産業界は関税適用が必要だとみる製品を15日以内に提案することができる。米通商代表部(USTR)は新関税の適用候補として1300の製品カテゴリーを選定した。その大半はハイテク製品で、合計約500億ドル相当になるという、としている。

どこまでがブラフで、どこからがレッドラインか、読ませないのがトランプ流の外交のようだ。見ていると疲労感が強い。中国の正論での返答がもっとも理にかなっている。付き合って弱みを見せるのも、妥協するのも悪い結果になりやすい。自分の守りたい境界線が見えていれば戦いやすい。安倍氏の外交が不愉快なのは、この守りたいラインが不明なことだ。

朝日新聞・社説
憲法70年 ずさん極まる9条論議

自民党の憲法改正推進本部が、戦力不保持と交戦権の否認をうたう2項を維持したうえで、自衛隊を明記する改憲案を取りまとめる方針を決めた。今後の扱いを一任された細田博之本部長は、自衛隊の定義として書き込むことが有力視されていた「必要最小限度の実力組織」の表現を削り、「必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、自衛隊を保持する」との条文を加える案を選ぶ意向を表明した。「必要最小限度の実力組織」という文言を削ったのは、25日の党大会までに党内の反対論を封じ込めるための対症療法に過ぎない。この文言があろうがなかろうが、どこまでが必要最小限度なのか解釈の余地が残り、法律次第で自衛隊の任務と権限が広がる可能性は変わらない。自民党はそれでも、首相が掲げる2020年の新憲法施行に突き進むのか。付け焼き刃の改憲論議の前に、立法府の一員としての責務を全うすべきだ、としている。

これが憲法改正の議論だと思うと愕然とする。なぜ党内の議論がシンプルで誰にとっても誇れる憲法より優先されるのか。これでは支持率に関わらず、賛成の説得は難しい。朝日の存在がここに来て役立っている。いつでも反対意見は重要だ。無視したがる人は、リーダーにはふさわしくない。

毎日新聞・社説
本番迎えた19年就活 脱「横並び思考」で選択を

「超売り手市場」といわれる2019年春採用の就職活動が、早くも本番の様相を見せている。人手不足を背景に、早く内定者を囲い込もうとする企業が多いためだ。人工知能(AI)やロボットの普及、労働法制の改革などによって、これからは産業構造も労働者の働き方も大きく変わる。学生も企業も従来の「横並び思考」ではなく、自らの志向や特性を見極めて選択に努めるべきである。自分はどんな生き方をしてきたのか、やりたいことは何なのか。就活を機会に、短い時間ではあるがじっくり掘り下げてはどうだろう。採用する企業の側も短期間で学生の資質を見抜くのは容易ではない。学業や部活、課外活動にまじめに打ち込んだ学生は、準備不足のまま就活に臨むこともあるだろう。そうした若者の潜在能力を見抜く「目利き」の力が試されるのだ。新入社員は将来の経済や社会の土台を支える貴重な人材だ。大事に選び、育てていくべきである、としている。

人材サービスを手がける毎日が、こんな総論のような社説とは残念だ。自社のサービス推進のための社説のようだ。超売り手?煽っているのは毎日自身ではないか?もし事実なら、短い時間ではなく、しっかり時間をかけて選ぶべきだ。インターンだけでなく、柔軟に内定や体験の機会を提供して、ミスマッチをなくすのが本論のはず。毎日の姿勢は共感できない。

日本経済新聞・社説
安全運転で始まったパウエルFRB体制

米連邦準備理事会(FRB)が、2月に就任したパウエル議長のもとで初めての政策金利引き上げを実施した。利上げは市場の予想通りで、今年の利上げペースも今回を含め年3回というシナリオを維持した。まずは安全運転の滑り出しという印象だ。金融市場関係者は、昨年12月時点で「18年は利上げが年3回」だったFOMCメンバーによる見通し(中央値)が、今回の会合で「年4回」に増えるかどうかに注目していた。景気判断は上方修正したものの、利上げ見通しが「年3回」にとどまったことで、利上げ決定後も市場の大きな変動はみられなかった。FRBの金融政策は米経済の状況をみながら運営するのが基本だが、米金融政策は金融・為替市場を通じて世界に波及する。パウエル議長には、ドル建て債務を抱える新興国の政府や企業への影響などにも十分目配りしてほしい。大規模な金融緩和から出口に向かう動きは、米国、欧州、日本で局面が異なっており、日米欧の中央銀行の間で意思疎通をしっかりすることが重要になる、としている。

昨日は日銀。今日はFRB。どちらも大きな話題にはならなかった。年内のパウエル氏はトランプ氏の顔色、つまりは中間選挙に囚われる。それが安定の結果になるなら、結果オーライ。決められない議長になったら、マーケットは牙を剥くだろう。

産経新聞・社説
日露交渉 目先の成果は国益損なう

ロシアのラブロフ外相が来日し、河野太郎外相と会談したが、不安が募るばかりである。両氏は、北方領土での共同経済活動の実現に向けた作業を加速させることで一致した。共同経済活動は、日露双方の法的立場を害さない「特別な制度」の下で実施するという。だが、その姿は見えてこない。日本の主権を損なう危険もある。ラブロフ氏は、日本のミサイル防衛(MD)態勢の強化に反対した。自国の核戦力を重視し、日本国民の安全を軽視する独善的な議論である。ロシアは、北方領土返還はオホーツク海に配備する核ミサイル搭載の原子力潜水艦の安全を損なうとみている。ラブロフ氏の反MDの言動は、北方領土を返さないと告げているに等しい。ロシアが、日本の協力によって米欧による経済制裁の効果を減じようとしていることを忘れてはなるまい。対露交渉にあせりは禁物である、としている。

読売新聞・社説
北方領土問題 粘り強い交渉で局面打開を

河野外相とロシアのラブロフ外相が東京都内で会談し、北方4島での共同経済活動の実現に向け、協議を加速させる方針で一致した。4月中旬に局長級の作業部会を再開する。河野氏は会談後の記者会見で、「共同経済活動や自由な往来のための取り組みを着実に前進させたい」と語った。安倍首相は5月下旬に訪露し、プーチン大統領と通算21回目の会談に臨む予定だ。外相会談はその地ならしの狙いがあった。ロシアの姿勢は前向きとは言い難い。共同経済活動は、日露双方の法的立場を害さない「特別な制度」の下で行うことを前提としているのに、ロシアは自国法の適用に固執している。首相はプーチン氏との信頼関係をテコに、領土問題を解決し、日露関係を発展させる意義を説き続ける必要がある。領土交渉の呼び水として、政府は、主に極東地域でエネルギー開発や医療支援、港湾・空港整備などを行う8項目の経済協力プランを進めている。日本のMDを問題視するのは、領土交渉を遅らせるための「時間稼ぎ」との見方がある。政府は日露戦略対話などを通じ、建設的な協議に努めるべきだ、としている。

プーチン氏は安倍氏の足元を見ているだろう。消えるリーダーとの対話は時間の無駄。アメリカのイヌに見えるうちは、ロシアは心を許さない。個人的な信頼関係を優先する安倍氏の外交は、どの国とも機能していない。

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