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3304.報道比較2018.3.20

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自由主義国家の中央銀行が作り出した量的緩和バブルと、中国政府が作り出した債務依存型成長は、比べてみれば大差ない。どちらが先に歪んで崩れるのか?共倒れのリスクはないのか?

朝日新聞・社説
「森友」審議 首相の説明では足りぬ

財務省が森友学園との国有地取引に関する決裁文書を改ざんしていた問題で、参院予算委員会の集中審議が行われた。首相は「書き換え前の文書を見て、私や妻が払い下げや学校の認可に関与した事実はなく、関わったことにならないのは明らかだ」と繰り返したが、理解に苦しむ。「安倍首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が(新聞社のインターネットの記事に)記載される」との記述もあった。同じページには3人の政治家の名も書かれていたが、いずれも改ざんによって削られた。なぜ国会議員でもない昭恵氏の動向が決裁文書に書いてあるのか。予算委でそう問われた財務省の太田充・理財局長は「それは基本的に総理夫人だということだと思う」と答えた。昭恵氏の影響力を認めたとも取れる発言だが、首相は決裁文書の記載について「公開情報を事実として淡々と述べているのだろう」と述べた。改ざん当時の理財局長だった佐川宣寿氏だけでなく、他の財務省幹部や近畿財務局職員らからも事情を聴く必要がある。「行政府の最高責任者として責任を痛感する」と首相は繰り返す。ならば立法府による調査に誠実に、全面的に協力する責任が首相にはある、としている。

日本経済新聞・社説
森友問題を徹底解明し国政の停滞打破を

参院予算委員会は19日、森友学園に関する決裁文書を財務省が書き換えた問題について集中審議を開いた。野党は「文書の改ざんは国会との信頼を覆す前代未聞の不祥事だ」と追及し、前理財局長の佐川宣寿氏、その前任の迫田英典氏、安倍晋三首相の昭恵夫人、昭恵氏付だった政府職員らの証人喚問を求めた。与党は佐川氏の証人喚問を認める方向だが、参院予算委員会での19日の議決は見送った。一刻も早く実現し、事実の解明につながる質疑をしてもらいたい。元の文書には、建設予定だった小学校の設立を首相の昭恵夫人が後押ししている、と学園側が説明したとする記述があった。昭恵氏は小学校の名誉校長も一時務めていた。学園との関係や自らの行動について、公の場所できちんと経緯を説明すべきではないか。行政への信頼回復には、与野党が協力して疑惑を解明していく責任がある。佐川氏の証人喚問はその一歩であり、他の関係者の招致も積極的に検討すべきだ、としている。

毎日新聞・社説
安倍首相の「関係ない」答弁 保身だけでは不信拭えぬ

参院予算委員会できのう行われた森友学園問題の集中審議における安倍晋三首相の答弁である。いま首相に問われていることは二つある。一つは「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」という昨年2月の国会答弁と公文書改ざんの関係をどう考えるかだ。もう一つは、妻昭恵氏と学園との特別な関係がなければ、ここまでの事態に至っていないということに責任を感じているのかどうかだ。国会議員でもない昭恵氏が学園で講演したり土地を視察したりした記述がなぜ文書にあったのか。太田充理財局長は「総理夫人ということで(記載した)」と答弁した。改ざん前の文書には学園側の発言として、昭恵氏から「いい土地ですから、前に進めてください」との言葉をもらったとの記述もある。関係しているかどうかを決めるのは首相ではない。重要なのは、契約の過程で財務省が昭恵氏と学園の関係に注目していたことだ。責任逃れに走る安倍政権の姿勢に危機感は乏しい。首相が保身にきゅうきゅうとしている限り、真相究明も再発防止も進むまい、としている。

読売新聞・社説
森友文書問題 稚拙な対応が不信感を高めた

財務省が学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書を書き換えていた問題について、参院予算委員会で集中審議が行われた。安倍首相は「行政全体への国民の信頼を揺るがす事態だ」と述べ、改めて陳謝した。首相は昨年2月、自身と昭恵夫人が取引に関わっていた場合、首相を辞任すると答弁している。野党は集中審議で、この答弁が書き換えの動機だ、と追及した。首相は、自らの答弁は書き換えに影響しなかったとの考えを示した。昭恵夫人が取引に関し「前に進めてください」と学園側に述べたとの記述については、夫人が発言を否定していると説明した。自殺したとみられる近畿財務局の職員は、本省の指示で書き換えたとうかがわせるメモを残していた。会計検査院に疑義を呈された、土地代の約8億円の値引きの根拠も依然あいまいである。誰の指示で、なぜ書き換えたのか。値引きの理由は何か。事実の解明には、佐川氏の国会招致を速やかに行うことが大切だ。文書の真偽の確認に一定の時間が必要とはいえ、政府の対応は稚拙であり、国会軽視との批判も免れまい。国民の不信感を高めることにもつながる。政府全体でもっと緊張感を持って対処すべきだ、としている。

個人的には、安倍氏を辞めさせるかの責任追及よりは、文書改竄がどれくらい広範囲で行政に起きているのか、7億円の値引きのような事例が他にどれくらい起きているのかが知りたい。安倍氏はすでにリーダーとしての信頼は失った。影響力を行使できない状態にして、総理の椅子に座りたいなら座らせておけばいいと思う。信頼のないリーダーなら、いないのと同じだ。実害がどれほど及んでいるのか、日本がどれだけ安倍政権で腐ったのかを調べて欲しい。

Financial Times
プーチンの毒には「冷静な抑止」が一番効く (2018.3.16)

イングランドの小都市ソールズベリーで起きたロシアの元スパイ暗殺未遂と、ロシア政府とは何の関係もなかった。クリミアにいる部隊のテレビ映像、ソールズベリーで見つかったロシアの軍用神経ガスの痕跡、米国のロバート・モラー特別検察官が収集・分析している文書類という確かな証拠などは、すべて偽ニュースだというわけだ。我々はまた、プーチン氏は自分の嘘がばれていても気にしないということを理解しておかねばならない。プーチン政権が英国を見くびっていることは以前から明らかだった。「ノビチョク」のような兵器を使っておいて、発覚しないと考えるはずがない。ロシアの元情報将校アレクサンドル・リトビネンコ氏が2006年にロンドンで殺害された事件との類似性も際立っている。テリーザ・メイ首相が今回発表した対抗策は好ましい内容だが、前回同様慎重すぎる面もある。ロシア政府が何かをやり返してきたら、そのときはもっと強硬に対応すべきだろう。西側はプーチン政権に脅かされている。ロシアは経済力が弱いにもかかわらず、その軍事力と、国際的な行動基準に対する無謀な敵意によって欧州の平和と民主主義を危険にさらしている。ロシア大統領は、西側諸国が自分自身の価値観への信頼を失ったと考えている。この攻撃に立ち向かうことができなければ、この大統領の見方が正しいことになってしまうだろう、としている。

産経新聞・社説
プーチン氏4選 拙速な関係改善は戒めよ

ロシア大統領選はプーチン氏が圧勝で通算4選を決めた。任期を全うすれば、首相時代も含め、2024年までほぼ四半世紀にわたり権力を握ることになる。「大国ロシアの復活」を掲げ、力による現状変更や欧米との敵対をいとわない。そういう指導者が権力を握り続ける。この現実を直視し、警戒する必要がある。形式的には公正に行われた大統領選だが、対抗馬は事前に排除され、メディアは統制を受けた。どれだけ透明性が確保されたのだろうか。クリミア併合により、欧米からの制裁が続き、ロシア経済は停滞感が否めない。経済の苦境や国民の不満を、対外的な強硬姿勢でそらしていても、解決につながらない。確実な経済成長を導く打開策が求められている。5月には安倍晋三首相の訪露が予定され、それに先立ちラブロフ露外相が今週来日する。世界におけるロシアの位置づけを見極め、拙速な対露交渉を戒める姿勢がより求められるときである、としている。

判り切っていたプーチン氏の選挙に、世界はスパイ疑惑と外交官の追放で対応したが、何の効果もなかった。産経の安倍氏批判を盲目的に避ける姿勢が恐い。

Wall Street Journal
中国人民銀、「改革派」新総裁を待ち受ける難題 (2018.3.20)

中国は人民銀行(中央銀行)の新総裁に、退任する周小川氏の側近を長年務めた易鋼氏を選出した。周氏と同じく市場主導型改革の提唱者として知られ、米国で学んだエコノミストが人民銀総裁ポストを射止めたことを、投資家は歓迎していいだろう。同時に、投資家は新総裁の限界も認識した方がよさそうだ。中国金融システムの修復と人民元の自由化に向けた一段と実のある取り組みには、真の国有企業改革が欠かせない。だが国家統制主義者の習近平国家主席が絶大な権力を握る体制では、それは期待しにくい。人民銀行は内部に多くの優秀な人材を擁している。不足しているのは、中国の根強いモラルハザードに変化を起こす政治的影響力だ。資産の面では、国有企業が憂慮すべきペースで銀行の資金を吸収し続け、いかがわしい資産の誕生をもたらしているという事実を、中国の循環的な景気拡大が見えにくくしている。習政権の国有企業びいきがこの問題に輪をかけている。2017年は国有企業による投資が中国全体の37%と、6年ぶり高水準に達した。だが17年半ば時点の国有企業の総資産利益率(ROA)はわずか3.5%に過ぎず、基準貸出金利や民間企業の10%を大幅に下回った。中国の改革推進派の発言は意気を鼓舞するかもしれない。だが資本勘定の改革には、国内に根深く残る問題への対応がまだ必要だ、としている。

人民網日本語版
新エネ車にさまざまな政策のメリット 販売200%増  (2018.3.19)

今年1-2月には、中国の新エネルギー自動車の販売量が前年同期比200%増加し、目を見張る業績を上げた。中国は今年、引き続き政策面でさまざまな措置を同時に打ち出して新エネ車の消費を後押しし、これには地方政府による新エネ車の購入と通行の利便性への支援なども含まれる。新エネ車だけでなく、中国は今年、一連の措置を相次いで打ち出して、グリーン商品、デジタル消費、観光消費などの分野で消費の新たな成長源を積極的に後押ししていく方針だ。中国自動車工業協会がこのほど発表した最新の統計データをみると、春節(旧正月、今年は2月16日)長期連休があったため、今年2月の自動車生産販売量は前月比でも前年同月比でも減少傾向をみせたが、新エネ車は引き続き急増傾向を維持した。2月の新エネ車の生産量は3万9230台で前年同月比119.1%増加、販売量は3万4420台で同95.2%増加した。1-2月の生産量は8万1855台で同225.5%増加、販売量は7万4667台で同200%増加だった。このうち(完全)電気自動車の生産量は5万6706台で同168.4%増加し、販売量は5万253台で同164.3%増加した、としている。

習氏の政策は、Wall Street Journalの批判には逆行している。会社に共産党との窓口を設けることを明文化した。撤退の理由になるほど、自由主義国家から進出した企業には違和感のある注文だ。中国政府は、チャイナ・ショックを乗り切り、安定した政治、経済を見て自信を深めている。これが危機の先送りなのかは、誰にも判らない。自由主義国家の中央銀行が作り出した量的緩和バブルと、中国政府が作り出した債務依存型成長は、比べてみれば大差ない。どちらが先に歪んで崩れるのか?共倒れのリスクはないのか?

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