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3302.報道比較2018.3.18

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誰が見ても中国が正論といえる状況を、中国は貫いている。中国がアメリカを越える現実のはじまりはトランプ氏の政治だったと後で語られる原因になる気がする。

人民網日本語版
外交部、中米が貿易摩擦問題を建設的方法で処理することを希望  (2018.3.16)

中国外交部(外務省)の陸慷報道官は15日の定例記者会見で、中米間の経済・貿易摩擦に関する質問について「中米双方は経済・貿易摩擦をどう処理するかについて意思疎通を続けてきた。われわれは双方が建設的方法で、協力のパイを大きくすることで、こうした問題を適切に処理することを希望する」と述べた。中国は対外経済・貿易協力で一貫して信頼を重んじ、約束を守っている。われわれはWTOのルールを柱とする多国間貿易規則を遵守し、関係国との二国間または多国間の貿易・投資協定を遵守している。われわれが他国が一方的に加えるゲームのルールを受け入れることはない。
過去40年間、中米間の経済・貿易摩擦は建設的方法で適切に解決されてきた。今日でもわれわれは、中米は友好的協議を通じて双方間の溝を解決できると考えており、われわれにはその誠意もある。歴史がすでに証明しているように、貿易戦争はどの側の利益にもならない。もし本当に誰もが望まない状況が生じるのなら、われわれは自らの正当な権益を断固として守る、としている。

誰が見ても中国が正論といえる状況を、中国は貫いている。そこまでしなければ首が回らなくなった80年代のアメリカと、今のアメリカは明らかに違って見える。国内政治で解決すべきでは?貿易赤字が悪なのか?という議論にはトランプ氏は耳を貸さない。中国がアメリカを越える現実のはじまりはトランプ氏の政治だったと後で語られる原因になる気がする。

日本経済新聞・社説
集権化が進む中国とどう向き合うのか

中国の習近平国家主席は、最長2期10年の任期制限を撤廃した改正憲法の下で全会一致で再選された。次期トップ候補を最高指導部に抜てきする慣例も破っており、共産党総書記、軍事委員会主席と合わせた3つのトップの職を終身で続けることさえ可能になった。中国は自らの経済力を背景に広域経済圏を形づくる「新シルクロード経済圏構想」(一帯一路)を進めている。強権主義が特徴の中国式発展モデルを他国に輸出する動きも目立つ。それは改憲の中身にもにじむ。今回、憲法前文に挿入された「人類運命共同体」という概念は、中国主導の世界的な運命共同体を目指している。「一帯一路」と一体の考え方は、米国主導の世界秩序への挑戦と受け取られかねない。中国の急速な軍拡にも周辺国を中心に警戒感が強まっている。習近平氏は改憲で5年後に国家主席に3選される根拠を得た。その時の年齢は69歳だ。だが、現在69歳の王岐山氏の復活によって党側の内規を破る先例ができた。集権をほぼ完成させた習政権とどう付き合うのか。世界は極めて難しい課題を突き付けられている、としている。

日経は中国の政治体制の変化から恐怖心ばかりを煽っている。古過ぎる。まるでアメリカ主導の世界秩序と呼ぶものが理想的だと言いたいかのようだ。アメリカの衰退は、アメリカ自身がさじを投げているのが半分、ヨーロッパを含めた自由主義が、政治でも経済でも課題を抱えていることが半分だ。中国が自由主義を攻撃したことは一度もない。もちろん、彼らの成功を真似る国はどんどん出てくる。成功事例から学び、変化に適応するのが勝者の基本だ。アメリカさえ中国から学ぼうとしている中で、未だに恐怖だけで目を反らす発想が絶望的だ。

朝日新聞・社説
辺野古判決 司法の存在意義どこへ

司法の存在意義を自らおとしめる判決ではないのか。沖縄・辺野古の海の埋め立てをめぐる訴訟のことだ。県の漁業調整規則にもとづく知事の許可がないのに、海底の岩礁を壊すのは違法だとして、沖縄県が国に工事の差し止めを求めた裁判で、那覇地裁は実質的な審理に入らないまま、県側の敗訴を言いわたした。基地移転という政治課題とは別に、司法はいかなる役割を担い、紛争解決にあたるのかという、社会の仕組みの根幹にかかわる問題だ。他の自治体などの行動に与える影響も大きい。判例に従っていれば、裁判官は悩む必要はなく、審理も楽だろう。しかしそれでは議論は進展せず、機能しない司法に対する不信が深まるだけだ。今回、沖縄県は控訴する方針だという。高裁がその主張にどう向きあうか、注目したい、としている。

森友学園や、伊藤詩織氏を見ていると、翁長氏は完全にやり方を誤った。多くの賛同もありながら、国への抵抗は空転し、勢いを失った。真実を追究するだけのジャーナリズムと、理想的な合意を勝ち取る政治ではゴール設定が違う。だからこそ、政治は理想的な結論を先に提示することもできたし、アメリカ軍や他の利害関係者にも理想と現実の差を説くことは可能だった。もし、補助金や交付金で勢いを失ったのなら、沖縄は永遠に今のままだ。

産経新聞・社説
公文書改竄 国会に調査機関が必要だ

森友学園への国有地売却をめぐる公文書改竄問題で、立法府の権威は損なわれた。この1年余り、偽りを前提に審議を重ねてきたからだ。国会は週明けに、参院予算委員会で安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相が出席し、集中審議を行う。不可解な点の解明は、佐川氏に質すだけでは済むまい。国会が、自ら改竄問題を検証する調査機関の設置を求めたい。これに安倍内閣や関係省庁、関係機関が協力すべきは当然である。国民生活に関わる平成30年度予算案や関連法案を論じ、成立を図る。北朝鮮核危機をめぐる米朝首脳会談、それに先立つ日米首脳会談をどうとらえるか。国会が取り組むべき課題は山積している。調査機関では、多数にのぼる関係者の招致や聴取を進め、改竄の事実や理由を解明して再発防止策を講じてほしい、としている。

産経は週末まで話題を避けてギブアップ。世論か支持率低下でも見たのだろうか?国会を審議の場にするのを避けたいようだが、さらに問題は湧いてくる。調査機関がいくつ必要になるだろう?

毎日新聞・社説
「3%賃上げ」目標の春闘 中小こそ大幅ベア実施を

2018年春闘は主要企業で前年を上回るベースアップ(ベア)が相次いだ。しかし、安倍晋三首相が求めた3%賃上げに届かない企業は多い。かつてない好業績の企業が相次ぐ中で、賃上げの勢いは思ったほどないと言わざるを得ない。18年3月期に上場企業は2期連続で最高益となる見通しだ。内部留保も過去最高の水準になっている。それを考えれば、もっと大胆に賃上げをしてもいいのではないか。経営側は国際経済の先行きが不透明な上、人工知能(AI)などの普及に合わせて設備投資を増やしたいため、賃上げに消極的とされる。一方、連合は昨年から大企業の要求は抑えながら、グループ企業の中小も含めた全体の賃上げをめざす方針を掲げている。実際、昨年は中小のベアが大手を上回った。大企業と中小の格差解消に向けた努力は評価すべきだろう。これから本格化する中小企業の労使交渉では労働条件も含めた処遇改善を一層進めなければならない、としている。

2年前には、横並びでの賃上げ要請に、政治から民間への圧力と批判していた新聞が、簡単に変容している。平均で事業体が賃上げするという発想が間違っていると思わないのだろうか?業種にも差異があり、各企業にも競争と考え方の違いがある。良い場所を人が選び、流動化するのが理想的ではないか?

Wall Street Journal
米司法長官、正式退職前にFBI前副長官を解雇 (2018.3.16)

ジェフ・セッションズ米司法長官は16日、報道機関に許可なく情報を漏らしたほか、宣誓下での証言も含め、「誠実さを欠いた」発言をしたとして、アンドルー・マッケイブ連邦捜査局(FBI)前副長官を即時免職処分とした。マッケイブ氏は声明を発表し、こうした主張に強く反論。自分には記者と情報を共有する権限があり、「混乱に巻き込まれながらも」質問にはできる限り「正直に正確に答えた」と強調した。同氏の弁護士は、この懲戒処分が「1週間余り」という短期間に慌てて下されたと主張した。マッケイブ氏の21年に及んだFBIでのキャリアは、トランプ大統領や共和党議員の批判の的になった後、劇的な終わりを迎えた。マッケイブ氏は声明で「この1年半、私の家族と私は、自分たちの評判や祖国に対する奉仕に対して容赦ない攻撃を受け続けてきた」と指摘。「大統領によるツイッターへの投稿はそれを拡大、悪化させてきた」と述べた。マッケイブ氏が行ったとされる不正な情報公開とは、クリントン基金への捜査に関する2016年10月30日付のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事に関連している、としている。

私は出てくるマッケイブ氏のニュースをWall Street Journalの日本語版で見た記憶がない。日本人に伝えるほどの話題ではなかったのだろう。この記事の結末は、セッションズ氏もトランプ氏に解任されて終わると予想されている。マッケイブ氏のリークはトランプ氏にとっても不都合だったのだろうが、アメリカ国民にとってはどうだったのだろう?大統領がツイートで信憑性のない情報を拡散させる社会で、一方で発言だけで解任が相次ぐ。何が真実なのか判らなくなり、社会の不安はさらに大きくなる。この嫌な雰囲気だけは、トランプ氏以前のアメリカにはなかった。衰退だ。

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