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3298.報道比較2018.3.14

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正論よりも工作。過程よりも結果。理想より現実。ディールのリーダーシップ。計なきものには、益なし。

Wall Street Journal
トランプ氏、ティラーソン国務長官を解任 後任にCIA長官 (2018.3.14)

ドナルド・トランプ米大統領は13日、意見相違があったされるレックス・ティラーソン国務長官を更迭し、後任には中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ長官を充てる意向を表明した。ティラーソン氏は9日に受けたホワイトハウスからの連絡で、アフリカ歴訪日程を短縮するよう命じられた。国務省関係者によると、ティラーソン氏は予定より1日早い13日早朝に米国に到着したが、トランプ氏のツイッター投稿を見るまで解任されることを知らなかった。解任の理由も説明されていないという。ホワイトハウス高官は、引き継ぎを終えるまではティラーソン氏が現職にとどまると説明。「(トランプ氏は)北朝鮮との協議が行われる前に、確実に交代を終えたいと考えている」と述べた、としている。

産経新聞・社説
北との対話 日米韓は「物差し」共有を

平壌で金正恩朝鮮労働党委員長と会談した韓国特使団の徐薫国家情報院長が来日し、安倍晋三首相や河野太郎外相らに金正恩氏とのやりとりを説明した。首相と徐氏は、北朝鮮の核・ミサイル開発放棄に向けた「最大限の圧力」の継続や、拉致問題の解決に向けた連携を確認した。ホワイトハウス報道官は、「核実験と弾道ミサイル発射の凍結」「非核化の意思」「米韓合同軍事演習実施への理解」の3つの約束を維持すれば首脳会談は開催されると述べている。「5月までに」とされる米朝首脳会談は、開催場所さえ未定のままである。4月末には南北首脳会談も予定される。会談に向けた動きが異例の速さで進む中、この短い期間になすべき最も重要なことは、日米韓の結束を固め、意思統一を図ることである。拉致が核・ミサイル問題と同時に解決に向かうよう、米韓に意識を共有してもらわなくてはならない。拉致問題の置き去りは絶対に許されない。北朝鮮の完全非核化に向けた戦略を確認し、拉致問題の解決を抜きに北朝鮮という国は存続し得ないのだという認識を日米で共有する場としてほしい、としている。

既得権者と、過去のやり方を正攻法と信じる人たちにとって、ティラーソン氏の解任は衝撃的だった。暴走にも受け取れるトランプ氏の不躾な解任。少し時間を置いてみると、北朝鮮との対話、中国との距離感には、ティラーソン氏ではなく、ポンペオ氏とやりたい仕事がトランプ氏にはあったのかもしれない。正論よりも工作。過程よりも結果。理想より現実を重視している気がする。確実なのは、日本が取り残されていること。産経の古臭い持論と、安倍政権の感覚は大差ない。このレベルで発想していたら、末席さえ与えられないのは当然。日本は何にアタマを使ってきたのか。どんな展望を描いていたのか。きっと、何のプランもなかったのだろう。

人民網日本語版
商務部 米保護貿易措置は正常な貿易秩序に打撃 (2018.3.13)

米国のトランプ大統領が9日、輸入された鉄鋼・アルミ製品に対し高額の関税を課すとした公告に署名したことについて、商務部(商務省)貿易救済調査局の王賀軍局長はこのほど北京でコメントを発表した。王局長は、「米国の措置は国の安全保障を名目としつつ、実際には保護貿易を行うことにほかならない。米国が輸入する鉄鋼製品とアルミ製品のほとんどは民間利用であり、米国の安全保障に損害を与えることなどありえないのが実際の状況だ。米国は『国の安全保障を例外とする』条項を乱用しているのであり、世界貿易機関(WTO)を代表とする多国間貿易システムを恣意的に破壊するものにほかならず、正常な貿易秩序に深刻な打撃を与えることは確実で、中国は断固たる反対を表明する」と述べた。王局長は、「米国の措置は他国の利益に損害を与えるだけでなく、米国自身の利益にも合致しないもので、米国の議員や業界団体や企業などが強く反対している。中国は、米国が多国間貿易システムの権威を尊重し、関連措置を早急に撤廃することを願う」と述べた、としている。

北朝鮮問題のためなのか、選挙対策も含めた混乱で最適解を出すつもりなのか。アメリカの対中政策はフレネミーと表現されるような、強調と衝突を繰り返している。独裁型のリーダーシップのトランプ氏と習氏には、このスタイルがやりやすい。どこかで成果を出せばアピールできるし、いくつかの妥協は必要条件と国内に説明できる。何を妥協するかは、リーダーシップで判断できる。国内に敵の多いリーダーにとっては動きやすい環境ができ上がった。

朝日新聞・社説
福島第一廃炉 責務の重さを忘れるな

政府は昨年、廃炉の工程表を改訂した。「30~40年で廃炉」との大目標は維持したが、1、2号機のプールからの燃料取り出し開始は23年度へ3年遅らせた。炉心周辺はぼんやりと様子がわかってきたに過ぎず、デブリを取り出す具体的な工法の決定も19年度に1年先送りした。時間がたつにつれて、タンク850基、100万トンに達した放射性物質を含む水はさらに増えていく。廃炉費用が膨らむと国民負担にはね返る。しかし、むやみに急げば作業員の被曝や事故のリスクは大きくなる。実質国有化で救済された東電にとって、第一原発廃炉は最優先で向き合うべき課題だ。人材と資金をしっかり投入することは、事故を起こした事業者としての当然の責務である。安倍首相は13年の五輪招致演説で、第一原発の汚染水について「アンダーコントロール(管理下にある)」とアピールした。しかし、その後の汚染水対策の難航ぶりを見ても楽観は許されない。東電と、東電を指導監督、監視する経済産業省や規制委は肝に銘じてほしい、としている。

毎日新聞・社説
大震災7年 福島原発の廃炉 人材育て技術開発着実に

東京電力福島第1原発事故から7年が過ぎた。除染作業が進んだ構内は、一部を除き全面マスクや防護服の着用が不要になった。事故直後に比べ作業環境は著しく改善した。だが、1~3号機の原子炉に残る溶融核燃料(燃料デブリ)の取り出しはめどが立たず、汚染水の発生も続く。事故は終わっていないという思いを、改めて抱かざるを得ない。炉心溶融を起こした原子炉がある建屋には高い放射線や狭い作業スペースなどいくつも障壁があり、廃炉の行く手に立ちはだかる。工程表通りに30~40年で終わる保証はない。汚染水対策では、原子炉建屋への地下水流入を防ぐ凍土遮水壁がほぼ完成した。東電は汚染水発生量を半減させる効果があると試算し、政府の有識者会議がこれを追認した。ただ、発生量削減は地下水のくみ上げなど複数の対策を組み合わせた結果だ。凍土壁には345億円の国費が投入され、毎年十数億円の維持費がかかる。費用対効果の評価は、資金を出した政府に加え、国会の場でもしっかり審議すべきだ、としている。

震災復興と原発の廃炉処理は、そろそろ分けて考えた方がいい。原発の長い時間軸に復興を関連付けると、それだけ復興にも途方もない時間を使うことになる。福島原発の事後処理は進んでいない。この都合の悪い現実が、政権の多くの不祥事にかすんでしまうのが残念だ。隠蔽や捏造は全否定されるべき信頼の問題。原発処理は仕事の成果がまるで未達という、民主党時代と同じ無能さへの責任追及が必要だ。安倍政権は嘘つきなだけでなく、仕事でもまるで結果を出せていない。応援してきた産経・日経・読売が追求すべきテーマだ。

日本経済新聞・社説
企業と株主の対話通じた統治改革急げ

安倍晋三首相の経済政策の一環として始まったガバナンス改革は、当初から株主との対話に軸足を置いた。しかし、企業の自主性に委ねられる部分も多く戸惑いの声も強かったため、市場関係者の意見を聞いて対話ガイドラインがつくられることになった。持続可能な成長戦略づくりや取締役会のテコ入れなど、改訂版の統治指針が求めるものは幅広い。その実効性を高める意味で、「投資家と企業の対話」の果たす役割はきわめて重要だ。ガイドラインで目を引くのは、最高経営責任者(CEO)の選解任が透明で適正なものかどうかについて、株主と企業で対話するよう求めている点だ。グローバル競争を勝ち抜くうえで、経営トップの資質や指導力の重要性は高まっている。前例や慣習にとらわれない経営者の育成策や選出方法が模索される必要がある。新しさを感じるのは、企業年金が運用の専門性を十分に備えているかどうか、企業と株主に目配りを求めている点だ。米英では企業年金がガバナンス改革に影響力を持つ。対照的に日本では、投資やガバナンスの専門家が少ないため、企業への働きかけに消極的な年金基金も多い。ガイドラインは企業と株主が年金基金の人材登用・配置を点検するよう求めるなど、踏み込んだ内容となっている、としている。

読売新聞・社説
18歳成人法案 青年の自覚育む契機にしたい

政府は、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案を閣議決定した。結婚できる年齢は、男女とも18歳で統一する。今国会で成立させ、2022年4月の施行を目指す。成人年齢の引き下げには、不安の声が少なくないのも事実だ。読売新聞の16年の世論調査では、「反対」が6割を超えている。成人年齢が引き下げられると、18~19歳の若者が、親の同意なしにローンやクレジットカードなどの契約を結べるようになる。悪徳商法の標的になる危険もある。少年法の適用年齢については、法制審議会で議論が続く。成人年齢に合わせて、18歳未満に引き下げるのが自然な流れだろう。現行の少年法も、18~19歳の被告には死刑の適用を容認している。引き下げる際に留意すべきは、比較的軽微な罪を犯した18~19歳に対する処遇だ。罰金刑や執行猶予ならば、少年院などでの更生教育の機会が失われたまま、社会復帰することになる。再犯防止の視点から、新たな制度設計が必要であ、としている。

いまの無責任な政府、無責任なオトナの社会が決めていいルールとは思えないような法改正が、数の論理で進む。安全保障を好き勝手にいじり回した時の支持は、政権になく、社会にも期待はない。捏造と改竄で社会に不信が拡大している中で、法案で会社の信頼を上げようとか、マーケットと投票率のために成人の年齢を拡げるような改正。何に対しても疑心暗鬼になってしまう雰囲気が、また日本に戻ってきてしまった。

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