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3295.報道比較2018.3.11

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7年の間、ほとんど政権を担っていたのは安倍政権だった。震災復興以外でも、私たちは、リーダーシップを、代表者の選び方を再考すべきだ。何もかもが遅く、変わらない。

朝日新聞・社説
大震災から7年 「心の復興」への長い道

東日本大震災から7年。被災地を歩くと、新しい公営住宅や区画整理された道路などが目に映る。ハード面の整備はめどがつきつつある。もう安心して暮らせるのか。いや、そうではない。現地では最近になって、再び恐怖や喪失感にさいなまれ、心身の不調を訴える人が現れている。深刻な事態だ。一見平穏に日々を送りながらも、胸のうちに異物をのみ込んでいる。福島県相馬市で精神科医をしている蟻塚亮二さんは、そうした被災者の心の傷を放っておくと、ずっと先まで引きずることになると警告する。5年前まで仕事をしていた沖縄での経験に基づくものだ。語りたくない、でも知ってほしい。背負うものが重いほど、機が熟するまでに長い月日が必要なのだろう。心の傷が癒えるとは、亡くなった人を忘れ去ることでも、記憶にふたをすることでもない。被災者が、いまの自分を形づくる大切な一部として、過去を振り返れるようになること。そのためには、周囲による息の長い支えや見守りが必要だ。被災者一人ひとりの心のそばにいて、時が満ちたときに語れる相手となる。そういう存在でありたい、としている。

産経新聞・社説
東日本大震災7年 「未来の命」をしかと守れ 教訓を語り継ぐのが大切だ

東日本大震災から7年がたった。どれだけ時を刻もうとも、「3・11」が鎮魂の日であり、大切な肉親を失った遺族の悲しみや、いまなお生活再建への足がかりをつかめていない被災者の苦しみに、改めて思いを寄せる日でもあることに変わりはない。復興が一面で記憶の風化を促す。これが現実なのだとしたら、この現実をどう乗り越え、震災の記憶と教訓をいかに伝えていくかが、被災地のみならず、自然災害が多発する日本全体にとっても極めて重要な課題となる。被災地では、被災者でなければ語れない実態を広く伝えようと、「語り部」として活動する人が増えている。いまこそ「言葉の力」が求められている。町民の8%以上が犠牲となった宮城県女川町で、女川中学校の卒業生が在校時から進めている「女川いのちの石碑」づくりに注目したい。女川中学校の卒業生らの「夢」はいま、さらに大きく膨らんでいる。命の大切さを伝える取り組みを全国に広げたいという。東日本大震災の被災地に生まれた夢が全国津々浦々で実を結ぶとき、日本はいまよりもっと災害に強い国になっているに違いない、としている。

日本経済新聞・社説
風評・風化を乗り越え復興確かに

東日本大震災から7年になる。東京電力福島第1原子力発電所の事故が起きた福島県ではなおも5万人が避難を強いられ、故郷に戻った住民も農産物の販売不振など風評被害と闘っている。昨年春には富岡町のほか飯舘村、浪江町などでも避難指示が解かれた。しかし戻った住民は1割に届かず「将来帰りたい」と考える避難者も半数に満たない。帰還して仕事を再開した住民は風評被害に直面している。福島県産のモモや肉用牛などの出荷価格は震災前の水準にまだ戻らず、観光客の増加率も他県に比べて低い。除染で生じた汚染土が至る所に山積みになっている状況では、風評を拭うのは容易ではない。環境省は汚染土を保管する中間貯蔵施設の用地取得を急ぎ、仮置き場を一日でも早く解消すべきだ。戻った住民の被曝線量を実測すると、事故直後の予測より低いこともわかってきた。なお残る帰還困難区域についても、縮小を検討すべきときだ。被災地はもともと人口減少や高齢化が他の地域よりも早く進むとみられていた地域だ。震災を乗り越えて持続可能なコミュニティーをどう築くか。復旧が一段落した地域では、地元自治体が主体的に復興の将来像を考えるときだ、としている。

毎日新聞・社説
大震災7年 福島の自治体 故郷との絆結ぶ手立てを

死者と行方不明者合わせて1万8434人に上った東日本大震災からきょうで丸7年になる。福島第1原発の地元である双葉町は、帰還困難区域が96%を占める。約6900人の町民の多くが県内外に避難している。帰還困難区域の一部が特定復興再生拠点区域に認定され、4年後をめどにコンパクトながらも町の再生が図られる。昨年、復興庁と福島県、町が共同で住民意向調査を実施した。「戻りたい」と考えている人は全体の1割強にとどまった。避難指示の解除に伴い、今春には東電からの慰謝料の支払いが打ち切られる予定だ。被災者はどこで生活するのか選択を迫られる。だが、仕事や家族の都合で帰還方針を決められない人がいる。遠い将来の帰還を考える人も少なくないだろう。原発事故は、時間的にも空間的にも、とてつもなく大きな被害を及ぼす。福島からの県外への避難者はいまだ約3万4000人に上り、県内の他の自治体への避難者も1万5000人を超えている、としている。

読売新聞・社説
大震災7年 復興加速へ的確な対処が要る

岩手、宮城、福島3県の沿岸部をのみ込んだ津波の被害からの回復は、表面上は進んでいる。高台移転のための宅地造成と復興住宅の建設は、いずれも計画の90%以上が完了している。仮設住宅も解消されつつある。被害が甚大かつ広範囲だったため、復興が遅れていた自治体でも、事業は大きく進展している。難題は、造成が進んでも将来の街の姿が見通せないことだ。地権者を対象に、市が実施した調査では、宅地用のかさ上げ地の60%で、当面は利用予定のない実態が判明した。既に別の場所で住宅再建を果たしている、といった理由が多いという。原発事故で、11市町村に避難指示が出された。9市町村では既に、放射線量が高い帰還困難区域を除いて、指示が解除されている。しかし、必ずしも住民の帰還にはつながっていない。富岡町や浪江町に戻った住民は、昨春の解除から1年近くを経た現在でも、3%程度にとどまっている。市町村の枠を超え、第一原発周辺が一体となって復興を進める。この発想で地域全体を底上げしたい。市町村に分散する医療機関や福祉施設などを集約して充実させることも必要だろう。政府や福島県は、調整役を果たすべきだ、としている。

7年の間、ほとんど政権を担っていたのは安倍政権だった。震災復興以外でも、思い付く成果は乏しいが、復興も同様。かけ声だけで人が戻ることも、街が蘇ることもない。まして原発をどうするかのような議論は、支持率が高い時に進めて欲しい話題だった。私はよく民主党政権を素人、安倍政権を嘘つきと呼ぶが、嘘つきが去った後の政治は、きっと原発事故のように汚染されている。素人よりも始末が悪い。政治依存から少しでも脱却するのが、スピードアップには何よりも大事だと思うが、震災復興やエネルギー政策に政治は欠かせない。私たちは、リーダーシップを、代表者の選び方を再考すべきだ。何もかもが遅く、変わらない。

Wall Street Journal
呉越同舟の米朝首脳会談、好機と危機も隣り合わせ (2018.3.10)

一見ミスマッチの両氏だからこそ、直接会談開催で合意できたのかもしれない。トランプ氏は北朝鮮に対する経済制裁を強化することに成功した。また、時に野卑な脅し文句によって、北朝鮮の核開発プログラムばかりか体制そのものを崩壊させるため軍事攻撃を仕掛けかねないほど自身が衝動的だ、と正恩氏を納得させたようだ。正恩氏は、父と祖父が国を率いていたときよりも経済の近代化に関心の高い、北朝鮮の新世代のリーダーだと自負しているようだ。ブルッキングス研究所の研究員で米中央情報局(CIA)元スタッフのジュン・H・パク氏は、正恩氏について次のように分析している。正恩氏は外界と隔絶されたままだが、「自身が若くて活気にあふれ、機敏だという印象を強めたがっているようだ。彼は自国もそのように印象づけようとしている」という。パク氏は、国際社会による経済制裁、とりわけ中国が制裁に協力する意向を示したことで、正恩氏が「戦略を選択しなければならないという臨界点」に達する可能性があると指摘。外圧と国内の期待の高まりが相まって「正恩氏が攻撃性を抑えない限り、現体制は転覆する可能性がある」と述べた。それでもトランプ氏は北朝鮮のリーダーと直接会談することで、国際社会に認められるという金一族の長年の夢を先に実現することになる。正恩氏にはある意味、首脳会談それ自体が白星だろう。これまで北朝鮮はこの傾向を利用して経済制裁を解除させ、その後で約束を反故にしてきた。トランプ氏の課題は北朝鮮の若きリーダーに、そのゲームを繰り返させないことだ、としている。

人民網日本語版
外交部、トランプ氏と金正恩氏の会談に対する中国の見解 (2018.3.9)

中国は米朝両国の直接対話という積極的な情報に対して歓迎の意を表す。朝鮮半島の核問題は今まさに解決に向けて正しい方向へと踏み出しているといえるだろう。中国は関係者が対話と協議によって問題解決に尽力することに対し、十分な肯定と支持を表明する。8日に開かれた両会記者会見で王毅外交部長(外相)が指摘したように、今後、各方面の積極的な呼応と力を合わせて共に朝鮮半島情勢を改めて平和の軌道に、朝鮮半島核問題を改めて対話の軌道に乗せていくことが肝要だ。中国は各方面が政治的な勇気を出し、政治的な決断を下し、必要で有益な双方、多方でのあらゆる接触を早急に展開し、朝鮮半島核問題の対話交渉による平和的な解決を全力で再度立ち上げることを希望する。中国側はそのための努力を続けていく、としている。

私は、いまでも朝鮮半島の意思決定には、中国の戦略が強く影響していると考えている。北朝鮮を操るほどではないが、韓国は確実に牛耳っている。北朝鮮が最も望むものを、中国はアメリカが望むものと引き換えに手にする方法を教えた。協力するとも言っているだろう。トランプ氏だから動いたのは、中国がトランプ氏なら協力できるからだ。衝動的で、他国の支持がなく、ディールで考える。交渉には適役だ。

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