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3292.報道比較2018.3.8

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アメリカが対話を意識した瞬間。なぜか平和よりも緊張を望んでいたかのように反応する読売。もっとも悪質なのはスルーした日経。2本目で読売に近い社説を書く産経よりもひどい。日経にとって、北朝鮮問題は緊張の方が都合が良かったのだろう。無関心を装いながら、時間を稼ぐ様は最悪だ。

Wall Street Journal
北朝鮮の交渉ゲーム、再び (2018.3.7)

北朝鮮の独裁者、金正恩(キム・ジョンウン)氏が、核兵器放棄について米国と協議する準備ができたと話しているーー。韓国政府関係者が6日、そう明かした。金氏はこれまで、兵器を手放す交渉には応じないと表明していたため、これは新たな展開だ。だが国際社会は同様の外交手口を過去にも目にしてきた。それらは単に、さらに多くの爆弾や弾道ミサイルを開発するための時間稼ぎだった。ドナルド・トランプ米大統領はこれを受けて6日、「彼らの声明、そして韓国と北朝鮮から出されている声明はとてもポジティブなものだ」とし、「世界にとっても素晴らしいことになるだろう。世界にとって素晴らしい。だからどうなるかわれわれは様子を見てみよう」と続けた。話し合いで成果を上げるためには、協議中も米国と国連が今の制裁を維持しなければならない。また金氏の最大の目的が米韓の分断と、米軍撤退へ韓国を仕向けることである以上、米韓両国は戦略面で団結し続けなければならない。いかなる合意であっても、北朝鮮が見返りを受けるのは非核化を終え、制限なく視察を受け入れるようになってからにしなければならない。仮に経済面と軍事面での圧力が金氏に今回の決断を下させたのであれば、その圧力を維持する必要がある。イランと合意を結んだバラク・オバマ前政権を反面教師とすべきだ、としている。

朝日新聞・社説
南北朝鮮合意 着実に非核化の進展を

北朝鮮の最高指導者、金正恩氏が条件付きながら非核化の意思を示した。韓国政府が平壌に送った特使らが、金氏との会談の結果として発表した。4月末に軍事境界線上の韓国側で南北首脳会談を開く。さらに、「非核化問題と米朝関係の正常化」のために米国との対話の用意があるとも表明した。南北首脳会談は、特異な絶対的権力者に直接語りかける好機である。だが文在寅大統領は、民族の和解を優先するあまり、過度な対北支援に走ってはならない。冷静に非核化の目標を見すえ、米朝間の交渉と並行した進展をめざしてほしい。過去の交渉の過ちを繰り返してはなるまい。05年の6者協議での共同声明は、互いに取るべき行動の順序を定め、段階的な和平づくりをめざしたが、声明以降の米朝の間に膨らんだ相互不信から崩れた。成果を焦れば道を誤る。だが対話なしに軍事衝突を避ける道はない。米国はじめ国際社会は「行動対行動」の原則を貫きながら、辛抱強く北朝鮮との合意を積み上げていくべきだろう、としている。

毎日新聞・社説
米政権が北朝鮮提案を評価 これを端緒に真意を探れ

トランプ米大統領が、非核化に向けて米国と対話する用意があるとの北朝鮮の提案を評価した。北朝鮮の軟化をトランプ氏は国際社会による経済制裁が効果を上げているためだ、と分析した。問題は、北朝鮮が非核化の意思が本当かどうか、行動で示せるかだ。米国は「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を追求し、今後も「最大限の圧力」を堅持する方針だ。まず核施設への国際原子力機関(IAEA)による査察の受け入れが求められよう。応じなければより厳しい制裁が科せられることを北朝鮮は覚悟しなければならない。対話が失速すれば軍事が台頭するリスクも生まれる。米朝対話を後押しする体制の立て直しが急務だ、としている。

読売新聞・社説
「南北首脳会談」 非核化へ最大限の圧力維持を

韓国の文在寅大統領の特使らが平壌で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談した。南北首脳会談を4月末に、軍事境界線上の板門店で開催することで合意した、と韓国政府が発表した。発表によると、北朝鮮側は、「朝鮮半島の非核化の意思」を明らかにし、「軍事的脅威が解消され、体制の安全が保証されるのであれば、核を保有する理由がない」との立場を示したという。米国が軍事的圧力と経済制裁を強化したことが、対話攻勢の背景にあるのは間違いない。本来、米国など国際社会と連携して北朝鮮と対峙すべき文政権が、南北の対話と協力に前のめりになっているのは気がかりだ。トランプ米大統領は、米朝対話を前向きに検討する考えを示す一方、「我々は必要であれば、どの道にも進む用意がある」と述べた。軍事力行使も選択肢として残っていることを示唆したものだ。米政府は文氏の特使から直接、会談内容の説明を受ける。新たな北朝鮮担当特使や駐韓大使などを任命し、一貫した政策を推進する態勢を整えねばならない、としている。

アメリカが対話を意識した瞬間。なぜか平和よりも緊張を望んでいたかのように反応する読売。もっとも悪質なのはスルーした日経。2本目で読売に近い社説を書く産経よりもひどい。日経にとって、北朝鮮問題は緊張の方が都合が良かったのだろう。無関心を装いながら、時間を稼ぐ様は最悪だ。
残念ながら、日本政府は日経に最も近い。最大限の圧力は、いつしか韓国やアメリカよりも対話を望まない姿勢に変容し、中国が絵を描き、韓国が戦争回避のために手段を選ばなくなったのを日本は傍観したまま、アメリカをけしかけつづけた。トランプ氏が主導しているかは不明だが、アメリカは言葉どおり、すべてのオプションをいつでも使えるように行動していた。秘密裏の対話。中国やロシアとの協調。経済制裁。秘密工作。軍事行動。今でも、その行動は変わらない。こうして書いている間に、アメリカは対話のために国防長官を北朝鮮に派遣しながら、韓国からアメリカ人を本土帰国させようとしている。戦争準備のサインだ。

ポンペオCIA長官が極秘訪朝、金正恩氏と会談
在韓米国人が戦時想定の避難訓練、初の本土移送

ここ最近で、私はもっとも朝鮮半島のリスクを感じた瞬間だ。邦人帰国をアメリカが呼びかけ、渡航中止勧告がでたら、はじまる。アメリカはメッセージの意味とともに、本気で対話をはじめる。この対話が最後だ。
それほどの緊張感を、日本政府は持っていただろうか?いま、持っているだろうか?そして日本の報道は?私たちは?太平洋戦争と同じ過ちを繰り返してはならない。世界はちゃんとメッセージを発している。日本の政府は、いつだって保身で動く。報道は真実を伝えない。無関心なら、意思決定が遅れるだけだ。

人民網日本語版
両会で注目される中日関係 専門家の目に映る緩和と懸念 (2018.3.7)

最近の中日関係には前向きで注目に値する好転の兆しが生じている。日本政府要人は中日関係緩和に向けた積極的なメッセージを立て続けに発している。これは良い兆しであり、肯定に値すると言えよう。2018年は中日関係にとって、大変非凡な1年であり、中日平和友好条約締結40周年にもあたる。このような特別な年に、中日関係が転機を迎えることができれば、中日平和友好条約締結40周年にとって最良の記念となる。どうすれば中日関係を真に好転させ、安定した道へ向かわせることができるのだろうか?
第1に、日本側は歴史問題と領有権問題が「大したことではない」といったような小さな問題ではないことを明確に認識するべきだ。
第2に、日本側は考えを変え、時代後れの冷戦思考を捨てるべきだ。
第3に、日本側は中日友好関係の発展を長期的・戦略的行動とするべきであり、中日関係を「都合が良ければ用い、悪ければ捨てる」道具と見なしてはならない。
第4に、「まいた種は自ら刈り取れ」。中日関係の膠着状態という「結果」をもたらした日本側がその「原因」を探らなければならない、としている。

日本政府が受け入れ難い注文を最初と最後に入れたメッセージは、「日中関係を修復する意志なし」のようだ。日本が姿勢を変えなければ日中関係は改善しない。いまのパワー・バランスなら当然だろう。日本は、きっとこのメッセージを感情で受け止める。反発したくなるだろう。中国もそのつもりでメッセージしている。中国は、これからの成長のパートナーシップに、日本からのサポートを期待せずにやれる自信を手にした。ますます日本は中国の成長を享受できなくなる。

産経新聞・社説
米国の輸入制限 貿易戦争に勝者はいない 混乱回避へ日本は動き強めよ

トランプ米大統領が鉄鋼などに高関税をかけて輸入を制限すると表明し、反発した欧州連合(EU)や中国などは対抗措置の構えをみせる。報復が連鎖する「貿易戦争」が現実味を帯びてきた。自国の都合で一方的に輸入を制限する手法は、保護貿易主義の極みであり、容認できない。トランプ氏は、国内外の反対論を真摯に受け止めるべきである。全ての国が対象になる可能性があるが、トランプ氏はカナダとメキシコについて、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で譲歩すれば対象外にする考えも示している。特定の国を選び、輸入制限を取引材料にする手法にはあきれるほかない。中国の李克強首相は全国人民代表大会で「保護貿易主義に反対し、自らの合法的な権益を断固として守る」と述べた。孤立しようとする米国を、中国が建前を述べて牽制する。おかしな構図にトランプ氏は気付いてほしい。世界の貿易を揺るがす問題であり、外交・安全保障面にも重大な影響を及ぼしかねないことを踏まえた対応が必要だ。安倍首相は、トランプ氏と意思疎通を図れる数少ない首脳の一人だ。孤立主義と混乱の回避へ、日本が果たす役割は大きい、としている。

日本経済新聞・社説
女性の就労支える改革を加速させよう

総務省の調査によると、働いている人と、働いていないが積極的に仕事を探している人の割合は2017年、30歳代前半の女性で75.2%、30歳代後半の女性で73.4%だった。いずれも05年と比べると、10ポイント以上高くなった。未婚者のほうがより高いものの、夫がいる人でもほぼ3人に2人にまで上昇している。真の女性活躍へ、なすべきことは明確だ。まずは保育サービスの拡充である。待機児童の数は、17年春まで3年連続で増えた。政府は「待機児童ゼロ」を達成する時期を、20年度末まで3年先送りしている。今度こそ達成を急いでほしい。さらに重要なのは、職場の改革だ。長時間労働が恒常化した職場では、仕事と子育ての両立は難しい。男性が育児を分担できず、少子化の要因にもなっている。在宅勤務など柔軟な働き方を増やしたり、時間でなく成果で評価したりすることが欠かせない。女性の育成・登用を着実に進めるためにも、これらの取り組みが大事になる。女性の活躍を促す改革の多くは女性のためだけのものではない。家族を介護している人、持病がある人、高齢の人。あらゆる人の活躍を支える。多様な人材を花咲かせる、豊かな土壌をつくりたい、としている。

産経と日経には、アメリカと北朝鮮の対話への前進は、都合が悪い話だったようだ。日本が危機になった時、この2紙は信じない方がいい。産経は太平洋戦争で英語を使うなと言い出すような固定観念に固執するタイプ。日経は自分の都合の悪い話は知らないふりをするタイプ。どちらも無益だった存在だ。

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