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3289.報道比較2018.3.5

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イノベーション。スクープ。行動が世界を変える。

Wall Street Journal
トランプ関税、原油市場にも不安広がる理由 (2018.3.5)

ドナルド・トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課す方針を示したことを受け、原油投資家は今後の影響に不安を募らせている。中国は米国産原油の世界第2位の輸入国。2016年にはほとんど輸入していなかったが、昨年は日量22万5000バレル程度を輸入した。これを上回る規模の原油を米国から輸入しているのはカナダだけだ。ここへ来て、貿易戦争を巡る不安が鉄鋼やアルミから他の市場に広がる中、米国が新たに手にしたエネルギー輸出国としての強みがリスクにさらされているのではないかという疑問が原油市場を覆っている。米TACエナジーのアナリストはリポートで、「原油や石油製品が直接影響を被ることは疑いない」とし、米国の立ち位置は「世界のエネルギー輸入大国から主要輸出国へと移行するにつれ、ここ数年で大きく変化した」と指摘した。コロンビア大学グローバルエネルギー政策センターのジェイソン・ボードフ所長は、「米国産原油の禁輸措置で報復すると中国が脅迫したとしても、米国の生産や価格に有意な影響は出ない」との見方を示している。ボードフ氏は 「米原油には十分な需要がある」とし、「貿易の流れが迂回するだけだ」と述べた、としている。

オイルはアメリカ経済の命綱で、それ故に中東への介入も、金融センターとしての役割も、意味不明な戦争も生まれてきた。だが、イノベーションがいつの間にか、アメリカの価値観を変化させている。当然、意思決定も変わる。安い原油利権のための行動が、自国のオイル輸出の産業保護に変わった。トランプ氏でなくても中東にアメリカが命を張るモチベーションは失うだろうし、原油の価格で世界を操る衝動に駆られる瞬間は、外交のたびに増えるだろう。アメリカ大陸のシェールが尽きれば、次はシェールの技術を元に世界で稼げる。イノベーションはここまで世界を変える。恐ろしいほど。

朝日新聞・社説
日韓歴史問題 ともに未来に進むには

日本がかつて国策を誤り、アジアに多大な苦痛を与えたのは歴史の事実である。韓国が苦難と克服の歩みを振り返り、現在の国民統合に役立てようとするのは、無理からぬ面がある。ただ、近年の日韓関係が歴史問題をめぐってこじれた不毛な曲折を考えれば、過度にナショナリズムをあおる言動は控えるべきだ。国内世論だけでなく、対外的な影響も慎重に考慮するのが指導者の責務である。文政権内では、外交を重視するグループと、民族や理念を優先しがちなグループとがせめぎあっている。北朝鮮との対話も含め、内向きの思考だけで突き進むようでは危うい。文氏の演説について日本政府は、慰安婦問題の日韓合意に違反していると反発している。合意の順守を求めるのは当然だが、一方で、ことさら合意を盾に歴史問題の論議を封じようとするのは適切ではない。互いに隣国を無用に刺激しないよう細心の注意を払いながら歴史問題を管理する。その努力を重ねてこそ、日韓がともに未来に進むことができる、としている。

産経新聞・社説
サイバー防衛 東京五輪にとどまらない

悪質で深刻なサイバー攻撃が世界で相次いでいる。インフラや仮想通貨交換所など、標的は広範囲に及んでいる。平昌五輪も狙われ、開会式当日の会場で障害が生じた。問題は東京五輪にとどまらない。眼前の北朝鮮危機は、大規模なサイバー攻撃に転化してもおかしくない。そうした危機意識を持つべきだろう。日本では、政府がサイバーセキュリティ基本法の改正案を今国会に提出する方針だ。中央省庁と自治体、電力など基幹インフラの事業者、セキュリティーソフト会社、学術機関らで構成するサイバー防衛の官民協議体をつくる。単なる協議体が、サイバー防衛の司令塔たり得るだろうか。内閣官房の「内閣サイバーセキュリティセンター」(NISC)に指揮・命令権を与える検討を含め、より踏み込んで取り組むべき時期にきている、としている。

日本経済新聞・社説
新興国は力強い成長へ改革を問われる

インドやブラジルなど多くの新興国で経済が上向いている。世界的な景気の改善傾向にくわえ、なお緩和的な金融情勢が投資を促していることなどが背景にある。インドの2017年10~12月の国内総生産(GDP)は前年同期に比べ実質で7.2%増えた。同じ期の中国の成長率を上回り、政府高官は「主要な新興国のなかで最速」と自賛している。景気が低迷したまま回復の展望を開けていないのが、南アフリカだ。就任したばかりのラマポーザ大統領は汚職対策を最優先課題にかかげていて、当面は効率の悪い経済運営を改めるためのガバナンス強化が焦点となる。新興国はおおむね先進国より潜在成長力が高いが、それを十分に発揮するには構造改革とならんでインフラや教育への投資を着実に進める必要がある。一方で、対外債務や財政赤字が膨らみすぎないよう目配りが欠かせない、としている。

毎日新聞・社説
障害者雇用率の引き上げ 経営者の意識が問われる

法律で定める民間企業の障害者雇用率が来年度以降、現在の2%から2・2%になる。「共生社会」の実現に向け、企業はさらなる対策を迫られるが、職場の事情にあわせて障害者を受け入れる手法では追いつかないのが現実だ。1万人以上の従業員を抱えるコールセンター運営大手のトランスコスモスは、精神障害者約60人がホームページ作成担当などとして働いている。13年から精神保健福祉士を採用し、仕事の悩みなどを相談する態勢を整えた結果だという。一歩目のハードルが高いのが中小企業だろう。厚労省によると、障害者が一人も働いていない企業の多くは従業員100人未満の企業だった。その点、都道府県別の雇用率が昨年2・62%とトップだった奈良県の事例が参考になる。地元企業などと14年に「障害者はたらく応援団なら」を設立。職場実習や見学の受け入れなどを通じ、障害者雇用の裾野を広げてきた。自治体も企業まかせでなく、こうした取り組みを参考にしてほしい、としている。

読売新聞・社説
憲法9条改正案 世論喚起へ具体的に論じよ

自民党の憲法改正推進本部は、9条改正の内容について、所属国会議員が寄せた120以上の提案を類型化したうえで、協議を進めている。主体的な取り組みは評価できる。日本の安全保障環境が悪化し、自衛隊の役割はより重要になっている。違憲論を払拭し、正当性を持たせることが、平和な暮らしを守る上で、大きな意義を持つ。自民党の9条改正案は、戦力不保持を定めた2項を維持するか、削除するかに大別される。2項を残した上で、「自衛隊」や「自衛のための必要最小限度の実力組織」の保持を明記する案が出ている。いずれも「自衛力」を明文化する規定と言える。2項が禁止する「戦力」とどう違うか、明快な説明が求められる。自衛隊を明文化する以上は、自衛隊に対する首相の指揮権を明記することが必要ではないか。軍事への政治の優先を確保する「文民統制」が明確になる。憲法改正には、衆参各院の3分の2以上の賛成で発議した後も、国民投票で過半数を得るという高いハードルが待ち受ける。自民党は、他党との調整や、世論の動向を見極め、発議の時期は冷静に判断する必要がある、としている。

週が明けても、国内紙の論点はばらけ、まとまりが見えない。政権への不信を感じながら、どれほどのインパクトかを見極められずにいる。この時期の内閣支持率は平均で60%はあっただろう。1か月で半減し、いよいよ危険水域が囁かれはじめるのだが。不信の種を蒔き、反省もせずに1年経っても横暴でいた政府の無能さは批判されて当然だが、ひとつの事実が政権を叩き、その後の公務員のリークに風向きを変えた事実も忘れてはならない。

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