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3287.報道比較2018.3.3

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完全に潮目を変えた特捜のリークと朝日の報道。他紙は追えなかった。それはつまり、政府との癒着、特捜のリークを潰されるリスクを感じたからだ。日本のメディアと社会が、どれだけ口を閉ざし、見るべきものから目を逸らしているか、その危機が日本をどれだけ蝕んでいるかを示している。

朝日新聞・社説
森友と財務省 事実を調査し、公表を

森友学園への国有地売却問題で、財務省が作成した文書をめぐる新たな疑惑が浮上した。取引の経緯を記した決裁文書の内容が、契約当時と、その後に国会議員らに提示したものとで違っていることが本紙の取材でわかった。複数の関係者によると、問題発覚後に書き換えられた疑いがあるという。内容が変わっているのは、15~16年の土地取引の際、近畿財務局の管財部門が局内の決裁を受けるために作った文書。契約当時の文書と、昨年2月の問題発覚後に国会議員らに示した文書は、起案日や番号が同じで、ともに決裁印が押されている。その一方で、開示文書では、契約当時の記述の一部がなくなっていた。公文書の管理は情報公開とともに、国民の「知る権利」を支える車の両輪である。その重さに目を向けず、自らに都合の悪い文書は認めない。そんなふるまいが横行していたなら、国民への背信である、としている。

このスクープを朝日が発した時、国会も報道も騒然となった。当事者の政府や佐川氏は否定しなかったが、事実確認を誰もが急いだ。政府擁護に傾く人たちは勇んで朝日を攻撃したが、どうやらリーク元は特捜。財務省は俎板の上にいる事が示された。完全に潮目を変えた特捜のリークと朝日の報道。他紙は追えなかった。それはつまり、政府との癒着、特捜のリークを潰されるリスクを感じたからで、朝日の存在がなければ、この情報は東京新聞のような地方紙か、外資に送られただろう。事実、ひとりで行動している詩織氏は日本を捨ててイギリスから発信し、その声は国連さえ動かした。日本のメディアと社会が、どれだけ口を閉ざし、見るべきものから目を逸らしているか、その危機が日本をどれだけ蝕んでいるかを示している。
その後、朝日の報道から政権は揺らいだまま、立て直す事さえできない。一般公務員の反逆のようなリークと見られる政府の不祥事が明らかになっている。が、最初の判断を特捜が下さなければ、今でも日本は安倍政権をのうのうと許し、迎合するメディアと孤立する朝日という構図がつづいていただろう。生真面目なだけでは闘えない。朝日のような批判攻撃だけでは、今でも形勢逆転はできなかった。闘うには知恵がいる。勇気と信念がいる。無名の勇者を賞賛したい。

Wall Street Journal
米中貿易戦争に現実味、トランプ氏を阻止できず (2018.3.3)

中国商務省は2日、声明を出し、自国の利益を守るための措置を講じると表明。中国外務省の報道官は定例会見で、米国による関税の発表についての質問に、「世界の国々が米国に追随すれば、世界貿易を損なう」と答え、米国に国際貿易のルールを守るよう求めた。トランプ大統領は、慢性的な対中貿易赤字を減らすため、一段と厳しい措置を講じる考えを表明している。トランプ政権当局者は、中国から貿易や市場アクセスで小出しの譲歩を引き出す従来の戦略を棚上げし、中国企業を利すると米政権がみなす慣行を阻止するため、中国に対する制裁措置などの策定を進めている。中国当局者の間では、トランプ政権が対中赤字に固執していることに不満がくすぶっている。貿易不均衡は、米国の過剰消費が主因であり、中国を罰しても問題は解決していないと考えているためだ。世界最大の鉄鋼生産国である中国が、米国の鉄鋼輸入に占める割合はわずかだ。だが、欧米諸国から世界的な過剰供給を招き、価格を急落させたと批判されている。経済協力開発機構(OECD)によると、2016年に世界の鉄鋼生産能力に占める中国の割合は48.9%だった。これは00年の15%を大幅に上回る水準だ、としている。

日本経済新聞・社説
米政権は貿易戦争の危険を冒すのか

トランプ米大統領は鉄鋼とアルミニウムの輸入増加が安全保障を脅かしているとして、両製品の輸入にそれぞれ25%、10%の追加関税を課す方針を明らかにした。ルールに基づく通商秩序を乱し、貿易戦争につながりかねない極めて危険な決定である。改善傾向にある世界経済への悪影響も懸念される。撤回を強く求めたい。トランプ政権のなかでは中国の経済・通商政策への批判が強まっているとされる。中国に投資する企業に対する事実上の技術移転の要求や知的財産権の侵害、鉄鋼メーカーを含む国有企業に対する補助金などは確かに問題だ。こうした中国の不公正な措置には、日米欧などが一体になって方向転換を求めるのが効果的だ。鉄鋼問題については、補助金など競争をゆがめる行為の除去をめざす多国間の閣僚級会合が設けられ、議論が重ねられている。今回の決定は米政権の本格的な保護主義化の第一歩となる可能性がある。そうならば世界にとって非常に憂慮すべき事態である、としている。

読売新聞・社説
米鉄鋼輸入制限 報復合戦を引き起こす短慮だ

トランプ米大統領が1日、米国が輸入する鉄鋼に25%、アルミニウムには10%の関税を課す方針を明らかにした。対象国や製品などの詳細は未発表だが、幅広く対象とされれば日本製品が含まれる恐れもある。主な対象は輸出攻勢が続いた中国だとの見方がある。一方、欧州連合(EU)やカナダは、影響が及ぶようなら直ちに対抗措置を取ると表明している。トランプ氏が重視する米製造業の雇用にしても、今回の措置は鉄鋼業界での増加より、材料費が上がる自動車産業などでの減少の方が深刻だとの指摘がある。米国の措置とはかかわりなく、健全な自由貿易の発展のため、中国が自主的に鉄鋼過剰生産の是正を進めることも大切だ。中国政府は、主要20か国・地域(G20)首脳会議などで過剰生産設備の整理を公約してきた。地方政府の抵抗が強い国営企業などを聖域としてはなるまい、としている。

この数日後、日本も制裁対象に含まれる事に、政府やメディアはどう感じただろう?正論で退く相手ではないのは、就任時から判っていた。仲良くすれば許してもらえると目論んだような貧しい外交が幻想になった瞬間だ。80年代から日本は何も学んでいない。中国は確実に学んでいる。私がアメリカなら、組みたい相手はとっくに日本から中国に変わっている。今のままなら、日本は都合良く利用されて捨てられる国になるだろう。

人民網日本語版
第19期三中全会解読:改革をやり遂げる (2018.3.2)

中国共産党第19期中央委員会は第2回全体会議(二中全会)からわずか1カ月余りの2月26~28日、北京で第3回全体会議(三中全会)を開いた。今回の会議の重要議題で外部も注目したのが、党・国家機関改革だ。会議は「党・国家機関改革の深化に関する中共中央の決定」及び「党・国家機関改革深化案」を採択。後者の一部を法定手続きに従い、第13期全人代第1回会議に上程することに同意した。今回の会議は党・国家機関改革深化の目標を示した。すなわち「システムが整い、科学的に規範化され、効率的に運用される党・国家機関機能システムを構築し、全局を掌握し、各方面を調整する党の指導システム、職責が明確で法に基づく行政の政府ガバナンスシステム、中国の特色ある世界一流の武装パワーシステム、広範に結びつき大衆に奉仕する大衆活動システムを形成して、人民代表大会、政府、政協、監察機関、司法機関、検察機関、人民団体、企業・公的機関、社会組織の党の統一的指導下での行動の協調、合力の強化を推し進め、国家ガバナンスの能力と水準を全面的に高める」ことだ、としている。

国家機関を中国がどう変えていくのかは、かなり注目に価する。皇帝になった習氏が何をしたいのか、窺い知るきっかけになる。今のところ、言葉だけが踊っているように見えるが、すべての政治構造を変えるつもりのようだ。そのタイミングで反逆分子を排除して、贈収賄のつけ込む隙を、あらゆる手法で防ぐつもりのようだ。日本の首相のような甘さは微塵もないだろうが、習氏の手腕と欲の両方に注目したい。

産経新聞・社説
リニア談合 社会に対する背信行為だ

JR東海が手がけるリニア中央新幹線の建設工事をめぐり、東京地検特捜部は、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、大手ゼネコンの大成建設の元常務執行役員と鹿島建設の担当部長を逮捕した。逮捕された2人は大林組と清水建設の関係者らと共謀し、リニアのターミナル駅新設工事で受注予定業者を決定することなどで合意し、競争を制限したとされる。このうち大林組と清水建設は受注調整の事実を認め、独禁法の課徴金減免制度に基づき、公正取引委員会に違反を自主申告したとされる。課徴金減免制度は、18年の改正独禁法で導入された。談合行為を最初に申告すれば課徴金を100%、2番目50%、3番目30%とそれぞれ減免することで「自首」をうながすものだ。4社の対応が分かれたことで、業界内に「裏切り者」の声があると聞く。社会に対する本当の背信行為は、談合そのものであると認識すべきだろう、としている。

毎日新聞・社説
福島第1原発の凍土遮水壁 費用に見合う対策なのか

東京電力が、福島第1原発で土壌を凍らせ地下水の流入を防ぐ「凍土遮水壁」の効果を初めて試算した。汚染水の発生削減効果は1日約95トンで、効果は限定的だとみられる。政府と東電は、凍土壁を汚染水対策の切り札と位置付け、国費約345億円が投入された。凍結の維持にも毎年十数億円かかる。費用に見合った効果が出ているのか。政府には、しっかりと検証し、今後の汚染水対策に生かす責務がある。現状では、汚染水の発生がいつ止まるのか、分からないままだ。汚染水は「多核種除去装置」で浄化するが、放射性物質の一種のトリチウムだけは除去できない。浄化後の処理水は原発敷地内のタンクに貯蔵されており、20年度までしかタンクの増設計画は示されていない。処理水をどう処分するのかのめどが立たない限り、汚染水対策はいつ行き詰まってもおかしくない、としている。

日本中、どこも行き詰まりと嘘ばかりになってきた。こどもたちに胸を張れない、無様なオトナばかりになってしまった。律せねば。

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