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3285.報道比較2018.3.1

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強い相手を叩くには情報だ。真実を突き付けることだ。

朝日新聞・社説
憲法70年 理のない自民の9条論

自衛隊が違憲だという論争がある状態に終止符を打ちたいと首相はいう。しかし首相自身も認めるように、歴代内閣は一貫して自衛隊を合憲とし、国民の多くも支持してきた。首相はまた、自衛隊を明記してもその任務や権限は変わらないとし、自衛隊明記案が国民投票で否決されても自衛隊の合憲性は変わらないともいう。ならば改憲の必要はない。根本的な疑問に説得力ある答えを示さぬまま、しゃにむに結論を急ぐ。そんな自民党の改憲論議におよそ理はない。戦後70年にわたり、積み重ねられてきた歴代内閣の憲法解釈や国会での議論を軽んじ、「首相の願望」をかなえやすい改憲案を選ぶ。だとすれば、自民党のそうしたやり方を、責任ある憲法論議と呼ぶことは到底できない、としている。

毎日新聞・社説
自民党の9条改憲論議 どの条文案も問題がある

自民党が自衛隊の存在を憲法に明記する9条改正案の検討を進めている。所属議員から集まった条文案から、その方向性がみえてきた。この議論はもともと安倍晋三首相が昨年5月、9条1項(戦争放棄)、2項(戦力不保持)の規定を維持して自衛隊を明記する案を提起したことから始まっている。自民党憲法改正推進本部が昨年末にまとめた論点整理では、2項を削除して自衛隊を戦力と位置づける案も併記していた。今回集まった条文案は2項維持案の方が多かった。自民党内には、とりあえず自衛隊を明記した後、2項削除へ進む2段階改憲論もくすぶる。本音は9条空文化にあるのではと疑いたくなる。憲法に自衛隊を明記する首相の提起を否定するものではない。だが、自民党が検討している条文案はどれも問題があると言わねばならない、としている。

今の支持率なら憲法改正は発議さえ困難だろう。公明党どころか自民党さえ安倍氏がまとめられる可能性は低い。朝日の攻め方はうまく時流を反映している。目的もないのに形にこだわる憲法改正と見せれば、国民は支持しないだろう。それにしても風とは恐ろしい。年末には安倍政権に曇りは見えなかった。強い相手を叩くには情報だ。真実を突き付けることだ。朝日は成果を上げた。それが自らの実力なのか、他力に依存したものだったのか、自省するなら今だ。

読売新聞・社説
公務員定年延長 民間企業の動向を踏まえよ

政府は、国家公務員の定年について、現在の原則60歳から65歳まで段階的に引き上げる方針を決めた。具体的な制度を詰め、来年の通常国会への国家公務員法改正案の提出を目指す。公的年金の支給開始年齢は3年ごとに引き上げられており、2025年度から65歳になる。定年を延ばし、無収入の期間が生じないようにする狙いだ。高年齢者の活用は、官民がともに取り組まなければならない。民間企業は、年金支給までの期間をつなぐため、約8割が再雇用で対応し、定年を延長しているのは2割未満にとどまる。再雇用の方が、給与の引き下げや配置転換がしやすいとの事情がある。民間に先行する公務員の定年延長には、理解は得られまい。定年延長より、再任用の充実を優先すべきではないか。IT(情報技術)の積極的な活用により、無駄な業務を削減し、効率的な組織運営を政府全体で議論することも大切だ、としている。

政府への不満とともに公務員の心のなさにも国民の不満は高まっている。廃案になる前提で出してきたような、最悪のタイミング。読売の批判はもっともだ。

日本経済新聞・社説
習近平政権の終わりのない強権政治

中国の元首である国家主席の任期に関して、最長でも2期10年までとしてきた制限を全て撤廃する方向が固まった。3月5日に開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で現行憲法の関連規定を改正する。あまりにも露骨である。その強権的な手法には危うさを感じる。中国は既に世界第2位の経済大国である。中国から欧州、アフリカまで陸と海でつなぐ新シルクロード経済圏構想(一帯一路)を通じて、国際的な影響力も強まりつつある。その強大な国家が開かれた方向をめざすのではなく、強権に傾斜している。習氏はこの5年間、汚職撲滅を掲げて多くの政治家、官僚、軍幹部を摘発した。国民は当初、その大胆さに喝采を送った。確かに一定の効果はあった。とはいえ強引な任期延長を見ると、「反腐敗」運動は自らの権力強化の手段にすぎなかったと言わざるをえない、としている。

他紙から2日も遅れてのトピックにしては、ずいぶん感情的で論調が批判に傾き過ぎている。日本への影響を語るならいいが、中国の政治を論じても意味は薄い。レベルが低い。

産経新聞・社説
WTO勧告 韓国は日本の魚なぜ嫌う

世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会によって、韓国の規制は「恣意的で不当な差別」と判断され、マダラやブリなど28魚種の禁輸措置解除を求めた日本の主張が認められたのだ。韓国による輸入規制を日本がWTOに提訴したのは、約3年前のことである。ようやく出された是正勧告だが、韓国は受け入れようとしていない。2審への上訴の構えだ。速やかな実現に至らなかったのは残念なことである。韓国は、拒否の理由を「国民の健康保護と安全のため」としている。「放射能に汚染された食品が食卓に上ることがないよう全力を尽くす」とも述べている。だが、冷静に考えてもらいたい。放射性物質に関する日本の食の安全確保の検査は世界的な水準でも厳格なものである。韓国は距離的に近い隣国だ。人の行き来も多い。正確な情報に接する機会が多いはずであるのに、理解に苦しむ対応である。安倍晋三首相には、WTOでの1審勝訴を機に、規制を残す相手にさらなる安全情報を発信することで、根拠を欠く不安の一掃に努めてもらいたい、としている。

先行した読売の話では、規制しているのは韓国だけではない。中国、アメリカ、EUという、さらに大きなマーケットが規制している。ならば韓国だけを批判するのがおかしい。いつもの産経のバイアスが不愉快だ。

人民網日本語版
中国の自動運転車が今年中にも量産化 (2018.2.28)

バルセロナで開催中の携帯通信関連見本市「モバイル・ワールド・コングレス2018」において、ファーウェイのスマホで操縦するポルシェのスポーツカーが、各国メディアから注目を集めた。この自動運転車は走行中、突如現れる自転車や犬を回避することもできる。本大会において、自動運転は5Gと密接に関連することから、各社の展示の見どころになった。ZTEも会場でクアルコムと事業提携して次世代車用通信網の構築を促すと発表した。百度は昨年末、雄安新区で世界トップのスマート移動都市を構築すると宣言した。これはまた「中国で初めて信号機と渋滞のない、先進的なスマート交通管理システムを持つ、交通管理部門の大量の人員による管理を必要としない都市になる可能性がある」という。科技日報の調べによると、その自動運転車は現在、北京市の亦荘開発区や未来科学城、稻香湖などで路上実験中で、2020年までに高速道路と市街地の道路で自動運転を実現する見通しだ。公式情報によると、百度は金龍客車と事業提携しており、今年中に中国初の自動運転循環マイクロバスを量産化させる予定だ。百度は今後2年に渡り、北京汽車や江淮汽車、奇瑞汽車と事業提携し、量産化させる予定だ、としている。

興味深い。渋滞がないのは判るが、信号機なしとは、どうやって交通を制御するのだろう?人間や自転車はいつでも交差点を渡れる?それならすばらしい。果たしてこの技術はグローバルに展開できるのだろうか?

Wall Street Journal
パウエル時代の金融市場、荒い動きが「新常態」か (2018.3.1)

ジェローム・パウエル新議長が27日、下院金融サービス委員会で米経済について明るい見方を示すと、米株式市場は売り一色となった。S&P500種指数は1.2%下落してその日の取引を終える一方、米10年債利回りは跳ね上がり、直近の高水準に再び迫った。新FRB議長が就任すれば市場の変動が大きくなるという現象はよく知られている。パウエル氏が任期満了を迎えるまでの今後3年11カ月に株式市場がどのような動きを見せるは推し量ることは不可能だ。だが、パウエル氏が前任のジャネット・イエレン氏よりも多くのボラティリティーを目にする可能性はかなり高そうだ。イエレン議長時代には、市場は極めて穏やかだった。パウエル氏は市場のボラティリティー増大を静観する構えを見せた。米経済は市場の急激な変動に対応できるほど力強いとの考えからだ。今月の相場急落を巡って、パウエル氏はこう答えている。「現時点で、こうした市場動向が経済活動や労働市場、インフレに関する見通しにとって、大きな足かせとなっているとはみていない」パウエル氏の登板は金融政策の新たな時代の到来を告げている。そして、市場にも新たな時代をもたらすかもしれない、としている。

昨日にひきつづき、パウエル氏の話題。私はパウエル氏の懸念は能力ではなく、ホワイトハウスへの忠誠心だと思う。

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