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3284.報道比較2018.2.28

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安倍政権がフリーランスを保護して減税まで盛り込もうとした時、私は完全にペテンがはじまったと感じた。裁量労働を盛り込み、稼げる人は減税も含めてフリーランスがおトクという論理をつくろうとしたのだろう。フリーランスを志す人たちは、何をすべきか?私はユニオンを作るべきだと思う。気軽につながれる時代だからこそ。

日本経済新聞・社説
フリーランスで働く人の支援を多面的に

個人で企業から仕事を請け負う「フリーランス」の人たちが、不利な取引条件を押しつけられるのを防ぐため、公正取引委員会はどんな場合に独占禁止法が適用されるかを整理して公表した。公取委の有識者検討会が、IT(情報技術)分野の技術者や翻訳者など雇用契約を結ばずに働く人と企業との取引について、問題のある事例を報告書にまとめた。独禁法を労働分野に適用する際の事実上の指針になる。たとえば企業が過度な秘密保持契約を課し、これを盾に他社との契約を制限することは独禁法上の問題があるとした。ソフトウエアなどの成果物の転用を不当に制限すれば、「優越的地位の乱用」にあたる恐れがあるとしている。業務ごとに最低額を設けて保障するという考え方もある。しかし仕事の内容は多様で、人によって出来栄えも異なるため、最低報酬の設定はかなり難しい。やはり能力開発の強化が現実的だろう。フリーランスは雇用保険や労災保険の対象外というハンディもある。現在は様々な制度が企業に勤めることを前提にできている。働き方を問わず、使いやすい仕組みに改めていく努力も求められる、としている。

毎日新聞・社説
裁量労働制が問うもの 実態に応じた区分が必要

国会論議では厚生労働省の調査結果で不自然なデータが存在していることに多くの時間が費やされている。厚労省のずさんなデータ処理は年金記録でも露呈しており、その無責任さには改めてあきれる。裁量労働とは、実際の労働時間に関係なく、労働者と使用者が定めた「みなし時間」だけ働いたことにして賃金を支払う制度だ。デザイナーやメディア関係などの「専門業務型」、企業活動の企画・立案や調査を行う「企画業務型」がある。だ、注意しないといけないのは、企業が残業代を削るために、本来適用対象ではない社員にまで裁量労働の枠を広げてしまうことだ。実際、ゲーム開発やデザイン関係の業界で、裁量労働制を適用された若い社員が残業代なしの長時間労働を強いられる例が相次いでいる。労組と経営側で構成される労使委員会が具体的な対象者や「みなし労働時間」について決めることになっている。健康確保策も同委員会に委ねられるが、どこまでチェック機能が働くかは疑問だ、としている。

私にもフリーランスの経験がある。今もしばしばフリーランスの業務を請ける。委託側のメリットも考えて思うのは、労働の視点にならなければ、価格と価値の競争が行われているうちは、適性な商取引が行われている気がする。大きな仕事になる時、非常にユニークな取り組みになる時は、発注側もある程度の拘束条件を設定するのは理解できる。その分の価格プレミアムか、長期安定を得られるか。これは、フリーランスでも非正規でも、自らの実力と生産する価値に自信があれば、交渉可能な条件だと思う。私はそれをしてビジネスを失ったことはない。また、この契約は通常、永遠ではない。ここを誤解すると、フリーランスは将来、路頭に迷う。クライアントは冷徹だ。拘束しながら、他のベンダーの提案にはドアを開けている。それを不公平だとは、私は思わない。メリットを得られる間に、さらに価値を高めるか、コストを下げるか、新たな能力を身に付けるか。安定を得た瞬間に次のリスクを取らなければ、フリーランスでも非正規でも、やがて行き詰まる。この努力は、社員の立場ではする必要がない代わりに、スキル・パスを自らでは選択できない。どちらがハッピーかは、人それぞれだと思う。
発注側が強権と思えるのは、これよりも支払いサイトや値引き交渉だろう。これらは、私の経験では、発注元のクライアントより、仲介するエージェントやチームでトラブルになりやすい。下請法も知らずに支払いサイトを延ばすような相手は、必ず経営状況をウォッチしつづけた方がいい。仲介者の支払いサイトが、発注元の支払いサイトより長いなら、リスク・テイクどころかリスク回避している。価値を生むよりは食い潰しているわけだ。持ち逃げされる確率も高い。そんなエージェントが価値を生める気がしない。
私はこれらを、体験とともに学んだが、システムとして教えてくれる場所があれば、もっとフリーランスとして挑戦する人が増えるなら、誰かが担うのも良い気がする。ただ、おそらく国家ではないし、成功したフリーランスでもない。専門学校や大学はあり得るが、守られている環境での教育がどれくらい機能するかは微妙だ。海外では、これをインターンやMBAで学ばせる。何よりも、小さい頃から体験で生き残ること、挑戦すること、個と集団のバランスを教えられる。数か月教えられて体得できる能力としては、範囲が広いし、法が守ってくれる範囲も限定的だ。
安倍政権がフリーランスを保護して減税まで盛り込もうとした時、私は完全にペテンがはじまったと感じた。裁量労働を盛り込み、稼げる人は減税も含めてフリーランスがおトクという論理をつくろうとしたのだろう。保険・クルマ・住宅の販売、コンサルタント、ゲームや映画のような成功が見えない領域の制作者、工場のエンジニア、金融関係者…彼らは、会社が出来高制に切り替えたい職種だ。出来高にできれば雇用で失う固定費を減らし、不発に終わったビジネスの失敗の痛みを軽減できる。彼らをフリーランスにしたい願望は強いだろう。フリーランスを志す人たちは、何をすべきか?私はユニオンを作るべきだと思う。同業他社のライバルと協会を企業が作るように、普段はライバルの同業フリーランスと、時として手を組む。会社の思惑に抗うノウハウを共有する。日本にこれらの取り組みは非常に少ない。活性化を期待する。

朝日新聞・社説
カジノ法案 依存症対策が先決だ

政府はカジノの具体的な制度を定める統合型リゾート(IR)実施法案の作成を進めている。先頃、方針が与党に示されたが、依存症への対策が不十分で、強い懸念を抱く。案によると、日本人や日本在住の外国人の入場を「連続する7日間に3回」かつ「(同)28日間で10回」までに制限、入場料は2千円とするという。週に3回なら十分に頻繁といえる。2千円が利用抑止につながるのかも疑問だ。内閣府の外局としておかれる「カジノ管理委員会」の機能にも、懸念がぬぐえない。委員会はカジノの適正な運用を管理し、業者と反社会的勢力とのつながりの有無などを調べる。違反があれば改善命令も出す。新組織にこれだけの業務を担えるのか。省庁を新設するほどのことなのに、警察や他省の協力、メンバー構成など、詰めるべき点はあまりに多い。与党はIR実施法案とは別に、借金や家庭崩壊につながるギャンブルへの依存を広く予防し、回復を促すための依存症対策基本法案を国会に提出。野党も似た趣旨の法案を出している。こちらをじっくり審議することが先決ではないか、としている。

カジノにも安倍氏の意向が?との疑念で、ひとつでも出てくれば進捗は止まる。出てこないはずがない。朝日がすべきは取材だ。

産経新聞・社説
「3・11」を前に 避難行動の実践と継承を

東日本大震災から、7年になる。鎮魂の日である3月11日を迎える前に、津波の恐ろしさと避難の大切さを再確認したい。津波から命を守る手段は避難しかない。予測の精度や災害時の情報の混乱に左右されることなく、「とにかく逃げる」という意識を持ち続けることが大切だ。避難行動を実践、継承するために、津波警報や注意報が出たら全員が避難することを地域や自治体の取り決めとし、避難の必要がなければ後で「臨時避難訓練」と位置づけてはどうだろう。「無駄」「大げさ」といった負のイメージを持たず、自らの意思で避難することが大事だ。高齢者や障害者の把握など、地域防災の課題を確認する機会にもなる。大震災では、昭和のチリ地震津波の記憶から高台への避難を急ぎ、命が助かった人もいる。「迷わず逃げる」意識と行動を、次世代に引き継ぎたい、としている。

読売新聞・社説
「北」の対話攻勢 非核化の意思をまず見極めよ

平昌五輪で訪韓した北朝鮮の金英哲・朝鮮労働党副委員長が、韓国の文在寅大統領と会談し、「米国との対話を行う十分な用意がある」と表明した。文氏も米朝接触への期待を示した。北朝鮮は韓国に加え、米国の取り込みを図り、対話局面の演出に力を入れる。緊張を和らげ、米国から攻撃される可能性の低減と制裁緩和を目指しているのは間違いない。核ミサイルの完成に向けた時間稼ぎの思惑も垣間見える。北朝鮮が非核化の明確な意思を見せることが、本格協議の前提条件となろう。米国は、予備的な接触を行う場合、非核化の達成まで軍事面を含めた最大限の圧力を維持する方針を伝えるべきだ。トランプ政権は、海上密輸に関与した海運、貿易会社などに、米ドル建ての国際取引を停止するなどの新たな独自制裁を科した。北朝鮮や中国、シンガポールなどの貨物船28隻も対象となった。ロシアに対しても、国際包囲網に協力するよう、日米などは働きかけを強める必要がある、としている。

国難と外交は、国内政治のまずさから目を反らす常套手段だが、安倍政権は北朝鮮外交でも失点。3.11も評価を上げられる取り組みには至っていない。産経の主張が、なぜこのタイミングで行われたのか、意味不明だ。話題に困るほど世界は凪いでいない。むしろ国内政治はボロボロで政権は防戦に終始している。産経は政権への逆風を話題にしたくないようだ。

人民網日本語版
中国の60歳以上の高齢者人口が総人口の17.3%を占める2億4100万人に (2018.2.27)

全国老齢工作委員会弁公室(老齢弁)が26日に開いた「人口高齢化国情教育」に関する記者会見において、2017年末時点で、中国の60歳以上の高齢者人口は2億4100万人で総人口の17.3%を占めることが明らかになった。60歳以上の高齢者が総人口の10%以上を占める段階になると、「高齢者社会」への突入を意味すると一般的にとらえられている。全国老齢弁の呉玉韶・副主任は、「中国が高齢化社会に入った1999年から2017年までに、高齢者人口は1億1千万人増加した。このうち、2017年に新たに高齢者の仲間入りをした人が、初めて1千万人を上回った。2050年ごろまでには、中国の高齢者人口は4億8700万人のピークに達すると予想され、総人口の34.9%を占めるまでとなるだろう」とした、としている。

日本の総人口の倍の高齢者を抱える中国。日本以上のスピードで高齢化が進行する。中国が高齢化をどう乗り越えるのか、興味深い。今の状況では、もう日本が中国に学ぶ時代だろう。日本では暗い話題と捉えられる高齢化を、中国はどう解決していくだろうか?

Wall Street Journal
パウエルFRB議長、段階的な利上げ継続へ=議会証言 (2018.2.28)

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は27日の議会証言用原稿で、成長やインフレが加速する中で経済のバランスを保つため、引き続き短期金利を段階的に引き上げていく過程にあると述べた。パウエル氏は、米経済が順調な成長を遂げるという明るい見通しを抱いている。好調な労働市場が個人消費を支えるほか、企業が設備投資に対する自信を深め、生産性が押し上げられるの見方だ。海外の成長加速も米国の輸出を押し上げ、「米国の製造業に相当な支えを提供している」と述べた。最近の金融市場の混乱を巡っては、「現時点では、経済活動や労働市場、インフレに関する見通しを大きく下押しするような動きだとは見ていない」と楽観的な見方を示したほか、金融安定に対する「リスクは多くみても控えめ」と述べた。2%のインフレ目標についても擁護する立場を示唆した。下院金融サービス委員会のジェブ・ヘンサーリング委員長(共和、テキサス州)からの質問に対し、「その枠組みは機能しており、市場はこれを理解している」と答えた、としている。

まだFRBは震源地にはなっていない。トランプ氏に従順に見えるパウエル氏がリーダーのいま、なるべくFRBが無視される方が都合がいい。アメリカの震源地は、いまはホワイトハウスだ。

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