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3282.報道比較2018.2.26

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防衛費を語れる雰囲気はゼロ。北朝鮮問題が安定しているのが救い?勝手に盛り上げていたのは安倍政権だ。彼らがしゃべるチャンスを失ったら、どれだけ北朝鮮リスクが小さいかも再認識できる。

Wall Street Journal
債券利回り上昇が株の悪材料に変わるとき (2018.2.23)

まずは潜在的な朗報から。債券投資家はようやく、実体経済の成長加速と長期見通しの改善を見込み始めたようだ。米国の減税が主にインフレ高進をもたらすと考えていた以前とは一変した。今月は投資家が10年債の実質利回りを押し上げた一方、インフレ期待はついに上昇が止まった。生産性向上への投資が増えることで、労働市場の逼迫がインフレを引き起こす可能性は低いと債券市場は見込んでいるようだ。バンクオブアメリカ・メリルリンチ(BAML)のアナリストらは、株にとっての「スイートスポット」は10年債利回りが1~3%の範囲だと話す。それを超えると、株の懸念材料になりそうだという。投資家は細か過ぎる数字にはとらわれるべきではない。転換点はそもそも不確かであり、経済に対する見方の変化につれて変わるからだ。それに比べて確かなのは構造の変化が進んでいることだ。過去数年、投資家は非常にバリュエーションが高い株を買う際、債券はさらに悪いようだと言って正当化した。米国債の利回り上昇につれ、割高な株の魅力は色あせるだろう。企業が魅力を維持するには、大幅な増益の見通しが必要になる。債券利回り上昇と違って、それは実現すればするほど株主にとっては良い、としている。

朝日新聞・社説
鉄鋼輸入制限 米国は発動を自制せよ

世界一の経済大国が一方的に高関税をかけるようなことをすれば、混乱は必至だ。相手国が報復措置をとり、貿易戦争にもなりかねない。日本は欧州と連携して、米国に輸入制限を自制するよう強く求めるべきだ。今回の措置は、米通商拡大法232条に基づき、ロス商務長官がトランプ大統領に提案した。鉄鋼については、中国など12カ国を対象に最低53%の高関税をかける案や、すべての国に追加関税をかけたり、すべての国からの輸入量を制限したりする案を示した。今回の措置は政治的なパフォーマンスにとどまらず、実害を伴う。輸入制限を発動すれば、米国の主な輸入先であるブラジル、韓国などに打撃を与え、日本やドイツにも影響する可能性がある。中国の過剰生産への対応は、すでにG20などで協議し、中国も協力する姿勢を示している。いま、米国がなすべきことは、鉄鋼市場の安定に向けた国際協調を主導することだ、としている。

Wall Street Journalを含め、経済紙は今年に入ってからのボラティリティに脅えている。揺れる理由を投資家が探り、探る理由で動くからマーケットがまた揺れる。今のアメリカは、さらに大統領が揺れを助長する。半分は意図的に、もう半分は感情で。どこかでアメリカ経済はトランプ氏の感情で大きな痛手を被ると思う。いまのアメリカなら、それでも投資家を惹きつける魅力を秘めている。だが、永遠でも完全でもない。ただの借金王になるか、基軸通貨さえツールに使って世界を牽引する超大国になれるかは、やはり成長にかかっている。成長。トランプ氏の口から聞いた記憶はない。彼が求めているのは雇用とアメリカ・ファースト。競争とイノベーションからはずいぶんと距離がある。

毎日新聞・社説
防衛費めぐる予算審議 低調な安保論議を危ぶむ

国会での防衛費をめぐる論議が低調だ。来年度予算案は今週衆院を通過する見通しだが、このままでは安保論議が置き去りになってしまう。例えば、北朝鮮の核・ミサイルに対抗して整備する陸上配備型ミサイル防衛「イージス・アショア」だ。2基で約2000億円に上るシステムだ。費用対効果の議論は欠かせないが、踏み込んだ質疑はない。米国からこうした最新鋭装備を購入する際には有償軍事援助(FMS)という契約方式で調達する。とりわけ、疑問なのは、長射程の巡航ミサイル導入をめぐる議論が深まっていないことだ。防衛省は中国の海洋進出を念頭に離島防衛を強化するというが、北朝鮮に届く巡航ミサイルも整備する。どんな防衛力を整備し、専守防衛との整合性はとれているかは、予算審議を通じて国会が判断するしかない。論点を並べ、徹底した議論をする責任を国会議員は自覚すべきだ、としている。

この時期は、まだ議論ができる環境が国会にあったようだ。オリンピック後、国会は完全に政府が防戦するだけの場になった。議論が進まないのは自業自得。総辞職も建設的に考えれば悪くない選択肢というところまで追いつめられている。防衛費を語れる雰囲気はゼロだ。北朝鮮問題が安定しているのが救い?勝手に盛り上げていたのは安倍政権だ。彼らがしゃべるチャンスを失ったら、どれだけ北朝鮮リスクが小さいかも再認識できる。

日本経済新聞・社説
多様性に富む取締役会で経営に強さを

望ましい企業統治のあり方を示す「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)の改訂に向けた議論が進んでいる。投資家など外部の声を経営に反映させ、企業の競争力を中期的に高めていくのが狙いだ。最重点の1つが、社外取締役の選任をさらに促すことだ。現在の指針が定める「2人以上」の目標を「3分の1以上」に改める見通しという。現状では社外取締役の候補者が不足気味との指摘も強い。企業経営者でつくる民間組織、日本取締役協会などが中心となり、取締役候補者の登録やあっせんといった取り組みをいっそう強める必要がある。さらに、取締役会メンバーの顔ぶれを多彩にする努力も重要になってくる。社外取締役の候補を女性や外国人などに広げれば、選択肢はぐっと広がる。多様性に富む取締役会は異なる視点が経営に反映されるため、偏った集団思考に組織が陥るのを防ぎやすいとされる。企業が環境の変化に適応する強さを得ることにもつながるはずだ、としている。

社外取締役の話が、徐々に日本の悪いパターンになりつつある。ルールで決まったからなり手を探す、仲良しクラブのような、名前だけの社外取締役が増えていく。役にも立たない社外取締役が増えて、不祥事が起きた時にまた法改正議論になる。問題意識のある会社なら、自らルールを決めて取り組む話だ。法があれば日本への投資が集まる目論みだろうが、不透明な日本企業の文化が強まるなら、結果は望みとは逆の結末を迎えることになる。日経の主張は理想論のように見えて、問題を複雑にしているだけだ。

読売新聞・社説
リチウム電池 安全性の向上が欠かせない

スマートフォンなどの電子機器のバッテリーに使われるリチウムイオン電池は、幅広い分野での活用が期待される。安全性の向上が不可欠だ。スマホ、ノートパソコン、携帯型のモバイルバッテリーで、電池が発火したり、煙を出したりする事故が増えている。経済産業省の製品評価技術基盤機構(NITE)への通報件数は、2012年度の19件から、16年度は108件と5倍になった。日本は、リチウムイオン電池や材料の技術を先導してきた。パナソニックは米テスラの電気自動車に、バッテリーを供給する。米国内に工場を建設し、増産体制を整えている。バッテリーの進歩は、安全面と利便性の両面で、電気自動車の性能向上に貢献しよう。太陽光や風力発電といった再生可能エネルギーの安定供給にも資する。世界レベルの激しい競争の中で、日本の技術力を高めていきたい、としている。

突然、リチウム電池。108件を5倍と見るが、リチウムイオン電池の市場規模はどれだけ増えただろうか?明らかにバイアスがかかっている。

産経新聞・社説
平昌五輪閉幕 東京の成功へひた走ろう

平昌冬季五輪が閉幕した。次は2年後、東京夏季五輪である。東京の成功に向け、平昌の教訓と反省を生かしたい。当初は大会の盛り上がりが懸念されたが、特に日本国内では羽生結弦、小平奈緒、高木姉妹らの金メダルや、高梨沙羅、カーリング選手らの泣き笑いが感動を呼んだ。やはり主役は選手である。東京五輪でも、その成否は日本選手の活躍が鍵を握る。大会の最大の痛恨事は、北朝鮮の外交攻勢に翻弄されたことである。核・ミサイル開発をめぐって国際的に孤立する北朝鮮は、五輪を好機と韓国にすり寄り、韓国も諾々とこれを受け入れた。あろうことか、国際オリンピック委員会(IOC)が、これを助長した。象徴的だったのは、大会直前に結成されたアイスホッケー女子の南北合同チームである。ヒトラーのベルリン五輪、ボイコットの応酬となったモスクワ、ロサンゼルス両大会のように、五輪は政治と無縁ではいられない。だからこそ、理想を高く掲げ、干渉を排除する努力が欠かせない。東京が、平昌の二の舞いを演じてはならない、としている。

産経が見ると、オリンピックもこんなに政治的に見えるのかと不愉快になる。誘致さえ政治も絡んだ賄賂疑惑が騒がれる東京オリンピックで、産経は修正主義そのもののような主張をしている。せめてブラジルのような経済的に破滅するような結果にはしないで欲しい。

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