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3275.報道比較2018.2.19

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3紙が異なる話題で法整備を説いているが、どれも道半ば。政府がリーダーシップを取っている気配もない。末期症状の見える安倍政権が、これらの課題を解決できる可能性は低い。結局、何ひとつ課題を解決しない内閣になるのか?

朝日新聞・社説
新出生前診断 妊婦を支える態勢を

日本産科婦人科学会は、13年に始めた新型出生前診断の臨床研究を終える方針を固めた。その後は、手続きが簡単な一般診療として実施される。妊婦の血液を採取し、染色体異常を調べるこの検査には、十分な理解を欠いたまま中絶する人が増え、命の選別につながりかねないといった懸念が、以前からある。そのため、カウンセリング機能を備えた認可施設でのみ行われてきた。「障害のある子は不幸だと勝手に決めつけないでほしい」。こんな当事者たちの切実な声も大切にしたい。検査が無秩序に拡大するのは望ましくない。学会は施設要件を設けるだけでなく、随時報告を求めて状況を把握し、基準を満たした施設をホームページなどを通じて周知するべきだ。多様な「生」を認めない窮屈な世の中にしないために、どうしたらいいか。この検査が広がっていく前に、一人ひとりが考えるべき重い課題である、としている。

朝日の主張は正論なのだが、朝日が掲げる目標のための力点は、私は出産ではないと思う。障害者が生きにくい日本の社会構造がおかしいのであって、障害者でも気楽に生きられる社会は、世界にはいくつもある。日本の冷たさが現れている。間違っているのはテクノロジーではない。

毎日新聞・社説
ロシア大統領選まで1カ月 選択肢なき選挙の危うさ

通算4期目を目指すプーチン大統領の再選は確実だ。直近の世論調査では国民の約70%が支持している。経済は低迷し、国民の不満は高まっている。政権は打開への処方箋を示していない。それなのに、プーチン氏の人気は高い。国や国営企業が資本を握る主要テレビ局は、プーチン氏を批判する声は伝えない。大衆紙は愛国心をあおって政権を支える。その中で若者を中心とする不満層の支持を集めてきたのが、ウェブサイトやソーシャルメディアで政権批判を発信するブロガーのナワリヌイ氏だった。だが過去の横領事件で有罪判決を受けたため、今回は規定で立候補を認められなかった。欧州人権裁判所はこの判決の正当性に疑いを投げかけている。批判の受け皿を認めない政治体制は独善に陥りやすく、強権政治になる。それを維持するために反対派を排除すれば、さらに国民の閉塞感は強まる。当選すれば2024年まで政権を担うことになるプーチン氏だが、今後6年間で何を目指すのかビジョンを示していない。ロシアの行方が危ぶまれる中での大統領選となる、としている。

日本にも同じ風景ができあがっている。毎日が批判すべきはロシアだろうか?

産経新聞・社説
専守防衛 国民守れぬ戦略は見直せ

首相は14日の衆院予算委員会で「専守防衛は純粋に防衛戦略として考えれば大変厳しい」と語った。「相手からの第一撃を事実上甘受し、国土が戦場になりかねないもの」という認識からである。相手から攻撃されたとき初めて日本が防衛力を行使し、整備する防衛力は自衛のため必要最小限に限るというのが専守防衛だ。これにこだわれば、有事の際、国民や自衛隊員の犠牲をいたずらに増やしてしまう。先の大戦でとらなかった「本土決戦」にも等しい誤った戦略である。憲法のどこにも専守防衛をとるとは書いていない。国民や自衛隊員の命を守ることではなく、日本を弱くする点に重きを置くおかしな憲法解釈の弊害である。首相が専守防衛に言及したのは、長距離巡航ミサイルの導入方針に対して「専守防衛違反」という批判が出ていることに反論するためだった。国民を守りきれない戦略を見直し、侵略国に対する一定の反撃力を自らもつ「積極防衛」に転じるときにきている、としている。

日本経済新聞・社説
再エネの自立に向けてコスト低減を急げ

大切なのは火力など他の発電方法なみのコストを早期に実現し、再エネの自立を急ぐことだ。経済産業省の有識者委員会は、再エネの固定価格買い取り制度に基づく事業用の太陽光発電の買い取り価格を、2018年度は1キロワット時あたり18円とする案をまとめた。約14%の引き下げとなる。電気料金に上乗せされる再エネの負担金は標準家庭で年間約8200円と、制度開始前と比べて電気料金を1割以上押し上げた。再エネが増えてもコストの高止まりが続けば、消費者の負担は膨らみ続ける。17年の国民負担は約2兆円。30年までの負担総額は約44兆円との試算もある。経産省によれば日本の太陽光の発電設備は欧州に比べ1.7倍、工事費は2倍高い。太陽光パネルは国際的に流通するものを使っているので、流通コストや建設工法に改善の余地がうかがえる。日本の再エネは太陽光が先行している。風力や地熱、中小水力などのコスト低減も同時に探り、多様な再エネをバランス良く伸ばしていかなくてはならない、としている。

読売新聞・社説
相続法改正要綱 残された配偶者守る手立てに

法制審議会が遺産相続に関する民法改正の要綱を上川法相に答申した。残された高齢の配偶者の暮らしを守ることに、最大の狙いがある。政府は今国会に民法改正案を提出する方針だ。柱の一つは、自宅に住み続けられる「配偶者居住権」の創設だ。配偶者のみに認められ、遺産分割時の取り分として選択できる。配偶者と死別した後の一人暮らしが長期に及ぶ高齢者も目立つ。住まいや生活資金を確保しやすくする意義は大きい。答申は、相続人以外の親族にも配慮した。介護などに尽力していれば、応分の金銭を相続人に請求できるようにする。ヘルパーに介護を依頼した場合の費用などを基に、額を算定することになる。今回の見直しで対象となる配偶者は、法的に結婚している人に限られる。法律婚に立脚した相続制度が社会に根付いている実情に照らせば、その土台を維持することは、うなずける。一方で、家族の形態が多様化しているのも事実である。時代の変化に対応できる相続制度の検討が、今後も欠かせない、としている。

3紙が異なる話題で法整備を説いているが、どれも道半ば。政府がリーダーシップを取っている気配もない。末期症状の見える安倍政権が、これらの課題を解決できる可能性は低い。結局、何ひとつ課題を解決しない内閣になるのか?経済最優先とは、本当に虚実だった。
安倍政権は、完全に日本を断絶させた。少なくとも、日本の中に未だに安倍氏のような価値観の人が半分ほどは存在していることを示した。私は、彼らと議論さえできる自信がない。起きていることはトランプ氏が誕生したアメリカに近い。断絶は社会の効率を著しく下げる。柔和をつくれるリーダーを期待している。

Wall Street Journal
新FRB議長、市場混乱でも利上げ継続へ (2018.2.19)

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル新議長は、足元の相場の乱高下やインフレ加速の兆しはそれほど懸念しておらず、就任後も継続性を強調している。FRBは大方の予想通り、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る見込みだ。FRB幹部は、昨年インフレ率がやや下振れしても利上げ軌道を維持した経緯があり、このようなインフレ加速のデータを目にしても計画を変更する可能性は低いとみられている。またインフレが目標を大きく上回る兆候もまだ確認していない。賃金や物価が一段と速いペースで上昇する、またはバブルの兆候が出てくるような状況になれば、パウエル議長は年内と来年、一層困難な決定を余儀なくされるだろう。パウエル議長はFRBスタッフに迅速かつ非公式な分析を提供するよう促しており、長い時間を要するような徹底した分析を評価する傾向のあるFRBにおいて、一段とビジネスライクな組織文化を構築したい考えだ、としている。

きっと、パウエル氏はトランプ大統領のイヌのような存在になる。当然、好ましくない。クラッシュは事故だ。問題は、その後の再生。パウエル氏に期待できるだろうか?私はノーだ。

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