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3270.報道比較2018.2.14

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検察や財務省の中に、真実の公開を意識する公務員もいる事を信じたい。無名のヒーローの良心が、誠実さが政権を追いつめようとしている。

Wall Street Journal
北朝鮮、はかなく散った五輪外交の夢 (2018.2.13)

ドナルド・トランプ政権は北朝鮮の孤立化に励んできたが、金氏のほほえみ外交で米国と韓国の間に亀裂が走りつつあるのか。その答えは、少なくとも今のところは、ノーだ。過去に北朝鮮が提案した交渉や交換条件に飛び乗った韓国大統領は、後で北朝鮮が実質的な譲歩をしなかった時に政治的な報いを受けた。賢明で用心深い文氏は餌に食いつかなかった。訪朝の誘いを受け入れる代わりに、米国との直接対話を金政権に促したのだ。終了ブザーが鳴るまでに外交の金メダルを勝ち取ったのは文氏だった。一方の金氏は手ぶらで帰国した。文氏は金氏の訪韓と南北雪解けの兆しで政治的な評価を高めながら、世間知らずあるいは熱心すぎると見られて反発を受ける事態を避けた。また、韓国を軽く見てはいけないことを米国に思い出させた。韓国政府の支援がなければ、トランプ政権の対北朝鮮政策は持続できないのだ。北朝鮮の非核化はそれほど難しい取り組みだ。取り組みが無駄だとか取り組むべきではないと言っているのではない。外交が首脳会談を視野に入れないまま一連の小さなステップを踏むことを意味する場合もある。忍耐強く上り坂を進むうちに、新しい道筋が現れる――そして新たな選択を余儀なくされることもあろう、としている。

人民網日本語版
朝鮮半島の「相互停止」状態を大切に (2018.2.13)

韓国大統領府は10日、朝鮮の最高指導者・金正恩氏の特使である金与正朝鮮労働党中央委員会第1副部長から文在寅大統領に対し、訪朝に招待する旨、伝えられたことを明らかにした。平昌冬季五輪を契機とした朝韓の前向きな連動が最近注目されている。中国は朝鮮半島最大の近隣国として明確に朝韓の接触・対話を支持するとともに、北南関係の改善を支持し、現在の緩和基調が続くようにするよう国際社会に呼びかけた。これは朝鮮半島の非核化実現、対話と協議による問題解決、朝鮮半島及び地域の平和・安定維持の堅持という一貫した立場の延長線上にある。懸念されるのは、特定の大国が対話の扉を閉ざそうとしていることだ。米国は韓国が朝韓関係の修復を推し進めることを問題視し、朝鮮が冬季五輪を「手玉に取る」ことに警戒する必要性を公言している。朝米は過去において朝鮮半島核問題解決の重要なチャンスを何度か逸した。現在、朝鮮半島情勢は複雑かつ敏感で、摩擦や衝突が複雑に錯綜している。朝韓関係の緩和は得難く、本来この勢いを大切にし、維持して、交渉再開を各者に促すべきだ。中国は対話の扉を開くことを支持しており、各者が同じ方向に向かうことがなおさらに必要だ、としている。

日本経済新聞・社説
南北首脳会談は非核化の進展が前提だ

平昌冬季五輪をきっかけに韓国と北朝鮮が急接近し、南北首脳会談の開催案まで議題に上り始めている。北朝鮮が核・ミサイル開発を続ける中での南北融和には懸念を拭えない。与正氏は文在寅大統領との会談で金委員長の親書を手渡すとともに、南北首脳会談を開く用意があるとして「都合のいい時に来て下さい」と訪朝を招請した。文大統領は「これから条件を整えて実現していこう」と返答し、米朝対話にも積極的に取り組むよう求めた。南北首脳会談が米朝対話、さらには北朝鮮の非核化進展に寄与しなければ意味がない。核・ミサイル問題を棚上げして南北関係改善を進めても緊張緩和は一時的で、北朝鮮によって核開発の時間稼ぎに利用されるだけだ。韓国は北朝鮮のペースに乗せられず、日米と協調しながら慎重に南北協議を進めるべきだ、としている。

Wall Street Journalが対話の可能性を全否定しているのを見ると、この時期のアメリカの政府関係者、そのリークを受けて記事を書くジャーナリストは、米朝首脳会談など想定さえしていない。北朝鮮には提案する権利さえない印象だ。この後、誰が何をしたのか?人民網の書く筋書きが、1か月後に私たちが見ている景色に最も近いのは偶然だろうか?中国とアメリカには、統一後の朝鮮半島の利害への合意が形成されつつあるように感じる。その構想に北朝鮮と韓国が乗れるなら、話は急速に進む。経済制裁が効果を示しているというだけの理由だけで、米朝首脳会談など実現しない。ということは、日本の孤立も既定路線にあるということだろうか?

朝日新聞・社説
森友問題 佐川氏招致は不可欠だ

森友学園への国有地売却問題を、野党がきのうの衆院予算委員会で改めてただした。焦点は、昨年の通常国会で、学園との交渉記録を「すべて廃棄した」と繰り返した財務省の佐川宣寿・前理財局長(現国税庁長官)の答弁の正当性だ。佐川氏はなぜ国会で、国民を欺くような答弁を重ねたのか。財務省の組織ぐるみでの情報隠蔽はなかったのか。真相解明には佐川氏本人を国会に呼び、説明を求めることが不可欠だ。理財局長は国民共有の財産を管理し、処分する責任者だ。佐川氏はその理財局長としての答弁の適正性が疑われている。さらにいまは納税者に向き合う徴税組織のトップ、国税庁長官である。行政が公平・公正に行われているか。国民の「知る権利」にこたえようとしているか。麻生氏はもちろん、安倍首相をはじめ政権全体の姿勢が問われている、としている。

昨日の毎日に瓜二つ。この後、朝日は強烈なスクープを放つが、この時期、まだその情報は手にした形跡はない。まるで朝日新聞は代わり映えのしない姿勢のままだ。検察や財務省の中に、真実の公開を意識する公務員もいる事を信じたい。無名のヒーローの良心が、誠実さが政権を追いつめようとしている。応援したい。

産経新聞・社説
日本選手と薬物 摂取経緯を徹底調査せよ

スピードスケート・ショートトラック男子代表の斎藤慧がドーピング検査で禁止物質「アセタゾラミド」に陽性反応を示し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の反ドーピング部門は暫定で資格停止処分とした。斎藤はすでに選手村を退去した。違反が確定すれば、冬季五輪の日本勢では史上初となる。ドーピング問題における高潔、クリーンさは日本スポーツ界の誇りだったはずだが、もはやそうした評価にあぐらをかける状況にない。利尿作用がある「アセタゾラミド」は、筋肉増強剤の使用を隠す場合に使用されることがあり、禁止指定の薬物としては、よく知られた存在である。斎藤も無意識に摂取することがないよう、処方される薬は事前に専門家に相談し、日常の食事や飲み物にも気をつけていたという。CASは審理手続きを継続し、平昌大会の終了後に最終的な裁定結果を出す。東京五輪招致に際しては、ドーピング問題での日本のクリーンさが強調され、開催決定の決め手ともなった。胸を張って大会を迎えられるよう、調査に力を尽くしてほしい、としている。

毎日新聞・社説
公用電子メールの管理 自動廃棄では検証できぬ

公用メールを中央省庁が自動廃棄している実態が、野党議員の質問主意書に対する政府の答弁書で明らかになった。財務省は2009年から送受信の60日後に廃棄していた。公文書管理法と情報公開法は、職員が職務上作成し、組織的に用いるために保有する公文書の適正な管理や公開を義務付けている。メールなどの電子情報も公文書に含まれる。管理法に基づく文書管理のガイドライン(指針)は、行政の意思決定の跡付けや検証のために文書を作成することを求めている。公文書は原則、1年以上保存される。公文書は「国民共有の知的資源」である。各府省は4月の施行を目指し、記録を安易に廃棄しないよう改正されたガイドラインに沿い、文書管理規則を作ることになっている。安倍晋三首相は公用メールを巡る保存と公開のルール作りにも本腰を入れ、公文書管理を先導すべきだ、としている。

読売新聞・社説
認知症受刑者 検査を再犯防止につなげたい

法務省が新年度から、刑務所に新たに入所する60歳以上の受刑者に対して、認知症の検査を義務付ける。主要8か所の刑務所が対象だ。近年、受刑者の高齢化が進む。2016年に入所した65歳以上の受刑者は約2500人に上った。高齢者率は12%を超えた。この制度を利用して、介護施設や医療機関などに身を寄せた出所者が刑務所に戻る率は、利用しない人に比べて格段に低い。再犯を抑止し、治安を守る観点から、入所時の認知症チェックは必要な措置だろう。特別調整制度に基づく支援対象から漏れる認知症受刑者を、可能な限り減らすことが大切である。検察庁は、軽微な罪を犯した高齢者らを起訴猶予などで釈放する際に、住居の確保を支援する取り組みを進めている。問題は、受け皿の施設が不足していることだ。法務・検察は、厚生労働省や自治体、福祉施設などとの連携を強化し、協力先を増やすよう努めるべきだ。司法全体で、罪を犯す認知症の人への対応を考えたい、としている。

毎日は現在の政権と行政の姿勢を批判したい意味の社説だろうが、産経と読売は完全に政府の汚点から距離を置こうと必死だ。年始に変わったかに見えた読売のニュートラルな姿勢は、すでに見られない。どれだけ論点を反らそうとしても、1年経っても忘れられない疑念が消えることはないのは当然だ。選挙圧勝、高支持率は、追求をかわす道具にはならない。

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